才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話   作:ひさなぽぴー

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27.夜中の秘めごと 上

 そしてその日の夜。わたしはそっと寮を抜け出して、グリフィンドール棟へ向かっていた。

 

 狙いはピーターだ。拉致しに行きます。シリウスがホグワーツに侵入してなくて、クルックシャンクスがいない今なら、まず間違いなくロンのところにいるはずだからね。

 

 うん、そう。用意してた魔法が完成したんだ。ギリギリになったけど、なんとかね。だからこそ、ピーターを確保するってわけ。

 

 ピーターのことはまだ秘密にしたいから、同行者はナシ。久しぶりの単独行動だ。

 あとね、使う魔法がちょっとアレっていうか。マホウトコロじゃなくても、闇の魔法認定されそうなものだからね……そういう意味でも、一人のほうが都合がいい。

 

 色々偽装しつつ、グリフィンドール寮の入口を守る太った婦人の前に立ち、魔眼を起動する。

 

 前にも触れたけど、魔眼は魔法的な仕組みを視認できるようになる。

 そして動く肖像画はそこに生き物がいるわけじゃなくて、魔法によってその人物の性格を模倣している魔法道具。彼らに設定された合言葉は、魔眼を使った状態でレベリオを使えば、見抜くことができる。

 

「ライオンズ・シェア」

 

 こんな風にね。念のため、声も男のものに変えておいた。まさかここで実況プレイの経験が活きるとはね。

 

 ということで、お邪魔しますよっと。そのまままっすぐハリーたちの部屋に向かう。

 具体的な場所はわからないけど、レベリオすればすぐにわかる。壁を貫通して魔法力が視えるし、魔法力は人によって微妙に違う見た目してるからね。

 

 ここだ。はい、侵入成功……って、うわ、きったな。整理整頓しなよ。

 男の子だけが四人で過ごしてる部屋って、大体こんななのかな。前世のわたしを思えばこんなもんだろうけど……でもなぁ、ドラコたちの部屋はもっとちゃんと整えられてるぞ。ううん、これも性格の違いか。

 

 まあそれはともかく……いたいた、ピーターもといスキャバーズ。ロンと一緒にベッドの中で寝こけてる。ベッドの真ん中らへんにいるあたり、のんきに寝てるってわけでもないんだろうけど……添い寝してるんですか、ロン……。

 そのネズミの正体は小太りのおっさんやぞ。おいたわしや兄上。

 

 ともかく無言魔法を駆使して、ロンとピーターを起こさずに布団をめくりあげて、ピーターだけを確保する。

 ……うん、体調は問題なさそうだな。

 

 原作だと、この時期のスキャバーズってめっちゃおびえまくって憔悴してて、ロンからは寿命が近いなんて思われてた。この世界だとさすがにそこまでは行かないね。

 なんでそんな違うかって、単純にこの世界じゃクルックシャンクスがホグワーツにいないからだろうなぁ。

 

 原作だと、シリウスと接触したクルックシャンクスが依頼を受けてスキャバーズは執拗に狙われてた。

 それどころかその前から、アニメーガスであることを見抜いてるクルックシャンクスからは狙われまくってたから、原作三年目のスキャバーズはみるみるうちに憔悴していく。

 ただでさえシリウス脱獄のニュースを聞いてビクビクしてるところにそれだったわけで、自分の命が第一かつ臆病なピーターにしてみればたまったもんじゃなかったんだろうね。

 

 ま、わたしにはそこは関係ない。彼には眠ってもらいます。はいはいステューピファイステューピファイ。

 

 もちろんこれも無言だ。ステューピファイくらいの魔法なら、もう余裕で無言化可能なのさ。それくらいの努力はしてきたし、それを報わせるだけの才能がわたしには授けられてる。

 

 さらに言えば、わたしは姿を完全に隠してる。

 ただの目くらまし呪文じゃないよ。去年、ハリーから死の秘宝の透明マントを借りたときに解析した魔法を再現したものだから、透明性という意味じゃ冗談抜きに完璧なものだ。

 

