相変わらずガバ文章ですが、よければどうぞ
時系列的には凱旋門賞すぐ後となります。
掲示板もつけようと思ったけど時間足りず。
「つまり私に異界攻略を依頼するという事ですかな、あー…グランドマイトーレ ゴーダン」
「ええ、そうなりますムシュー アリガワ」
目の前に座る瘦身の男、阿里川勇樹は手元に置かれ、中身が半分ほどになったコーヒーカップを見ながら逡巡する、いや逡巡しているように見える。
それはこの依頼を受けるべきか受けざるべきかを考えているようでも、受ける前提で掛け金を吊り上げるかどうかを考えているようにも見える。
「しかし……私はただの騎手ですよ?」
「またまた……私でも分かるその実力、過ぎた謙遜は時に嫌味ですぞ」
少なくともニース騎士修道会総長を務め、覚醒者として人々の安寧を守ってきたゴーダンから見ても目の前の男の実力は確かだ。その実力のほどははっきりとはしないものの、かつて見たメシア教のテンプルナイトに勝らぬとも劣らないように感じる事が出来る。
その実力者がデビルバスターでは無く、ただの騎手を名乗るとは到底信じられない。
もしかしたら、今の私は”騎手”だからそういう仕事はうけない。と遠回しに言っているのかもしれないが、そうであるならばあえて無視せざるを得ない。
今、抱えている問題は深刻だ。本拠地たる修道院に発生した異界、その封印の目途は立っていない。
神は乗り越えられない試練を課さないと言う。だがその解決が我らだけで行うとも言っていない。かつてヨーロッパ中のフレーレ(兄弟)たちと共に強大なる悪魔と戦ったという、借りる事が可能な力を借りる事は問題ではない。
問題はヨーロッパにあった兄弟の団結、それが千々に乱れている事だ。嘗ての団結は形骸化し、協力は報酬を伴うものと化した。
金銭なら良いのだ、だがどちらが上か下か……おお、嘆かわしい、人は神の前で平等だと言うのに。
同胞達が頼りにならないと、異なるものを信じる(多神連合)者達に声を掛ければ忙しいという。打つ手なしか……あの異端なメシア教なる者達に力を借りねばならないかと嘆き、神に祈れば、
『ガイア連合の者がフランスに来る』と。
ガイア連合、その名はヨーロッパにすら鳴り響いている霊能者団体である。その実力は信じがたいほど高く、悪魔共、そして天使を名乗る醜悪な悪魔をも消滅させていると聞く。
目の前に座ること男ですら、嘗て見たメシア教のテンプルナイトに勝るとも劣らないように感じる。これがガイア連合幹部か、それともこの男以上の人間がガイア連合に所属しているのか……
思考の海に漂っていれば、ややあって目の前の
「いいでしょう、その御依頼お受けしましょう」
「受けてくださるか、有り難い」
「ですが……」
条件を付けるか、確かに報酬も何も話していないからな……
「ご存じの通り
「え、ええ、もちろんです」
ふむ……仕事を優先する日本人の矜持か…それとも当日までに”何か”があるのか…?
