才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話   作:ひさなぽぴー

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18.有意義な週末

 この日は結局、ダンブルドア先生のところには行けなかった。

 というのも夕食を摂ったあと、めちゃくちゃ眠くて夜起きてらんなかったから。改めてだけど、わたしの身体ってまだまだ子供なんだなって実感したよね。

 

 いやうん、3時間近く三人でわっしょいわっしょいしてたのも原因ではあるから、悪いのは大体わたしなんですけどね。

 それでもあれこれヤる時間は、これからも積極的に確保していきます。絶対にだ(鋼の意志

 

 で、翌朝。ダンブルドア先生にごめんちゃいって手紙を送ったところ、そこまで無理をする必要があるほど逼迫してはいないから週末の休みの日でどないよ、と提案が来た。

 タイムターナーと必要の部屋があるとは言っても、やっぱり全科目取ってると平日は忙しい。だから喜んでそれに乗ることにしました。

 

 まあ週末は週末で、やることはこれまたいっぱいあるんだけど……何はともかく、今学期最初の土日がやってきた。

 

 え、ルーピン先生の防衛術? そこは大体原作通りだったし、あえて言及するまでもないかなって……。

 でもま、ボガートが何になったかくらいは言っておいたほうがいいか?

 

 えっとね、ハーミーは原作通り、全科目落第を告げるマクゴナガル先生。ダフネは死んでるわたしだった。二人の性格がわかる結果だよね。

 スリザリンの同級生たちは、何か言いたげにわたしとダフネを見てたけど。パンジーにはなぜかにらまれたけど。ゾクゾクした。

 

 え、わたしのボガート? あの世の異能力バトルトーナメントで戦った相手だったよ。前にもちょっと触れたことある人。

 感情を直接魂に書き込むって能力者だったんだけど、それで恐怖を押し付けて行動不能にするって勝ち筋で勝ち上がった人だったんだよね。ギリギリ勝てたけど、今までの人生で一番怖かったのはやっぱあれなんだわ。

 

 全員に誰? って思われたけど、相手がわりと下卑た笑い方するおじさんだったこともあって、そういう方向に勘違いしてもらえた。

 あの人、笑い方がヘンってだけで別に悪い人ではなかった(そもそもあの世のトーナメントに悪人は参加できない)んだけど、まあ人間見た目が9割って言いますし……。

 

 わたしとしては、その夜ハーミーとダフネにはめっちゃ甘やかされたから、収支は十分プラスだ。基本いぢめられたいわたしだけど、こういうのもたまにはアリですよね。

 

 話を戻そう。

 

 そんなわけで本当にやることがたくさんあるんだけど、この週末三人で集まってまず手を着けたのは、ジェネリック陰陽薬の研究だ。

 

 実を言うと、陰陽薬の研究はもうかなりいいところまで来てる。完成度を言うなら、たぶん8割……いや、9割近くまでは行ってるんじゃないかな。

 

 こんな短期間でここまで来たのは、やっぱ魔眼で様々な工程をかっ飛ばせるからですね。

 実際、代替になる材料の選定はたった一日で終わったし、それらの分量についてもおおよそ三日もあれば当たりがついたもん。

 

 撹拌や温度調整なんかも、魔眼で視ながらなら目安となる状態にどれくらい近づいたかがリアルタイムでわかる。ここまで条件がそろってれば、答えに近づけるのは難しくなかったんだよね。

 

 ほんっと、マジで魔眼様様。レベル2になった暁にはもっとはかどると思うけど、きちんと使いこなせるようになるまではレベル1で我慢の子ですね。

 

 ともかくそういうわけで、研究は進んでるのだ。夏休み中、グリーングラス家に泊まり込んでたのは何もイチャラブのためだけじゃないのである。ないったらないのだ。

 

 グリーングラス家では、本当に色々とはかどった。何せ元から血の呪いを解こうとやっきになってた家柄だから、色んな情報の蓄積があった。

 その中から必要な情報を引っ張るのは面倒だけど、そういうのは家に仕えてるハウルエルフに丸投げできる。おまけにハウスエルフは大体の場合有能だから、ちょっとした作業を頼んでも過不足なくやり遂げてくれるもんね。

