家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第9話 理不尽だが……

 俺がアイツを……ダークサマナー・シドを倒して妹を救う。

 原因は、葛葉キョウジが俺の部屋にGUMPを置いたことなのに。

 

 理不尽に感じた。

 

 ……だけど。

 

(だったら勝手にしろと言われたら、どうすることもできない。つまり、晶はもう助からない)

 

 そこに思い当たり。

 俺には不満を口にすることが出来なかった。

 

 ……それは志乃も同じだったみたいだ。

 メチャクチャ悔しそうな顔で、俯いていた。

 

 俺は一応、中学時代に剣道をしてた経験はあるけどさ。

 他にまともに武道をした経験が無い。

 体育の時間の柔道くらいだ。

 

 だから

 

「当然戦い方を教えてくれるんだろうな!?」

 

 ……これは外せない。

 絶対に吞んで貰う。

 

 嫌だ面倒だ、なんて言わせるか!

 

 俺のそんな要求に葛葉キョウジは

 

「……それは当然させてもらうが、投げ出したいならいつでも言え。止めないからな」

 

 つまり、俺が戦わないなら、こっちからはその他のサポートはしない。

 そういう意思の表れか。

 

 ……クソがッ!

 

 俺は無論投げ出さない。

 投げ出すわけが無いだろっ!

 

 だけど……

 

 理不尽だッ!

 

 

 

 

 不愉快極まりない言質を取った後。

 俺たちは新家区にあるホテル業魔殿という宿泊施設にやって来た。

 

 ホテル業魔殿は周辺ホテルより頭一つ高級感溢れる宿泊施設で。

 中に入ると

 

「いらっしゃいませ。お客様」

 

 受付で赤い目の黒いメイドさんが出迎えてくれる。

 髪は短めで、青白い肌。

 

 どこか人形めいた雰囲気があるメイドさんだ。

 

 そのメイドさんが

 

「ご予約された日時を教えてくださいますか?」

 

 無表情で。

 そんな答えにくい質問を

 

「いや、無いけど」

 

 そう正直に返すと

 

「お引き取りを。予約の無いお客様は受け付けておりません」

 

 ……拒否られた。

 うおおい

 

 困るんだが……

 

 だが

 

「秀司、GUMPを見せろ」

 

 ずい、と。

 横から出て来た妹に呼び捨てにされる。

 

 ……って。

 中身は葛葉キョウジなんだよな。

 

 頭では分かってるんだけどさ。

 ……心がまだ追いつかない。

 

 どうも引っ掛かる。

 俺はGUMPを鞄から出しながら

 

「……呼び捨ては止めてくれ。ショックがデカい」

 

 そう、苦言を呈した。

 すると彼は。

 葛葉キョウジは

 

 俺の言葉を受けて

 妹の身体に入った状態でじっと思案し

 

「……ならば兄くんと呼ぼう。昔は妹の兄呼びで一般的だった」

 

 そう言った。

 

 ……そーなの?

 マジで?

 

 どうも信じられない。

 

 まぁ、とりあえず。

 キョウジの言う通りにGUMPをメイドさんに見せると

 

 途端にメイドさんが「失礼致しました」と言って。

 ホテルの奥に俺たちを案内してくれたんだけどな。




妹姫。

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