いや、これも主のお導き、考える事ではないな。だがもう一手引き込むか。
「ではそうですねムシュー アリガワ、我らの馬に乗りませんか」
「騎乗依頼ですか?このフランスでフランスの方からの依頼は光栄な事ですが、私は長くは居ませんよ?」
「何、凱旋門賞ウィークの間はいらっしゃるのでしょう。カドラン賞、フランスが誇る長距離レースにご興味ありませんかな」
「なるほど……確かに興味深い。
「ええ、そうでしょうとも、終われば……折角ですから我が教会をご見学なさるのもよろしいでしょう。華美とは行きませんが歴史を感じさせますぞ」
「それは素晴らしい提案ですね、我々日本人は歴史好きですから、それもまた自慢の一つになるでしょう」
お互いニコニコと笑いながら握手を行う。
硬い。主に仕える一人の信徒として、そして教会騎士として恥ずかしくないよう鍛え、さらに覚醒者としての力すら持つ自分が力を込めた握手。それに対してなんともない顔をしている。
騎手としての細い体をしてこの力、少なくとも私より
この力さえあれば、異界の封印も可能であろう。
感謝します主よ、この者を遣わせていただき真にありがとうございます。
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『残り1000m、坂を登った所でLa Frère Glorieuxが上がっていきます。これは少し早いか、鞍上はこのロンシャンを慣れていないようです』
さすがに日本人騎手ではロンシャン競馬場でうまく騎手はできないか……まあ最下位であろうと必要なのはこの後だ……だが少し惜しかったかな……
『2番手のRally Laymond以下各馬はまだ控えております』
考えようによっては明日の凱旋門賞の予行演習となる…か?そこを押し出せば……
そこまで考えて頭を振る。嫌な話だ。若い頃はただ主への祈りと日々の奉仕に生きてきた。年を取ればフレーレ(兄弟)達の為とはいえ政治的な動きをせざるを得なくなっていた。
神の国はいつ実現するのか、我らはそれに向けて歩いていかなければならない。
『……La Frère Glorieux落ちてきません、抜け出したまま先頭を走り続けています。2番手に抜け出してきたHassh Hassh追い続けていますが差が縮まりません。残り100メートル、まさか勝ってしまうのかLa Frère Glorieux、まさか勝ってしまうのか日本人ジョッキーARIGAWA YU-KI』
まさか…?まさか!勝てるのか?
乗り替わりを告げたとき苦い顔をしていた調教師も、ガイア連合に頼むのを好まないフレーレ(兄弟)も、そして私も。
『今La Frère Glorieuxが一着でゴール、2着はHassh Hassh、3着は…』
霊能力者としても騎手としても、驚くべき優秀さなのか?私の見る目はまだまだだったのか?何もわからない……
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「ここです」
凱旋門賞が終わってパリでギルと祝勝会して、そのまま南フランスの教会へドナドナされ、食事を御馳走になった後さっそくとダンジョンへとご案内。
チェインメイルにサーコート(しかも胸に十字マーク入り)を着込んだ教会騎士さん達に案内されたのは、教会内のダンジョン。
いやダンジョンがちゃんとダンジョン(地下室)してて、納戸を開いたら普段なら食料品とかが詰まっているはずの地下倉庫がそのまま地下通路に成り代わっていたと説明されたわけ。
中を覗けば、よく行く日本の異界達と同じようにマグネタイトというか霊力を感じるから、奥にこれを作っている悪魔かアイテムでもあるんだろうなぁって感じ。ただ、そう濃くもないからダンジョンのLv的には大したことなさそうではある。装備はほぼ日本においてきた形だが、まあ死にはしないだろう、多分、きっと、メイビー。
「よし来い」
マイアガシオンを召喚。
自分は指輪型の召喚器にしてある。一応騎乗中にも嵌めておけるようにということで指輪型にしたが、レース中に襲撃を受ける可能性はほぼ無いことに気付いたわけですよ。一応ゼロじゃないよ?でも襲撃を受けて反撃をしなくちゃならなくなるということはこの生活を捨てるのとほぼイコールな訳で、ちょっと先走ったかなとは思った。
ただ
召喚されたアガシオンは、ゲームで見るようなツボから頭を出したグレムリン的な奴ではなく、光の球体。後から入ってきた騎士さん達(さっきの姿に更に兜と剣盾まで装備)は面食らったようで、
「ムシュー アリガワ、それは一体?」と問いかけてくる。
めんどくせーと思いつつ、まあ知らないだろうなと思いつつ答える。
「ああ、これはガイア連合が作り出した力で、名はアガシオン、その名前はヨーロッパでも有名では?」
