才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話 作:ひさなぽぴー
いやあ、才能の拡張では
落ち着いたあと、二人して「ていうかわかるんだ……」「そっちこそ、なんでわかりますの?」みたいな視線を互いに投げ合ってたのはこう、なんていうか、中学生だなぁって感じがするよね。
この件に関しては、一人では絶対に使わないことを約束させられた。で、当面はまとまった時間があるときに、地図の間をはじめとした人目のつかないところでだけでして、制御力を身に着けようってことになりました。
最後の感じからして、制御できるようになりそうな気配はあったからね。そのためにも、わたしはあの感覚を一刻も早く身につけないとだ。
ちなみに感覚の話になるんだけど、今のところ才能の拡張は同時に複数できなさそうな感じがある。ホグレガ的に言うと、今わたしが保有してる才能ポイントは5くらいありそうなんだけど、目の拡張はこれを全部使ってるような感覚があるんよね。
単純に魔法が得意になるとかそういう……シンプルな才能とは違う、だいぶ特殊なことをしてるってことなのかなぁって今は思ってるところ。
まあそれはそれとして、その日の夜は改めてこっそりとハーミーと合流して、シましたけども。すごくすごかったです。
なんていうかなぁ、頭に直接快感をぶち込まれるのもすごくいいんだけど、やっぱね、そういう行為はね、人と人の交流なわけでね。肌と肌を触れ合って、互いに互いを愛し合うほうが何倍も気持ちよかったですね。
特に精神的な満足度っていうのかな。そこがね、段違いだったよね。
愛じゃよ、セブルス(とばっちり
ともかくそういうわけで(?)、わたしは当面は蛇語と魔眼制御の習得に専念することになった。
蛇語のほうは、空いた時間にいつでもできるから問題なさそう。ホグワーツ内に蛇は一匹しかいないけど、サーペンソーティアで召喚すればいいだけだからね。無害なアオダイショウ辺りを呼んでおけばそれでいい。
問題は魔眼のほうで、こっちは一日にできる練習時間が限られてる。何せ起動したら即堕ち2コマだからね。おまけにそれがしばらく続くし、切ったあとも色々と残るからさ……。
練習台には、去年からなんやかんやといじってるカメラを使うことにした。どうせ短時間しか魔眼を使えないなら、色々と勝手がわかっていて、だけど正確には仕組みがわかってないものを使ったほうがいいかと思って。それで魔法的に構造がわかったなら、改造もはかどるしね。
まあ、最初のうちは本当にちっともできなかったんだけど。ただやっぱり神様謹製の才能は伊達じゃなくって、回数を重ねることで着実に制御できるようになってるって実感はある。
徐々にだけど、脳髄に届く快感を弱くできてるからね。本格的に運用できるのはもうちょっと先になりそうだけどさ。
実際、魔眼の制御はハロウィン……つまり毎年恒例ハリーの物語が動き出す日には間に合わなかった。蛇語のほうは最低限のことはできるようになっただけに、日々練習に費やせる時間の差が如実に出た形だ。
とはいえ、ハロウィンの件に関しては後にしよう。時系列的には、スリザリンの書斎に入れたのが先になったから、まずはそっちから話すよ。
かろうじてとはいえ、蛇語について理解し始めた頃。日本語で言えば、「オデ、オマエ、クウ」程度とはいえ理解できるようになったタイミングで、わたしたちは再度書斎の入口に向かった。
この時点ではまだ扉は開けられなかったんだけど、それでも壁画から聞こえてた声が何を言ってるかはなんとかわかるようになっててね。
あとはそれに対する返事を練習すれば、とりあえず中には入れるだろうってことで、そこからは特定の言葉だけを練習してたわけ。だからこそ、二か月未満っていう短い期間で先に進めるようになったんだよね。
『彼方の湿原より来たりしは』
『俊敏狡猾なスリザリン』
壁画からの問いに答えれば、扉に刻まれた交まる蛇が離れ、扉の淵を回り、再び交わった先で緑色の光が灯る。そして扉は開かれた。
闇が広がる通路の先をのぞき込んで、ハーミーとダフネが興奮ぎみに喝さいを上げた。
「開いた! やったわね!」
「よくやりましたわゼンポウジ!」
二人に左右からくっついて褒めちぎられて、照れるわたしです。
ともあれこうして隠し通路の先に進んだわたしたちは、問題なく最奥に踏み込んだ。道中の仕掛けは大して難しくなかったけど、ここにあるのは原作通りなら一緒に入った人間にクルーシオをかけないといけないっていうやべーやつ。
