才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話 作:ひさなぽぴー
わたしはさておきハーミーとダフネの名誉のために言っておくと、一回目の食事休憩のあとに休憩(意味深)はしてない。それらしいことはゼロだ。
風邪でも引いたのかと思われるかもしれないけど、さすがに授業が控えてる中でヤるのはちょっとね。わたしは別に構わないっていうか、いつでもどこでも(それこそ公衆の面前でも)ばっちこいだけど、日の高いうちからするのは真面目なハーミーとしてはNGだったのだ。
まあ、アダルトグッズ品評会みたいなことはしたけど。遂にバレてしまったわたしの性癖に合わせる形で、宣言通り次にするときは激しくしてくれるらしいので、これらの道具もぜひ有効活用してほしい。とっても楽しみですね。
そのあとは、普通に授業に出席だ。ハーミーは変身術を、わたしとダフネは占い学を受けに移動した。
この占い学の授業でも、わたしの神様由来の才能は爆発していた。教科書片手に行った紅茶葉占いで、阪神大震災だと思われる占い結果を出してしまったのよね。
原作だと、いかにも胡散臭いものの権化みたいな描写をされてた占い学だったけど、わかる人間がやるとこんなにもはっきりわかるんだなって驚いたよね。
あと、同じく原作だとダメ教師扱いのトレローニー先生だけど、彼女の目は確かだったよ。少なくともわたしが認識できた占いの要素にはすべて気づいてたから、間違いなく才能のある人だよ。
まあそこから導く解釈が全部間違ってるぽいから、いいか悪いかで言えば悪い寄りなんだろうけど。
なんだろうな、たぶんだけど国語教育に失敗してるとかそんなんじゃないかな。読解力がないっていうか……。
こう、いるよね。無駄に行間を読もうとして、国語のテストでバツ食らう人。あんな感じだよたぶん。
ただ同時に、なるほどこれは理解できない人間がどれだけたくさんいようとも、理解できるごく少数の人間を絶やさないために必要なものだって思った。一人でもこの学問を身に着けることができたなら、それだけでも魔法界にとって大きな利益になるだろうね。
で、せっかくの機会だし、わたしはこれ幸いと日本の両親に連絡を入れることにした。
元々わたしはマグル界におけるバブル崩壊を予言してて、両親を大損から救った実績がある。だから両親はわたしの予言を疑うことはないはず。少しでもあの大災害の被害者が減るなら、わたしが転生してきた意味があるってものだ。
大丈夫。元々阪神大震災のことは、もっと前から両親に伝えてある。イギリスの次の赴任地が大阪って聞いて、これは伝えないわけにはいかないぞって思ったもんね。
今回それを補足する形で伝えれば、まず間違いはないはず。前にした予言は1995年の1月半ばに関西で大きな地震があるってくらいだったから、今回は具体的な日付と地域も伝えておくんだ。
あと、自然災害はマグル界魔法界関係なく被害が出るはず……ってことで、ニコ殿下を通じて日本魔法界にも警告してもらいたいところだけど。
現状、彼がどういう思惑でホグワーツに来たのかがわからないから、あんまり直接的に接触していいのかなぁってちょっと不安なんだよね。ピンポイントに大地震を言い当てて、古代魔法の関係者って思われたくないもん。火のない所に煙は立たぬってね。
だから今は保留にさせてもらってる。実際に地震が起こるまでまだ一年以上あるんだし、ちょっと猶予が減っても魔法族ならなんとかできるでしょう。
とはいえ、今はタイムターナーを使っての授業の真っ最中。合間の休み時間にしても、さほど時間に余裕はない。これについては放課後にすることにして、わたしは授業を続行した。
占い学の次は、数占い学。
占いっていうか、個人的には数秘術とかそういう風に呼びたいんだけど、原作と違う表現してもわかりづらいだろうからね。
そんな数占い学だけど、めっちゃ数学だった。算数じゃない、数学。
これはなんというか、マグルみたいに義務教育で一定以上の水準の算数を学ぶ機会がない魔法族には厳しいものがありそうだ。もちろん才能のある人はすぐに覚えられるんだろうけど、そうじゃない人のほうが多いだろう。
何より、ホグワーツでは算数や数学はここまで一切教えられない。ガリオンなんかを使った経済がある以上、最低限の計算は各家庭で教えられるだろうけど、それは四則計算がせいぜいのはず。だって、普段の買い物に分数とか連立方程式なんて使わないもん。
逆にマグル生まれの人は、プライマリースクールまでに身に着けた知識があれば、少なくとも序盤でコケることはなさそうだった。何せ使われてる数式のほとんどは、マグルの算数、数学と同じだったからね。
もちろん魔法が絡んだ数式もあるにはあったけど、そういうのは教科書の前半にはほとんど出てこない。魔法の入り込む余地が、比較的少ない学問だったのだ。
だからまあ、これは占い学に比べて人気が低いのも納得だなぁって思う。
逆にハーミーは、こういうの大好きなんだけどな。原作でも確か、彼女のお気に入りの授業だったはず。すごい納得。
じゃあわたしはと言えば、嫌い寄り。好きとは口が裂けても言えない。
前世じゃ苦手科目の筆頭の一つだったもんね。苦手意識はいまだにある。
今世ではついていけるどころか牽引できるレベルだけど、それはそれとしてってやつだ。できるのと好き嫌いは別なんだね。
