才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話 作:ひさなぽぴー
実験で使う部屋は、呪文学の教室の近くにある隠し部屋だ。部屋自体が魔法で隠されてるから、しっかりきちんとレベリオをしたうえで、数字パズルを解かないと入れないって部屋だね。
ホグレガにもあったやつだけど、この部屋は元々はレガ主の遺産が隠してあったこともあって、普段は誰にもわからないようになってるから、あれこれするにはちょうどいい。
見つけたときは倉庫って感じだったけど、今はちょっとしたホテルの一室って感じに改装してある。ベッドの他、シャワー室やキッチンなんかもあって、えっちなことをするにはちょうどいい場所になっております。
うーん、劇的ビフォーアフター。
この部屋に魔法をかけては観察し、かけては観察し。それを繰り返して、色んな効果を試し続けた。
意図した通りの結果になることもあれば、ならないこともある。意図してない結果であっても、いい結果に転ぶこともあれば大失敗、なんてこともある。
当たり前の話だけど、必要の部屋を再現するなんて難題、たった数時間でできるはずない。
つまりこれは、基礎研究みたいなもの。将来的に、何か意味を持ってくれればそれでいい。
とはいえ、成果が一切ないわけでもないから、最後に一発思いっきり部屋に魔法をかけてみることにした。残ってる魔法力を空っぽにする勢いで、じゃんじゃか魔法を積み上げていく。
「……うーん、アドリブで組んだからかだいぶ固結びみたいな魔法になっちゃったなぁ」
結果として、想定してた仕掛けにはなったけど、解除がクソめんどくさい仕上がりになった。
魔法としては一応成功だけど、これを完成とは言いたくない。魔眼で視た構造はスパゲッティコードって感じだし、コストも重いしで。
手間的にもコスト的にも、もっとお手軽な形に改修して完成度を高めていきたいところだ。
「まあ解除は今度でいっか……数字パズルは数学2Bレベルに上げてあるから、どうせ誰もここには入れないだろうし……二人で入ろうとする確率なんて、それこそ天文学的な数字だろうし」
わたしはそう言いながら、ノリとテンションで壁に取り付けた看板を見やる。
そこには、『セックスをしないと出られない部屋』と書かれていた。
……説明しよう!
セックスをしないと出られない部屋とは、セックスをしないと出られない部屋である!
……いや、冗談でもなんでもなく。小泉構文ってわけでもなく、マジでそれ以上でもそれ以下でもない。
なんでそんなものを……って聞かれれば、趣味と実益を兼ねてとしか言いようがないわけだけど。
大本になった魔法は、スリザリンの書斎の入口にあったものだ。
ほら、元々は誰かにクルーシオをかけないと出られない部屋で、レガ主の手で全員とハグしないと出られない部屋になってたところだよ。あれの解析が終わったんだよね。
で、それを色々と改良して、他にも色んな魔法と組み合わせて実装してみたってわけ。
魔眼で視た限り、機能はバッチリ働いてる。今はわたし一人しかいないから、閉じ込められてないだけ。
あとはここに、誰かと入ればセックスをするしかないって寸法よ。
とはいえ、先にも触れた通りまだ完璧じゃない。だから解除しないとなんだけど……解除にすごい手間がかかる形になっちゃってる。魔眼を使ってもなお、5,6時間くらいはかかりそう。
でも今日はこの部屋の実験で、魔眼は限界近くまで使ってる。これ以上魔眼を使おうものなら、あとはエクスタシー一直線だ。解除するなら明日以降だね。
であるなら、せっかく作ったわけだし、一回くらいは使ってみたい。そう思うのは自然なことだと思います。
誰と一緒に入ろうかなぁ。ハーミーたち、三者三様のリアクションしてくれそうだから一人だけなんて選べないよ。
ああ、もちろん最終的にはネタ晴らしするよ。ドッキリ大成功の看板も用意しておこう。楽しんでもらえるといいんだけど。
わたしはそんなことを考えながら、ウキウキ気分で部屋の扉を開けた。
そしてそこで、「あっ」と声を上げて固まった。
わたしの視線の先。隠し部屋の向こう側からやってきたパンジーと、目が合っちゃったからだ。
彼女はなぜかきょろきょろしてたんだけど、わたしを見るや否や「ちょうどよかった」みたいに微笑んで、名前を呼びながら小走りに近づいてきた。
「ゼンポウジ! ダフネ見なかった?」
「だ、ダフネ様ですか? いえ、今日はわたしも色々あったので、今どこにいらっしゃるかまでは……」
「え、アンタも知らないの? 当てが外れたわね……」
ダフネを探していたらしいパンジーは、困ったように顔をしかめた。
どうやら、何かダフネとこっそり話がしたいらしく、寮に戻ればそのうち会えるのでは、というわたしの提案は普通に却下された。
そういうことなら場をセッティングしてあげようか……と思ったところで、パンジーの視線がわたしの後ろに向いた。隠し部屋の扉にだ。
これにやっべ、と思ったときにはもう遅かった。
「ここは? 何の部屋?」
「あっあっ、ぱ、パーキンソン様この部屋は……!」
パンジーはわたしを押しのけて、部屋の中に入ってしまった。わたしがいた部屋の中に。
ばたんと扉が自動で閉まる。がちゃん、と鍵がかかる音がした。
「……は?」
そしてパンジーは、その音に反応する余裕もないような声を上げた。恐る恐る振り返れば、壁にかかった看板を唖然と見つめている。
そこにはそう、『セックスをしないと出られない部屋』という文字が……!
