才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話   作:ひさなぽぴー

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24.クリスマス休暇

 その後何時間も正座させられたわたしは、ヨボヨボになりながらキングスクロス駅に降り立った。いやわたしが全面的に悪いんだけどさ。

 このおかげで列車から降りるのは最後になったけど、わたしたちとダフネが一緒にいることを隠す意味合いもあったから、色んな意味で仕方ない。

 

 スーツケースにキャスターつけて、乗って移動したいな……。他にも改善したいところあるし、次日本に戻ったら改造の依頼をしたいところだ。

 

「お姉さま! お迎えに上がりました!」

 

 と、そこに小さな女の子が現れた。ダフネが嬉しそうに出迎えて抱きしめたその子の姿はダフネとよく似ていて、誰が見ても姉妹だってわかる。

 

「列車から降りてくるのが遅かったから、何かあったのかと思いました!」

「ごめんなさいね、アストリア。少々……そう、少々ありましたのよ」

「……こちらの方々は?」

「学友のリンとハーマイオニーですわ。どちらもマグル生まれです」

「……お姉さま? どうしてそのような方々とお付き合いを……」

 

 ぴゃっとダフネの後ろに隠れるアストリアは、正直めちゃくちゃかわいいですね。

 ぴょこぴょこちらちら顔出してくるの、ズルくない? ダフネに近しい見た目で、警戒する猫みたいな仕草に幼さをブレンドするとこうなるのか。これはドラコもメロメロになるのもしょうがないですわ。

 

「それについて説明をすると、ものすごく長くなるので我が家に戻ってからにしましょう。ですが、この二人はわたくしにとって非常に大切な方々です。無礼な物言いはいけませんわよ」

「初めまして、ハーマイオニー・グレンジャーよ。お姉さんにはお世話になっているわ」

「リン・ゼンポウジです。えっと、わたしに対してはどんなことを言ってくれても構わないので……」

「リンはそのハウスエルフのような奉仕精神をもう少し抑えたほうがいいと思いますが……さあ、アストリア」

「はい……アストリア・グリーングラスです。よろしくお願いします」

「よくできました。いい子ですわね、アストリア」

 

 かつてないほど満面の笑みのダフネに促されて、渋々といった様子でぺこりと頭を下げるアストリア。

 この雰囲気と、原作でも「大戦後は純血主義を捨てた」的なことを言われてたことを加味して考えると、グリーングラス家で施されている教育はやっぱり他のスリザリン家系と同じような純血主義なんだろうな。

 

 今までそうやって育ってきたのに、休暇で久しぶりに会った姉が穢れた血を従えるでもなく親し気にしてるのが受け入れられないんだろう。今までと真逆の価値観をいきなりぶつけられて、すぐに受け入れられるはずがないしこれは本当にしょうがないだろうね。

 わたしもハーミーもそれくらいは理解できるから、これ以上は何も言わない。それはダフネの仕事だし、義務だし、権利だもんね。

 

 でもそれはそれとして、わたしは気合を入れなおして魔眼を解放する。この辺りの打ち合わせもあったから、列車から降りるのが遅くなったんだよね。

 

 そう、以前にダフネが言った通り、血の呪いがアストリアに発症していないのか調べるのだ。

 と言っても、公共の場で半裸になってもらうわけにはいかないし、わたしも昨夜使いすぎたことで本調子じゃないから、さわりだけだ。

 本番は、クリスマス休暇が終わってホグワーツに戻る日。そのためにダフネは休暇中に諸々をアストリアに説明して、戻るときにある程度ホームに留まってもらうことでわたしが視る時間をできるだけ確保しようって算段だ。

 

 そんな初診の今日。わたしの魔眼に映ったアストリアは……ダフネを視たときと違って、何もないように視えた。その差に思わず首を傾げる。

 うーん、これはもっとしっかり視たい。何もないなんてことはないはずなんだ。

 

 でも今日はこれ以上は難しそうだ。約20秒の魔眼解放を終える。

 

「さて、それではわたくしたちはここで失礼しますわね」

「ええ。また休暇明けにね」

「どうかお元気で」

 

 ということで姉妹仲良しなダフネたちとは分かれ、待っていてくれていたグレンジャー家のおじさんおばさんたちと合流する。

 こうして二年目のクリスマス休暇は始まったわけだけど。

 

「え、夏休みに旅行?」

「それも日本に、ですか?」

 

 その日の夕食の場で、グレンジャー夫妻から提供されたのは旅行の話だった。それも、行き先が日本っていう。

 

 確かに原作でも、ハーミー一家はそのタイミングで旅行してたけど……あれってフランスじゃなかったっけ。まかり間違っても日本じゃなかったはずだけど。これもわたしの影響かぁ。

 

