才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話   作:ひさなぽぴー

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15.動き出す物語 2

 ハロウィン当日の流れは、おおむね原作と変わりなかったと思う。

 ハリーたちはいつもの三人で、ほとんど首無しニックの絶命日パーティに出席。その帰りの道中、ハリーが謎の声を聞きつけて追いかけたところ、ミセス・ノリスが石化していて壁にはメッセージが……って具合だ。

 

 もちろん、細かく見ると原作と違うところもある。ハーミーが絶命日に参加することを決めたきっかけが、「昔の人間であるゴーストたちなら、呪いに関する何か有益な情報を持ってるんじゃないか」って思ったことだったところとか。まあ何の成果も得られませんでしたけど。

 

 ちなみにわたしは不参加。ゴーストたちから総出で「頼むから彼女だけは連れて来ないでくれ」って言われたらしくてさ。

 

 だろうなとは思ってたからショックはないけど、ハーミーはもちろんハリーやロンですら怒ってたのはちょっと意外だったかな。ただ、ゴーストたちもどうしてそこまでわたしが恐ろしいのかがわかってないみたいだから、最終的には和解してた。

 わからないんじゃしょうがない。だからそこについては置いといて、ゴーストの周りは寒いから寒さ対策と、生きてる人間が食べられるものは一切ないから食事の用意はしておくようにって三人には助言しておいた。どこまで意味があったかはわかんない。

 

 話を戻そう。今回の事件で原作との違いはいくつかある。

 

 大きな違いとしては、犯人……っていうよりは強制された共犯者であるジニーが、当日の朝から熱を出して寝込んでいたこと。事件があったときも、医務室で眠ってたらしい。

 つまり事件が起きたとき、彼女には意識がなかった。原作では事件の前後だけ意識がなかったことをきっかけにして自分が犯人なんじゃないかって疑ってたけど、そもそも眠ってたなら意識がないのは当たり前。原作のように、初っ端から疑心暗鬼になって精神的に追い詰められていくって流れにはなりそうにない。

 

 こうなってくると、本当に彼女の手元にリドルの日記があるのか? ってなるけど、あるのは間違いない。

 ジニーの兄であるパーシーが証言してくれたからね。お見舞いに医務室に行ったら、彼女は古びたノートに何かを楽しそうに書いてたらしい。パーシーを見て慌てて隠したとも言ってた。

 

 優等生のパーシーは、年頃の妹が兄に見せたくない何かがあるんだろうって思って深くは追究しなかったらしいけど、しなくって正解だと思うよ。最悪、最初の犠牲者がパーシーになる展開もあったかもしれないもんね。

 

 ともかくそういうわけで、日記の所在自体は原作から変わってないと思われる。変わってないけど、原作との違いが去年同様にあるということは、今後ますますジニーから目が離せない。

 

 この他の違いとしては、石化したミセス・ノリスが見つかったタイミングでドラコがテンション爆上げでイキリ散らさなかった点もある。

 

 原作ならここで「この『穢れた血』め!」ってハーミーはじめマグル生まれの人間に向けて言い放つんだけど、この世界だとそれはなかった。

 

 正確には言おうとしたけど、わたしをちらっと見てから苦虫を何十匹もかみつぶしたような顔をしてギリ踏みとどまったんだよね。

 めちゃんこびっくりしたよ。絶対言うって思ってたし、ドラコがそんな配慮するなんて、ってさ。

 

 でも彼にとって、少なくともわたしは身内扱いらしい。穢れた血でも、彼の身内にはなれるんだね。びっくりだ。どの程度かはわからないけど、少なくとも公衆の面前で罵倒しないってことはかなり好感度高いんじゃないだろうか。

 そしてこの姿勢は、たぶんほとんどスリザリン共通だ。何人か、似たような反応をしてた先輩がいた。全員が何か言いたそうにしてわたしを見て、それからひっこめるってやってたもん。

 

 ……困ったな。どうやらわたしはこの一年ちょっとの間に、スリザリン純血たちの好感度を稼ぎすぎたらしい。一部は報復を恐れてのことだろうけど、どっちにしてもこれじゃもうわたしをいじめてくれる人はいないって見てよさそうだ。

 

 ──だがここに一人、例外がいる!

