家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
電話を受けた俺たちは、業魔殿のロビーに戻ってきた。
俺たちがロビーに入って早々に、メアリさんが静かに近づいてきた。
いつも通りの無表情で、俺たちを見つめる。
「ご苦労様です。お忙しいところ申し訳ございません」
「仕事なんですよね」
頭を下げるメアリさんに俺は軽い感じで返す。
時間は惜しいけど、こっちも大事だ。
俺の言葉にメアリさんは頷き、A4の紙を差し出してきた。
紙に打ち出された文字を見ると、ひとつの文字列が目を引いた。
幾月修司。
その名前を見た瞬間、全てが繋がった。
幾月修司──東京拘置所から脱獄したテロリスト。
そんな芸当、ただの人間じゃ無理だと思ってた。
そういうことだったのか。
シドのせいだったのか……。
シドが東京拘置所に潜入して、幾月にインスタントサマナーの指輪を渡した。
そういうことなんだな……?
資料を読み込む横で、メアリさんは言う。
「東京拘置所内でいきなり幾月は悪魔召喚を行い、呼び出した悪魔の力で脱獄を果たしたようです」
その言葉に志乃がこう返す。
「原因はやはりシド?」
志乃のそんな言葉に、メアリさんは首を縦に振った。
「明確な目撃証言は無いようですが、状況的にはそうでしょう」
幾月は死刑囚ではありますが、元々悪魔召喚とは無縁だった人間です。
そんな人間がいきなり悪魔を召喚した。
独学で拘置所内で学んだというのは無理があります。
インスタントサマナーの指輪を入手したと考えるのが自然です。
……メアリさんの言葉には頷くしかない。
メアリさんが紙を指差し、補足する。
「幾月の仲魔はヒト型で、ギロチンを武器に使うようです」
俺はその箇所に目を向けた。
そこには箇条書きで詳細が書かれていた。
東京拘置所職員の証言:
外見:ヨーロッパの貴族を思わせる煌びやかな衣装。金と赤の装飾、黒いマント。
攻撃方法:
ギロチン攻撃:単体攻撃。対象をギロチン台に拘束し、斬首する。一度拘束されると脱出は不可能。呪殺魔法の疑い。
雷撃魔法:規模からするとジオダイン。
タルカジャ:幾月の腕力を上昇させた。
基本戦術:混乱の声で敵をかく乱し、1人ずつギロチンで処刑。脱獄を阻んだ職員を壊滅させた。
……そこまで読んで
「……ギロチンを使う神? そんな悪魔、聞いたこと無いんだけど」
俺は首を振る。
「神話や伝説にそんなもの出て来るわけないよね」
志乃も俺の言葉に続いた。
するとメアリさんは
「英雄種族の悪魔かもしれませんね」
「……英雄?」
知らない言葉だった。
英雄種族の悪魔なんて。
だから俺が聞き返すと、メアリさんが説明してくれた。
「英雄種族とは……」
人間系の悪魔は英雄と猛将しかないからねぇ。
しょうがないんだ。
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