「……っ、アロホモラ!」
次の瞬間、パンジーは弾けたように扉のほうに戻り、ぶん殴るみたいな勢いで開錠魔法を放った。
が、ダメ。扉はうんともすんとも言わない。
まあ、そりゃね。セックスしないと出られない部屋の要である扉には、かなり厳重な守りを施したからね。
学生としても平均程度な成績のパンジーが開けるなんて、まず不可能だと思う。
もちろんそれで諦めるパンジーじゃない。ありとあらゆる攻撃呪文をぶっ放し、扉を強引にぶち抜こうとした。
だけど扉はビクともしない。自分でやったことだけど、めっちゃ強固だなこの守り……。
「なんなのよ……なんなのよこの部屋っ!!」
なんなのよこの部屋と言われたら、答えてあげるが世の情け……と言ったのはラブリーチャーミーな敵役だけど、あいにくと犯人はわたしなんだよなぁ。
「ゼンポウジ! ぶっ壊しなさい!!」
「はい、かしこまりました」
次に吼えるように命令してきたので、わたしは取り出した杖を扉に向けた。
とはいえ、この部屋を構築するのにわたしは力の大半を使い果たしている。だから今のわたしでは、逆立ちしたって扉は開けないんだよなぁ。
一応やれるだけのことはやったけど……案の定、扉は健在であり続けた。
ただその、わたしが連続で魔法をぶち込み続け、魔法力不足で膝をついた瞬間の、パンジーの絶望したような顔は……その……下品なんですが……フフ……下品なのでやめておきますね。
そう思った瞬間、この状況めっちゃラッキーだなって悪魔のささやきが聞こえてきた。
だってこの部屋、えっちをしないと出られないけど、逆に言えばえっちさえすれば簡単に出られる。
つまり、合法的にパンジーとえっちができるってことでしょう?
いやでも、ハーミーたちが許してくれたのは向こうからアプローチしてきた場合であって、わたしからひっかけに行くのは違うよなって……。
天使もそうだそうだと言っています。ここでパンジーとそういうことするのは、彼女たちの温情を無下にするようなものでは……。
だからこそ最近はパンジーに対して催淫魔法は使ってないし、向こうからわたしに手を出させるような仕込みもしないでおいたのに。まさかこんなことになるなんて。
で、でも、魔眼を使い切ってる現状、部屋の開放条件を満たす以外の方法で出るのは無理だ。
魔眼が回復するには数時間は必要になるから、その間出られないことには変わりない。
あと魔眼を使っても解除には5,6時間はかかりそうな魔法だから、回復を待ったあと出られるのはもっとあとだ。その間食べるものはないし、周囲からは行方不明扱いだろうし……。
ううう、わたしは、わたしは一体どうすれば。
いやあの、わたしの女神様、イザナミ様に誓って言うけど、わざとじゃない。わざとじゃないし、パンジーに見つかった時点ではこうしようなんて思ってなかった。
本当だ。嘘じゃないんです、信じてください闇祓いの皆さん!
