才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話 作:ひさなぽぴー
ダンブルドア先生とのお茶会から、およそ一か月半。この間、表面的には平和に過ぎていった。
純血たちからわたしへの
まあ、マグル学の先生はわたし相手に教えられる気がしないって、いなくなっちゃったんですけどね。
おかげで担任は急遽クィレル先生に変わったし、そのクィレル先生が最初の授業で対物ライフルなんて代物を持ち込むっていう、ちょっとしたトラブルもありました。
「さっすが~、クィレル先生は話が分かるッ!」
そんなことをほざきつつ、嬉々として対物ライフルをぶっ放したドMがいたらしいけど、おおむね平和だったよ。対物ライフルの威力に魔法族たちがおののいてたし、クィレル先生も、
「これが、マグルが個人で持ち運べる最新兵器の中で、特に威力が高いものです。これが最悪3〜4マイルくらい先から飛んできます」
なんて、普段の吃音が鳴りを潜めた上になんてハイライトのない目で言ってたけど、それでも平和だったと思います。
なおその後、二人揃ってダンブルドア先生にたしなめられた模様。残当。
結果、その次からはマグルのスポーツとかの文化的な話が中心になりました。
うん、平和平和。
平和だったんだよ。そうに違いないんだ、いいね?
どれくらい平和だったかって言うと、休日にルーナのライブステージをやったらめっちゃ盛り上がったくらい平和だった。おかげさまでルーナは一躍ホグワーツの歌姫だ。
これにはルーナを仲間外れにしてたレイブンクロー生たちも、手のひらドリルよ。
「ルーニーの分際でかわいいだと……?」
「あり得ない、何か精神を狂わせる魔法を使ってるに違いない!」
「おかしい、こんなことは許されない」
「ん♡(にっこりウィンクとピース)」
「「「ぐわああああかわいいぃぃぃぃ!!」」」
中にはなんかコントみたいなことしてる連中もいたけど、そこはご愛敬だろう。吹っ飛んでたのは学生ゆえの悪ノリだと思う。わざわざ魔法でやってるんだとしたら、才能の無駄遣いが過ぎるなって思うけど。
彼らの死因になったウィンクとピースは、わたしに向けてのものなんですけどね。おこぼれだけでこうなるとか、わたしみたく正面から受け取ったら灰も残らないんじゃないの?
ちなみに彼らは最終的に、無事最前列で声援を上げる熱狂的なファンになってました。わたしはどうやら、かわいいの究極完全体を生み出してしまったらしいな。
いや、そんな大規模なライブにするつもりはなかったの。最初はホグワーツの片隅で、わたしに向けて披露するだけの小さなものだったんだよ。
けどどこかでそれを見たらしい生徒たちから噂になって、結果わずか三回目にして中庭が埋まりました。
このとき、どうせやるならいつぞや触れた歌って踊れるアイドルにプロデュースしてみるか、って本気出した結果が歌姫ルーナです。
なんだろうな、ホグワーツ生は娯楽に飢えてるのかもしれない。双子のいたずらが大好評なのも、そういうことなのかも。
あ、その双子はライブステージの係員みたいなことを自発的にやってくれて、めちゃくちゃ助かりました。
ちゃっかりグッズ販売とかやってたけど、あらかじめ入力しておいた歌詞を歌に合わせて表示する魔法道具まで作ってくれたんだから、普通に見逃した。ブロマイドも買っちゃったし。
それ見たルーナ本人からは、「そんなのなくっても、あたしは神様のものなのに」って言われて、かつそっと服の裾を引っ張られました。その日の夜の運動会が、ルーナメインの撮影会と化したのは言うまでもない。保存しとこ。
ただルーナが歌って踊るのは、元々わたしに捧げるためのもの。わたしの恋人であるハーミーやダフネはともかく、不特定多数の人を前にするのはあんまり好きじゃないみたいだ。
だけどそこはどうにかルーナに折れてもらって、ルーナアイドル路線は今後も続けるつもりでいる。
なんでかって、ライブやったあとに招魂をやったら、わたしに飛んできた信仰の量が明らかに前やったときより多かったからですね。それで伸びる力はあんまり多くないけど、確かにわたしの力は増えまして。