 

「継承者の敵よ気をつけよ、か……アンタも大変よねぇ、ゼンポウジ(穢れた血)?」

 

 そう、パンジーだ。彼女は一切悪びれることなくわたしの肩を叩くと、いかにも悪役って感じのにんまり笑いを浮かべて意地悪く言ってのけたのだ。

 もちろん、状況的にめちゃんこブラックなその発言に、周りからこいつマジかって視線が集まった。ダフネなんて目をむいてぎょっとしてた。

 

 ごめんダフネ。わたしノーダメージなんだ。それどころか、やっぱりわたしの真のご主人様はパンジーだったんだって感極まったまであるからね。

 

 だけどそれは表には出さず、神妙にかしこまる。

 

「敵とみなされるようなことをしていたのであれば、いかようにでも罰していただければと思います」

「生意気。そこはおびえて平身低頭、すがりついて全力の命乞いしてきなさいよ」

 

 ……! そ、その通りだ……!

 クソッ、なんでそれを思いつけなかったんだ! わたしってほんとバカ! そうすればパンジーも気持ちよく罵倒してくれただろうに! こんなに大勢の人が見てる中で、派手にいじめてもらえたかもしれないのに!!

 

「言いすぎですわよパンジー」

「そうかしら? みんな言いづらそうにしてるだけで、本当はそう思ってるんじゃないの?」

「わたくしはそうは思いませんわよ。たとえ出自がどうあろうと、この子は少なくともスリザリンですわ」

 

 だ、ダフネ……! そんな、わたしをかばってくれるなんて……。

 

 しなくていいのに! 今から全力のこびへつらいムーブをしようとしてたんだこちとら!

 

 いやその心意気は嬉しいけれども! そこは間違いなく嬉しいんだけども!

 

「ま、それもそうね。よかったわねゼンポウジ? どこの誰がやったかは知らないけど、少なくともあんたがスリザリンのために生きてるうちは守ってあげる。一応ね」

「そんな……わたしごときを守るために尊き方々のお手を煩わせるわけには」

「は? 私が守ってあげるって言ってやってるのに、なにそれ?」

「も、申し訳ありません。出過ぎたことを申しました。仰せのままに」

「ったく。いつになったらわきまえてくれるのかしらね?」

 

 これですよ。このころころ変わる自分本位な言い分。わたしはこういうご主人様にいじめてほしいんだ。

 

 思わずぺこりと頭を下げる。直前、ハーミーはもちろんハリーたちまでパンジーをにらんでたのが見えたけど、ごめんね。わたし、これがないと生きていけないのよ……。

 

 まあ実際のところ、わたしが狙われるかどうかは五分五分ってところじゃないかな。継承者ことトムくんが狙いやすい人なんて、他にもそれなりにいるわけだしね。

 

 とはいえ今年度の事件は、チュートリアルだった去年度とはわけが違う。石化の実行犯はバジリスクで、ミセス・ノリスが石化で済んだのはただ運がよかっただけなんだよね。目が合ったら死ぬんだから、わたしも少しばかりスリザリンの結束と守りに期待することにしよう。

 

 ……待てよ? 今思ったけど、とりあえずレベリオしまくりながら歩けばいいんじゃないのか。

 あれ、魔法的に何かあったら感知するものだから、魔法生物の位置もある程度わかるはずだし。確か障害物貫通して、場所把握できたよね?

 

 よし、ちょっとやってみるか。

 

***

 

 ダメだった。効果自体は予想通りあったけど、レベリオし続けるのはシンプルに魔法力が足りない。MP切れ待ったなしだ。

 レガ主は連発できたけど、どうやってたんだろう? ゲームって言われたらそれまでだけど、何かあったんじゃないのかなぁ。

 

 まあとはいえ、無意味じゃなさそうってのはたぶん間違いないわけで。死角になってる曲がり角とかでは、念のためレベリオしてから進むようにすれば最悪の事態は防げるんじゃないかな。

 

 ……ってことをクィレル先生に報告したら、「れれ、レベリオにそ、そ、そんなつ使い方、が……!?」と言われて、あれそういえばそうだったな? ってなるなどしました。

 

 その後、先生方と検証に付き合うことになりましてね。まずレガ主みたいな使い方がレベリオでできるのか、ってところからスタート。次に本当にそれで視覚外のものを認識できるのか、ってこともやってみたりした。

 最終的にはダンブルドア先生までやってきて、魔法理論的にも結構深いところまで探ったりしたんだけど、結論としては「わたしにしかできない」ってことで確定した。

 

 まず前提として、レベリオの効果は魔法的に隠されたものを暴くこと。そしてそれはホグレガみたくサーチ的なものじゃなくって、実態を暴いて物理的に元に戻す、もしくは暴くってもの。