「魔術師の使い魔……」
さすがにキリスト教だと聖書的なアレコレに触れるのかなーと思いつつ、ちょうど近寄ってくるゴーストに魔法を放つよう指示。明滅し【ハマ】を放つ。
ゴーストが光の中に消えていく。やっぱり破魔弱点かと得心していれば、騎士さん達が驚きに固まっている。
もしかしていきなり戦闘開始したのはまずったかな。
「申し訳ない、近づいてきていたものでね、あの程度であれば問題ありません、手早く封印してしまいましょう」
「いや、いいのですアリガワ」
ふーと言葉を吐き、言葉を絞り出すようにだしてくる。なんだろうか、緊張しているのか?確かにこの時代に剣を振り回して戦うなんてないだろうし、そりゃそうなるか。
「では……我ら4人が前衛に立ちます。私が神の
そうだよな、ロ◯サガじゃないが陣形と能力確認は大切だよねと思い出し、自分のスキルを開示。自分は後ろで魔法を使うから前衛よろしくお願いしますと。日本じゃ装備あるからある程度耐えられるけど、さすがにほぼ無しだと厳しいからねぇ。
何故か難しい顔をしていたが、THE体育会で身長高くて(見た目180~190ありそう)、前にもでかい(マッチョ)人達から見ると騎手は低くて細いから頼りないと思われたかな。
しゃーないじゃん、体重制限きついんだからさ。
「ええ、多少頼りないかもしれませんが物理攻撃が効きづらい悪魔ならお任せください」
あえて笑顔を見せて威嚇。ハッタリも重要だよね。
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(なにが頼りないだ)
今回の異界攻略団長のジョルジュは内心驚愕していた。神に仕える道に進み、覚醒した時は神の息吹を感じたものだった。日々の奉仕と修行も行い、ヨーロッパの同朋達の中でも抜きん出ていたと思っていた。
だがこの東方から来た日本人はどうだ。
(何を言っているのだ私は、今はこの異界をどうにかするのだ)
だが道中なにが起こったかといえば蹂躙だ。何回かの攻略があったとはいえ、複数で当たらなければならない悪魔を一人で屠り、我ら4人をよく援護している。決して我らが不利な状況に陥らないよう周りを見回している。
ここまで約3時間ほどか、いつもであれば傷つき撤退しなければならないほど戦闘を重ねて尚余裕を持っている。気の所為でなければいつもより、道中で負った傷(奇跡を使うほどでもない)の治りが早い気がする。
この事がジョルジュの内心を余計かき乱している。神の恩寵が神に仕える者に無いのであれば、神とは一体何のだと。
普段であればこのような事は思い浮かばない、主を試すなかれ、疑うことなかれ。これにも意味があるのだと思えたのであろうが、東から来た異教徒が
これが同じキリスト者であれば良かった、人種も関係なく同じ主を信じるものが力を持つことは歓迎できた。場合によっては異端であっても許容できたであろう。だが、不信心者が力を持つのであれば自分の持つ力も神由来では無い。そのことを受け入れることは出来なかった。
彼らが歩き続けてれば、大扉の前に出る。前回までの攻略ではここまでこれていない。この先に何があるか……
ジョルジュは周囲の人間を見、頷けば、頷き返してくる。
その数凡そ20体。無いはずの眼窩が赤く光り、座っていた椅子から立ち上がり、近くに立て掛けてある装備を取る。ショートソードにロングソード、メイスも見える。
目に見えぬ圧力を感じ、ジョルジュはつばを飲む。20対5、普通なら撤退しなければならない人数比、だが後退は出来なかった。次ガイア連合の力を借りる事ができるかは分からない。そしてこの異界がどうなるかもわからない。故に後退の文字は無し。
ジョルジュは努めて声を張り上げ自分と仲間を鼓舞する。
「神の愛は我らにあり、いくぞ
『おう!』
「あっ……」
アリガワは声を発したがテンションを上げた騎士達には聞こえない。
そこからは乱戦である。体制を整える前に先手を打ち、持っていたショートソードで首を跳ね、あるいは頭を叩き割る。突き出してくる剣を盾で反らし蹴りを放つ。ロングソードの振り下ろしを、体をねじりながら躱しその手に自分のショートソードを叩きつけ剣をとばす。
だが一体のスケルトンへの打撃を盾で受け止められたとき、中途半端に腐っていたその盾に剣が食い込んだ。剣を捨て二の手を出さなければならない所を抜こうとしてしまったのが運の尽き、横手のスケルトンから繰り出されるメイスが腹に突き刺さる。
「ごほぉ」
腹から空気が叩き出され吹き飛ばされる。天地がひっくり返り気づけば天井が見える。
そこに見下ろすスケルトンの影がさす、その目は爛々と赤く輝き、生者への恨みが漏れ出してるようだ。
動かない頭で目だけを動かしながら周りを見れば、皆スケルトンとの死闘中であり助けにこれそうでは無かった。
(くそ、油断したか!)