これはもしや、アイドルという偶像を通じて、人々の想いが信仰になってわたしに捧げられてるのでは? ってなって。それで、しばらく検証とか調査をしようってなったわけ。
もちろん、わたしたちの本業は学業だ。そっちをおろそかにするわけにはいかないし、他にやることだってたくさんある。
ライブするにしても、もはやスタッフが必要な状況だ。そこらへんの調整もしなきゃだから、あんまり高頻度ではできない。そこはしょうがないだろう。
ちなみにライブでルーナが歌った曲は、わかりやすさ重視でイギリスやアメリカの曲が中心なんだけど、日本の歌もいくつか提供してる。
歌詞は双子の機材に英語訳を打ち込んで出したから、きちんと意味まで伝わったはず。おかげで結構盛り上がったと思うよ。
だから双子には本当に感謝してる。なんなら利用料払った。
そんな中、アンコールで最後の最後に披露された「Eight Melodies」に号泣してるダンブルドア先生がいました。もちろん周りから距離を置かれてましたね。
日本の曲だけど全部英語の歌詞だし、ゲームでもメロディがエンディングで使われてた曲だから、アンコールで歌うにはちょうどええやろってことでのチョイスだったんだけど、まさかこんなことになるとはね。
これ、もしアルバムのMotherで歌詞のある曲を続けて披露したらどうなっちゃうんだろう。後悔の多い人生を送ってきたこのおじいちゃん、泣きすぎて死ぬんじゃない?
……今度やってみるか。特等席のチケットも用意しちゃったりなんかして。
まあそれはともかく、次にえっちな話だ。ジェネリック陰陽薬から、無事にジェネリックftnr薬の開発に成功しましてね。
ええ、ハーミーとダフネとルーナの初めてをおいしく頂かせていただきました。
初めては何にも勝る体験であるべき、という考えのもと、一人ずつかつ数日時間を置いてのベッドインになったけど、みんなそれぞれ違ったかわいさがあって最高だった。この子たちは誰にも渡さないぞって決意を新たにしましたね。
もちろんわたし個人としては、やっぱり入れるより入れられるほうがいいんだけど。今回実にン十年ぶりに入れる側になって思ったのは、入れるのと入れられるのとじゃジャンルが違うってこと。
たとえて言うなら、同じ「社会科」って科目でも「歴史」と「地理」は全然違うでしょう? そういう感じの、大枠としては同じジャンルに入るけど、突き詰めると全然違うもの。そういう感じなんだって思ったんだよね。
入れられる側がわたしにとって「歴史」であることは言うまでもないだろうけど、「地理」だって好き。そんな風に思い出すことができたひとときだったよ。
まあそれはそれとして、わたしが普段は入れられる側なのはその後もほとんど変わってないけどね。
ただ、ここでもわたしが授かったあらゆるものごとの才能が大活躍してて、三人ともめちゃくちゃよがってくれましてね。
このままだと入れる側固定になりかねないかもって危惧したんだけど、普段から催淫魔法を浴びてるハーミーとダフネはわたしの裸を見ると押し倒したくなる身体にされてるみたいで、杞憂で終わりました。ありがたいことに。
そうそう。女の子になって忘れてたけど、別に入れる側であっても受けに回ることはできるんだよね。
それを思い出せたって意味でも、久しぶりの入れる側はいい経験になったと思うよ。
いやあ、みんな貪欲でとてもよかったです。魔法で生やしてるからか、ちんちんが枯れなかったこともあってすんごい搾り取られたもの。
ルーナだけは催淫魔法を浴びた頻度が少ないことと、夢の中でめちゃくちゃにされたこと、それからわたしに対する信仰心から、基本受けでいたいってスタンスに変化はないっぽいんだけど。一人くらいはそういう子がいてもいいでしょう。
それにね、ルーナにそういうことをするのはご褒美のときだけってことにしたからね。ルーナ相手であっても、わたしが普段は受けってことには変わりないってわけさ。わたしにスキはないのだよ!
