才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話   作:ひさなぽぴー

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20.呪いを“視”る

 ともかくそんなわけで魔眼をある程度使えるようになったから、ダフネの身体を魔眼で見てみることにしたわたしたち。ハーミーとレガ主にも意見が聞きたかったから、三人揃っていつも通りスリザリンの書斎に集合する。

 

 そして彼女たちの視線を集める中、わたしは魔眼を解放。全力で集中しながら、ダフネを注視した。

 

 あ、ちなみに言ってなかったけど、魔眼解放中のわたしの目は赤いらしい。お辞儀みたいなどぎつい赤じゃなくて、ピンクっぽい縞メノウのような色だそうだ。

 ……天眼石……ですかねぇ……。

 

「……いかがかしら?」

 

 そんな目で、ダフネの全身を余すところなく視姦……もとい観察しようとしたんだけど。

 

 うん、服が邪魔。

 

 いやえっちな意味じゃなくて。肌が露出してる部分ははっきりわかるんだけど、服があるところは見えない。

 まったく見えないわけじゃないんだけど、冬で重ね着してることもあってか、どうなってるのかがすごくわかりづらいんだよね。レベリオすれば少しは変わってくるのかもしれないけど、それにしても覆いがあることには変わりない。

 

 ということで、仕切り直し。ダフネには悪いけど、薄着になってもらおう。

 

 裸になってもらおうって言うと思った人は、ちゃんと悔い改めようね。わたし、今しがた「まったく見えないわけじゃない」って言ったからね。そこまで節操なしじゃないやい(どの口案件

 

「恥ずかしいですけれど、あなたたちなら構いませんわ」

 

 ただ、まさかの快諾でちょっとびっくりした。堂々と上着を脱ぐものだから、わたしたちのほうが焦っちゃったよね。

 

 そんなにマグル生まれ(わたしたち)が好きになったのか、ダフネ──。

 

「はい、どうぞ。お好きなように眺めてくださいまし」

 

 下着姿になったダフネに、改めて魔眼を解放する。

 

 すぐにわたしの中に猛烈な情報の濁流が飛び込んでくるけど、この視界にもそこそこ慣れた。

 前にも言った通り、今では身体が苦痛という名の快感を覚え始めるまで57秒ほどの余裕がある。解放と同時にアヘり倒してたわたしはもういないのさ!

 

 まあだからって余裕こいていられるほどじゃないから、今はばっちり集中しないとなんだけど……下着姿で身体のほとんどが露出しているダフネの姿は、わたしにとってはすごくえっちに見える。

 こう、見てるだけでムラムラしてくる。すき。これでそっちに集中するなって、そんなご無体な。

 

 でも今は、えっちな話は封印。スケベなリンちゃんはしまっちゃって、真面目に考えながらダフネの周りをゆっくり歩いて前から後ろから観察する。

 

 手には紙と鉛筆。感じたこと、見えたこと、思ったことを書き殴っていく。羽ペンはこういうとき使いづらいからナシだ。

 読みやすさは度外視。今はできるだけ多くの情報を調べ上げることのほうが大事だから、とにかく書けるだけのことを書き出していくんだ。

 

 たまにレベリオも挟む。フィグ先生流のレベリオとわたしの魔眼ってマジで相性が良くって、反応したものの魔法的な要素をより深く見ることができるんだよね。その人が持ってる魔力の量とか、流れとかも見えるようになる。それも壁を貫通してね。

 他にも、合言葉や明確な答えが設定されてる扉なんかはそれが見えたりする。これでまだ拡張の余地があるとなると本当にチートだと思うけど、これ以上拡張すると身体にかかる負担もその分大きそう。

 

「30秒よ」

 

 そして、一回の解放ですべて読み解けるとは思ってない。だからハーミーにはタイムキーパーになってもらって、30秒ごとに一度魔眼を閉じて1分の休憩を挟むスタイルだ。

 これも前に言ったけど、こうやって休憩を入れればぶっ通しで使い続けるよりかなり長いこと使ってられるんだよね。

 

 もちろん永遠に使い続けられるわけじゃない。どれだけ休み休みやってたとしても、魔眼を連続使用してるのには変わらないもん。だんだんと負担なく魔眼を使ってられる時間が短くなっていって、最終的にはほんの数秒程度にまで縮まっちゃう。

 

