才能に恵まれすぎたドMが魔法界で百合逆ハーレムを目指す話   作:ひさなぽぴー

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42.呪いについての展望

 解呪の儀式をやってみてわかったことは、たくさんある。やっぱり新しい魔法を見ると、色んな知見が得られて面白い。魔眼を使ってのことならなおさらだ。

 

 ただ、そういう仕組みとか理論とかの話を長々を列挙しても読むのが面倒だろうから、結論だけ言おう。

 

 解呪の儀式は、グリーングラス家の呪いに対して有効ではない。そう言わざるを得ないだろう。

 だけどまったくの無意味かって言うと、そうでもない。

 

「本来この解呪の儀式って、男の人の解呪にしか使えないんだよね。だって射精は男の人にしかない身体機能だもん。……だからこそ、わたしたちは陰陽薬を組み合わせて今回やってみたわけなんだけど」

「陰陽薬で生えるのは副作用で、生えない人もいるのよね。だとしたらダフネは運がいいんだわ」

「ん。陰陽薬は呪いの力を弱める薬。だから、ダフネの呪いは儀式をする前からちょっと弱まってた。()()()()()()()()()()()()()()()から、ダフネが運いいのはあたしも同感だな」

「まあその、はい。運がいいのはそうなのでしょうね。これのおかげで色々なことができますし……」

 

 なんか呪いに対してのあれこれと、普段の性生活に対してのあれこれが半々くらいっぽい口ぶり。

 わたしが言うのもなんだけど、それでいいのかダフネ。

 

「そんなわけだから、偶然とはいえ今回ダフネちゃんは解呪の儀式をより高められる状態にあったんだね。これのおかげで、単独じゃ効かなかっただろう解呪の儀式が少しだけだけど効果を発揮したんだと思う」

 

 そう言いながら、わたしはこの儀式中にダフネがハーミーの中にぶっ放した、白くてねっちょりしたアレの入った瓶(密閉済み)を小さく揺らす。

 

 中に収められた白くてねっちょりしたアレを魔眼で視ると、濃密な呪いの気配が見える。ただし呪いとしての機能は失われているから、言ってみれば廃棄物みたいなものだ。

 生殖機能があるかどうかはわからないけど、これ単体じゃ何も悪さはできないのは間違いない。

 

 ってことは、間違いなく儀式は成功していて、きちんと効果を発揮してる。そう言っていいはず。

 なのに呪いが解けてない理由は、単純だ。

 

「呪いが強すぎるんだね。たぶんだけど、解呪の儀式じゃ間に合わないんだと思う」

「要するに、一回の射精量じゃ足らないってことね?」

「うん。ルーナと一緒に軽く計算してみたけど、儀式の間に最低でも1万回は射精しないと足りないみたいなんだよね……」

「死にますわ!!」「うわあ」

「あたしもそんなに踊ってられないよ。だから実際には無理」

 

 これでも生える薬じゃなくて陰陽薬を使えてるおかげで、効果上がってるはずなんだけどね。それでも足りないってわけだ。

 この方向で解決するなら、エロ漫画みたいな量の射精だとしても数千回は必要だろうし、これは本当に無理すぎるよね。

 

 ただ、希望がないわけじゃない。わたしはもう一つ、瓶を取り出した。

 こっちにも、白くてねっちょりしたアレが入ってるわけだけど……こっちのほうが、より多くの呪いが含まれてるんだよね。魔眼がそれを教えてくれる。

 

 二つの違いを生んだのは、一つの魔法だ。

 あとから出したやつは、発射の前にその魔法を受けたものになる。

 

「儀式内での行為中に、フィニート・アナテモースを使う。そうすると、解呪の効率が上がるみたいなんだよね」

 

 そう、もちろんこの魔法を組み合わせた実験だってしてるとも!

 去年ずっと取り組んでたこの魔法が、ここに来てちゃんと意味を持ってくれたことが嬉しい。レガ主もこれにはきっと喜んでくれると思う。

 

「そういえば途中で何か魔法を受けたような覚えがありますわね……?」

「ダフネ、気づいてなかったの? 私の身体がそんなによかったのかしら」

「んもう、からかわないでくださいまし! ……ハーマイオニーの身体はいつも通り素晴らしい心地でしたわ。そ、それで、その、どれくらい変わりますの?」

「神様が視た量から考えると、大体効率は2倍くらいだったよ」

「2倍……5000回ですか。1万回よりはマシですけれど、それでも多いですわね……わたくし腹上死不可避ですわ……」

「そんな二人に一応の朗報。これ、重ね掛けが有効みたいなんだよね。どれくらい効果が上がるかは要検証だけど……少なくとも2回当てたあとは、2.3倍くらいの効率だった。試してみる価値はあるよ」

 

 わりとちゃんと朗報だからか、ダフネは途端に顔を輝かせた。気持ちはわかる。さすがのわたしでも、射精を短時間に連続で1万回は死ねるもん。

 