「事前にあなたから、ある程度予習してもらっていて正解でしたわね……」
「お役に立てて何よりです」
一方ダフネは、授業後に教室を出る生徒たちに交じってこぼしたセリフでお察しいただきたい。
まあね、彼女のような純血の旧家こそ、数学って必要としなさそうだもんなぁ。魔法族ってマグル以上に数学が必要ない生き物だもん。大体のことは魔法でどうにでもなるんだし。
先祖代々純血貴族を名乗ってマグル生まれをこきおろしながらも、裏でマグル界に不動産とか持ってて土地収入があるマルフォイ家では必須っぽい科目だけどね。実際、ドラコもこの授業取ってた。
「占いとしてではなくとも、役に立つ学問だと父上も仰っていたからな」
先生からのちょっと意地悪な問題に見事正解して見せた彼は、そう言って得意げに笑っていた。
彼が正解した問題は中学数学としては上位クラスの問題だったから、ここまで義務教育で数学をやってこなかった13歳の少年としては普通にめっちゃ快挙。なんなら、もっと胸張って自慢してもいいレベルだ。
っていうか意地悪な問題だったとはいえ、今後それが扱われないわけじゃない。むしろ普通に出てくるんじゃない?
今まで数学を取り扱ってこなかった学校で、最初の数学の授業で扱うのが中学数学の上位レベルって、普通にバランス調整バグってんだよな。これがゲームなら、確実にクソゲー扱いされるぞ。もっとこう、段階を踏んでもろて……。
うんそう、ドラコ普通に成績いいんだよ。最上位クラスではないけど、確実に上から数えたほうが早いくらいには。
原作ってハリー視点の物語だから語られないけど、少なくともハリーに対峙できるレベルの能力は十分にあるんだよなぁ。ただやることが色々とコスいだけで……。
肩で風を切って歩いていくドラコの背中を、色々もったいないなぁって思いながら見送るわたしだった。
「次は魔法生物飼育学でしたわね」
「はい。でもその前に、昼食ですよ。感覚的には夕食ですが」
「……そう言えばそうでしたわね。なんだか変な気分ですわ……これ、リンの言う通り適度に休憩を入れないと、本当におかしくなってしまいますわよ」
「はい。これは我ながらファインプレーだったなと思います」
色んな意味で……ね。フフフ。
そう考えて内心ニヤついてたら、ほっぺをぎゅうっとつねられた。ここまでパンジー成分を摂取できてないので、それだけでもなかなか気持ちいい。もっと、もっとだッ!
「はいおしまいですわ」
「そんなぁ」
手のひらの上で転がすって言葉が相応しいにんまりフェイスはメスガキチックで、とてもゾクゾクする。うん、これはこれで。
初年度から思ってたけど、やっぱりダフネもこっちの才能あるよ。わりと直接的に攻めてくれるパンジーとは違って、ダフネのは硬軟織り交ぜた攻めでとってもよきです。
リンちゃんポイント高いですよこれは。これからもたくさんポイントを集めてほしい。
100ポイントごとになんでも言うことを聞く券をプレゼントだ。まあ別になくてもなんでも言うこと聞くけど。
話を戻そう。そんなこんなで本日二度目の昼食後は、魔法生物飼育学だ。
この魔法生物飼育学。新担任のグラブリー=プランク先生がハグリッドと違ってまともな人だから、特に言及するところは起きないでしょって思ってたんだけど、ちょびっとだけ波乱があった。それも原作とは違う方向のやつ。
原作だと魔法生物飼育学は、この年からハグリッドが担当教授になり、彼は最初の授業でヒッポグリフを扱う。で、案の定フォイが余計なことしてケガをして、責任を感じたハグリッドがしばらくの間役立たずになるっていう展開だね。
でもこの世界だと、ハグリッドはいまだに森番だ。昨夜イシュカに聞いて知ったけど、ダンブルドア先生はハグリッドを教授に据えようとしてたものの、イシュカがめちゃくちゃ反対した結果らしい。いわく、
『アクロマンチュラとかいう超危険生物を学校のすぐ近くで大繁殖させるような輩を教授にするとか、貴様頭脳が間抜けか? 魔法生物を扱う才能と、人として教師として子供を導く才能はまったく別モノじゃろと妾思うが、そこんところどうなんじゃ? お?』
だってさ。これにはダンブルドア先生も黙っちゃったらしい。
結果として、ハグリッドはアズカバン行きこそ免れたものの、複数の制約を負って肩身が狭そうにしてる。残念でもなく、普通に当然というか。
世間に公表されてないだけ相当甘い判定を受けてるんだけど、ハグリッドの様子を見るにそこよりアラゴグの家族が駆除されてることのほうに凹んでるっぽいんだよな。
これには温厚なわたしも苦笑いだし、イシュカはますます荒ぶった。
『あやつなーんもわかっとらんぞ!? これだから巨人との混じりもんはダメなんじゃ! 頭がスッカラカン!!』
『へ、ヘイトスピーチ……!』
さすが、10世紀生まれはそういう物言いに躊躇がない。だけどね、その、今の時代はそういうの許してもらえないからね……気を付けようね……。
しかしハグリッドでこれとなると、もっと危険度の高いディメンターとか絶対ダメそうだよなぁ。これはイシュカには知らせないほうがよさそうだ。
ハリーにもそこは共有しておこう。ガチで死人が出かねない。魔法省とかに。
……ていうか昨夜この話をしたときに思ったんだけど、イシュカってこういう性格だからゴーント家に操られる羽目になったんじゃない?