性質の悪いことに閉じ込められたうえでそれだから、一人できたら普通に詰み。死あるのみだ。実際、ホグレガだと過去にこれで人が死んだって明言されてる。
そしてクルーシオ。こいつは苦痛だけを与える魔法で、禁じられた三つの呪文のうちの一つ。人に向けて唱えたのがバレたら即アズカバンだ。
おまけにこの魔法(他の禁じられた魔法もだけど)、本気で相手を害する気持ちがないと成功しない。そんなものを一緒に踏み込んだ誰かにかけないといけないんだから、本当に性質が悪いよねっていう。
わたしは一度しっかり食らっておきたいけど、それはともかく。
「……クルーシオ? が、線で消されてるわね」
「ハグ……って」
「ミス・レガシーが『危険なのは変えておいた』と仰っていたのはこれのことでしょうね……」
でも1992年の今、必要なものはクルーシオじゃなくてハグになってた。愛じゃよセブルス……ってコト!?
ど、どうせ愛じゃよってんなら、セックスしないと出られない部屋にしておいてくれたらよかったのに……。
いや別にハグは嫌いじゃない、っていうかむしろ好きなほうだけど! 確かに19世紀にセックスしないと出られない部屋なんて概念ないだろうけど、それにしたってさぁ……!
……でもさ。この調子ならきっと再現できるよね、セックスしないと出られない部屋。魔法ってすごい。夢が広がる。いつか絶対作ろう。
「クルーシオに比べればものすごく穏当だけど、落差がすごいわね……」
「むぎゅ」
一人アホなこと考えてたら、ハーミーにノータイムで抱きしめられた。思わず反射で抱き返す。
「……なんだか手慣れておりますわね?」
「そ、そりゃあ私たち、幼馴染だもの。これくらい、普通よ普通」
「ふうん? まあそういうことにしておいてあげますけれど……特に何もありませんわね?」
しかし何も起きなかった。扉はうんともすんとも言わず、わたしたちはただ抱きしめ合うだけ。ダメじゃん!
正面から抱き合った状態のまま、わたしとハーミーは揃って首を傾げた。ダフネも同時におんなじことしてた。
「ここに入った人、全員がしないといけないってことかしら?」
「……それ、大人数で立ち入った場合ものすごく面倒なことになりそうですわね」
「今は三人しかいませんし、試すくらいはいいのではないでしょうか。……グリーングラス様、僭越ながらわたしのこちら側空けますのでよろしければ」
片側を開ける形でちょっとだけハーミーから離して手招きする。
だけどダフネはすぐに近づいてこず、遠慮がちにこっちに視線を向けてきた。
「……本当によろしいのかしら?」
「? わたしたちマグル生まれがためらうことはあっても、尊き血筋の方が遠慮することなどないかと思いますが」
「いえその、そういうことではなく……」
「気にしすぎよ。それにこのままじゃここに閉じ込められちゃうわよ?」
「それはそうなのですが。うぅ……もう、わかりましたわ。その、お邪魔いたします」
少しの問答のあと、ダフネは観念したようにくっついてきた。なんだったんだろうね。
ダフネの身体はハーミーに比べると少しひんやりしてた。体温がそもそも低いタイプなのかな。
肉付きはあんまりよくなくて、触れた場所によってははっきりと骨の感触があった。ただこれは病気がちだからって言うよりは、急に身長が伸びて身体がついてきてない感じかな? 成長が落ち着いたらちゃんと筋肉も脂肪も行き渡ると思う。
ところで、ハーミーはなんで負けたって顔してるのかな。不思議だね。
わたし個人としては、「そこ」に勝敗や貴賤はないと思ってるんだけどねぇ。小さくても大きくてもわたしはおいしくいただけます。大体、あなたまだ13歳なんだから将来性は抜群よ。
まあそれはともかく、しばらくそのまま三人で抱きしめ合う。すごい絵面だ。
……間近で二人の匂いが感じられて、なんかムラムラしてきた。どっちも違ってどっちもいい。
くんかくんか。はぁー、キマるぅ~~↑↑
「……開いたわね」「……開きましたわね」
わたしが桃色なことを考えてるよそで、扉は普通にあっけなく開いた。
ただ、そのまましばらくわたしたちは離れないままそこにいた。
なんでかはよくわからない。わたしはこのままでよかったから何も言わなかったけど、なんとなく三人揃って離れがたく感じてたのかな。
人肌ってあったかくて気持ちいいよね。わたしスキンシップ大好き。
いや意味深なことはなにもなくね? 言葉通りの意味でね?
