才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話   作:ひさなぽぴー

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3.ゆうべはおたのしみでしたね

 次の日の朝。ハーミーのベッドの中で目を覚ましたわたしは、今の自分の状況を思い返してついつい日本語でつぶやいた。

 

「……やっちまったな」

 

 何がって? そんなの決まってるだろ、ヤっちまったんだよ。

 

 もぞりと身体を動かして隣に目を向ければ、そこには裸のハーミーが。そしてもちろん、わたしも裸だ。

 この事実を改めて確認して、わたしは新世界の神の顔マネをした。

 

「計画通り……!」

 

 つまりはそういうことだ。

 

 ただし、わたしは魔法を一切使っていない。さては使(つこ)うたな? と思われるかもしれないが、これだけははっきりと真実をお伝えしたかった。

 

 からくりはさほど難しくない。一か月ぶりに出会った恋人同士、何も起きないはずはなく……というのはさすがに端折りすぎか。

 

 ただ実際問題、日常的にスキンシップをしていて、キスも頻繁にしていたカップルが一か月離れ離れになっていたわけだよ。再会した初日は、そりゃあ身も心も燃え上がるってものでしょう。

 

 わたしがしたことと言えば、たくさんキスをしたあとに目をとろけさせて太ももをもじもじさせながら、「なんかお股がむずむずそわそわするの……」って熱っぽくささやいて、病気かもしれないから調べてほしいってそそのかしたくらいだ。

 

 純粋にわたしを心配するハーミーのぎこちなくも優しい手つきは、わたしを幸せの波にさらうには十分すぎた。度重なる自家発電でセルフ開発済みのわたしの身体は、好きな人とちゅっちゅしてるだけでその気になるし、懇切丁寧に扱ってあげなくてもあっという間に昂りまくるチョロさなのだ。

 それが苦しいとかつらいとかネガティブなものは何もなく、むしろ気持ちよくて幸せな気持ちになれるポジティブなものだってことを伝えれば、あとは子供らしい好奇心に誘われて自分も試しに……となるって寸法よ。

 

 何度も言うけど、わたしは神様からあらゆるものごとの才能を授かっている。当然その手のことも範囲内で、そういう技術も自分の身体を使っておおむね習得済み。未開発の身体が相手でも、それなり以上の経験を提供することは可能だった。

 そうすれば、いくら賢い子であってもまだまだ自制心の弱い子供に歯止めなんて利くはずがない。

 

 もちろんわたしにブレーキなんてものはない。最終的には、さも「いいこと閃いた!」って顔で貝殻の絵柄合わせ(隠喩)を提案すれば、無事成功ってわけ。性交だけにね(激ウマギャグ

 

 無知シチュって……いいよね。子供のうちにしかできないから、ぜひともやりたかったんだ。後悔も反省もしていない。

 

 まあ実のところ、ここまでうまく行くとは思ってなかったんだけどね。できないようなら普通にすっぱり諦めて、ホグワーツに行ってから例の魔法で誘えばいいかなって思ってた。魔法もなしに一発成功とは、我ながら神がかった運勢をしてる。

 

 これも日ごろの行いがいいからかな? あるいは、毎日捧げてる祈りのかいがあったのか。

 これからもよろしくお願いします、イザナミノミコト様。

 

「……ん……」

 

 おっと。ハーミーがお目覚めのようだ。ゆるりと開けられた彼女の目が、わたしの目とばっちりぶつかる。

 そして数秒後。事態を把握したのか、みるみるうちに真っ赤になるハーミー。かわいいね♡

 

「おはよハーミー。その……昨夜はすごかった、ね?」

「~~~~っっ!!??」

 

 そのままパニックになりかけちゃったから、抱きしめてよしよしして落ち着かせてあげる。寝起き特有の体温低めな素肌同士が触れ合う感触が、夏の朝にはたまらなく心地いい。

 

「……その、ご、ごめんなさい……私……」

「? なんで謝るの?」

「だ、だってあの、あんな……」

「わたしは気持ちよかったよ。大好きなハーミーにいっぱいいっぱい愛してもらえて、幸せだよ。ね、ハーミーは?」

「ぅ……わ……私も……気持ちよかった、です……。な、何にも考えられないくらい、幸せだった、わ……。い、今も……その……うん……」

 

 顔を真っ赤にして、わたしの首筋に顔をうずめるハーミーは本当に、かわいいなぁ。

 

 まだお互い裸なんだから、そんなに誘わないでほしい。興奮しちゃうじゃないか……❤︎

 

