才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話 作:ひさなぽぴー
およそ三時間後(必要の部屋内換算)、わたしたちは三人揃って全裸の状態でベッドの中にいた。まあそういうことですね。
「まあこうなる気はしてたわ」
「ええ、予見者でなくてもわかりましたわ」
「えへへ、ごめぇん」
去年魔眼の制御に失敗したときは、まだダフネとそういう関係になってなかったからわたしもハーミーも我慢したけど、今回は全員そういう関係なのでね。
暴発してそういう状態になればわたしは遠慮なくおねだりしたし、誰にも邪魔されない状況で出された据え膳は遠慮なく食べちゃうくらい二人も色々経験済みだし、染まってる。こうもなるでしょう。
ちなみにベッドの周辺には、色んなアダルトグッズが散らかってる。突発的に始まったわっしょい祭りだったけど、二人は二人いるという強みを生かしてあれこれエログッズ部屋から持ってきて、わたしの身体に使いまくってくれたのだ。
まあ、激しくしてくれるって宣言通りとはいかなかったけどね。ふたを開けてみれば、愛情の深い二人はわたしをいじめ抜くことができなかったのだ。
もちろん普段よりは激しかったんだけど、パンジーがしてくれるみたいな……こう……なんていうか「ガチ」さがないっていうか。こればっかりは仕方ないんだけど、期待してただけにちょびっとがっかり。
ただ悪かったわけじゃないんだよ。最後のほうは二人も慣れてきたのか結構いい感じだったし、そもそも魔眼レベル2の影響で完全にできあがった身体だったからね。
そんなところを交互に波状攻撃されまくったら、そりゃもう無条件降伏よ。ポツダム宣言受諾します。しました。
まあどっちにしても、二人ともえっちにすっかりハマってるようでわたしは嬉しいです。この沼は心地いいぞ。
「ところでそろそろ真面目な話してもいい?」
ゆるゆるまったりとしたピロートークの時間を、ハーミーがぶった切った。情緒ェ。
まあ行為そのものも、そのあとのゆっくりとした時間も楽しめるだけ楽しんだから、頃合いではあるか。
わたしはダフネと一緒にキリッと真面目な顔を作った。三人とも全裸のままってのは締まらないけど。
「結局、魔眼を強化したらどうなったの?」
「それが本題でしたわね。すっかり頭から飛んでいましたけど」
好奇心と期待がないまぜになった二人の視線を受け止めて、わたしは頷く。そして当時のことを思い返しながら、ぽつぽつと説明を始めた。
魔眼レベル2を起動した瞬間、わたしの視界には明確に変化があった。ありとあらゆる魔法の力が、視界のあちこちを埋め尽くしている状況自体は変わらなかったけど、そこにさらにいくつかの要素がプラスされた感じだった。
わたしが一気に絶頂したのは、それだけ視界から入る情報量が増えたから。しかも倍程度じゃ利かないくらいの増え方だ。そりゃあ、脳クチュされるみたいな快感に襲われるってなもんですよ。
じゃあどんな変化があったのか。いくつかあったけど、中でもわかりやすくてかつ今後への影響が大きいのは、やっぱり魂が視えるようになったことだろう。
「魂が視えるようになった……!?」
「遂にそこまで行ったのですね……」
仰天する二人に頷く。それを企図していた魔眼の強化ではあったけど、思ってた通りの結果が出たことは素直に嬉しい。
で、魂を見た感想だけど、ぱっと見ゴーストたちに近しいものを感じたかな。半透明で、白銀にきらめく人の形という感じでこの目には視えた。
だけどゴーストたちと違うのは、まず第一にその力強さ。生きてるハーミーたちの魂は美しい輝きを放ってて、誰が視ても眩しいって感じると思うくらいだった。
そういうものを視る力が備わったからか、不思議と眩しすぎて目が潰れるっていうような危機感はみじんもなかったけどね。だからこそ思わず目を閉じて情報量を減らすってこともなかったわけだけど。
あと、熱も感じられたかな。人肌を感じるようなぬくもりがあったの。
これもたぶん、生きてるからこそのものだと思う。ゴーストの場合、寒いもんね。なんていうか、まるで自分が失ったものを他から補填しようとしてるみたいな感じ。
ところでそうなってくると気になるのは、じゃあこの魔眼レベル2には分霊箱がどう視えるんでしょうね? ってこと。試してみたい……試してみたくない?