 名付けて死より覆い隠せ(ウェラーレ・アモルテ)。元がヨーロッパ発祥の魔法から作ったこともあって、ラテン語をこねくり回しました。

 英語調のヴェじゃなくて、ラテン語調のウェって発音しないと発動しない。あのマント、たぶんだけど起源はめちゃくちゃ古いと思う。

 

 うんそう、再現成功したんだよね。あんまり難しくなかったよ。これも魔眼様様ってわけ。

 目くらまし呪文よりは難しいけど消耗は大して変わらないから、今後の隠密活動はこれがマストになりそうだよ。

 

 いや、だとしてもやけにあっさり再現できたなって思ってはいるよ。

 ただ心当たりはあって……たぶんだけどこれ、この透明マントが「死」の秘宝だからなんじゃないかな。

 要するに、イザナミ様の権能に関係するものなわけで、それならイザナミ様の似姿であるわたしが模倣できないはずがないでしょ?

 

 ただそうなってくると、同じく死から授けられた秘宝って扱いの蘇りの石やニワトコの杖も、気になるところではある。何かあっても困るし、これは今は考えないようにしておくつもりだけど。

 

 まあそんなすごい魔法であっても、わたしにかかれば全裸に魔法をかけてそのままホグワーツ内を徘徊する、なんて使われ方するんですけどね。

 人の出歩いていない夜にやっただけであんなに気持ちいいんだから、昼間にやったらどうなっちゃうんだろうね。興味あるーッ。

 

 おっと、夜なんて誰もいないんだから大したことないだろって思ったそこの君。甘く見てもらっちゃ困るぜ。

 何せホグワーツには、壁のあちこちに肖像画が飾られてる。これらは見聞きしたものを記憶するし、人と会話することだってできる。おまけに校長はこれら肖像画から情報を集めることすらできる。

 

 つまり夜であっても、ホグワーツはあっちこっちに人の目があるってわけ。そんな状態で露出プレイなんて、そりゃもうスリリングで気持ちいいに決まってるんだよなぁ。

 見えないのをいいことに、起きてる肖像画の前で一人致すのはなかなかでしたよ奥さん。まあ肖像画は謎に聞こえてくる水音にめっちゃおびえて、すぐ別の絵に避難しちゃったんだけど。

 

 もちろん、夜ですらこれなんだから昼とかもっとすごいに決まってる。ぜひともチャレンジしたい。考えるだけで今からおつゆがあふれてとまらないんだぜ。

 

 まあ、この道を追及するなら魔法に頼らずに露出徘徊すべきなんだろうけど。さすがにまだちょっと、そこまでの勇気は持てないからこれで少しずつ慣らしていきたいなって。

 

 話を戻そう。

 

 ともかくそういうわけで、さっくりとピーターは確保完了。念のため軽く縛ったら、さっさとグリフィンドール寮を後にする。これが一番早いと思います。

 

 向かう先は、呪文学教室のほう。その近くに設置された、ちょっとした数字パズルが鍵になってる隠し部屋だ。

 そうだね、ホグレガにあった隠し部屋だね。答えを当てると扉が開いて中に入れて、アイテムがあった場所の一つだ。

 

 この世界でも同じ仕掛けで複数存在してて、レイブンクロー生を筆頭に結構な生徒が出入りしてるのを見かける。答えは定期的に変わるみたいで、知恵を誇りにするレイブンクロー生にとってはちょっとした腕試し的なスポットって感じだ。

 

 だけど今わたしが入ったこの部屋は、普段見向きもされてない。目の前を通ったとしても、スルーされてる。

 何せ普段は完全に壁に同化して隠れてるからね。ホグレガだとそんなことはなかったし、他の同タイプの仕掛けは普通に常に出てるんだけど、ここだけは隠れてるんだよ。

 扉に対して正確にレベリオをかけないと、出てこないんだ。それもわたしがよく使ってる探るタイプのじゃなくて、原義通り暴くタイプのじゃないといけない。

 ただの壁にピンポイントで暴くレベリオなんて、そもそもしようとは思わないからねぇ。わたしも、魔眼がなかったら気づかなかったと思う。

 

