家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第97話 開始

「分かった。では全力で相手をしてやろう……」

 

 シドの聖書型COMPが起動する。

 

 同時に地面に浮かび上がる2つの魔法陣。

 

 1つは赤紫色の翼ある大蛇を呼び出す。

 

 合計3対の蝙蝠の翼を持つ大蛇を。

 

 確か名前は……

 

「邪神サマエル」

 

 俺の呟きに、シドはニヤリと凶悪な笑みを浮かべる。

 

「覚えていたか。嬉しいね」

 

 そう言いつつ

 

 もうひとつの魔法陣から、黒い鞘に納まった一振りの日本刀……打刀より一回りほど大きいが、野太刀ほどじゃない……そんな剣が出現する。

 

 ……剣を召喚した……?

 

 戸惑う俺を前にして、シドはその空中に浮かび上がる黒鞘の太刀を掴み

 

「……これが俺の愛刀……妖刀ニヒルだ」

 

 鞘から抜き放ち、八相に構える。

 

 構えつつ、言う。

 

「刀でありつつ悪魔の一種。普通に振るうと刀が使い手を滅ぼそうとするが、悪魔として扱い契約することにより、真っ当に刀として扱うことのできる……そんな素晴らしい刀だ」

 

 ……なるほどな。

 ただの刀じゃ無いことは理解した。

 

 俺はそんなシドの言葉を聞きつつ、GUMPの引き金を引く。

 すると召喚される、この戦いのために選んだ仲魔たち。

 

 赤いローブに知的な瞳を持った巨人……魔神プロメテウス。

 

 黒い肌と白い髪を持つ女神……地母神キクリヒメ。

 

 そして真っ赤な肌と逞しい体。一本角……妖鬼オニ。

 

「黒おじさんは私に任せて!」

 

 アリスの言葉。

 それに俺は頷く。

 

「プロメテウスはサマエルを、オニは志乃のガードを頼む!」

 

「承知した」

 

「分かったぜ!」

 

 屈強な男悪魔2体が頷き、それぞれの役目に動いていく。

 

 俺も蛇の剣を抜き放ち、鞘を捨てた。

 シドもそうした。

 

 だったら俺も応じるまでだ。

 

 シドが八相……

 

 ならば

 

 俺は刀を下段に構える。

 相手に俺の蛇の剣のリーチが予想できないように、身体で刀身を隠しながら。

 

 ……こっちは脇構えだ!

 

 

 

 邪神サマエルが魔神プロメテウスと戦っている。

 宙を舞うサマエルが地上のプロメテウスと魔法を撃ち合う。

 

 サマエルが光の魔法を。

 プロメテウスが火炎魔法と衝撃魔法を。

 

 光弾と火炎弾、衝撃波の応酬。

 

「黒おじさん! アリスにお願いを聞かないなんてそんなの鬼の所業だよ!」

 

「ぬぅアリス……ワシにはできぬ……!」

 

 アリスはネビロスと睨み合っている。

 

 そして……

 

「秀司! スクカジャ!」

 

 志乃がオニに庇われながら、俺にバフ魔法を掛けてくれる。

 柔らかい輝きと共に鋭敏になっていく俺の感覚、そして力が漲って来る身体……

 

 ……負けるわけにはいかない。

 

 シドと俺の視線が絡み合う。

 

 シドの足がじりじりと間合いを詰め、俺もその距離を頭で計算する。

 自分の剣の間合いにシドが入る瞬間を待つ。

 

 そしてその瞬間が……

 

 訪れた。




斬り結ぶとき。

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