家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
「分かった。では全力で相手をしてやろう……」
シドの聖書型COMPが起動する。
同時に地面に浮かび上がる2つの魔法陣。
1つは赤紫色の翼ある大蛇を呼び出す。
合計3対の蝙蝠の翼を持つ大蛇を。
確か名前は……
「邪神サマエル」
俺の呟きに、シドはニヤリと凶悪な笑みを浮かべる。
「覚えていたか。嬉しいね」
そう言いつつ
もうひとつの魔法陣から、黒い鞘に納まった一振りの日本刀……打刀より一回りほど大きいが、野太刀ほどじゃない……そんな剣が出現する。
……剣を召喚した……?
戸惑う俺を前にして、シドはその空中に浮かび上がる黒鞘の太刀を掴み
「……これが俺の愛刀……妖刀ニヒルだ」
鞘から抜き放ち、八相に構える。
構えつつ、言う。
「刀でありつつ悪魔の一種。普通に振るうと刀が使い手を滅ぼそうとするが、悪魔として扱い契約することにより、真っ当に刀として扱うことのできる……そんな素晴らしい刀だ」
……なるほどな。
ただの刀じゃ無いことは理解した。
俺はそんなシドの言葉を聞きつつ、GUMPの引き金を引く。
すると召喚される、この戦いのために選んだ仲魔たち。
赤いローブに知的な瞳を持った巨人……魔神プロメテウス。
黒い肌と白い髪を持つ女神……地母神キクリヒメ。
そして真っ赤な肌と逞しい体。一本角……妖鬼オニ。
「黒おじさんは私に任せて!」
アリスの言葉。
それに俺は頷く。
「プロメテウスはサマエルを、オニは志乃のガードを頼む!」
「承知した」
「分かったぜ!」
屈強な男悪魔2体が頷き、それぞれの役目に動いていく。
俺も蛇の剣を抜き放ち、鞘を捨てた。
シドもそうした。
だったら俺も応じるまでだ。
シドが八相……
ならば
俺は刀を下段に構える。
相手に俺の蛇の剣のリーチが予想できないように、身体で刀身を隠しながら。
……こっちは脇構えだ!
邪神サマエルが魔神プロメテウスと戦っている。
宙を舞うサマエルが地上のプロメテウスと魔法を撃ち合う。
サマエルが光の魔法を。
プロメテウスが火炎魔法と衝撃魔法を。
光弾と火炎弾、衝撃波の応酬。
「黒おじさん! アリスにお願いを聞かないなんてそんなの鬼の所業だよ!」
「ぬぅアリス……ワシにはできぬ……!」
アリスはネビロスと睨み合っている。
そして……
「秀司! スクカジャ!」
志乃がオニに庇われながら、俺にバフ魔法を掛けてくれる。
柔らかい輝きと共に鋭敏になっていく俺の感覚、そして力が漲って来る身体……
……負けるわけにはいかない。
シドと俺の視線が絡み合う。
シドの足がじりじりと間合いを詰め、俺もその距離を頭で計算する。
自分の剣の間合いにシドが入る瞬間を待つ。
そしてその瞬間が……
訪れた。
斬り結ぶとき。
本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。