ものは必要の部屋の中にあるからいつでも試せるけど、今はまだ無理だな。わたしの身体が持たない。
とまあ、以上が魂を視認した感想です。
そんな魂は肉体と重なってるように視えた。よく肉体は器って言われるけど、肉体との関係性は本当にそんな感じだったよ。肉体の中に納まる感じで、魂が存在してたんだよね。
で、魂と器である肉体との繋がりが、ひときわ強い箇所がいくつかあったのも視えた覚えがある。
たぶんだけど、あれらをすべて断つと肉体の状態に関係なく魂が肉体から離れてしまって、死に至るんじゃないかな。アバダケダブラはそうするための魔法なんだと見たね。
アバダがプロテゴを貫通するのも、そこらへんがかかわってそう。魂そのものに干渉するがゆえに、魔法が存在してる位相が普通の魔法よりズレてるんじゃないかな。
アバダって命中イコール死だけど、あれは肉体じゃなくて魂に当たった判定なのかもしれない。
仮にそうだとしたら、ゴーストにアバダぶつけたら消し飛んだりしないかな。まあだとしても穏便な消え方にはならなさそうな気がするから、試すのはやめとくけど。
……そのとき、ふと閃いた! このアイディアは、プロテゴに活かせるかもしれない!
「禁じられた呪文を防げるような魔法が作れたら、それは快挙だわ」
「マーリン勲章かもしれませんわよ」
「勲章は別に興味ないかなぁ」
と、アバダ用プロテゴに関してはともかく。アバダそのものを研究したい意欲はモリモリわいてくる。
なんとかしてアバダを見てみたい。そうそう見る機会のある魔法じゃないから、どうしたもんかって思ったんだけど……最近気づいたんだよね。
たぶんだけど、ピーターの手を借りればいける。いやほら、あの人アバダるシーンちゃんと原作にあるじゃん。具体的にはセドリックが死にます。
だからピーターを助けて仲間に引き込めたら、見せてもらうことはできると思うんだよね。こうなってくると、やっぱり彼のことは助けてあげないとだ。
あわよくば、アバダ以外の禁じられた呪文を見せてもらえるとなおよしってね。
小心者のピーターだから、そう何回も見せてもらえるとは思えないけど……今ならたぶん、マジで一回視るだけで大体全部わかる気がするんだよな。何せ魔眼レベル2になったことで、魔法の構造がほぼ完全に視認できるようになってるっぽいからね。
そう、これも変化の一つ。つまりね、今までは答えだけが視えてたのに対して、魔眼レベル2だと計算式まで含めたすべての答えが視えてる感じなの。
たとえるなら、今までは「15」って表記だったのが魔眼レベル2を解放すると「9+6=15」って表記になった感じ。
このとき、答えが同じでも経過が異なる場合に別のものとしてちゃんと表記されるのかまだわからないから、そこは今後の検証に期待ってところかな。
でもこれがあるからこそ、わたしの身体にかかる負担はクソ増えるんですけどね。
だって視界に映る魔法的なもの、すべてがその構造から答えまでびっしり書いてあるようなもんだよ。それが背景にならないで脳にぶち込まれるんだから、そりゃ負担以外の何物でもない。
ま、これについてはがんばって耐性をつけてくしかない。魔眼にしても、少しずつ時間をかけて使える時間を増やしていったんだから、コツコツやっていけばいいのだ。
そしてこの点については、絶対にいつか耐えられるようになるって確信がある。フラグとかじゃなくて、そういう才能をわたしはいただいてるからだ。
がんばれば文字通り、どんなことでもできるようになる。それは生まれる前から確定してるんだから、がんばればいいだけの話だ。
そしてあらゆる才能の中には努力する才能も含まれてるから、がんばることは別に苦じゃない。