スケルトンはロングソードのガードを握り、振り下ろす。万事休すかと思われたその時、スケルトンが吹き飛ばされる。
「大丈夫か!?」
見やればアリガワが魔法を撃ちながら、スケルトンを燃やし、一方で氷結で砕きながらジョルジュに手を差し伸べる。
「すまないね、こいつら生意気にも破魔耐性を持っていたのでね。それと直接狙われるとなかなか助けにはね」
「い、いやこちらこそ済まない」
ジョルジュが手を取り起き上がれば戦闘はほぼほぼ終わっていた。残った数体をフレーレ(兄弟)達が囲み叩き潰しており、異界内の悪魔もこれで終わりかと思われた。自分の体を癒やしつつ周りを見回し呟いた。
「終わりか…?」
「いや、まだでしょう」
「え?」
アリガワがあごをしゃくって示せば、長机の一番奥にいつの間にか鎮座する男がいた。倒してきたスケルトンと同じ装備をまとうが、骨ではなく皮膚を持ち、豊かな髭を蓄えた年老いた男がそこにあった。
その男はやおら立ち上がり声を張り上げる。
「繝輔ぅ繝ェ繝??縺ョ謇句?縺具シ√?∵?繧峨?謨吩シ壹r譖エ縺ォ豎壹☆縺ィ縺ッ豢サ縺九@縺ヲ縺ッ霑斐&縺ャ?(フィリップの手先か!、我らの教会を更に汚すとは生かしては返さぬ!)」
「な、なにを?」
わからない言葉を放つ悪魔にジョルジュは怯む。声自体に力がこもっており、縮こまってしまうのだ。
だが隣に立つアリガワはその悪魔に声を掛ける。
「身分のあるお方とお見受けする。私はガイア連合所属阿里川、貴公の名を名乗られよ」
「何を言っているんだ!」
ジョルジュの混乱をよそに二人は言葉重ねる。
「遘√→險?闡峨r莠、繧上○繧九→縺ッ雋エ譬。縲∝鴨縺ョ縺ゅk莠コ髢薙〒縺ゅk縺ェ縲ゅh縺九m縺??∵?縺悟錐縺ッ繧ク繝」繝?け繝サ繝峨?繝「繝ャ繝シ縲√ヵ繧」繝ェ繝??縺ォ繧医▲縺ヲ雋カ繧√i繧後◆繝?Φ繝励Ν鬨主」ォ蝗」蝗」髟キ繧医?(私と言葉を交わせるとは貴公、力のある人間であるな。よかろう、我が名はジャック・ド・モレー、フィリップによって貶められたテンプル騎士団団長よ)」
「そのようなお方が何故このような事を」
「縺励l縺溘%縺ィ繧医?∵?縺梧→縺ソ縺梧匐繧峨&繧後〓髯舌j逾槭?霄ォ蜈?↓縺吶i陦後¢縺壹%縺?@縺ヲ迴セ荳悶r蠖キ蠕ィ縺」縺ヲ縺?k縲りイエ譬。菴募?縺九i譚・縺溘?(しれたことよ、我が恨みが晴らされぬ限り神の身元にすら行けずこうして現世を彷徨っている。貴公何処から来た)」
「東より」
「譚ア?溘?√ぐ繝ェ繧キ繝」縺九い繝翫ヨ繝ェ繧「縺九?√◎繧後→繧や?ヲ縺翫♀繧「繝ャ繧ッ繧オ繝ウ繝?繝シ螟ァ邇九′閾ウ縺」縺溘う繝ウ繝峨°縺ュ?(東?、ギリシャかアナトリアか、それとも…おおアレクサンダー大王が至ったインドかね?)」
「いや更に東だジャック・ド・モレー団長」
ジョルジュは驚愕した。アリガワによれば眼の前の悪魔は、あのテンプル騎士団最後の総長と言う。
そんな内心をよそに言葉を重ねる両者。