 なんでそんなことになってるかと言えば、答えは簡単。レガ主だ。

 去年度彼女が言った通り、ホグワーツ内には彼女の遺産があちこちに隠されてる。それを探すことが、受け継いだ使命を完遂した彼女から出される後輩への試練って話だったでしょ? ここもその一つで、彼女の魔法で隠されてるってわけさ。

 

 わたしが初めてここに立ち入ったのは、去年度のバジリスク騒動が終わった直後。中はホグレガゲーム内と違って結構きれいに整頓されてて、壁際に設置された棚にはずらりと呪文クラフトが並べられてた。

 個人的には、レガ主の遺産には対呪いだったり魔法の研究だったり、そういう学術的なものを求めてる。でもこういう、わかりやすくお宝的なものも悪くない。おかげで出現呪文で出せるものが劇的に増えたもんね。

 

 ゲームやってて呪文クラフトって何なんだろうって思ってたけど、これは要するにビデオテープとかブルーレイディスクみたいなものだ。

 映像が保存された記録媒体をスクリーンに繋げた装置に入れれば誰でも映像が見れるように、呪文クラフトの内容に沿って出現呪文を発動すれば誰でも記録されたものを出現させることができるってわけ。映像媒体と違って素材は消費するし、使い手の技量次第で効果に差は出るけどね。

 

 中には魔法の道具もあったりして、本当に助かってる。中でも魔法薬を作るための鍋と、そこに付随する自動製薬機能が組み込まれた調合台はめちゃくちゃ助かってるし、素材純化器もめっちゃ便利。

 

 純化器はね……ゲームだとただムーンストーンに変換するだけのものだったけど、現実になってるからか文字通りの純化ができるんだよね。単純に素材の質を高められるから、ジェネリック陰陽薬の研究でも大活躍だった。

 装備品の強化ができる魔法の織機もほしかったけど、それのクラフトはなかった。残念。

 

 ちなみに今年の年明け、ダフネと一緒に二度目のバジ前えっちをしてた隠し部屋はここと同じ仕掛けの別の部屋です。そっちは隠されてなかったし、レガ主の遺産もなかったからごくごく普通の空き部屋だったね。

 

 あれはねぇ……反省してるんだよ、わたしも。あれはなかったなって思ってる。

 寒い冬の、暖房もない隠し部屋。石の床でのえっちをしたせいでダフネの体調崩しちゃったもんね。

 

 ええ、反省してるんですよ。一度目ならず二度目のえっちも、硬い床の廊下とか隠し部屋で、ってのはいかにも情緒がないですからね……。そういうプレイはそれはそれでおいしいけど、やっぱり基本はベッドの上でですからね……。

 

 ということで、この厳重に隠された隠し部屋を、改装することにしました。今は必要の部屋があるけど、それとは別に気軽にえっちできる隠し部屋がほしくってさ。

 今やこの部屋は劇的ビフォーアフター。床には絨毯が敷かれ、ベッドはじめ最低限の調度品が揃ってる。

 ちょっと狭いのが難点だけど、それでも六畳半くらいはあるし、拡張して設置したシャワー室やキッチンを含めるともっとあるわけで。とりあえずの愛の巣としては、これで十分でしょう。

 

 まあ必要の部屋が便利すぎて、今のところ使う予定はないんだけど。何かのときに役に立つだろうと思って用意してたわけ。

 まさかそこに、チビで小太りで髪の毛の薄いおっさんを連れ込むことになるとは。見抜けなかった……この海のリハクの目をもってしても!