まあ、どっちにしても生えるおくすりはそんな頻繁に作れるものじゃない。いくらわりと手に入りやすいとはいえ、その素材もジェネリック陰陽薬とは共通だもん。
あくまでそれら素材のメインな使い道はジェネリック陰陽薬で、生えるおくすりは余った素材から作る。誰から言い出すまでもなく、わたしたちはそういう認識でいた。
だから全体で言えば、9割くらいは普通の百合えっちです。プレイの内容的に、普通かどうかは疑問の余地があるけど。
分母が大きすぎる点については、目を瞑ってくれると助かる。
ちなみに、このジェネリックちんちん生やす薬はなぜかジェネリック陰陽薬よりおいしい。爽やかなハーブティーみたいな感じの味がするの、本当になんでなんだぜ。
それとこれもまた半分くらいえっちに関係する話なんだけど、この一か月半の間はみんな一通り共夢を体験してもらうことができた。現状二人までっていう制限があるから、わたしとハーミー、わたしとダフネ、って具合にわたしが中心。
おかげさまで、夢の中でもそれぞれととても素晴らしい時間を共有することができましたとも。内容については皆さんのご想像にお任せすると言うことで一つ。
そしてこの共夢の対象に選ばれたのは、もう一人。
『……ほう? 夢を共有する魔法とな?』
そう、イシュカだ。つまり正確には一匹ってことになる。
『うん、そう。夢の中ならある程度自由に現象を書き換えられるから、わたし以外の人とも普通に会話が成立できるはずだよ』
『夢を書き換える……ううむ、日本には面白い魔法があるんじゃな。妾、1000年以上生きてきたが聞いたことがないぞ』
『マグルを夢の中でそそのかして、都合のいい風に社会を操るために作られたって説もある魔法だけどね』
『住み分けてなかったあの頃のゴタゴタを思えばまあ、是非もないじゃろ』
真面目なイシュカなら何かしらツッコミしてくれると思ったんだけど、すごい淡白な感想が返ってきた。
発想が中世人だ……。いや彼女の生まれは10世紀だから、ある意味当たり前ではあるんだけど。当時は魔法族とマグルが普通に戦争とかもしてただろうし、わからなくはないんだけど。
『わたし個人としては、マグルと遠距離恋愛してる魔法族が作った魔法って説を推したいけどね。……それで、どうする?』
『む? どうとは?』
『イシュカも一緒にどうかなって。睡眠は浅くなるけど、楽しいよ。たまには二人で色々と遊んでみない?』
『妾、バジリスクぞ? 人間でもないのに使えるのか?』
『使えるらしいよ。そういう文献残ってるもん』
『残っとるんか……』
残ってるのだ。まあ文献って言っても、あまりいい意味のものじゃないんだけどね。それがどういうものかは、真面目なイシュカには言わなくていいだろう。
言えるわけない。色んな魔法生物とウコチャヌプコロしたくて共夢を使い続けた男の赤裸々な日記(全四巻)だなんて……!
毎日結構な文章の日記を書き残すような筆まめな人間がそんな性癖の持ち主とか、人類が考え得る限り最高に最悪なシナジーの一つだよ。なんなら最終的に現実世界でもヤるからなこの人。魔法界の姉畑支遁かってんだ……。
さすがに殺しはしないし、どうも共夢で散々情を交わした後だったからか、むしろみんな相思相愛だったらしいけど。それにしたって自己申告だし、日記の上での話だしで。
この日記がね……よりによって、プレイ内容までみっちり書き残されてんだよ。
おかげで400年後の今も、詳細にナニをしたのかがわかるよ。最悪だよ。「わぁい貴重な当時の人の生活記録!」って喜び勇んで買っちゃったじゃんね。
思い出したら腹立ってきた。歴史好きの純情をもてあそびやがって。
そのくせ無駄に官能小説としても完成度が高くて、普通に濡れたのマジで悔しいんだよな。おかげで最後まで全部読んじゃったし、ケモノに目覚めそうになったんだよ。四足歩行の生き物にヨツンバインにされて後ろから……とかちょっと興味持っちゃったぞ。
……まてよ? ハーミーたち、アニメーガスに興味ないかな? 生やした状態で変身すればそういうプレイもできるはず……。
あ、ちなみにこの日記の作者は皇族です。もう終わりだよ、この国。
『ま、まあ? 使えるって言うなら? 妾も試してみてもいいが?』
『お、やる気だねぇ。じゃあ、鱗か何かちょうだい』