「縺セ縺輔°窶ヲ繝励Ξ繧ケ繧ソ繝シ繝サ繧ク繝ァ繝ウ縺ョ蝗ス縺ッ蟄伜惠縺励◆縺ィ縺?≧縺ョ縺具シ溘☆縺ー繧峨@縺??√◎繧後↑繧峨?險?縺医k縺薙→繧ゅ≠繧九□繧阪≧縲ゅヵ繝ゥ繝ウ繧ケ邇九?縺ゥ縺?↑縺」縺滂シ溘∪縺?邇牙コァ縺ォ縺翫j驥題イィ繧堤」ィ縺?※縺翫k縺ョ縺具シ(まさか…プレスター・ジョンの国は存在したというのか?すばらしい、それならば言えることもあるだろう。フランス王はどうなった?まだ玉座におり金貨を磨いておるのか?)」
「……フランスに王は居ない。処刑され、今は人々が国を動かしている」
「縺オ縺オ縺オ窶ヲ窶ヲ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縺ッ縲√◎縺?°縺上◆縺ー縺」縺溘°縲よ蕗莨壹h繧願イ。雋ィ繧貞・ェ縺?が鬲斐?豁サ繧薙□縺銀?ヲ窶ヲ遘√?謇九〒辟。縺?→縺薙m縺ッ谿句ソオ縺ァ縺ッ縺ゅk縺娯?ヲ窶ヲ縺昴≧縺銀?ヲ窶ヲ逾槭?霄ォ蜈?↓陦後¥縺ィ縺阪′譚・縺溘°縲(ふふふ……ははははは、そうかくたばったか。教会より財貨を奪う悪魔は死んだか……私の手で無いところは残念ではあるが……そうか……神の御許に行くときが来たか)」
ジョルジュ達に理解できない会話の後、晴れ晴れとした表情でジャック・ド・モレーと言われた存在は消えていった。
内心はハテナで一杯であった。だがそれを聞いて良いのか、分からなかった。
「さて、戻りましょう、異界のコアも居なくなりましたのでしばらくしたら崩壊しますよ」
「あ、ああ」
戻ったジョルジュ達は精根尽き果てすぐに眠りについた。アリガワはそのまま日本行き飛行機に乗るため移動し、ここから去っていた為ここには居なかった。彼の実力の一端、そして最奥にいた存在を報告したジョルジュは疑問を口にする。
「総長、ジャック・ド・モレーが何故我ら教会の最奥にいたのでしょうか、テンプル騎士団は何百年も前に滅んだのでは」
その疑問にゴーダン総長はため息一つ。
「フレーレ ジョルジュ、知ってしまったからには貴方に我らの秘密、その一端を教えねばならなくなりました。これは我ら総長のみに口伝にて伝わる話」
秘密の一端につばを飲み込む。
「我々ニース騎士修道会はテンプル騎士団の生き残りを祖に持つのです、例の地下倉庫のさらに隠し倉庫にて総長達の形見の一部が眠っています」
「!?」
「貴方もテンプル騎士団に纏わる面白おかしい話は知っているでしょう、今更我々がテンプル騎士団の末裔と言った所で誰も本気にはしないでしょう。ですが、これは秘さねばならないことです、よくよく考えておいてください」
ジョルジュの顔には苦い顔があった。あの日本人は言いふらしはしないだろうが、これはどう扱えばいいのか。それは誰にも分からなかった。
ニース騎士修道会
ニースに逃れたテンプル騎士団残党が作った騎士修道会
カペー朝が滅びたのちも潜伏し、都市はサヴォイア公国になったりフランス・イタリア間を揺れ動いたため
余り手出しをされずに生き延びた
カソリックとしてローマ法王とのつながりがあるが、テンプル騎士団末裔の話は部外秘であり、総長のみ伝わってきており、秘密を秘せないものは総長となれない。
近現代ではその神秘性ゆえにか我こそテンプル騎士団の末裔なりと名乗る団体が増えた為、逆に秘密保持がしやすくなっている。
山間部で馬を育成し、自分たち及び国家へ供給を行ってきた。