家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第9章 祟り神
第79話 行方不明だ


 今、俺たちは。

 木見北市の繁華街を、アリスと共に足早に歩いていた。

 周囲には呑み屋とか、エロっぽい店の看板とか。

 

 そういうものが並んでる。

 

 ……アリスのシド察知能力を頼りに、シドの気配を追うためだ。

 

 スルトとの戦いでアリスの力がシドに通用することを確信した今、晶の魂を取り戻すチャンスを逃すわけにはいかないだろ。

 タイムリミットが近づいてる。もう目の前だ。

 焦りが胸を締め付けてくる。

 

「なぁアリス、ネビロスの気配は感じないか?」

 

 ……そしてかれこれ、4日は経ってる。

 焦りが募る。

 

 アリスならネビロスを探知できる。

 そしてネビロスはシドと契約しているから、それはシドの探知と同義だ。

 

 起死回生、救いの手、蜘蛛の糸だと思ったのに……

 

 アリスは首を左右に振る。

 

「黒おじさんがどこにいるか全然わかんないよ」

 

 ごめんねお兄ちゃん。

 そう言ってアリスが申し訳ないという表情で詫びて来る。

 

 俺の仲魔なのだから、契約主の要望に応えられなかったことに詫びを入れるのは普通のことなんだけど。

 一応、一緒に行動している志乃がアリスの頭を撫でた。

 

 撫でながら

 

「……ということは。この街にシドは居ないってことなのかな?」

 

 そんな絶望的なことを言う。

 俺は呻いた。

 

「それはメチャクチャマズいんだが……!?」

 

 この街に居ないならどうやって探すのさ?

 日本全国とか、無茶だろ……!

 

 いや、世界かもしれないよな……!

 

 心が震え、絶望の未来が目に浮かぶ。

 晶を救うことが出来ない……!

 

 なんとかならないのか……?

 

 しかしそのとき

 

「でもさ」

 

 焦り、髪を掻き毟る俺に、志乃が

 

「……この街でまた遭遇したってことは、この街に用事があったんでしょ?」

 

 秀司の話からすると、悪魔の権能を使用して変身してまで。

 なのに……

 

 志乃、思案顔で。

 

 俺が彼女に目を向けると、彼女はアリスを抱き寄せ撫でながら、続ける。

 

「あの人、キョウジさんと戦えるレベルの一流のダークサマナーなんでしょ?」

 

 そうだな。

 アイツのせいで、キョウジが生身を捨てることになり、俺は巻き込まれたんだ。

 

 ……で?

 

 俺は彼女に先を促す視線を向ける。

 すると

 

「秀司、そんな人がさ……あなたに見つかる可能性あるからって、ただの1回もまともに戦いもせずに、それで街から逃げるかな?」

 

 言っちゃなんだけど、あなたを殺せば済む話じゃない?

 

 ……言いにくいことをズバズバ言うなぁ……

 でもま、志乃が今言ったことはその通りだ。

 

 変過ぎる。

 俺と万全の状態で戦えば、結果はどうなるかまだ分からんだろ。

 絶対負けるなんてそんなはずない。

 

 なのに挑みもせずに投げ出すなんて。

 

 しかし結論としては……

 

 ……現在妹の魂が解放されていない以上、ネビロスとの仲魔の契約を切ってるはずがないわけだし。

 シドはこの街にはいない可能性がすごく高いのは間違いないはずなんだ。

 

 一体どういうことなんだマジで……?




消えたシド。

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