 だから現時点ではこれ以上得られるものはないだろう、って判断するまでやり続けた結果、わたしのわたしがぐしょぐしょのとろとろになっちゃうのは仕方ないことなのです。

 当然だけど息は絶え絶えだし、立ってるのもやっとだし、なんなら足は生まれたての小鹿みたいにガックガクだ。でもまだ一度もてっぺんまで来てないんだから偉いと思いませんか、あなた。

 まあ、ちょっとでもどこかを触られたら即頂上は間違いなしだろうけどさ。

 

 とりあえず、ここから先のわたしのセリフは全部ハートマークマシマシになるんだけど、それだと読んでてわかりづらいだろうから読みやすい形に整えた上でお出しするよ。感じまくって息も絶え絶えなセリフを書くの、地味にめんどいんだよね(メタ

 

「それで、いかがですの?」

「グリーングラス様の身体全体に、うっすらと呪いがかかっています。かかっていないところは見た限りどこにもなく、全身にまんべんなく、という状態ですね」

 

 書き殴ったメモをハーミーに渡して、彼女に身体を支えられながらそう答える。

 

 呪いがかかってると、魔眼にはそこが光ってるように見えるんだよね。色は呪いによってさまざま。そしてダフネの身体はうっすらとだけど間違いなく、呪いによる光に包まれているように視えるんだ。

 色は意外にも、神聖さを感じる白。まだ眩しいとは言えないけど、そのうちそうなる可能性はあるのかな。

 

「ですが、呪いが動いているかどうかはわかりません。うっすらとしすぎていて、具体的な形もわかりません。こんな状態は初めて見ました。まだ発症していないとも取れますし、そうじゃないとも取れますし……」

 

 リクタスセンプラやタラントアレグラみたいな、呪いに近い魔法。あるいはラングロックやインペディメンタのような、軽度の呪いに分類されるタイプの魔法が効果を発揮しているときは、身体の特定の部位に強い反応があるし、はっきりくっきり特徴的な痕跡が見える。たぶんそこが起点、もしくは核なんだろう。

 実際、フィニートをそこに当てると通常よりも簡単に解呪することができるから、この推測は正しいと思う。

 

 だけどダフネの身体に見える呪いは、そのどれとも違って見えるんだよね。核になってそうなものがどこにも見えない。だからどうしても断言はしかねた。

 

 わたしの見解に、ダフネはぐっと顔を強張らせる。けれどすぐに無表情を張り付けて、小さく、ぼやくように言葉をこぼした。

 

「今のところ命に別状はありませんが、最悪を想定して既に発症していると考えて動いたほうがいいのでしょうね。この呪いは進行性ですもの」

 

 だとしたら、呪いが進行していったら核とかそういうのが見えてくるのかな。ダフネには健康で元気でいてほしいから、呪いは進んでほしくないんだけどな……。

 

「ねえダフネ、発症の判断は何でしてるの? あと、いつ頃発症しやすいかって統計とかあったりしない?」

「判断基準ははっきりしておりませんのよ。ある日突然なるのではなく、次第次第に病気に弱くなっていくので。ただマグル特有の病気にかかったら、もしくは複数の病気に同時にかかったら確実に発症しているとみなしていますわね。

 時期については、わかっている範囲で最低が11歳で最高が30歳。17歳から20歳ごろに発症するケースが最も多かったはずですわ。ですから……正直、今のわたくしも可能性は十分ありますのよ」

「……結構早い段階でも発症するのね。ミス・レガシーは何か思いつくことはある?」

 

 この時点ではまだ快感が残りまくってるわたしは、身体を整えるのに手いっぱいで会話には参加できない。代わりにハーミーがメモをダフネとレガ主に見せて、司会の立場に収まってくれている。

 

 ちなみに彼女に意見を求められた今日のレガ主は、レイブンクローカラーのローブを着た超ロングヘアーの美人さん。こういう研究的な話をするときはいつもレイブンクローだから、彼女の中でも鷲寮はそういう立ち位置なんだろう。

 

 とはいえ、かなり背が高いのと髪の毛が黒髪のストレートってのもあって、八尺様みたいな印象がある。

 あとローブの下にあるのは鍛冶師の衣装。どういう意図の組み合わせ……いやうん、ステータス基準なんだろうねきっと……。

 

