才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話 作:ひさなぽぴー
なんやかんや言いつつも、協力してくれるハーミーたちがわたしは大好きです。
一番の理由がわたしからの要請だからじゃなくて、イシュカを助けてあげたいからってところがね、最高だよね。ホントわたしにはもったいない、いい女の子たちだよ。
わたしにできることと言えば、わたしの身体で気持ちよくなってもらうくらいだ。その点に関しては誰にも負けない自信がある。
だからこれからもみんなで一緒に気持ちよくなろうね。
ええ、彼女たちは誰にもあげないぞっていう覚悟です。
とまあそんな感じで、またしてもやりたいことを背負っちゃったので、この一か月半は今までに輪をかけて忙しかったわけです。
ただ肉体的にはきつくても、やめようとは思わない。だって楽しいし。これが巡り巡って、わたしの好きな人たちの助けになるんだってやりがいもある。
あと忙しくはなったけど、ルーナがやっぱり優秀でさ。少なくとも、去年の同時期のダフネよりは確実に上だから、研究ではもう完全に戦力だね。みんなで褒めまくりましたとも。
そしたらもじもじと照れてたので、みんなでたくさんかわいがりました。気づいたらわたしもかわいがられる側になってたけど、気持ちよかったからヨシ!
さて、そんな感じで過ぎた一か月半。
この間に3回ほど、わたしの守護霊の呪文ことイザナミ様について検証する機会もあった。ダンブルドア先生立ち合いのもとで、ディメンター相手にイザナミ様をけしかける実験である。
ダンブルドア先生にも守護霊を展開してもらい、わたしの魔眼で両者にどんな違いがあるのかを視る。主にそんな時間だった。
もちろん魔眼のことはダンブルドア先生にも話してないから、あくまで有識者同士の共同研究みたいな感じではあったけど。
結論としては、普通の守護霊とイザナミ様では明確に魔法としての構造が異なるということがわかった。ただ、どうやってその違いを出せばいいのかは現状まだわからない。
でも古代魔法特有の色は見えなかったし、信仰にまつわる色も見えなかった。当初の予想は外れたわけだ。
でもだとすると、これ普通の人でも使える可能性がある。突き詰めるのに何が必要かはこれからだけど、これも有意義な研究だと思う。
もしかしたら既存の法則じゃ説明がつかない、未知の法則があるのかもしれない。
あるいは、誰も知らないだけで守護霊の呪文には他にも効果が隠されているとか、そういう可能性だってある。それがわかっただけでも、一つの成果って言えるんじゃないかな。
「まさかこの歳になって、新しい魔法に挑戦することになろうとは。ほっほっほ、長生きはしてみるものじゃのう」
ダンブルドア先生はそう言って笑ってたけど、目はガチだった。
ディメンターのことが本当に嫌いなんだろうな……。いや、あいつらを好きな人なんていないとは思うけどさ。
ともあれそんな感じで、先生とは守護霊の共同研究が続いてる。先生は魔眼のことを知らずとも、わたしがあまりにも正確に魔法を見抜いてることは普通に気づいてるので、直感的な解析はわたし。理論の構築は先生って感じで、分担してる。
この分担がね……非常に助かってる。やっぱダンブルドア先生、今世紀最も偉大な魔法使いってあだ名は伊達じゃないんだよね。魔法の理論的な話はわたしもまだできないことが多いから、勉強にもなる。
進展はそんなにないけど、めちゃくちゃ有意義な時間ですわ。これからもぜひ続けていきたい。
さてそれとは別に、私生活のほうで一つ気になる点が。別に深刻な問題が起きたとかじゃないんだけど、何かあったら困るなって感じの問題が起きてます。
「最近アストリアがわたくしと一緒にいてくれないのです……」
ダフネがね、この世の終わりみたいな言動してましてね。
いや待って、違うの。これだけ聞いたら何かあるのかもしれないのに……って思われるかもしれないけど、そうじゃないの。
だって当のアストリアは、同年代のお友達がたくさんできて毎日忙しそうにしてるんだもん。単純に今までいなかった友達ができて、学校生活を目いっぱいエンジョイしてるだけだから、ダフネが気にするだけ無駄なのよ。
っていうか、一緒にいてくれないって点に関してはダフネのほうが先にやったまである。タイムターナーの存在は基本伏せられてるから、傍目には常に妹よりわたしを優先してるように見えるんだよね。
もちろんわたしたちはそういう関係だから、その点についてはダフネも気にしてないとは思うけど。アストリアとしては、夏休み以上に姉が一緒にいてくれないって思っててもおかしくないし、じゃあ自分もってなるのもおかしくないでしょうよ。
ちなみにアストリアが一番多く行動してるのは、ニコ殿下です。やっぱり寮で同室になった人は、かなり特別な存在になるんだよね。わたしは同室の人が全員半純血だから、今のところ特に言及するほどの絡みはないけど。
