家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
「俺の所属している組織はファントムソサエティと言うのだが」
「知ってるよ」
それはキョウジから聞いていた。
かなり大昔からある、魔術的な秘密結社らしい。
大いなる存在というものを呼び出すことを最終目的にしているとか。
俺は別にどうでもいいと思っていたから深く考えたことは無かったけど。
別に俺たちの日常を壊しかねない存在なんて、他にもあるし。
日本を敵視する国とか。
国家転覆を考えてる危険思想集団とか。
そりゃそういうのは無い方が良いさ。
安心できる。
でも、全部潰すのは無理に決まってる。
潰したとしてもまた新しく出て来るだろうし。
だったらそういうものがあることを受け入れるしかない。
そこに新たにもう1つ増えることが、それほど重大事だと俺には思えなかったんだ。
「……知ってたのか?」
シドは意外そうだった。
俺は頷いて
「世界の歴史の重大事件の原因を裏から作ったことすらある、巨大組織だってな」
聞いただけでも、第一次世界大戦の引き金になったセルビア人青年に決断をさせたこと。
ロシア革命の原因になった血の日曜日事件で、デモ隊を銃撃する引き金を引いたこと。
まぁ、色々な重大事件の原因を作ったらしいとは聞いている。
あのとき一緒に聞いていた志乃は「とんでもない奴らね」って言ってたけど。
俺は
「別に珍しくないだろ。無論良くは無いけど」
……こう返したんだ。
その一言で、俺のスタンスを理解したらしい。
そして笑った。
その後
「……失敬。お前はあれだな。ダークサマナーでもやっていけそうだな。嫌いでは無いよ」
そういう、自分さえ良ければそれでいい、ってスタンスは。
……シドはそう言った。
俺は
「まぁ、そうだな」
そう応える。
志乃が何かムカッとしてる雰囲気はあるけど、気にせずに
「アンタらがいなくても悪い奴は他にもたくさんいるんだ。アンタらが俺の手の届かない場所でどんな
俺は正義の味方じゃないんだ。
世界の平和を守るために献身するとか冗談じゃない。
俺は俺が大切に思うもののためにしか戦わないんだよ。
「だから間違いじゃない。アンタの評の、自分さえ良ければそれでいい、は」
沈黙が下りた。
その後
「……あなたの言う自分さえ良ければいい、は私の彼氏の自分さえ良ければいいとは全然違うのよ。……一緒にしないで」
志乃が怒気を孕んだ声で吐き捨てるように言い。
その身を撓め、身構える。
「……そりゃあ、失礼した」
シドがそんな志乃の様子に形ばかりの謝罪をし
続いて
「俺がここに封印させている怨霊の封印を解くのは、その怨霊があまりにも強烈な個人だからだ」
そしてそれは、我が組織の一員に加えるに相応しい。
そんなシドの言葉によると
その目的は
……スカウト。
そういうことなのか。
なるほど……
「とりあえず、見過ごすわけにはいかないな」
手の届く範囲で。
悲劇の原因が生まれるのを見過ごすのは
俺としては許せない。
だから止める。
……自分のためだよ。
俺はGUMPを構えた。
いよいよ最後の戦いに
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