 

 完成度9割近くはその成果だ。夏休み中に買った陰陽薬がなくなる前に、残りの部分を詰めていきたいところさん。

 

 まあ今探ってる工程、醸成というか……パンでいうところの発酵みたいなところで、ただ研究するだけでもアホみたいに時間かかるんだけどね。おかげでまあダレるダレる。

 

 だってあれだぜ。魔法薬の醸成って、ものによっちゃ24時間必要なやつとかあるんだぜ。有名なポリジュース薬とかが、まさにそういう魔法薬だったりする。

 で、ポリジュース薬と同じく身体に強く作用する陰陽薬を再現しようってんだから、醸成時間が丸一日くらいは当たり前に選択肢に入ってくるわけ。

 

 本来の陰陽薬のレシピ上はそこまで極端に長い醸成時間が必要な工程はないんだけど、ジェネリックなのでね。材料が色々と違う以上、アプローチも変わってくるって寸法よ。

 おかげでここに来て研究は全然進まなくなった。当然ではあるんだけど、ちょっともどかしい。

 

 今はこれを少しずつ延ばして、どれくらいがちょうどいいかを探ってるところ。前回は10時間で試したんだけど、まだ足らなかったから今回は12時間とさらに延ばしてのチャレンジになる。

 

 今回こそは、いいところまで行ってほしい。何せ設定した時間じゃ作れないわってなったら、素材全部廃棄確定だからね。これが結構心に来るの。

 いや失敗したっていう無力感とかもそうだけど、何よりお金の問題がね。現状お金には困ってないわたしだけど、それはそれとして全部が全部安価な材料ってわけじゃないし、せっかく買ったものがゴミと化すのも結構な虚無感がね……。

 

 掃除? いや、最初の頃に覚えた消失呪文(エバネスコ)でなんとでもなるから、そこはあんまりしんどくはないかな。呪文唱えつつ杖を振るだけだから。

 ここまで覚えたはいいもののあんまり使う機会がなかったけど、今回マジで大活躍。

 

 というわけで始まった、本日の調合作業。ホグワーツ内なら必要の部屋が使えるから、12時間の作業時間も実質6時間に短縮できる。

 ただ今は他にもみんなでやりたいことが必要の部屋外であったから、今日に限っては去年度までのいつもの場所。スリザリンの書斎ですることになった。

 

 やりたいこと。それはずばり、レガ主に対する諸々の進捗報告だ。それと意見も欲しい。

 やっぱり古代魔法については彼女が現状唯一の相談相手だし、魔法使いとしてもその能力の高さは保証された相手。古代魔法以外のことも、もらえる情報はもらっておきたいよねって。

 

「へえー! 日本にも古代魔法があるのは知ってたけど、そんなのがあったんだねぇ!」

 

 今日はスリザリンのクィディッチユニフォームといういで立ち(ようじょのすがた)のレガ主は、伊勢神宮での話をすると身を乗り出すようにしてノってきた。平面の絵画だから、実際に出てくることはないけどね。

 

 驚くことに、彼女は日本にも古代魔法があることを知っていたし、いくつかの遺跡類も知ってるようだった。

 

 でも改めて考えれば、当たり前かもしれない。だって彼女は、イシドーラの遺産である感情から生まれた魔力の塊をどうにかする方法をずっと模索していたのだ。

 しかもそれを無事に完成させていて、それを使って異世界に飛んでいる。古代魔法に関する情報を、世界中を飛び回って集めていたとしても不思議じゃない。

 

 その点を聞いてみれば案の定で、主要各国の魔法界は大体行ったことがあるらしい。

 

「でもさー、日本語ってめっちゃ難くない? なかなか覚えらんなくってさ、あんまり深くは調べられてないんだよねぇ」

 

 レガ主のその言い分に、ハーミーとダフネは深い共感を覚えたようで、うんうんとしきりに頷いていた。

 