「たぶんだけど、保有する魔力量が一定以上になったら発症する仕組みなんじゃないかな。発症後も、一定以上の魔力量だと進行速度が速いとか。だからもしかしてだけど、才能に恵まれた人ほど早死にしてるんじゃない? 根拠はないけどね」

 

 レガ主の見解を聞いたわたしは、服を着なおしてるダフネを見ながら「なんか花粉症みたいだな……」なんて思うなどする。

 

「恐らくそういうことだと思いますわ。実際、魔法が得意ではなかった人物はそれなりに長く生きたようです。それでも発症から10年程度しかもっていないですが……」

「なるほど。じゃあ魔力量については……あった、これね。ふむふむ……ダフネの魔力量は、今のところリンの6割くらい……これって多いの? 少ないの?」

「わかんない。そんなにたくさんの人を視たわけじゃないし、体調とかで変わってるみたいだし。何よりわたしたちくらいの歳だと、成長してる最中だからか基準にするのは向いてないっぽいんだよね。そのうち先生たちを視比べて、基準にしようかなって思ってるところ」

 

 一応、魔法界で成人とされる17歳ごろが成長のピークっぽいような気がするんだけど、身長だってまれにもうちょっと成長し続けることはあるし、そこらへんは本当に謎。

 

 ただわたしがあらゆる分野の才能をもらってることを考えると、同年代の中では多いほうなんじゃないかなって気はしてる。まあ初期値は決して高くないっぽいことを考えると、これからって可能性もかなりあるんだけどさ。

 

「そういうことでしたら、アストリアも一度調べてみていただけませんこと? 休暇のとき、いつもアストリアがホームまで迎えに来てくれるのでそのときにでも……」

「かしこまりました、お任せください」

 

 ダフネとの比較、ってことだね。もちろんオーケーだ。情報は多ければ多いほどいい。

 

「他に何か思いつくことはある? なければ私から一つあるんだけど」

「ありませんわ」

「ボクもないよ」

「右に同じく」

「じゃあ言うけど……全身まんべんなく呪いが見える、ってことはダフネの呪いは対躯型なのかしら?」

 

 次の話題に、肖像画の中のレガ主がうなりながら腕を組んだ。着替えを終えたダフネも、顎に手を当てて考えてる。

 

「運が良ければそうだけど、でも何世紀もまったく解呪できなかったことを考えれば複合型じゃないかなぁ」

 

 最終的に意見を最初に出したのは、レガ主だった。わたしもこれに同意する。

 

「身体についてはたぶんだけど、遺伝子そのものに呪いがかかってるんじゃないかと思うの。だから全身まんべんなく見えるんじゃないかなって」

 

 ついでに意見を付け足したところ、ハーミーだけがなるほどって感じで頷いた。

 

 魔法族の間に、遺伝子って概念はほとんど普及してない。遺伝自体は経験則から理解されてるけど、DNAだとかRNAだとか、染色体がどうのこうのっていう科学的な概念は全然広まってないんだよね。

 元々マグル界のほうで生まれたものだし、比較的新しい考えだから無理もないとは思う。

 

 でもなぁ、ここら辺もうちょっとつっこんで研究していけば、色々と面白いことがわかりそうな気もするんだけどなぁ。

 

 とりあえず遺伝子について、男女の性別が決まる条件であるXとYの染色体を交えて説明する。わたしたちの身体はそういう小さな小さな因子によって形成されてるんだ、ってことをまずわかってもらわないと話が進められないもんね。

 

 とはいえわたしは身体が火照りまくってるので、メインはハーミーにお任せ。わたしはちょっとした補足役。

 それでもなんとか説明を終えると、ダフネとレガ主も納得した様子で頷いてくれた。この頃にはわたしの状態もだいぶ回復してて、わりときちんと会話できるようになっていた。

 

「マグル界には、その遺伝子? というものをどうにかする方法はありませんの?」

「まだ始まってあんまり経ってない分野よ。今のところは聞いたことないわ」

「25年くらいすれば、ある程度は目途が立つとは思いますが……」

「それではきっと間に合いませんわ。残念ですわね……」

 

 ダフネはそう言うと、がっくりと肩を落とした。期待を持たせるようなこと言っちゃったかな……申し訳ないや。

 破壊するだけなら、デーモン・コアみたいな強い放射線出すものがあればできるけど、それはもう普通に死あるのみだからね……。

 