 

 でもさ、ある程度簡単に出入りできて、ホグワーツ内の中心近くっていうアクセスのしやすい場所にあって、さらにレガ主の目もない隠し部屋がここくらいしかなくってね。

 何かをこっそりやる用の隠し部屋、もうちょっと増やしたほうがいいかなぁなんて思い始めてるよ。えっちに限らずね。

 

 ともあれそういうわけで、室内に入ったわたしはドアを閉め、ベッドにスキャバーズを横たえさせた。

 

 そうして取り出しましたるは、夏休み中に玄武大路で買っておいた特注の呪符。

 

 その名も暴露の呪符。オーダーメイドでしか用意しないっていう、日本でもまあまあ特別な逸品だ。とある公家の魔法族が特許を持ってて、関係者以外の作成も許可されてない。だからそこでしか作れないことになってるんだよね。おかげで結構なお値段がした。

 まあ、魔眼でしっかり解析したから今となってはわたしも作れるんだけどね。とりあえず今回は、製品として買ったほうを使う。

 

 この呪符に込められた魔法は、わかりやすくいえばスペシアリス・レベリオみたいなもの。呪符は表意文字である漢字を利用した魔法道具だから、厳密には違うけど……効果が一緒ならまあみたいなもの、くらいは断言してもいいでしょう。

 

 これをスキャバーズに貼り付けるとどうなると思う? そうだね、元の姿に強制的に戻されるのね。

 おまけに前にも触れたけど、呪符は発動したら効果が切れるまで、途中で止めることはできない。だからこれを貼り続けてる間、ピーターは暴露され続けてる。

 要するに、ネズミに……アニメーガスに変身できないって寸法だ。

 

 まあ眠ってる間に全部終わらせる予定だから、意味があるかどうかは微妙なところだけど……そこは念のためだ。将来的には、リータ・スキーターにも使うことになるかもね。

 

「……映画で見るより若く見えるのは、まだそこまで追い込まれてないからかなぁ? ストレスって大きいんだなぁ」

 

 正体を現したピーターは、言っちゃえば冴えない中年のおじさんだ。

 と言っても、まだ30代前半の人をそう呼ぶのは、かつて40代半ばのおじさんだったわたしとしてははばかられるんだけど。

 

 実際、映画版よりは結構マシ。ハゲ、って言うのは申し訳なくなるくらいにはちゃんと髪の毛残ってるし、小太りではあるけどだるだるってわけでもない。

 顔だってシリウスとかリーマスたちに比べれば劣るけど、かといってブ男って感じでもない。愛嬌のあるおっちゃんって感じだ。

 

 ちょっとびっくりだけど、考えてみればこの世界のピーターは原作と違ってまだ追い詰められてない。シリウスが迫ってるっていうことにはストレスと恐怖を感じてるだろうけど、ホグワーツにいる分にはシリウスの影はまだ感じられないもん。

 何より、アニメーガスだと見抜いて襲いまくるクルックシャンクスって天敵がいない。この有無はかなり大きいはずだ。

 

 原作ではこれから先、ハロウィンの日にシリウスがホグワーツの中までやってくる。ここからのピーターはマジで針の筵以上の生き地獄だっただろうね。

 おまけにシリウス、そのうちロンのいる寮の部屋にまで侵入してくる。ピーターはその時点では既に寮から逃げ出してたわけだけど、そこからは地獄って言葉じゃ足りないくらいだったろう。

 

 もちろん何もかも自業自得なわけだけど、人間の心ってのはそういうのに関係なく動くものだからねぇ。ピーターはピーターなりに、自分にのしかかる負荷を抱え続けてたんだと思う。

 

「……その肩の荷、わたしが下ろしてあげる」

 

 どうやるのかって? こうやるのさ。

 

 わたしはいまだ気絶してるピーターの目をちょいと開かせると、その眼前に杖を掲げてこう言った。

 

オラッ催眠(ヴォルディス・ソムネクス)!!」

 




ドMの無法化がとまらない。いよいよ手が付けられなくなってきた。

ちなみに「ウェラーレ・アモルテ」。
言語的には「ウェラーレ・ア・モルテ」と表記するのが正しいんですけど、ぶっちゃけめんd・・・じゃなくて、続けたほうが言葉にしたとき口になじんだので、こうしてます。
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