才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話   作:ひさなぽぴー

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9.ハリー・ポッターと賢者の石with転生者 中

 その後いったん夜を待つため三人と分かれたわたしは、ショルダーバッグを持ち出して問題の扉の前で合流しなおした。

 そう、検知不可能拡大呪文で容量が増えているカバンだ。この日のために、戦闘でも使えそうなものが色々入れてあるのさ。

 

 入ってすぐ、最初の試練であるケルベロスのフラッフィーは先行しているクィレル先生が突破してくれている。ハリポタ世界のケルベロスは音楽にめっぽう弱く、聞かされるとすぐに眠っちゃうのである。

 そしてここでは、放置されたオルゴールが音楽を緩やかに奏で続けている。当然、フラッフィーはすやすやだ。その近くにある降り口から、そっと下に降りる。

 

 まあ降りるっていうか、落ちるってのが正しいんだけど。ケガするようにはなってない。ただ悪魔の罠があるだけだ。

 

「だいぶ下まで落ちた……わりには、みんな無事みたいだね」

「そうだね、ラッキーだった。このツタのおかげだな」

「……違うわ! ラッキーなんかじゃない!」

 

 のんびりと立ち上がろうとするハリーとロン。二人にハーミーが声を上げた。

 

 一方わたしは、特に動かずその場でもだもだする。すると、下にあったツタがしゅるりと動いてわたしの腕や足をからめとった。胴体も。

 

「これ、悪魔の罠だわ! 動いちゃダメよ!」

 

 そう、悪魔の罠。魔法界ではさほど珍しくもない、侵入者対策にも使える植物の一つ。動くものに絡みつき、締め上げる特性を持っている蔦の一種だ。

 

 あとはわかるね?

 

 そう!

 

「ん……っ、あ、やぁ……♡」

 

 触手プレイだ!! あやっべ、ついうっかり嬌声が。

 

 いやあ、動きすぎるとマジで絞め殺されるからちょっとずつちょっとずつ動いてたんだけど、それでいい感じに絡めとってくれた悪魔の罠くん、グッジョブやで!! 今回のことは、これが最大の目当てだと言っても過言ではない!!

 

「リン!? 大変、どうしよう!?」

「君がわからなかったら僕らにわかるわけないだろ!?」

「は、ハーマイオニー、どうすればいいの!?」

「えっと、えっと、確か……えっと、悪魔の罠は……! そうよ、熱! 熱とか光に弱い!!」

 

 あ、待ってハーミー。この非常事態にすぐさま答えを導き出せる君の頭脳と機転は素晴らしいけど、もうちょっと、もうちょっとだけ浸らせて!

 

 あとちょっと! あとちょっとだけだから! そうすればスカートがめくれていい感じにあそこを触ってくれそうな予感があって!!

 

「光……そうだ、ハリー、あれ!」

「うん! やろうロン!」

「「ルーモス!!」」

 

 アッー!? あとちょっとだったのにィ!!

 

 文字通り逃げるように悪魔の罠が退いていく。蔦による支えをなくしたわたしは、その場にべしゃんと倒れ……る直前、駆け寄ってきたハーミーに支えられた。

 

「リン、大丈夫!? 痛くない!?」

「う、うん……大丈夫、へっちゃらだよ。ありがとハーミー。ハリーも、ロナルド様も」

「ロンでいいって言ってるのに!」

「よかったぁ……!」

 

 ぎゅ、とハーミーに抱きしめられる。むう、彼女の身体の柔らかさとぬくもりに免じて、今日のところはこれくらいにしておくとしよう。

 

「……わたしはもう大丈夫。先に進もう?」

「そうだね、早くしないと!」

 

 ハリーはそう言って、奥に続くであろう一本道に顔を向けた。彼に続く形で、ロンが隣に並ぶ。

 

 対してハーミーは、わたしの手を握った。わたしもそれを握り返して、視線を絡める。大丈夫だよ、と目で訴えて、二人で頷き合う。

 

 そうして次の試練へ向かう途中、わたしは考える。

 

 どうにかして悪魔の罠を、服だけを溶かす溶液を出したり媚薬成分たっぷりな溶液を出したり、そのうえで女体にエロいことする植物に品種改良できねぇかな……と……!