「……そ、そんな……。あ、アンタで壊せないなら、この扉は……。う、嘘でしょ? じゃ、じゃあ何? 私たち、もうここから出られないの……!?」
葛藤するわたしをよそに、パンジーは現実を受け止めきれなくて取り乱し始めた。
セックスの意味がわからないわけじゃない反応だな。でもこのリアクション……女の子同士でのセックスに対する知識がないのか、それとも単純にわたしとするのが嫌なのか……。
どうか後者であってくれるなと思いつつ、わたしはパンジーに声をかける。
「だ、大丈夫ですパーキンソン様……きっと、どなたかがここを見つけてくださるはずです……」
そう言っておいてなんだけど、まずそんなことはない。だってこの部屋、扉が閉じてしばらく経つと元々あった部屋を隠す機能が再起動して、見えなくなるから……。
誰でも暴くことはできるんだけど、そもそもこんなところに隠し部屋があるって思ってる人なんてほとんどいないはず。
仮に見つけられても、扉の鍵は数学2Bレベルに改造済み。魔法族で開けられる人がどれほどいることか。
「そ……そんな! そんな! ことで! どう安心しろってんのよ! 心にもないこと言ってんじゃないわよ!!」
パンジーも何となくそれは感じてたようで、目を吊り上げて思いっきりわたしに魔法をぶち込んできた。それも何発も。
まともにそれを食らって、最高の気分を味わいつつ吹っ飛ぶわたし。そして床を転がって、壁際に配置された棚近くまで転がっていく。
そうそうこれこれこれこれ~~~~!!↑↑
今年は全然これがなくって、物足りなかったの! ずっとこれを待ってたんだよこれを!!
やっぱ……パンジーの攻めを……最高やな!!
そしてこの快感によって、わたしの中で天秤がガッと派手に傾く音が聞こえた気がした。視界の端で、悪魔が天使を押し倒して裸にひん剥いてる。
要するに、タガが外れた。ヒャア我慢できねぇ、えっちだ!!
「どうしよう……どうしようどうしよう……い、嫌よ……こんなところで死ぬなんて、そんなの絶対……!」
不安定な情緒の中魔法を派手にぶちかましたからか、一気に力を消耗したんだろう。パンジーは呼吸を乱して、深い意味もなくその場でうろうろし始めた。
そんな彼女を見ながらゆらりと立ち上がり、わたしは魔法を食らったお腹をさすりながら声をかける。
「ぱ、パーキンソン様……と、とりあえず、この部屋の中を調べてみませんか? もしかしたら、何か抜け穴や使えるものが見つかるかも……」
「……っ、そ、そうね、それがいいわね。徹底的に調べるのよ!」
「はい、お任せください」
ということで、少し時間をかけて部屋の中を調査する。その間、パンジーにはベッドに腰かけて休んでおいてもらう。
調査って言っても、わたしがこの場を調べるって意味はない。だってここ用意したのわたしだし、内装も全部わたしが整えたものだからね。この部屋のことは全部知ってる。
だけどいきなり言ったら怪しまれるからね。まずは部屋の中を調べたって体裁は整えないとだ。
これによってパンジーには、もはやするしかないんだって思ってもらう!
「……シャワーがありますね。トイレとは別々で完備されてます。本棚にはたくさん本がありますし、チェスとかゴブストーンまで……」
「なんでそんな無駄に整ってんのよ……!」
「あ、こちらは食べ物の保管庫みたいで……残念、空っぽです。キッチンまであるわりに、中途半端ですね……」
「いやだとしてもでしょ!? なんでこんな無駄に整ってんのよ!? この部屋を作ったヤツ頭どうかしてんじゃないの!?」
それは本当にそう(真顔
ちなみに食料については、今回長居する予定がなかったから入れてない。えっちな薬とかは、ばっちり用意したんだけどね。
なぜって、セックスをしないと出られない部屋だからね! オプショングッズまで準備するのは、当然のことでしょう?
さてそうやって部屋の中を調べつつ、パンジーと会話することしばし。
わたしはいよいよ、その用意しておいた薬を提示した。
「……あ、あの、パーキンソン様……」
「何よ」
「魔法薬がありました……」
「はあ? なんでそんなの……いや、待ちなさい。なんの魔法薬?」
「び、媚薬……ですね……」
「はあぁぁ!?」
パンジーが顔を赤くする。意味が分かるようで、わたしはとっても嬉しいよぉ!