『……一応聞くが、それは魔法に必要ってことじゃな?』
『うん、この魔法って触媒に対象者の体組織の一部がいるんだよ。人間なら髪の毛とか爪で事足りるんだけど、イシュカは蛇でしょ。だから使えるものが限られててさ……。前にもらった抜け殻はさすがに時間が経ちすぎてて使えないし』
『はあ……ま、そんなとこじゃろうな。貴様はそういうやつじゃよ、本当に』
『え、なんでわたし呆れられてるの? ……あ、念のためだけど、毒はナシだからね。共夢の魔法が使えるのわたしじゃないからさ、念のためね』
『貴様であっても出さんわい!』
いや、わたしだけなら大丈夫だよ。解毒魔法できたし。適度に薄めて、プレイのときに使えたりしないかなって思ってる。
『貴様それ、何を考えてる顔……いやいい、言わんでいい。なんとなくわかったから言わんでいい』
『自分で聞こうとしたくせに。まあいいんだけど』
『はあ……ま、まあ? そういうことなら、鱗でもなんでも持っていけばよかろ。この辺のやつなら、一枚程度はがしても気にならんから……ほれ』
最終的にイシュカはそう言うと、天井を仰ぐようにして顔を立てた。のどの辺りを使えって言いたいらしい。
……それって逆鱗では? いやあれは龍の話であって、蛇のイシュカには関係ないか。
そんじゃま、ちょいと失礼して……。
『……んぅ……っ』
『うわびっくりした、急に艶っぽい声出さないでよ』
『ア゛ァン!? よ、よりにもよって貴様にだけは言われたくないが!?』
とまあ、そんなちょっとしたトラブルもあったけど、無事にイシュカも共夢に招待できました。
もちろん、イシュカとウコチャヌプコロはしてない。イシュカのことは大好きだけど、さすがにね。ちょっと興味はあったけど、さ、さすがにね?
ロールプレイ? いやあれはハグみたいなもんだから。ノーカンだよノーカン。
ともかくそういうわけで、ホグワーツの外に一切出たことのないイシュカのために、ロンドンや大阪といった街を案内してあげたんだよ。
初めて見るホグワーツ外の景色や、ものを売買するという体験、マグルの乗り物や文化ってものに興味津々で、目を輝かせてウキウキするイシュカはマジでかわいかったですね。
で、そんな彼女の姿を横で見てて、改めて思ったよね。やっぱり、イシュカをいつかきちんと秘密の部屋から出してあげたいって。
スリザリンとの約束を千年以上守り続ける律義さは間違いなくイシュカのいいところだけど、それはそれとして、やっぱりずっとひとりぼっちでホグワーツの中しか知らないってのは、かわいそうだよ。こんなに色んなものに興味を持って、色んなものを楽しめる感性を持ってるんだからさ。
だからわたしはこの日、夢を終わらせる直前に思った。
一時的でかまわないから、イシュカをバジリスクじゃなくする方法を探そう、って。
イシュカが外に出られないのは、一般的に危険度最高に該当するバジリスクだからだ。そこさえどうにかできれば、イシュカも合法的に外出できるはず。
そのためには……いっそイシュカを人間にしちゃうのはどうだろうか。難易度はめっちゃ高そうだけど、自由度は他の生物の比じゃないしさ。なんなら、一緒に授業を受けることだってできるかもしれない。
いいな、イシュカと一緒に机を並べて授業を受けるの。絶対楽しいじゃん。
真面目なイシュカだから、きっとハーミーみたいに一生懸命授業や宿題に取り組むんだろうな。そんな日が来たら、それはとっても素敵だなって。
……よし。また一段と忙しくはなるけど、これもやりたい。やってあげたい。
とはいえ一人じゃそんな時間ないし、一旦はハーミーたちと相談かな。
そう思って迎えた翌日、共夢の報告がてらかくかくしかじかと説明したところ、みんなからのリアクションはこうでした。
「リンのそういう優しいところが私は大好きだけど、そういうところよ本当……」
「ルーナ、覚えておきなさいな。この子はこうやって女の子をひっかけてくるのですよ。ひっかけられたわたくしが言うのですから、間違いありませんわ」
「神様ってば、とんでもない神様なンだ?」
「なんでそうなるの!?」
……おあとがよろしいようで。
前話から一転して、今度はほぼ全編通してひどい回でしたね。本作ではよくあることですな!
ちなみにこれはダイマなんですけど、皆さん聴いておいたほうがいいですよ、アルバム「Mother」は。