家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第81話 死刑囚の仲魔

 電話を受けた俺たちは、業魔殿のロビーに戻ってきた。

 俺たちがロビーに入って早々に、メアリさんが静かに近づいてきた。

 いつも通りの無表情で、俺たちを見つめる。

 

「ご苦労様です。お忙しいところ申し訳ございません」

 

「仕事なんですよね」

 

 頭を下げるメアリさんに俺は軽い感じで返す。

 時間は惜しいけど、こっちも大事だ。

 

 俺の言葉にメアリさんは頷き、A4の紙を差し出してきた。

 紙に打ち出された文字を見ると、ひとつの文字列が目を引いた。

 

 幾月修司。

 

 その名前を見た瞬間、全てが繋がった。

 

 幾月修司──東京拘置所から脱獄したテロリスト。

 そんな芸当、ただの人間じゃ無理だと思ってた。

 

 そういうことだったのか。

 シドのせいだったのか……。

 

 シドが東京拘置所に潜入して、幾月にインスタントサマナーの指輪を渡した。

 そういうことなんだな……?

 

 資料を読み込む横で、メアリさんは言う。

 

「東京拘置所内でいきなり幾月は悪魔召喚を行い、呼び出した悪魔の力で脱獄を果たしたようです」

 

 その言葉に志乃がこう返す。

 

「原因はやはりシド?」

 

 志乃のそんな言葉に、メアリさんは首を縦に振った。

 

「明確な目撃証言は無いようですが、状況的にはそうでしょう」

 

 幾月は死刑囚ではありますが、元々悪魔召喚とは無縁だった人間です。

 そんな人間がいきなり悪魔を召喚した。

 

 独学で拘置所内で学んだというのは無理があります。

 インスタントサマナーの指輪を入手したと考えるのが自然です。

 

 ……メアリさんの言葉には頷くしかない。

 

 メアリさんが紙を指差し、補足する。

 

「幾月の仲魔はヒト型で、ギロチンを武器に使うようです」

 

 俺はその箇所に目を向けた。

 

 そこには箇条書きで詳細が書かれていた。

 

 東京拘置所職員の証言:

 外見:ヨーロッパの貴族を思わせる煌びやかな衣装。金と赤の装飾、黒いマント。

 

 攻撃方法:

 混乱の声(パニックボイス):敵を錯乱させる叫び声。職員が錯乱し行動不能に陥った。

 ギロチン攻撃:単体攻撃。対象をギロチン台に拘束し、斬首する。一度拘束されると脱出は不可能。呪殺魔法の疑い。

 雷撃魔法:規模からするとジオダイン。

 タルカジャ:幾月の腕力を上昇させた。

 

 基本戦術:混乱の声で敵をかく乱し、1人ずつギロチンで処刑。脱獄を阻んだ職員を壊滅させた。

 

 ……そこまで読んで

 

「……ギロチンを使う神? そんな悪魔、聞いたこと無いんだけど」

 

 俺は首を振る。

 

「神話や伝説にそんなもの出て来るわけないよね」

 

 志乃も俺の言葉に続いた。

 

 するとメアリさんは

 

「英雄種族の悪魔かもしれませんね」

 

「……英雄?」

 

 知らない言葉だった。

 英雄種族の悪魔なんて。

 

 だから俺が聞き返すと、メアリさんが説明してくれた。

 

「英雄種族とは……」




人間系の悪魔は英雄と猛将しかないからねぇ。
しょうがないんだ。

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