 

***

 

 次は特にクローズアップすることはなかった。原作通り、空を飛ぶたくさんの鍵から正解の鍵を見つけ出すっていうやつだった。最年少シーカーになれるほどの箒の乗り手、ハリーが順当にこれをクリア。

 

 その次は、チェスだ。自分たちが駒になって指すっていう形で、これも原作通り。わたしが増えてるから展開も変わるかなと思ったけど、そもそも前世も今世もチェスには全然触れてこなかったので細かいことはなんもわからん。今世なら覚えれば世界一も狙えるかもだけど、面倒だしいいや。

 

 ってことで、ロンにお任せ。メインメンバーで一番チェスがうまいのは彼だ。でもって、こういう逆境に強いのはグリフィンドールだろうな。彼は原作通り、自身を犠牲にすることでこのゲームを勝利に導いた。

 

 最後は相手の駒に殴られ倒れたロンを振り切り、ハリーがチェックメイト。相手のキングが王冠を脱ぎ、ハリーのもとにひざまずきながら差し出した。先に進む道が開く。

 

「ロン!」

 

 彼は王冠には目もくれず、ロンの元に駆け寄る、わたしたちも続いた。

 血を流して気絶しているロンをハリーが慌てて抱き起そうとする。けどわたしはそれを押しとどめた。

 

「ここはわたしに任せて、二人は先に行って」

 

 言いながら、わたしはショルダーバッグからハナハッカエキスの小瓶を複数取り出して見せる。この日のために、こっそり調合しておいたのさ。

 

 え、どこで材料を調達したんだって? 決まってるじゃん、禁じられた森とスネイプ先生の材料保管庫だよ。他に何があるってんだ。

 窃盗? 知らんな!

 

「万が一のためにって思って、薬は持ってきてあるんだ」

「……君って最高だよ、リン!」

「ああもう……! そうよね、敵と戦うんだからそういうの必要よね! 私としたことが完全に頭から抜けてたわ!」

「そうじゃないかって思ってた。ふふ、ハーミーなんだかんだでやっぱりグリフィンドールだよね。まっすぐすぎるとこあるもん」

 

 わたしの指摘に、ハーミーは顔を赤くして自分の頬に両手を当てた。

 

「でも、こういうのって適材適所でしょ。わたしはハーミーたちみたく、人を引っ張っていける性格してないもん。だからそういう細かいことは任せて、二人は先に。ね?」

「……ええ。そうね、こういうとき、信じて任せるのもこい……信頼よね」

「うん。ロンのこと、お願いね!」

「任せて。回復したら追いかけるから……そうだ、二人もいくつか持って行って。何かあったときのために」

 

 ということで、薬を押し付けた二人を見送ってわたしはこの場に残った。

 

 仰向けに横たわるロンの傷口に、ハナハッカエキスを数滴かける。すると煙と共に、みるみるうちに傷が治り始めた。

 これだけで済んだなら軽傷だな。マクゴナガル先生、手加減したのかも。

 

 ていうか、うーん。もう慣れはしたけど、何回見ても魔法ってやべーな。今どころか、30年後だってマグルの医療はここまで来てないんだから恐るべしだよ。

 

 そうこうしているうちにロンは完治したので、同じく持ち込んでいたタオルで血なんかをふき取りつつ、呼吸その他身体に異変がないことを確認する。安全確認ヨシっ!