「……遺伝子が。つまり肉体が全身呪われているなら、ポリジュース薬みたいな身体をまるごと変える魔法薬とかを使ったらどうなるのかしら?」

 

 が、ここで救世主ハーミーが現れる。その疑問は言われてみれば確かにその通りだ。

 そしてこの指摘に、わたしとダフネは「あっ」と声を上げて顔を見合わせた。

 

 なぜかと言えば、少し前ダフネに渡した呪いの資料の中に、呪いの力を弱める陰陽薬って魔法薬があったんだけど。こいつの仕組みが、まさに肉体に直接変異を促すものだったはずなんよね。

 厳密に言えば、呪いに肉体の情報を誤認させる形だったはず。理論的には、その名の通り肉体の陰と陽を曖昧にするんだったかな。

 

 ただ、それ自体が呪いを解く効能があるわけじゃない。呪いの力を弱めることで、正規の解呪方法の効果を相対的に高める補助手段として使うものだ。

 でもその性質からほとんどの対躯型や複合型の呪いに何かしらの効果があるってんで、発明されてからまだ数年なのにもうかなり話題になってるらしい。

 

 グリーングラス家の呪いはまず間違いなくそのどちらかだろうと思われる上に、遺伝子が呪いの対象だとしたらそこに影響を与える陰陽薬はきっと効果があるはず。肉体を作り替える魔法や魔法薬はイギリスにもそれなりにあるから、日本由来の素材がなくても同じような効果のものを作れる可能性もあるんじゃなかろーか。

 

「グリーングラス様、まずはこれから始めるということでいいのではないでしょうか」

「陰陽薬自体は、日本固有種の素材が必要とのことでしたわよね? どうせなら代替品をイギリスで継続的に作れるようになりたいですわ。普通なら簡単にはできないでしょうけど……」

「……そうね。リンの魔眼があれば、地道で根気のいる調査はある程度スキップできる可能性が高いわ」

 

 わたしにかかる負担はちょっと大きいけど、それにしたって魔眼の制御がもっとうまくなれば大したものでもない。

 だからわたしたちはよし、と頷き合って、改めて今後の方針を固めていった。

 

 まずは、どうにかして日本から陰陽薬を輸入する。これはマルフォイ家ほどではないにせよ、並みの魔法族よりは裕福かつ横の繋がりがある家柄のダフネが担当することになった。クリスマス休暇中、血の呪いの資料を集めつつ輸入のために動くと断言してくれた。

 これができたらわたしが魔眼で情報を読み取って、ハーミーが分析。あとはそれをたたき台にして、みんなで魔法薬を作ってみようってことでまとまった。

 薬が届くまでは、わたしは色んな魔法薬や材料を魔眼で解析して情報を蓄積することもやることになった。

 

 もちろん、レガ主が残した資料から解呪魔法を開発するのも並行しないとね。ご意見番として、ダンブルドア先生との手紙のやり取りが増えそうだ。

 

 ふふふ、これで魔眼の特訓もはかどるし、あわよくばそのままえっちにも持ち込める。いいことしかない。イザナミ様()に感謝。

 

「……ふふ、クリスマス休暇はやることが目白押しね」

「そのわりには楽しそうですわね、ハーマイオニー?」

「ええ、楽しいわ。当事者のダフネには悪いけど、授業でまだ習ってないものを先に調べたり試してみたりするの、私大好きなのよ」

「わかるぅ」

「……あなたたちのそういうところは、本当に尊敬しますわ。わたくし、自分が当事者でないなら絶対にやりませんわよ」

 

 ちなみに話し合うことが大体済んだあとは、すぐ解散にはならず書斎でダベる時間になった。ガールズトークってやつだね。こういう時間も楽しいから好き。

 

 それにしても、この三人でいるのもすっかり当たり前になったなぁ。ダフネも去年に比べると格段に楽しそうにしてることが増えた。いいことだ。

 二人のために紅茶を用意しながら、そんなことを考えて思わずニコニコしちゃうわたしだった。




あらゆるものごとの才能、がいよいよ本格的にチートになってきた。
現時点でも十分悪用できるのに、まだ成長する予知があるってんだから恐ろしい。
その才能を快楽のために使うんだから、本当に度し難いやつだよなこいつ・・・。
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