「うん。ミスターと色々話をしていて、まだ確定ではないのだけど……もし日本に来ることがあるのなら、ホテル代わりに家を提供すると言ってくれていてね」

「リンちゃんを預かっているお礼に、食費ももってくれるって言ってくださっているのよ。ホテル代諸々を節約できるなら、かなりの期間滞在できそうなのよね」

「日本は歴史の長い国だ。観光地もたくさんあると聞いているし、いいじゃないかと話しているところなんだが、二人の意見も聞いておかないとね」

 

 この提案に、わたしたちがノーなんて言うはずがない。何せわたしたちは恋人だし、同時に今日本に対して熱視線を送ってる最中でもあるんだからね。

 

 けど、だとするとダフネだけ仲間外れになっちゃうな。どうしよう。

 同じことをハーミーも思ったみたいで、わたしたちは同時にお互いのほうを見た。まったく同じことをしてることに二人で笑いあって、改めて意見を出すことにする。

 

「あの、それに学校の友達も一緒には行けないかしら? 一人、日本にすごく興味を持ってる子がいて……」

 

 かくかくしかじか、と説明するのは主にハーミーでわたしは補足役。

 

 ダフネが魔法使いの家柄の子で、連れていくと言っても仮に行くとしたらたぶん魔法で行くだろうから現地で合流する形になるだろうこととか、マグル界と魔法界の違いから来る認識のズレとかを含めた話をした。

 生粋の魔法族であるダフネが、マグル生まれどころかマグルそのものとうまくやれるかどうかもわからないって懸念も一応伝えておく。何せ魔法界の常識は、大体がマグル界の非常識だからね……。

 

 それでも、このハーミーを育て上げたご両親だ。基本的に善人で、人の気持ちに寄り添える人たちだから、ダフネが望むのであれば保護者代わりをしてもいいと言ってくれた。

 とはいえ、ダフネ本人の意見を聞いてない状況だし、あくまで今思ってることを言ってるだけではあるんだけど。

 

 グレンジャー夫妻もそこは認識してるから、この話は一旦お開きとなった。明日からは早速、ダイアゴン横丁で魔眼による素材チェック行脚を始める予定だからそこでフクロウ便を借りよう。

 

 っていうか、やっぱフクロウがないの地味に不便だな。普段魔法界にいると気にならないけど、マグル側に魔法界と能動的に通信する手段が一切ないから、こっちにいると不便に感じる。スマホが恋しい。

 

 グレンジャー夫妻も、マグル側主体で愛する娘と連絡を取り合う手段がないことを常々疑問視してたみたいで、明日のダイアゴン横丁には二人もついてくることになった。

 魔法界のフクロウはマグル界のフクロウとは比べ物にならないくらい賢いし、飛ぶ力も体力も豊富で、ペットとしても優秀だ。きっと気に入ってくれると思う。マグルとしては裕福なグレンジャー家だから、餌代とかも気にならないだろうしね。

 

 まあ、原作とはまったく違う流れではあるんだけど……これくらいは別にいいでしょ。

 

 ……と思ってやったことが、あとあと大きな変化を起こしたりするから油断は禁物だけど。さすがにこれくらい、多少はね?

 

***

 

 そんなこんなで、クリスマス休暇は平穏に過ぎていった。

 結構な種類の素材を確認できたから、成果としては十分だろう。もちろんわたしがオーバーフローしないよう、ハーミーはものすごく厳重にわたしの魔眼の使用時間を管理してくれた。

 

 おかげでえっちなことはマジで宣言通り何もなかったのが、ちょびっと不満ではある。今年のクリスマスは、エロ漫画御用達の「裸にリボンを巻き付けて『プレゼントはわたし♡』」をやったのに、抱いてくれなかった。

 

 そんなぁ。しっかり興奮してくれたじゃない。お風呂で一緒に入ってるときも、ちらちらわたしの身体見てたくせに。鋼の精神なんだから、んもう。

 

 でもこれもそういうプレイの一環だと思えば、なんてことない。ホグワーツに戻ったらもう一回裸リボン見せてってお願いされてる(意訳)し、きっといっぱい抱いてくれるよね。えへへ、楽しみ。

 

 あとはまあ、何度もダイアゴン横丁に足を運んだから、デート自体はたくさんできた。ダフネには申し訳ないけど、こればっかりは一緒に住んでるハーミーが有利よね。

 でもホグワーツにいるときは、ダフネのほうが同じ寮ってことで一緒にいる時間長いんだし、なんとか我慢してほしい。

 

 ……共同生活だし、他の生徒の目があるからイチャつけないじゃないかって指摘をされたら、それにはなんにも反論できないんだけどさ。

 そこはまあ、地図の間とかスリザリンの書斎があるし……。レガ主の目があるから、えっちなことはできないけど……そこはまあ……追々ってことで……?