 この使い方自体は、ホグレガでも隠されたフィールドガイドを出現させる形で使われてたわけだけど、要するにピンポイントで決め打ちするのが一般的。周囲の空間全体に向けて使うことは、あんまりしないのね。これが教科書に載ってる、普通のレベリオだ。

 

 じゃあそんな魔法を、レガ主みたいにサーチ的に使うことはできるのか? これは可能だった。

 

 同じようなサーチ系の魔法で、アパレ・ヴェスティジウムってのがある。足跡に特化した追跡魔法で、その理論を少し組み込むことでレガ主同様のレベリオは可能だった。使い手の力量次第で効果範囲は大きく変化するけどね。

 

 案の定って言うべきか、この融合的な魔法の使い方は魔法理論の本に載ってた。まだ読めてない、魔法理論詳説のほうにね。

 

 去年少しだけ触れた通り、この本はフィグ先生の著書だ。つまりレガ主のレベリオ、やっぱりフィグ先生流なんだろう。この再発見はホグワーツの教授陣を驚かせた。

 

「目に見える範囲で、生物、魔法的非生物、非魔法的非生物と見分けられるのはいいですな!」

「仕掛けの有無が視認できるだけで、あの双子のいたずらの何割かは抑えられそうですね」

「…………」

 

 盛り上がるフリットウィック先生とスプラウト先生をよそに、「学生時代これに気づいていれば、ポッターども相手にもっとうまく立ち回れたろうに」と言いたげに顔をしかめてるスネイプ先生が良くも悪くも印象的だった。そういうとこやぞスニベルスくん。

 

 ちなみに、この再発見をしたのはなんとロックハートだ。人から奪ったんじゃなくて、マジでロックハートが見つけてきた。今の授業スタイルを作る過程でクィレル先生からフィグ先生の話を聞いてたからこそだとは思うけど、お前ちゃんと資料に当たっての調査とかできるんやな……って思うなどした。

 

 でも考えれば当然かもしれない。彼だって腐ってもレイブンクロー出身だし、そもそも奪う功績を探すためには事前の調査が欠かせない。

 おまけに小説を用いてインフルエンサーみたいな大バズリをするには、先んじてそう言うのが流行ってたマグル界のあれこれもきっと調べてるだろう。

 

 その能力をもっとまっとうに使えたならよかったのに。クソデカ虚栄心さえなければなぁ……。

 全学年レベリオ一色の授業を展開して稗田八方斎並みの胸反らしを披露して自慢げなロックハートを見ながら、そんなことを思うわたしだよ。

 

 それでいて、授業の趣旨は主に危険なものには近づかないようにしましょうって感じで自分が魔法を使う機会は極力減らしてるんだから、抜け目ないっていうか。さりげに今一番必要な魔法を教える結果になってるけど、これもうマジわかんねぇな。

 

 この再発見のきっかけが、「これ以上は自分に教えられるものがない、このままだとまた生徒たちから白い目で見られる日々が来てしまう」っていう強迫観念から来てるっぽいところも含めて、世の中何がどうなるかわかったもんじゃないよね。

 

 ともかくそういうわけでちょっとしたレベリオ革命が起きてるんだけど、ここまでは教師陣なら誰でも(ロックハートは徹夜してちょびっとだけ使えるようになったらしいってクィレル先生が言ってた)できた。生徒でも上級生はさほど苦労してなかったから、難易度は高くないんだろう。

 

 で、問題はここから。わたしはこのレベリオをすると、視覚外にあるものも認識できる。壁の向こう側、視界を遮るものを貫通した先であっても、レベリオが反応するものは色で浮かび上がって見えるんだよね。これはゲーム中のレガ主と同じ挙動だ。

 

 ところがこれが、誰にもできなかった。魔法使いとして優秀な教授陣の誰も……それこそダンブルドア先生ですら、できなかったんだよね。

 

「わしが一年生だった頃、七年生だった先輩に一人だけこれができる方がおった。当時はその方が天才なのだと思っておったのじゃが……後年聞いたところによると、これは七変化のような特殊かつ先天的な才能によるものだったそうでのう」

 

 そして結論の決め手になったのは、ダンブルドア先生のその言葉だった。そんな特殊な才能もあるのか、なんて驚く教授陣をよそに、わたしは「やっべ、古代魔法の才能があるってバレたな?」ってこの先どうするべきか内心で冷や汗かいてた。

 