「そ、それと、こっち……こっちは、お、おちんちんを……生やす薬、だそうです……」
「は? ……は!? はあああ!?」
追い打ちをかけたら、さらにパンジーは赤くなった。
と同時に、むんずとつかんだ枕をこっちにぶん投げてきた。
「なんでそんなもんがあるのよ! この変態! ふざけんじゃないわよ!!」
すごい。パンジーってば犯人はわたしって気づいてないのに、とりあえずの八つ当たりでわたしっていう犯人を糾弾することに成功してる。なんて面白い状況なんだ。
投げられた枕を顔面でナイスキャッチしつつ、魔法薬が入った瓶はきちんとかばう。今回はこれが大事な鍵だからね、うっかり瓶を割るわけにはいかないのさ。
「あの……パーキンソン様……これ、使いませんか……?」
「ぶっ殺すわよ!? なんでこの私が、聖28一族の私が、アンタみたいな穢れた血とせ……セ、その、そういうことしなきゃいけないのよ!」
「心中お察しいたします。ですが、パーキンソン様をお救いするには恐らくこれしか……」
「嫌! 絶対嫌!! 私のし、処女を、アンタなんかに渡すくらいならここで死んだほうがマシだわ!!」
真っ赤な顔で、涙目。おまけにその目の中には、ぐるぐる渦が巻いてるのが見える気がする。こりゃ相当混乱してますね。
誰もわたしが挿れる側になるなんて、言ってないんだけど。いやあ、人間混乱すると本当に色々見えなくなるんですねぇ。
「? ああ、そういう……いえその、それはもちろんだと思っております。なので、この薬はパーキンソン様がお飲みくださればと……」
「あ、なるほど……って、そういう話じゃなくってっ!」
ということで、挿れるのはそっちやで、と伝えたところ、パンジーは一瞬納得したものの、すぐに真剣な顔で否定してきた。
え? え、それどういうリアクション?
想定してたどの反応とも違って、わたしもどうすればいいのかわからず口をつぐんでしまう。
と、とりあえず、パンジーがどういう思考をしてるのか知りたいし、彼女が何か話すのを待とう。
そうしてたっぷり十数秒後。彼女は重々しく口を開いた。
「……ダメよ。それじゃアンタ、浮気になっちゃうでしょ」
「……え?」
「だってアンタ、ダフネと付き合ってるんでしょ? それなのに、そういうことするなんて……ダメよ、そんなの。ダフネに申し訳ないじゃない……」
……ダフネとの関係に気づいてたことには、別に驚かない。去年ダフネがわたしに思いっきり抱き着いたことあったし、今年度はほぼずっと一緒にいるもん。察しのいい人ならたぶんみんな気づいてる。
だからわたしが驚いたのは、それ以外のこと。まさかこんな状況で、それでも親友に配慮しようなんて……。
なんて……なんていい子なんだ……! そういえばパンジー、純血名家のご令嬢でしたね!? めっちゃ淑女な貞操観念してる!
けど、わたしにはとてもできない……! 今もわたしの視界には、悪魔に蹂躙されてよがり狂ってる天使の姿が映ってるんだから……!
その悪魔が、押せ……っ! って言ってる。わたしもそう思う。もう今のわたしの頭の中には、どうにかしてパンジーとえっちすることしかなかった。
「で、ですが……これ以外に脱出する方法があるかというと……」
わたしは正論で行く!
この状況、犯人であるわたし以外が得られる情報を見れば、それしかないことはわかるはず。助かるためにそれしかないなら、それしかないんですよ!
「わ、わかってるわよ……! でも、でも……!」
「パーキンソン様をここで死なせるわけにはいきません。ダフネ様にとってはきっと、あなた様も大切な人のはずですから」
「ぅ、そ、そうかしら……?」
「そうですよ。ですから、まずはここを生きて出ましょう? 大丈夫、終わった後は一緒に謝りに行きます。怒られるというなら、わたしも一緒に怒られますから……」
「……ぅ、う、ううう……!」
そうしてパンジーは、迷いを振り払うようにひとしきりうなり声をあげたあと。
わたしの手から、猛然と薬瓶を奪い取った。ちんちんを生やす薬だ。
そのままの勢いで、彼女は薬を一気にあおる。
「い……一回だけ、だから……! それだけだからね! そ、それ以上はなしだから……!」
「はい。すぐに済ませて、部屋を出ましょう」
もちろん、一回だけで済ますなんてもったいないことするつもりはない。催淫魔法の準備は万端だ。
これを使えばもう魔法力は完全にスッカラカンだけど、後悔はない!
加えてわたしは、あえて煽るように服を少しずつ脱いでいく。さながらストリップショーのように。
元々、わたしの身体に欲情できるようになってるパンジーだ。効果はてきめんで、彼女の目は早くもギラギラとした色欲に染まっていた。
「さあ、パーキンソン様……」
そんな彼女に見せつけるように、裸でベッドの上に横たわれば……。
もう我慢できない、とでも言いたげに大急ぎで服を脱ぎ散らかしたパンジーが覆いかぶさってきた。
「ふーっ、ふーっ……、ここ……よね? ここよね。よーし……」
「はい……たくさん気持ちよくなってくださいね……♡」
直後、わたしの身体を凄まじい衝撃と快感が突き抜けた──。
【悲報】ドM、遂にセックスをしないと出られない部屋を自作する【有言実行】
ということで、パンジー回でした。
本当に下半身でしか物事考えてないよなこのドM・・・。