顔を合わせるたびに正論ぶちかましてくる過激な人とか、闇の魔法使いがまともに付き合おうとするわけないんだよなぁ。
話を戻して、そんなわけで魔法生物飼育学の担任はグラブリー=プランク先生になった。ハグリッド相手ならナメた態度全開でつっかかるドラコでも、初見の老魔女相手に初っ端からイキり散らかすことはない。
結果、ドラコは普通に先生の指示や注意には従ったから、原作みたいな問題は起こる余地がなかったんだね。
じゃあ何が問題だったのかというと、グラブリー=プランク先生が最初の魔法生物に選んだのがユニコーンだったのが問題だった。
いやユニコーン自体は問題じゃないんだけど、なんでかそのユニコーンに、ダフネがめちゃくちゃ嫌われまして。それはもう、近づこうとするだけで迎撃態勢取って威嚇してくるレベル。
ユニコーンといえば21世紀も四分の一ほど過ぎた日本じゃ、処女厨の過激派みたいな扱いをされることもあった。清らかな乙女にしか懐かないってところから転じて広まったネットミームで、結果として処女にやたらめったらこだわる人のことをユニコーンって揶揄する表現すらあった。
ハリポタ世界のユニコーンにそういう処女厨な表現はなかったはずだけど、この世界でもそういう性質がある可能性は否定できない。
だからわたしがバチクソ嫌われるのはわかるんだよ。わたしもう処女じゃないし、そうじゃなくてもわたしが清らかな乙女なはずがないって自覚はさすがにあるもん。
でもダフネはそうじゃないわけで。何がどうしてそうなるのかグラブリー=プランク先生すらわからなくて、結局ダフネは遠巻きに見学するしかなかった。
かと思えばこのユニコーン、ダフネをかばって間に入ったわたしには、わりとメロついてくるのである。
テメーの目は飾りか? わたしのどこにそんな要素があるんだ。こちとら無意識で必要の部屋にアダルトグッズをずらりと並べる女だぞ。
賢い魔法動物を標榜するなら(してない)、わたしの内面くらい感じ取って嫌悪するなりブチギレて襲ってくるくらいしろってんだ。
「なんて見る目のないユニコーンなワケ!? ほんっと失礼なヤツ! この駄馬!!」
「まったくもって同感です!」
そしてこの件に関して、わたしとパンジーの意見は一致した。さすがパンジー、わかってるぜ。
まあ「この駄馬!」はぜひわたしも言われたいんですし、パンジーにはぜひとも乗ってもらいたいけど、今はダフネの名誉を守ることのほうが重要だ。
「ゼンポウジ、この私が許可するわ! あの礼儀知らずに目にもの見せてやんなさい!」
「かしこまりました! わからせてやります!」
「いいわけないだろバカなこと言ってんじゃないよあんたたち!」
で、その結果わたしはホグワーツ入学後、初めての減点を食らった。ドラコやハーミーを中心に、同級生みんなめちゃくちゃびっくり仰天してたよね。
反省? してるわけないじゃん。もちろん後悔だってしてない。
ダフネはわたしの恋人だぞ。理由もなくあしざまに扱われて、黙ってられるわけないじゃんね。
まあそれはそれとして、
「よくやったわねゼンポウジ。先生には邪魔されちゃったけど、それでこそ私の下僕よ」
「もちろんです。これからもお傍に侍ります。なんでもお申し付けください」
今回の騒動で、パンジーがわたしを下僕認定してくれてることがはっきりと明言された。そういう意味でも、わたしは反省も後悔もしてないんだぜ。
パンジー・パーキンソン、何をやってもドMからの好感度を稼いでしまう女。
かわいそうに・・・(他人事