……さては誰も信じてくださらない? 日頃の行い? そんなぁ。
「……すごいわ! これがスリザリンの隠し部屋なのね!」
「これは……さしずめ秘密の書斎と言った趣ですわね!」
言葉少なに離れたわたしたちだったけど、部屋に入ってすぐに二人がテンションを上げた。理由はそれぞれ違うんだろうけど、どっちもかわいいのでヨシ。
それにわたし自身も少なからずワクワクしてた。ホグレガで知ってる場所ではあるけど、やっぱり実際にこの目で見るのとでは違うしね。
秘密の書斎は、ホグレガ時代よりも明らかに物が増えているように見えた。レガ主、ここで呪いの研究してたって言ってたし、本当に色々持ち込んだんだろうね。
そして絶対に後から持ち込まれたんだろう、って断言できるものが一つ。それが壁にかけられた小型の肖像画だ。
「スリザリンの隠し部屋へようこそ。いやあ、思ったより早かったねぇ」
絵の中にいたのは、もちろんレガ主。素直に褒めてくれてるようで、ぱちぱちと拍手してる。
今日の彼女はスリザリンローブで、けれど最初に見たときとはまた姿が違う。呪腕のハサンみたいな白い仮面をつけてて顔はよくわからないけど、体つきは確実に小さくなってる。ひょっとしてそれ、わたしに似せてたりします?
「そっちからこの辺りまでが、ボクが友達と一緒に持ち込んだものだよ。逆にあっちからこの辺りまでが、スリザリンとかそれ以降ここに出入りしてたであろうゴーントの人たちとかが残したもの。どれも好きなように使ってくれて構わないけど、ゴーントの人たちが残したものには闇のアイテムなんかもあるから取り扱いには気をつけてね」
わたしの無言の問いかけを無視して、レガ主が部屋の中を軽く説明してくれた。後半を聞いて、ハーミーもダフネもそれとなくそっちのほうから距離を置いてた。
スリザリンについては昔の人だから実際どうかわからないけど、やっぱりゴーント家って……ってなりましたね。さすが、趣味でマグルにクルーシオかける家系は一味違うな……。
「すごい量ですわね……。こんなにあっては、確認するだけでどれほど時間がかかることか……」
とはいえ、資料の数がすごいのは事実。呪いを解くためにはこれだけあれば十分! みたいなのがあればいいんだけど、ある程度複合的に絡んでるんだろうからそれは無理かな。
仮にそういうのがあったとしても、この数の資料の中からピンポイントで見つけるのは難しいだろうね。ここは素直に一つ一つ当たっていくしかない。
「問題は、それをやると一つ一つ熟読しちゃってどんどん時間が過ぎることなのよね……」
「わかるぅ。だんだん楽しくなっちゃって、結局読む本が増えるんだよねぇ」
「あなたたちがどうして成績優秀なのか、わかった気がしますわ……」
そんなことを言いつつ、レガ主からのアドバイスももらいながら、それらしい資料をいくつか持ち出すことにしたわたしたちだったわけだけど。
『秘密の部屋は開かれたり。継承者の敵よ、気をつけよ』
ほどなくして、ハロウィンが来ちゃったってわけ。いよいよ秘密の部屋の物語が始まる。
書いてて思ったけど、セックスしないと出られない部屋があるホグワーツとか嫌だな・・・。