「ただの姉離れじゃない?」
「そんな悲しいこと言わないでくださいまし!!」
「神様は事実を言っただけだと思うな」
「そんなはずありませんわ! アストリアったら、きっとニコ殿下にたぶらかされてよからぬ遊びをしているに違いありませんのよ!」
「ダフネ……私たちがそれを言う資格はこれっぽっちもないと思うわよ……」
よからぬ遊び(意味深)ってね。
「ハーミーに賛成」
「ん」
とまあ、こんな感じでちょっとダフネが面倒だった。
彼女、最終的に誰も味方してくれないってんでイシュカにまで泣きついたけど、そのイシュカにすらあしらわれてたからね。
『考えすぎじゃろ』
ってバッサリでしたね。ワイトもそう思います。
一応ね、そこまで言うなら……って思って、ニコ殿下と二人で行動してるアストリアを尾行したりもしたんだよ。確かに二人でこそこそしてて、何かあるのかもって気はしたけど。
でもさ、それくらいホグワーツの生徒なら大なり小なりあるわけで。
実際二人も、厨房探してるだけだったしね。殿下がどうしても日本食を食べたかったらしい。
わかるマン。日本人なら米だよね。ホグワーツの食卓には並ばないから、ほしいなら自分で何とかするしかないんだよなぁ。
ちなみに尾行は、厨房を見つけたアストリアたちの様子にダフネが感極まったせいで普通にバレました。
お姉ちゃんさぁ、そんな初めてのお使いを成し遂げた娘を見るようなリアクションはさぁ。
まあ、日本食を作ってあげてお茶濁しといたけど。ニコ殿下にはめちゃくちゃ喜ばれたし感謝されたから、コネの構築って意味で見れば有意義な結果ではあったかな。
どうかこの功績で、わたしに不利になるようなことはしないでクレメンス。
そんな感じでダフネの姉バカっぷりに仕方ないなぁと思いつつも、他のメンバーでほどほどになだめて過ごしていたある日のこと。
放課後、さーてみんなで必要の部屋に行くかーと四人集合して移動している最中に、アストリアとニコ殿下の手首をつかんで引っ張って歩いているドラコを見つけた。
なんでか顔色が悪い。よく見るとかなり汗かいてるし、服もみんな汚れてるな。何かあったのかしら。
だけどその状況からして、これはめんどくさいことになる。わたしがそう思うより早く、ダフネがすっ飛んで行ったものだから、思わず苦笑した。
「ドラコ! これはどういうことですの!?」
「やあダフネ。ちょうどよかったな、アストリア。保護者様のお出ましだぞ」
「あうぅ……」
ダフネがつっかかっても、ドラコは青白い顔でなぜかほっとした後、普段通りのすまし顔に戻して皮肉気に肩をすくめるだけだ。
それどころかじろりとアストリアに目を向けるくらいで、原作だと将来の夫婦なのにって思うとちょっとびっくりする光景ではある。
「もう一度聞きますわよ。どういうことですの? 返答次第ではわたくし、どう動くか自分でもわかりませんわよ」
「聞き終わった後に同じことを言えるとは思えないけどね。……この二人、禁じられた森に入ってたんだ」
おおっと。それは確かにドラコが正しい。
ダフネだけじゃなくて、わたしもハーミーもルーナも、揃って目を丸くしてアストリアとニコ殿下に目を向けた。
これを受けて、二人とも揃って明後日のほうへ顔をそらす。マジかぁ。
というか三人の恰好からして、入っただけじゃない気がする。肝心なところは隠してくれるだなんて、ドラコったら相変わらず身内に甘いんだから。
考えられるのは……ニコ殿下はスーツケースを持ってるし、何かを採集しようとしたのかな。
あれはたぶんわたしが持ってるお風呂用のやつと、同じところで作ったやつだ。装丁が大体一緒。
もちろん鍵穴周辺に刻まれた家紋は丸に剣片喰じゃなくて菊にまつわるものだし、装丁も全体的に豪華だけど。
そんなお高そうなものを持って、子供だけで禁じられた森に入るとか……これはお説教もやむなしですなぁ。さすがのわたしもかばえない。
「……アストリア?」
「うぅ……ごめんなさぁい……」
「や、ちゃうんです。うちがリアちゃんを連れ出したんです」
「えっ、ち、違うのです! アストリアがニコちゃんについてくって言い張ったのです!」
「こないなこと言うてますけど、お友達想いのリアちゃんがうちのことかばってくれはってるだけで……」
「違うのです! ニコちゃんがかばってくれてるのです!」
「いやいや……」
「いやいや……」
なんか二人してかばいあいが発生しちゃってるので、そこは一旦置いとくとして。
どっちにしても、ディメンターが城の周りをうろついてる今のホグワーツで、禁じられた森に行こうとするなんて正気の沙汰じゃない。
いやフレッドとジョージが今でも行こうとしてるけど、彼らは元から正気じゃないところがあるから例外としてね?