 

 あ、ちなみにグレンジャー夫妻は学期中の連絡手段として、コノハズクを購入した。今はマグル界のフクロウと比べると明らかに何倍も賢いコノハズクちゃんにすっかりメロメロだ。

 

 とはいえただのペット扱いはもったいない。せっかくの魔法界産のフクロウなんだしってことで、何度か演習って形でホグワーツにいるハリーたちや、グリーングラス家にいるダフネとの手紙のやり取りをさせたりもしたよ。ダイアゴン横丁でも最大手のイーロップフクロウ百貨店で購入した若い個体なだけあって、仕事ぶりはバッチリだった。

 

 なお今のところ、ハリーたちも平穏な休暇を過ごしてるらしい。やっぱりハリーとジニーとはいい感じらしく、ロンが手紙で愚痴ってた。

 なんていうか、強く生きてくれ。本来君と結婚するはずのハーミーは、今やわたしのものなので。すまんな。ラベンダーでなんとか手を打ってもろて……。

 

 それとは別に、校内に生徒がほとんどいないこのタイミングを利用して、秘密の部屋探しを再開してるとも書いてあったな。例の呪いもあって進捗は芳しくないみたいだけど、進んでないわけじゃない。気にしないで、危険なことに巻き込まれないように注意だけしてくれって二人で返信した。

 

 一方ダフネはと言えば、グリーングラス家の純血主義を緩和していく方向に動いてる。

 わたしたちが血の呪いを解くために全力で協力してくれてることや、恩を仇で返すようなことは聖28一族の純血として相応しくないってところから切り込んでいってるみたいだ。既に手掛かりになりそうなものを見つけてるのも大きいらしい。

 

 わたしを軸にして日本との交流を作っていく話も同時にしてるらしく、思ってた以上に順調とのこと。

 なんでも、日本魔法界との貿易業に手を出そうとしてるらしい。利益があれば色々と目を瞑れるの、さすがスリザリンって感じ。

 

 それとは別に、代々のグリーングラス家が蓄積してきた血の呪いに関する資料の整理はあんまり進んでないらしい。そもそも何百年も受け継がれてきた呪いなものだから、資料も数が多くて取捨選択が大変って書いてあった。

 ただそんな中に、500年くらい前の先祖が古代魔法に言及している手記があるって話にはびっくりした。そんなのがあったから、古代魔法のことを聞いてあんなに大きく反応してたんだなぁって納得したよ。

 

 手紙には、その手記は絶対ホグワーツに持っていくから休暇が終わったら話し合おう、的なことが書いてあった。何か発見があったんだろうけど、これは相当前のめりになってますね。

 

 ……500年くらい前っていえば、ちょうどレガ主の前任。つまりラッカム先生たちの時代だ。

 グリーングラス家の先祖が古代魔法の存在を知って、血の呪いをなんとかできないか聞いたりした可能性は十分ある。ガセの可能性は低い気がするなぁ。

 

 まあ同時に、イシドーラがいた時代でもあるわけで、嫌な予感もちょっとするんだけどさ。

 だってイシドーラって闇落ちウーマンだけど、人の苦痛を和らげてあげたいってところから出発してるし……。グリーングラス家の先祖が、苦痛を取り除くのと一緒に感情までごっそり引っこ抜かれてても驚かないよわたし。

 

 ああそうそう、肝心なことを忘れてた。グレンジャー家の日本旅行についてだ。

 これについては、行くことが確定した。わたしがまず一旦先に日本に帰り、7月の頭にグレンジャー家が家族旅行の形で来日する形になる。

 滞在期間は2週間で、日本各地を巡ったりおいしいものを食べたりが中心。おじさんに関しては、日本の歯科衛生に関する資料とかを買ったり当事者に話を聞く機会が取りたいなぁって言ってたけど、これにはなるほど親子だなぁって思うなどした。

 

 この旅行に、ダフネもついてくる。正確にはグリーングラス家で、だ。こっちも家族旅行の体で、妹のアストリアだけじゃなくて、叔父さん一家が保護者として同行するって聞いてる。

 

 ただしグレンジャー家とは少し日程をずらして、7月の半ば頃に来日する予定になってる。数日は三人一緒になる時間はあるけど、大部分はそれぞれと過ごす形に落ち着いた。

 これはグレンジャー夫妻がマグルだから日本魔法界にはあんまり連れていけないって事情もあるし、ハーミーとダフネで半分ずつわたしと一緒にいるためって理由もある。

 

 一家で来る以上、あんまりデートはできないかもだけど……さすがに未成年だけで遠い日本まで来るわけにはいかないからね、こればっかりはしょうがない。二人っきりのデートは、またどこか別の機会のお楽しみってことで。

 

 まあどっちにしても、とっても楽しみな話なのは間違いない。今から夏が楽しみだね。

 

 その前に、秘密の部屋編が無事に終わる必要があるんだけどさ。そこはなんとかするしかない。がんばっていきましょう……。

 




というわけで、秘密の部屋編はまだ途中ですが予告。
アズカバンの囚人編の出だしは日本でのお話になります。
下手したら、アズカバンの囚人編の前に間章として日本魔法界編を挟む形になるかもしれない。
現時点ではわかんないけど、長くなりそうな予感がある。
あと、そもそも書けるかどうかわからないってのもなくはない・・・。
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