 ただその一方で、レベリオのこれが古代魔法の才能による効果ってことは、思いつかなかっただけでレガ主も目の才能を拡張することはできたんじゃないかな、って考える冷静なわたしもいた。物質を貫通したレベリオ効果の視認は、きっと古代魔法的な目の才能の基礎なんだろうなぁ、って。

 

 ともあれそういうわけで、わたしに他とは違う特殊な何かがあるということは教授陣(ロックハートを除く)に共有された。そして唯一その才能の一端を知っているダンブルドア先生は、そこまでするかという教授陣の疑問を抑えてかん口令を敷いた。

 

 うん、わたしが同じ立場でも同じことした。古代魔法はそれだけ扱いを間違えると大変なことになるもんね。

 

 で、一通りの検証を終えたあと。わたしは一人校長室に連れていかれる羽目になった。

 

「どうやら君は、古代魔法の使い手であるようじゃな」

 

 そして人払いをはじめ防諜対策をばっちりやったあと、ダンブルドア先生は一言目からずばり切り込んできた。迂遠な言い方、やり方が多い彼としては珍しい、正面からの断言だった。

 わたしは彼の目が不思議なきらめきを帯びていないことを見て取って、正面から受け止める。

 

「はい、そのようです。わたし自身、それを知ったのはつい最近ですが……」

「ここ最近、よく地下に行っておるようじゃな。地図の間は既に見つけていると見てよいかのう?」

「地図の間をご存じなのですか?」

「なに、さっきも言った先輩の頼みでな。もし自分と同じ才能を持った生徒に出会ったら教えてほしい、と言われておるのじゃよ。君は先に見つけてしまったようじゃが」

 

 そしてダンブルドア先生は、校長になって約半世紀でようやく先輩の期待に応えられそうだと思っておったんじゃがのう、と朗らかに笑った。グリンデルバルドとの決戦が終わった少しあとくらいの頃、レガ主に一度だけ地図の間に入れてもらってある程度のところまで教えてもらったんだってさ。

 

 肖像画のレガ主はそんなこと何も言わなかったな……。ダンブルドア先生と一緒にいなかったから、その辺りのことは何もないまま辿り着いたって判断してあえて言わなかったのかな?

 

 レガ主はこのとき、自分にとってのフィグ先生になってほしいってダンブルドア先生に頼んだらしい。それはレガ主にとって最大級の賛辞だろうなぁ。

 

「当初は断ったのじゃが。大恩ある先輩に何度も頼み込まれては、断り切れなんだ。……それに、先輩が近いうちにこの世界を去ると聞かされてしまってはのう」

「あの方からとても信頼されてるんですね」

「ありがたいことにのう。……とはいえ、優秀な君はわしなんぞの導きは必要なさそうにも見える。ハーマイオニーやダフネとの交流や、去年の君の活躍を思えば、何を言っても……そう、東洋で言うところの『釈迦に説法』になるような気がするんじゃ」

 

 それ言いすぎ、とは思ったけど、言わんとしてることは理解できた。

 

 ダンブルドア先生は、後悔の多い人生を歩んできた人だ。それだけ多くの失敗ややらかしをしてきたと思ってる人。そんな自分と同じ過ちを犯さないように、日ごろから自分を戒め続けてる人だ。

 トム・リドルに愛を教えられなかったことは、その中でも特に大きな後悔の一つだろう。人としても、教師としても。

 

 だけどわたしは愛を知ってるし、今世紀最悪の魔法使いへの敵対姿勢も既に明確にしてる。

 ダンブルドア先生が仕方のない犠牲だと切り捨てる気だったクィレル先生も、何の因果か助けてる。

 きっと誰よりもダンブルドア先生自身が、本当に本気で教えられることがないって思ってそうだ。

 

 でもそれと同時に、対お辞儀用の手札としてハリーに並ぶ切り札……場合によってはジョーカーになるだろうってくらいのことも、考えてそうだなって思う。善人なことは間違いないダンブルドア先生だけど、最善のためなら非道なやり方も選択肢に入れられちゃう、実行できちゃう人だもんね。

 

 わたしとしては、別に構わないって思ってる。前にも言ったけど、わたしの健やかワンワンペットライフにお辞儀とかいうアバダケダブラマンは必要ないので。

 

 ただそれをいきなり言うのは話が繋がってないし、二年生が二十世紀最大の英雄の教えをいらないって言うのはいくらなんでも驕りすぎだろう。

 実際わたし自身も、ダンブルドア先生に教われるならぜひとも教えてもらいたいことがたくさんある。

 

「先生が何を見てそう思ったかはわかりませんが、わたしにはわからないことだらけですよ。ですので、これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」