おまけにわたし以下ハーミーとダフネは、禁じられた森にアクロマンチュラが複数生息してることも知ってる。イシュカのおかげでその数はだいぶ減ってるけど、それでも根絶できたわけじゃないことも。
そんな森に一年生二人だけで行こうとするとか、マジで危険とか言うレベルを大幅に超えた危険さなんだよな。ダフネが顔を青くしたのも無理はない。
「見つけたのが僕でよかったな。わざわざスリザリンの減点ネタを提供するつもりなんてないから、見なかったことにしておいてやるとも。ただ、その軽率な行動はきちんと怒られておくべきだ。そうだろう、ダフネ?」
「ええ、ええ、まったくもってその通りです! ありがとうございますドラコ、あなたはアストリアの命の恩人ですわ」
「……大げさだな。何も恩を着せたくてしたわけじゃないんだ。それに僕は何も……」
ダフネのまさに大げさな感謝を受けて、ドラコは少しそっぽを向いた。ばつが悪そうに、頬をかいてる。
……? 最後、何を言おうとしたんだろう。なんか、ちょっと違和感。
「と、ともかく! そう言うわけだから、アストリアのことは家族である君に任せる。僕はニコ殿下を預からせてもらうからな」
「わかりましたわ。こちらはお任せくださいまし」
けど深く考えようする前に、ドラコはニコ殿下を連れてこの場を去ってしまった。その背中を見送るアストリアの目線が、ものすごく熱っぽかった。
もしかして、ドラコに危ういところを助けられたんだろうか。だとしたら、まさに白馬の王子様だな。
まあドスケベ脳のわたしは、これがエロ漫画とかの世界なら、きっとつれてかれたニコ殿下はお仕置きと称してそういうことがされるんだろうなぁ……なんて思ってしまうんですけどね。ドラコは身内にはちゃんと紳士だから、そんなことあり得ないのに。
「……驚いたわ。マルフォイって、ああいうことできたのね」
と、ここまでずっと無言を貫いていたハーミーが、ドラコたちが消えた廊下の曲がり角に向いたままそう言った。傍ではルーナもうんうんと頷いてる。
「ハーミーたちが思ってるほど、マルフォイ様は悪い方じゃないよ。ちょっと皮肉気なところはあるけど、面倒見はいいし、やっちゃいけないことしたらきちんと怒ってくれるし、何か成し遂げたらちゃんと何かしらで報いてくださるし。
ただ、そういういいところをスリザリン以外ではしない……特にハリーに対してはできないってだけで……」
「なんでハリーに対してはできないのよ。普段からそうなら、私もロンも悪く言ったりなんてしなかったのに」
「それは本当にそう」
マジでそれな。この世界のドラコ、わたしの影響か色々と成長してるはずなのに、ハリーに対してはマジで原作とほぼ変わらない対応してるからねこの三年間。
いやでも、ロンはどうかな……。仮にドラコがまっとうな対応をしてたとしても、マルフォイ家とウィーズリー家自体が水に油だから……。
「あんなにハリーを目の敵にするって、逆に好きじゃないとできないよね。……神様、男の子同士でも
とそこで、ぼそりとルーナがつぶやいた。この言いように、わたしもハーミーも思わず吹いた。
これも確かに、本当にそうって感じだ。好きの反対は無関心って言うもんねぇ。
なお質問には、あるよって答えといた。
「ま、まあマルフォイのことはさておき……あれ、いつとめる?」
ひとしきり笑って復活したハーミーが、アストリアにお説教してるダフネを目線で示した。
「3分後くらいでいいんじゃない? 妹様も十分反省してるみたいだし、あの感じだとダフネ様も身体の負担になるかもだし」
あんなにヒートアップしてるダフネを見るのはそうそうない。夜の運動会をしたときとは、また違った消耗の仕方をしてるはず。
そもそもダフネはあんまり身体が丈夫じゃない。今まで定期的に体調を崩してるし、夏休みの間も二回ほど軽く体調を崩してたほどだもん。
今年度はまだ一度も崩してないけど、それは運がいいだけだと思う。そろそろ大きいのが来てもおかしくない。
そんな彼女の身体のことを思えば、ほどほどのところで切り上げてあげるべきだろう。
「それもそうね」
というわけで、そういうことになった。
原作における物語が動く日こと、ハロウィンの日のちょうど三日前のことだった。
禁じられた森、その名が示すように危ない場所なんだけど、そんなところ学校に隣接してるの本当にどうかしてると思う。
まああの森、ケンタウロスたちが住んでるから多分その辺なんだろうなぁ。ホグワーツができるよりも先に、ケンタウロスたちが住んでたとかそんなところかなぁって・・・。