「そっか、よかった。……ね、二人で幸せなら、きっと悪いなんてないよ。もし誰か悪いって言うなら、きっとわたしたち二人が悪いんだと思う」

「…………」

 

 わたしがそう言うと、ハーミーはこくりと頷いた。

 

「……また、しようね?」

「~~ッ!」

 

 わたしはさらに、続けてささやいた。

 

 ハーミーは耳まで赤いまま、けれど確かにもう一度、こくりと頷いた。

 

***

 

 お寝坊さんの烙印を押される前にベッドを出たわたしたちは、スーツケースの中のお風呂でさっと身体を流して朝の食卓についた。

 二人揃ってやけに口数が少ないことにハーミーのご両親は首を傾げていたけど、あちらから色々話題を振ってくれたおかげで食事が終わる頃には二人ともいつもの調子を取り戻していた。

 

 まあ、それでもふとした瞬間に思い出してハーミーがぼっと真っ赤になることはあったけど。

 これはこの日一日続いたから、よっぽど初体験が強烈だったんだろうな。この思い出は、きっと忘却呪文(オブリビエイト)でも消せないだろう。もちろん、そうだといいなって願望でもあるけど。

 

 それから数日は、特に何もないまま平穏に過ぎていった。

 二人とも宿題はとっくのとうに終わってるけど、わたしが持ち込んだ日本の魔法関係の書籍に夢中だった。ハリーとかロンが聞いたら正気を疑いそう(なんならドラコもこれには同意しそう)だけど、これがわたしたちのありのままの付き合い方だ。

 

 惜しいのは、ホグワーツに通うようになった以上は外で魔法を使うわけにはいかないこと。おかげでせっかく仕入れた日本由来の魔法を試すわけにいかなくって、二人揃ってやきもきした。

 

 ちなみに()()()()()()はそこまでしてない。キスはよくしてるし、毎晩一緒のベッドで寝てはいるんだけど、その……ね? 魔法が使えないと、声とか響いちゃうし……。それに色々と飛び散るものの掃除が大変だしさ……。

 

 いや今のところは、簡単に昇り詰めちゃうわたしのせいなんだけどね。それはそれとしてわたしは毎日でもシたいので、さも「名案閃いた!」みたいな顔でお風呂ですることをそろそろ提案しようと思ってる。

 マリー・アントワネットも言ってる。どうせ汚れちゃうなら、洗い流せるところですればいいじゃないって(言ってない

 

 パブロフの犬でお風呂にヘンな条件がついちゃうかもだけど、それはそれでアリ。少なくともわたしは大歓迎です。

 

 そんなある日のこと。

 

「……やっぱりおかしいわ。ハリーから手紙が来ないの」

「連絡がつかないってこと?」

「私からもロンからも手紙を送ってるのに、まったく音沙汰がないの。何かあったとしか思えないわ」

 

 ハーミーがそう言いながら、ロンの手紙を見せてきた。

 そこには、何回連絡してもハリーと連絡がつかないから、近々双子の兄たちと助けに行こうと思っている、なんてことが書かれていた。

 

 なるほど、そろそろ例のイベントが始まるんだな。心の中でそうつぶやきながら、わたしはこの手紙を持ってきたウィーズリー家の老フクロウに餌をあげた。

 

「手紙だけなの? 電話はしてみた?」

「……その発想はなかったわ」

「なんでさ」

 

 ハーミーってば、一年ですっかり立派な魔女だね。マグル生まれだってのに、電話のことをすっかり頭から落っことしてたなんてさ。

 

 自分でもそう思うのか、うっすらと頬を染めるハーミーはかわいい。思わずふふふと頬が緩んじゃった。

 

「で、でも電話番号がわからないわよ」

「電話帳あるでしょ? 調べればいいよ」

 

 2020年代ならともかく、今は1992年だ。携帯電話なんてろくに普及してない時代で、電話と言えば固定電話一択。

 だからこそ、電話帳はイギリスにだって普遍的に存在するものだ。ついでに言えば、プライバシーの概念も未発達な時代だ。住所だって平気で載ってる。

 

 ということで、ご両親から電話帳を借りて、ささっと調べることにした。

 

「ダーズリーダーズリー……あったよハーミー、これだと思う」

「本当に? 結構な数のダーズリーさんがいらっしゃるみたいだけど」

「うん、これだよ。住所はハリーから聞いてるから」

 