 

 あとは、

 

「リナベイト!」

 

 気絶を回復する魔法を唱えて、ロンの意識を戻す。

 

「……あ、れ? 僕……」

「目が覚めましたか、ロナルド様。気分はいかがです?」

「……あー、うん、とりあえず悪くはないかな。……っ、ハリーたちは!?」

「先に進まれました。わたしはあなたの治療を請け負いまして、ハナハッカエキスを処方いたしました」

「カバンなんて邪魔だろって思ってたけど、君これを?」

「ええ。日本には『備えあれば患いなし』って言葉がありましてね?」

「あ、その言い方スリザリンっぽい」

 

 くすりと笑うロンの手を取り、背中を支えながら立ち上がらせる。もちろん、その際に「失礼します」と声をかけるのは忘れない。純血相手の使用人ムーブはもう息をするようにできるのだ。

 

「すごい、バッチリだ。どこも痛くないよ!」

「よかったです。……それでは?」

「うん、行こう!」

 

 そうしてわたしたちは、ハーミーたちを追いかけ始めた。

 

 ただ、わたしは諸事情あって140センチから絶対に成長しない。まだそこには達してないからもう少し伸びるとは思うけど、それでもこの歳の子供にしては背が高いロンとはコンパスがだいぶ違う。彼はわたしを気遣って歩幅を緩めてるけど、どこかもどかしそうだ。

 とりあえず、話を振って自然と歩きを緩めるように仕向けるか。

 

「……ロナルド様」

「ロンでいいって言ってるだろ。ひょっとして君、命令されるまで変えないつもり?」

「はい。……逆に言えば、そういうものだと命令していただければ、すぐにでも」

「はぁー……命令だよ、僕……いや、ウィーズリー家に対して敬語なんて使わなくていいし、そんなかしこまった態度なんてしなくていい。これでいい?」

「かしこまりました。……じゃあ改めて、ロン」

「なんだよ?」

「呪文を一つ教えるから、覚えて」

「嘘だろ、こんな土壇場でもう一個新しく覚えろなんてそんな……」

 

 無理だよ、と端から諦めた態度の彼の前で、わたしは無言で杖を振るう。すると先端から、赤い光が飛び出して壁にぶつかりべしんと音が鳴った。

 

「……おったまげー、今のフリペンド? 無言?」

「ううん、今のは基礎呪文。ただの魔力を杖から出しただけだから、フリペンドに比べたら全然弱い魔法だよ。せいぜいビンタくらい」

「きそじゅもん? そんなの聞いたことないけど」

「そうだろうね。百年くらい前に魔法理論学がホグワーツの科目から消えてから、使われなくなったみたいだから」

「……なんでそんなの知ってるんだよ?」

「図書館で読んだ本に載ってたの」

 

 そう言うと、ロンはうげっと顔を歪めた。

 

「この呪文はね、さっきも言ったけど大した威力はないんだ。でも呪文を唱える必要はないし、杖を一振りするだけで出せるすごく簡単な魔法だからとっさに出せるし、連発もできる。大したことなくても当たったら痛くはあるから、牽制したりいやがらせするくらいなら使いやすいんだよ。

 エクスペリアームスとかディフィンドとか、敵と戦うための魔法なんて一年生じゃ習わないけど、戦わないといけないならこれくらいの武器はあったほうがいいでしょ?」

「オーケー、そういうことなら俄然やる気出てきた。どうやるんだ?」

「まずはね……」

 

 簡単な理論を説明しながら、ロンの杖腕に手を添える。そして彼に自分の魔力に意識を向けるように伝えつつ、ふいと杖を振らせた。

 魔法は出なかったけど、感覚としてはこんな感じと伝えれば、なんとなくロンもイメージがついたらしい。早速杖を数回振って、色々試しだした。

 

「お! 出た!」

「成功だね。お見事、グリフィンドールに五点!」

「グリフィンドールに加点するスリザリンなんて聞いたことないよ」

 

 そう言いながらも、ロンは得意げに笑って胸を張った。わたしも同じように笑う。

 

「……リン?」

「わ。ハーミー?」

 

 と、そこに聞きなれた声が前から飛んできた。思わず足を止めて目を凝らせば、そこには難しい顔でこっちを見ているハーミーが。何してるの? と言いたげである。目は口ほどに物を言うって、ヨーロッパでもちゃんと起こるんだな。

 

 彼女はその顔のままずかずかとこっちに近づくと、困惑するロンとわたしの間にずいっと割り込んだ。

 ……あ、そういうこと。そういや基礎呪文教えるためにだいぶロンと近かったッスね!