それに何より魔眼を使い始めたときからずっとそうだけど、この負担で一瞬で気持ちよくなれるのは、わたしにしてみればご褒美でもある。
へへへ……また人前で魔眼起動しての疑似公衆の面前プレイを楽しめると思うと、いやあ興奮しますね。
あ、いけないいけない、大事なところがきゅんきゅんうずいて濡れちゃいそう。二人にまた変なこと考えてるって呆れられる前に、話に戻ろう。
「……それで、1秒も見れてないんだけど……ダフネちゃんの魂が呪われてるっぽいのもちゃんと視えたよ」
「……!」
そう、魂に絡みついた呪いが視えたのだ。これで解決がさらに近づいた、ってワケ。少しずつではあるけど、確実にわたしたちは前進してるのだ。
ちなみにしっかり視れたわけじゃないけど、ダフネの魂は先に言った魂の様子に加えて、何かドリルのようなものが刺さっているように視えた。それも要所全部に。
ロボットアニメにありがちなドリルみたいな、先端に行けば行くほど細くなるストレートタイプのやつだったな。
まあ魔法界にドリルなんてないだろうし、ロボットアニメでよくあるドリルみたくぶっとくはなかったから、たぶん何かの角とか牙とか、そういうのだと思うんだけど。
なんかこれ、どこかで見たことがあるような気がするんだよな。どこで見たんだっけかな……。
「やっぱり複合型だったのね。これで難易度が高いことは確定だけど……」
「うん、認識できたからには何かやりようはあるはずだよ。これからは陰陽薬の製作に並行して、魂に影響を及ぼす魔法の研究もしていく感じかな」
「そのためには、ルーナが覚えた儀式魔法がまずはとっかかりになりそうね?」
「そういうこと。わたしたちじゃ覚える時間を捻出できそうにないから、ルーナに任せて正解だったよ」
と、ハーミーとそんなことを話す一方で、ダフネは口元を押さえていた。感極まっているのか、何も言えないようだ。
おまけに涙も流してる。わたしとハーミーは何事もないように振る舞いつつも、そんなダフネを抱きしめている。
裸の美少女三人が抱き合ってる様子は、さながら宗教画のごとし。そこにわいせつは一切ない。いいね?
「……ありがとうございます、リン。ハーマイオニーも。あなたがたがいてくれて、本当によかった……」
「個人的には、それは全部解決してからのほうがいいんだけど……うん、どういたしまして」
そうしてわたしはダフネにキスをされて、し返して、笑い合う。そんな様子を、ハーミーが慈愛に満ちた顔で見守っていた。
まだまだやることは多い。そりゃもう、ネットミームよろしく。
でもこの場合のやることは、どれもやりがいのあることだ。やってて楽しいし、面白い。苦労はほとんどないも同然なんだから、どれだけでもがんばれるってもんだ。
……あ、やることと言えば、ダンブルドア先生から今夜呼び出されてるんだった。たぶん、守護霊の呪文に関するあれやこれやだろう。
現時点で既に結構な時間起きてることになるから、夜の呼び出しは正直勘弁してほしいところなんだけど……これは必要なことだろうからなぁ。
それに守護霊云々抜きにしても、シリウスとピーターの件で根回しは必須だろうし。こればっかりはわたしにしかできないことだから、がんばるしかない。
と、思ったところで誰かのお腹が鳴った。思わず、って感じで三人が三人とも互いの顔を見る。
「……おなかすいたね」
「そうね。長く起きてるとこんなにお腹が減るのね」
「太ってしまいそうですわ……」
「ダフネはもうちょっと食べたほうがいいと思うわよ?」
そうしてわたしたちは、くすくすと談笑をしながら制服を着始めたのだった。
えっちなことしました(直球