 確かにダーズリーさんは複数件載ってるけど、サリー州のプリベット通り4番地に住んでるダーズリーさんは一件しかないからここで間違いない。

 そしてハリーから聞いてるってのはもちろん嘘だ。普通にただの原作知識である。なんの根拠もなく断言したら、予見者って思われそうだからね。

 

 少なくとも、今年一年はまだその辺りに触れるつもりはないんだ。今年はバジリスクが動き出したら単独行動ができなくなるから、そうなる前に古代魔法関係のあれこれを調べておきたいんだよね。

 

「……でも、電話かけるのわたしでいいの? 同寮なんだしハーミーのほうがいいんじゃ」

「電話は苦手なのよ……。前に違う人のところにかけちゃったとき、いい人じゃなかったみたいで怒られちゃって……」

「ああまあ、わかるよ。電話ってなんかそわそわするよね」

 

 電話を前にもじもじするハーミーをよそに、そういうことならと受話器を取る。この時代最先端と思われる電話機の、番号をプッシュしてしばらく。女性の声が聞こえてきた。

 

『はい、ダーズリーですが』

「もしもし、そちらバーノン・ダーズリー様のお宅でよろしかったでしょうか?」

『夫に何かご用でしょうか?』

「ああいえ、わたし実はそちらにお住いのハリー・ポッターくんの学友でして……」

『……何のつもりかしら』

 

 ハリーの名前を出した途端、電話口の気配が変わった。バーノンを夫と呼ぶからにはこの女性がペチュニアなんだろう。本当に魔法とそれにかかわるものがイヤなんだなぁ。

 

「わたし、リン・ゼンポウジと申します。夏休みに入る前に、わたしの帰省が終わったら遊びましょうと約束をしておりまして……先日こちらに戻ってきたので、日程の調整をしたくお電話をさせていただきました。今、ハリーくんは御在宅でしょうか?」

 

 とはいえ、わたしが社会人顔負けの……そう、「普通」の対応をして見せたことで、少なくともこれまで見てきた魔法使いよりは話が通じると思ったんだろう。

 

 ……いや、子供とはいえ下手に魔法を使われちゃ困るって判断? 確か、未成年はホグワーツ外で魔法を使っちゃいけないってこと、この時点ではまだダーズリー家は知らないはずだもんな。

 

 ともかく、少しの時間を置いて電話口の相手が変わった。

 

『……もしもし?』

「もしもしハリー? よかった、ちゃんと生きてるみたいで」

『ホントにリンだ! びっくりした、なんでうちの電話番号わかったの?』

「電話帳で調べられるんだよ。調べるのは得意だしね。……それより、ハーミーから聞いたんだけどなんでハリー返信してくれないの?」

『え? ど、どういうこと?』

「ハーミーもロンも、何度もハリーに手紙出したのに返事がないって……もしかして、手紙届いてないの?」

『何も見てないよ! 一通も! それで僕、みんなに忘れられちゃったんじゃないかって……』

「うーん……? ハリーの家の周りに何かあるのかなぁ……」

 

 ふむふむ。一通り聞く限り、今のところハリーは原作通りの状況みたいだ。ってことはつまり、何かあるっていうかハウスエルフがいるんだねこれは。

 いつ送っても手紙が届かないって、四六時中見張ってるのかなぁ? ドビーったら、マルフォイ家での仕事はどうしてるんだろう。

 

 ともかく原作通りなら、手紙でロンが言ってた通りもう間もなくウィーズリー家の子供たちが乗り込んでいくはず。ただそれだと、ダーズリー家に被害が出るんだよなぁ。

 

 わたし、あの一家には多少同情してるっていうか……。ああなったのも無理はないかもって解釈してるから、できればあんまりひどい目にあってほしくないんだよな。虐待そのものはもちろんやっちゃいけないことだけど、彼らにだって被害者の側面はあるんだし。

 

「じゃあ、この日は大丈夫? もしいいなら会おうよ。ハーミーもいるよ」

『そうしたいのはやまやまだけど、ロンドンは遠いよ……』

「大丈夫、方法はあるよ。ハリーはどっちがいい? わたしたちが行くのと、ハリーが来るのと」

 




遂にやりやがったドM。
初体験についてはもうちょっと引き延ばすつもりだったのに、こいつ気づいたら致してたので、書いてる側としてもちょっと引いた。
キャラが勝手に動き出すことってままあることだけど、こんな暴走列車みたいな動き方したのお前が初めてだよ。その頭脳をもっと他のことに活かせ。
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