 

「なになになに、急に割り込んできて、怖いぞグレンジャー!」

「別に! ウィーズリーくんが無事みたいで何より!」

「ええ……なんで機嫌悪いんだよコイツ……わけわかんないよ……」

 

 でしょうね。

 

 うん、これはわたしが悪いな。いや悪いのか? まあいいや、嫉妬してる女の子には全力でかまってあげるべきだ。

 

「ハーミー、ハリーは?」

「一人で先に進んだわ。一人しか一番奥には進めないようになってたの。それでハリーにも頼まれたし、一旦リンたちの様子を見に戻ろうと思って」

「一人で先に!? どんな試練……って、え、トロール!? これ二人で倒したの!?」

 

 と、そこで次の試練に辿り着いた。クィレル先生が用意した試練で、トロールと戦えって内容だ。

 

「ううん、違うわ。私たちがここに来たときにはもう、このトロールはノックアウトされてたの」

「……戦わなくて済んだことを喜べばいいのか、こんなのを一人で倒せるくらいスネイプが強いことを嘆けばいいのか……」

 

 だけどそう、用意されたトロールは気絶済みだ。ここを用意した張本人が今回の犯人なんだから、そもそもどうとでもできただろうけど。

 

「だから問題はこの次よ。論理パズルになってて、謎を解いて正解の薬を一つだけ見つけないといけなかったんだけど……その正解の薬が一人分しかなくて」

「その性格の悪い試練、絶対スネイプが考えただろ……」

「うちの寮監だけど、何も否定できないなぁ」

 

 ロンにわたしが相槌を打つと、ハーミーが「は?」って感じの顔でこっちを見てきた。

 ……あ、敬語を使ってないことを不審がってる顔。これはさすがにすぐわかったぞ。

 

 とりあえず、そういうつもりじゃないから、って伝えたくて首を振る。本当? って感じの視線がすぐに突き刺さった。愛が痛い。

 この件に関してはあとでちゃんと説明するとして……それより、今は彼女の機嫌を取らないと。

 

「そうだちょうどよかった、ハーミーも基礎呪文覚えといて」

「基礎呪文? 聞いたことない魔法だわ、なぁにそれ?」

 

 ということで、ロンにしたのと同じ説明を繰り返す。

 ただし、ハーミーは勉強熱心な子だ。わたしからの提案ってこともあって、一も二もなく応じて、あっという間に習得してくれた。うーん、わたしへの信頼を感じる。

 

 そしてハーミーが無事に基礎呪文を習得したタイミングで、わたしたちはスネイプ先生の試練にたどり着いた。中に入るや否や、入口と出口がそれぞれ燃え始める。

 論理パズルに加えてこの仕掛け、ホンットーにスネイプ先生は最高に性格が悪い。

 

「……あれ? さっきハリーと私が飲んだ薬、補充されてる?」

 

 が、それよりもハーミーは、机に置かれた複数のビーカーとその中にたたえられた薬を見て首をひねっていた。

 

「補充? それって」

「もしかしなくても、ここの薬って自動で補充されるから結局全員先に進めるんじゃ」

「……たぶ、ん……?」

 

 スネイプ先生に限ってそんなことってある? と言いたげに、ハーミーがこっちを見た。

 

 なるほど、ダンブルドア先生プロデュース、ハリー・ポッター英雄養成コース一年生編ってことか。

 




エロ触手なんて生み出そうものなら、エクリジスに並ぶ闇の魔法使い扱い待ったなしだと思います。
でも作ってみたくはあるよね・・・あるよね?
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