 まあね、そもそも日本語と英語は構造が全然違うし。おまけに日本語って使う文字数多いしなぁ。会話ならまだしも、古代魔法を調べるために色んな文献に当たろうと思ったら、日本語は最難関言語の筆頭に来るんじゃなかろうか。

 

 とそれはともかく、レガ主からは日本にある古代魔法の試練場的な場所を教えてもらえた。普通にめちゃんこおありがたい情報である。

 

「ボクもいくつか古代魔法関係の場所があるのは知ってるよぉ。たとえばタカチホとか。知ってる?」

「もちろん知ってますよ。天孫降臨の場所ですね。天皇家……つまり古代魔法を受け継ぐ一族の初代が、最初に現れた場所と神話で語られる場所です」

「らしいねぇ。あそこ物理的な報酬とか何もなかったけど、道中であの一族の来歴とかを見れるから結構楽しかったなー」

「なにそれ超面白そう」

 

 例を挙げればこんな感じで、レガ主にしては珍しく終始真面目にタメになるお話だった。

 他にもいくつか教えてもらったけど、どこも軒並み神話の舞台であったり歴史的もしくは皇室的に重要なところばかりだったので、なるほどって感じだ。

 

 ところでレガ主は言及しなかったけど、この様子じゃ熱田神宮に古代魔法の何かがあるのはやっぱり間違いないって見てよさそうですね?

 こっちは名古屋だから、高千穂と違って普通に実家からひょいと行ける距離だ。なんなら日帰りで行ける。今度の夏休みに行ってみますかねぇ。

 

 あと古代魔法関係とは別に、魔眼レベル2の話なんかもした。彼女は魂が視認できるようになったって聞くとめちゃくちゃ驚いてたけど、身体に負担がかかるのは相変わらずと聞いて苦笑していた。

 

「なんだかなぁ、君って見た目のわりにすんごいドスケベだよね?」

「否定はしないしできないですけども」

 

 ちなみにジェネリック陰陽薬の製作については、特に目立ったアドバイスはもらえなかった。

 正確には、彼女がアドバイスとして口にしたことは全部実践済みだったって言う。魔眼がチートすぎるんじゃ。

 

 ああそうそう。守護霊の呪文についても話す機会があったんだけどね。

 

「リンの守護霊、ディメンターを殴り倒してたんですけどあれも古代魔法ですか?」

「なにそれ知らん……怖……」

 

 案の定、わたしの守護霊もとい守護神ことイザナミ様は、レガ主から見てもイレギュラーらしい。やっぱあれ、古代魔法関係じゃないんだな……。

 

 内心複雑ではあるけど、とりあえず前世がらみというか、神様関係の影響って確定したことだけは一応プラスではあったかもしれない。そう思うことにした。

 ダンブルドア先生にはなんて言おうな……。素直にわからないって言っておいたほうがいいか……。

 

 あ、そういえば、陰陽薬醸成中にダンブルドア先生に会いに行くって選択肢はなかったです。わたしとしては行きたかったんだけど、昼間は先生のほうが忙しくて結局会うのは夜になったんだよね。そこはまあ、色々と肩書のある人は大変なんだろうなって感じ。

 

 それと、レガ主に夏休み中のあれこれを報告してもなお、時間は余りまくった。午前中しか潰せなかった。

 

 ということで、午後からはルーナとのお話だ。夏休み中に彼女が覚えた儀式魔法を見せてもらうって名目でね。

 

「儀式魔法……どんなのかしらね。楽しみだわ」

「ええ、とても」

 

 日本の儀式魔法を初めて見る二人は、興味津々だ。ハーミーは当然として、ダフネもワクワクとした雰囲気がにじみ出てる。かわいいね。

 

「でも、どこでやるの? あんまり人目につくところでやるわけにはいかないだろうけど、それなりに広さも必要なんじゃない?」

「ふふふ、そこは任せてよ。わたし、この城の隠し部屋には詳しい自信あるんだ」

 