 ただフィニート・アナテモースは古代魔法の力を使うから、わたし以外に使えないのがネックだ。

 それに、わたしであっても連発できない。古代魔法のリソースは通常の魔法力ともまた違うところがあるから、今のわたしには最大で3回しか使えないんだよね。

 だから1回使った検証と、2回使った検証で今日はもう打ち止め。しばらくはリソースをためるために、あれこれしないといけない。

 

 ホグレガのゲーム中、レガ主は最大5回まで連続で古代魔法が使えたんだけどなぁ。そのゲーム中のムービーを見る限り、過去の守護者たちはもっと多く、あるいは強く使えた可能性もあるし。それを考えると、わたしの3回はまだまだ少ない。

 だから今後は古代魔法を扱う力自体も、鍛えていかないとだね。

 

 一応、増やす当てはある。伊勢神宮で古代魔法の集中点巡りをする前は2回だったから、同じように集中点巡りをすれば増やせるはず。

 とりあえず、次のホグズミード休暇ではちょっと足を延ばしてホグワーツ近郊を散策したいところ。

 あと、日本に帰ったときには熱田神宮に行こうと思います。ついでに草薙の剣も手に入ったら、それはとっても嬉しいなって。

 

 並行して、フィニート・アナテモースの完成度を上げる研究もしないとね。これが防衛術の教授職にかかってる呪いを完全に解呪できるくらい、根本まで効果を及ぼせるようになれば、もっと効果があるはずだもの。

 

「あとは呪いの根幹がわかれば、より効果的に呪いを弱めることもできるかも。これは間違いなく進展だよ、ダフネちゃん!」

「……ええ! これからも頼りにしておりますわよ、リン」

「任せて。絶対に呪い解こうね。みんなで!」

 

 わたしの声掛けに、みんなが声を上げた。

 いいね。この調子で行こう。呪いなんて、そんなのないほうがいいに決まってるんだから。

 

「……まあ、ご先祖様たちが残した資料の調査はまだまだなのですけれども」

「呪い以外にも手を広げたら、こんなにあるとは思ってなかったもんね」

「さすが聖28一族、ってところかしら。これが歴史ある名家ってやつかぁ……」

「全部は読めないのが悔しいな。あたし、来年以降の選択科目は絶対に古代ルーン語学取るよ」

 

 いやあ、グリーングラス家の書庫は強敵ですわ……。

 

「とりあえずいくつかはホグワーツにも持っていくとして……二つの呪いが複合している可能性の検証はいかがですの?」

「複合じゃないと思う。あの儀式は複数の呪いもまとめて解呪するけど、放出された呪いにあったのは一種類だけだったから」

 

 前に上がった仮説はこれで否定された。今回の儀式をしなかったらもっと特定に時間がかかっただろうから、これだって立派な進展だ。

 

 まあ複合じゃないとしたら、わたしが視たのしかかってるような何かは一体何なのか、って話になるんだけどね。

 

「魔眼レベル2の使用可能時間はどうなの?」

「儀式前は進展なし。でも今朝になったら一秒ちょっと増えてた。やっぱり、ルーナにアイドルやってもらってから祈りを捧げると、その分だけ増えるんだと思う」

 

 ここまで何度か儀式魔法をやったけど、ルーナのライブやったあとにやると明確に力が増してるんだよね。逆にライブやってないときにしても、全然力が変わらない。

 これはもう、間違いないって断言しちゃっていいでしょう。

 

 つまりわたしの力をさらに増やすには、ルーナには歌って踊れるスーパーアイドルになってもらう必要があるわけだね!

 神様としての才能拡張するのに必要なリソースもまだ足りてなさそうな現状、ここからさらに魔眼レベル2を育てるには、この手段が一番手っ取り早く、確実だと思われる。

 

「……リンを神様に見立てた宗教でも作る?」

「いいね。あたし、布教もするよ」

 

 ハーミーの提案に、ルーナが嬉しそうにそう言ってくれたけど……元々人付き合いを独特のペースでやるルーナに、布教活動はあんまり向いてない気がする。

 いい子だし、能力も才能もある子だけど、コミュ力って点で言えば下から数えたほうが早いんだよな。それで布教は、する側にとってもされる側にとってもよくない気がする。

 

 主に、ルーナが失言しないかどうかが不安です。入信したら神様に気持ちよくしてもらえる、とか言い出されたら非常にまずい。

 そんなの、薄い本に出てくるカルト教団まっしぐらじゃん。

 

 あと原作でのSPEWとかの行動を見てる限り、ハーミーも布教には向いてないと思うし。

 ダフネは……ああ、めんどくさそうな顔してる。わかるよ。わたしもめんどくさいって思う。

 

 ということで、新宗教の立ち上げはナシ!