「……うむ。わしも多忙ゆえ、常に応えられるとは言えんが。何かあれば声をかけてくれると嬉しいのう」

 

 ということで、わたしはダンブルドア先生への直通ホットラインを手に入れた。

 見方を変えるとかなり怖い繋がりだけど、敵対しない限りこれほど心強いものは他にないわけで。せっかくだから有効活用させてもらおう。錬金術のこととか、教えてもらえると助かる助かる。

 

「ときにリンや、最後に一つだけよいかね?」

「なんでしょうか?」

「去年の事件で、君はヴォルデモート卿を相手に半純血と断言したそうじゃな。どこでそのことを知ったのかね?」

 

 お……っと。最後の最後にぶっこんで来たな。こういうことするよなこの人。コロンボか古畑かっての。

 

 とはいえ、こっちだっていつか聞かれるかもしれないって備えてたんでね。どう対応するかはもう決めてたんだ。

 

「……? あの人は半純血ですよね」

 

 だからわたしは、それが当然の知識であるという体で答える。

 

「その事実を知るものは少ない。マグル生まれの君が知るすべは、万に一つもないはずなんじゃがのう」

「……あれ? じゃあ、なんでわたしは知ってたんでしょう……?」

 

 くらえ! 今まで自分が当たり前のものだと思っていたものが、実はそうじゃなかったと知って混乱する人の演技! この12年で鍛えてきた、わたしの演技力を見よ!

 マグル界ならともかく、ここは魔法界。なんかこう、不思議な力で本来知り得ない情報を知るなんて、あり得ないはずがない。いい感じに勘違いしろ! なんとかなれーッ!

 

「ふむう……やはり古代魔法の使い手はそういう力があるのかのう。不思議なこともあるものじゃ」

「やはり……? 何か心当たりが?」

「件の先輩が、のう。ちょこちょこ未知の知識を、そうとは知らぬまま見知っておった。未来を視ることもあると言っておったかな。それに助けられたこともある」

 

 ところがどっこい、これは怪我の功名というか、ラッキーというか。

 レガ主もそういう傾向があったっていうなら、今後はわたしが知り得ないはずの情報をぶっ放してもなんとかなりそうかな?

 

「古代魔法……普通の魔法とは違うとは聞いてましたけど、そうだとしたらなんでもありですね……」

「そのようじゃ。わしも実感として改めてそう思ったよ。……リン、くれぐれも慎重にな。何かおかしいと感じたら、すぐ報告するように。よいかの?」

「はい、わかりました」

 

 何はともあれ、この件に関しては無事に終わったって見てよさそうだ。

 

 あと、この場合の「何かおかしいと感じたら」は、体調とかそっち方面だけじゃないだろう。今ホグワーツに起きている事件についても、ってことだと思う。去年と違って想定外の出来事だからね。来年以降もそうだ。

 お辞儀打倒に繋がるいい情報とかが手に入ったら、それもってことだろうな。もちろん、そっちについてはいくらでもって感じだ。出し惜しみをすることはあるかもだけど、お辞儀なんていないほうがいいんだからね。

 

 それ以外にもメリットはある。ダンブルドア先生との直通ホットラインを持てるってことは、魔法に関していつでも質問できるってことだ。

 普段はちょくちょくクィレル先生に聞きに言ってるけど、レガ主が残した呪いに関する研究や、半ばで放棄されたらしい解呪用魔法についてはさすがにちょっと荷が重いみたいなんだよね。

 

 そんなところに降ってわいたいい機会だ。今世紀最高の魔法使いの見解を聞いたりできるわけでしょ。それはわたしにとって、とても大きなメリットだ。

 

 原作通りなら、ダンブルドア先生も近い将来この世から退場する人。それまでいっぱいいっぱい、手取り足取り腰取り教えてもらうとしよう。

 まああの人にはもう心に決めた人がいるわけだから、わたしのことはそういう風には扱ってくれないだろうけどね……。

 




目の才能を強化する、っていう与太話に近い独自設定の根拠にしたのがレベリオのこの挙動です。障害物の向こう側にあるものまで位置が色付きでわかるのは、どう考えても普通じゃねぇだろ、ということで。
目にも古代魔法独自の何かがあるなら、それは強化できるよねという解釈ですね。

それと、レガ主が本来であれば知り得ない情報を知っていることがあった、というのも他の設定と同じく某作品リスペクト。
レガ主はプレイヤーの分身であるため、人によっては原作の知識があるから・・・という形ですね。
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