 ホグワーツは、隠し部屋があちこちにある。今回の目的地はその一つで、儀式魔法をするに非常に適した場所だ。

 

 二人を先導する形で目的の部屋に入れば、そこにはルーナが待っていた。

 

「ようこそ神様。ハーマイオニーとダフネも、地下聖堂にようこそ。歓迎するよ」

 

 そう、そこは地下聖堂と呼ばれる隠し部屋。ホグレガで、レガ主がセバスチャンやオミニスと一緒に過ごした場所だ。

 ホグワーツに数ある隠し部屋の一つで、隠し部屋の中では恐らく上位の広さと高さがある部屋になる。規模の大きな魔法を使うのに適してるし、ときに踊りも組み込まれてる儀式魔法を使うのにもぴったりってわけさ。

 

 元々ルーナは、船着場周辺の人目のつきにくいところで歌や踊りの練習をしてた。だけど今年はホグワーツ周辺にディメンターがうろついてるのでね……さすがに危ないってんで、教えておいたんだよね。ルーナは色んな意味で、わたしに必要な子なので。

 

「すごい……こんなところがあるなんて!」

「かなり雰囲気のあるところですわね。どのあたりが『聖堂』なのかはわからないですけれど……」

 

 と、そんな地下聖堂を見て、ハーミーたちはそれぞれに感嘆の声を上げた。二人はそのまま、室内をきょろきょろと見渡している。

 

「あそこにあるお盆みたいなのは何かしら? 伊勢神宮で見たのと似てるけど……」

「似てるけど違うね。あれはペンシーブ……記憶を見せる魔法道具だよ」

「なんでそんなものがこんなところにあるのです……?」

「……まあ、色々あったんだよ。色々ね」

 

 なおどんと存在するペンシーブに二人が怪訝そうな顔をしたけど、これはレガ主の個人情報もちょっと絡んでくるから、言っていいのかどうかちょっとわかんないんだよね。

 

「それにしても、リンはよくこんなにいくつも隠し部屋を見つけられるわね。それも全部有用なところだから恐れ入るわ」

「そこはまあ、魔眼を使えば隠し部屋があることはすぐにわかっちゃうから……」

 

 とまあそんなお話はさておき、わたしたちを出迎えたルーナはもう準備万端だった。

 地下聖堂の中心周辺には、特殊な塗料で魔法陣が四つ描かれている。どれも日本固有の魔法だから、漢字ばっかり使われてる魔法陣だ。

 

 そこに立つルーナの格好は、巫女服。よくあるバイト巫女さんが着てるような白衣と緋袴だけじゃなくて、儀式魔法をするってことでそれ用の千早もセットになってる。

 随分本格的だけど、ぶっちゃけ儀式魔法をするうえでここまで整える必要はなかったりする。

 でもこういうのって、やっぱ形から入るのも大事じゃん? きちんと衣装を整えるとテンション上がるし……。

 

 何よりイギリス美少女のルーナが巫女服着てるの、めっちゃかわいいと踏んだのでね……!

 案の定めちゃんこかわいい。超眼福。ご奉仕の名目であれこれされたい。すき。

 

 ちなみに本格的な見た目に反して、中身は着やすいように結構改造がされてる。短時間で色々と習得してるルーナだけど、さすがに着付けはまだ難しいってんでこうなった。

 

 それはそれとして、着やすいってのは脱ぎやすいってことでもある。あとは……わかるな?

 ふふふ、この服を目の前で脱いでもらう日が楽しみですね。

 

「やっと神様にあたしの練習の成果を見てもらえる……!」

 

 わたしのアレな思惑を知ってか知らずか、ルーナは普段通りの言動ながらも意気込んでいた。両手をぐっと握って、がんばるぞいのポーズである。

 

「それじゃあ、始めるね。まずは、招魂(しょうこん)から……」

 

 そうして、ルーナによる儀式魔法が始まった。

 




ルーナ(みこのすがた)。
絶対似合うと思うんだよな・・・実際に見せてくんないかな・・・。
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