家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
「……なるほど。経験の差が出たんだね」
自分の敗北を悟り、数瞬、恨めしそうな表情を浮かべた幾月は。
大きく息を吐き、その拳銃の銃口を自分のこめかみに当てた。
俺の血の気が引く
「あ、おい!」
反射的に止めろという意味合いで叫ぶ。
幾月は
「再起の目があるかもしれないからと、今日まで生きて来たけれど……色々諦めたよ。この世界が変えられないなら、僕の方が退場すべきだな」
酷く穏やかな顔でその引き金を……
「待って!」
だがそのとき。
志乃が声をあげたんだ。
幾月の視線が志乃に向く。
志乃は
「何で神社を壊したのかを教えて!」
「……何で僕がそんなことを教えないといけないんだい?」
幾月が、心底呆れたように返す。
俺は
「……俺たちはシドに大切な人の魂を奪われている」
幾月の自殺を阻む目的で。
志乃の言葉を引き継ぐ形で語った。
俺たちが置かれている状況を
「ふぅん?」
幾月は他人事そのものの表情で
「それは気の毒だね。僕には関係ないことだけど」
そう返して来る。
俺は
「……関係は無いかもしれないが、彼女の質問には正直に答えた方が良いぞ」
「……なんでさ?」
幾月が少し興味を覚えたのか、そう訊いてきた。
俺は笑みを浮かべた。
「……自分の命を人質に何かを要求するのはクソダサイよな?」
「そうだねぇ。自分では何も変えられないから、相手の良心に期待して脅すなんて無様だよ」
僕はそういうのは嫌いなんだ。
幾月は穏やかに俺の言葉にそう返す。
俺は
「……実は時間がもう無いんだ。あんたがシドに繋がる情報をくれないと、多分詰む」
まっすぐに幾月の目を見つめながら
コイツ、何を言うつもりだ?
そういう目で俺を見る幾月。
俺は
「……つまりさ、アンタは握ってるんだよ。俺たちに最後の嫌がらせで、不幸に突き落とすためのスイッチを」
こう言ったとき。
幾月の顔が強張った。
俺の言ったことは。
負けた腹いせに、最後の嫌がらせをしてみるか?
……そういうことだ。
こいつは自分の望みが叶わないと思い知って、迷わず自決を選ぼうとした。
そして相手の良心に期待して自分の命を使うのは無様極まりないと言った。
その事実から思ったんだよ。
……このまま黙ってくたばると、実質俺たちへの最後の嫌がらせ、腹いせを浴びせた人生になるぞ? って。
それでいいのか? って。
まぁ、賭けだったけど。
ここで幾月から情報を取れないとおそらく言ったとおり詰むと思うから
……一か八かだった。
幾月は
「……この土地にはね、あまりにも古過ぎて口伝にすら残っていない超古代の怨霊が封じられているんだそうだ」
ゆっくりと話しはじめてくれた。
シドがやろうとしていることについて。
次回、大きなねたばらし。
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