 

「ルーナの気持ちは嬉しいけど、そこまではしなくていいよ。……でもそうだね、そうなってくると、もうちょっとライブの頻度は上げたいかも」

 

 ということで、話をこっちにずらす。つまり、ルーナアイドル化計画の更新だ。

 話題だけみればアイドル育成ゲーみたいな感じだけど、最終的に目指すところが大量の信仰で強化されたわたしがダフネの呪いを解く、なので方向性が違う。わたしたちの場合、これはあくまで手段だからね。

 まあそれはそれとして、ルーナのかわいさは積極的に自慢していきたいので、純粋にアイドルとして売り出すこと自体が楽しくはある。

 

「頻度だけじゃなくって、今まで来たことのない人も来てくれれば効果上がりそうよね」

「うん、そう。舞台裏から見てた感じ、やっぱりライブに来てる人ってマグル生まれが大半だから、魔法界出身者にも聞いてもらいたいなって。特に純血の方々がすごく少ないんだよね」

「ああ……ラインナップがそもそもマグルの音楽ばかりですものね」

「でも魔法界ってああいう曲、あんまりないよ」

「そうなんだよねぇ……」

 

 マグルの音楽を使っている以上、純血主義者にはどうしても受けが悪い。ここが信仰を集める上でのネックだ。

 これまでの実績から、わたしが声を掛けたらドラコたち来てくれたりしないかなぁ。

 

 そもそもの話、魔法界にも音楽はあるけど、どうしても大半は歌謡曲じゃないんだよな。主流派はどうしてもオーケストラとかそっち方面なんだよね。

 もちろんそういう音楽を否定するわけじゃないんだけど、アイドルって概念とはちょっと相性がなぁ。

 妖女シスターズみたいなロックバンドは存在するし、彼らがチャート上位の常連ってことを考えると、受け入れられる余地はあるはずなんだけど。

 

「……ふと思い出したのですが、確かパンジーの家がお抱えの楽団を持っていたはずですわ。この際ですし、ないなら作ってもらえばよろしいのでは?」

「名案だよダフネちゃん!」

「お、お抱えの楽団……文字通り住んでる世界が違うわね……パーキンソンの家って、本当に純血の名家なのねぇ……」

 

 ということで、純血への訴求力をどう増やすかについては、パンジーに協力を仰ぐことになった。

 問題はやってくれるかどうかだけど……そこは頼み方次第だろう。なんとかして口説き落とそう。

 

「でもさ神様、これ以上やること増やすの無理じゃない? 今でももう手一杯だと思うな」

「問題はそこなんだよねぇ……」

 

 ライブに限った話じゃないんだけど、本当に時間が足らない。あれもこれも、って手を出しすぎてる。

 かくなる上は、一つか二つくらいは一旦凍結したほうがいいかもしれない。

 

 別にただルーナが歌うだけなら、大したことはしなくていいんだけど。大勢が詰めかけるだろうから何もしないわけにはいかないし、信仰を集めるなら人集めのために宣伝とかも必要になって来る。

 機材の準備なんかもあるし、英語じゃない歌詞の曲を歌うときは歌詞表示の準備もいるし……。

 

 う、考えただけで気が重くなってくる。

 

「私たちだけじゃ難しそうね。協力してくれる人がいないと……」

「あの双子だけだと足らないですわよね。……いっそウィーズリー家総出で協力してもらいます? リンは末弟と、ルーナは末妹と交流ありますわよね。ハーマイオニーはどちらとも会話するでしょうし」

「とっかかりはそこかなぁ。ルーナには歌だけじゃなくって、ダンスとかも含めて色々やってもらうことが増えちゃうけど……」

「いいよ。だってあたし、神様の巫女だもン。神様のためなら、なんだってするよ」

「ルーナ……ありがとうね、本当に。いっぱいご褒美あげるからね……!」

「ん……♡」

 

 ということで、ルーナアイドル化計画はバージョン2に更新された。

 とは言っても、すぐにライブができるわけじゃない。協力者を募るとなると、その人たちとも打ち合わせは必要だしね。

 

 セトリも考えないとな。ルーナのライブ、元はわたしに捧げるためのものだから基本的に全部私のリクエスト曲だったんだよね。

 でも人を多く集めるなら、それだけじゃダメだろうし。マーケティングとでも言えばいいのかな。そういうところも気にしていかないといけないよね。

 

 ……とまあ、そんな感じで、この日の呪い対策会議は途中から明らかに脱線していくことになった。でも誰も止めなかった。だって楽しかったから。

 なんていうか、学園祭の企画みたいな感じ? 客層はどっちみち、ほぼ全部ホグワーツの生徒なんだし、そんな感じがしたんだよね。

 

 そんな中、わたしはふと思った。せっかくだし、ホグワーツに学園祭みたいなイベントが定着しても面白いんじゃないかなぁ……なーんてね。

 




前々から思ってたんですけど、ホグワーツって学園祭みたいなイベントないですよね。
ハリポタがイギリスの作品であることを考えれば、イギリスの学校にはそういう概念がないってことなんですかね?
日本人の感覚からすると、なんか不思議な感じというか。もったいないっていうか。ボクはそんな気になります。
寮杯の制度は確か、JKRが通ってた学校にはあったって聞いたことあるんですけどね。
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