夢か、現か。   作:ST-33-4

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“オーバーシアー”
観測者は詩唄う。


 

今日もモニターとひたすら睨めっこをする日々。

 

正直、飽きてくる。

 

でも仕方ない。

…そういう”仕事”だからね。

 

 

ここ最近、

マスゴm…マスコミの行動には目を疑う様な事ばかり。

 

だから、私の様な警備員も必要という訳だ。

 

もし仮に、

トレセン学園内に侵入してくる様な輩が居れば…

 

“ビーッ!ビーッ!ビーッ!”

警備室に突如鳴り響くアラート。

 

噂をすればなんとやら、と言う物か?

さて、本業の時間だ。

 

学園側から支給された

テーザー銃をホルスターに収め、現場に向かった。

 

 

現場に着けば、

何やら怪しい格好をした男性が2人居た。

 

全身を黒で統一した服装。

何処からどうみても不審者だろう。

 

「止まれ。ここで何をしている。」

 

そう問い掛けても、男たちは無言でこちらに進んでくる。

 

…その手には、アーミーナイフが握られていた。

 

「…ッ!」

 

それにいち早く気づいた私は、

テーザー銃を素早くホルスターから抜き取り、撃ち込む。

 

「目標1人を鎮圧…これよりもう片方の鎮圧に移る。」

 

 

もう片方の男は、

仲間が倒れるや否や、突然校舎の方に走り出す。

 

そいつの手には、

ナイフではなく拳銃…恐らくハンドメイドの物が。

 

「誰か1人でも確実にやるつもりか…!?」

 

無線を通じて校舎内への退避を促す。

しかし、逃げ遅れた子は少なからず居た様だ。

 

私より少し離れた…具体的には私の右斜め後ろに、

逃げ遅れたウマ娘が居た。

 

男は銃口を、逃げ遅れたウマ娘に向ける。

 

「ひっ…!?」

 

拳銃を向けられた子は、恐怖で脚が動かない様子だ。

 

男の指が、トリガーにかかる。

 

トリガーが完全に奥まで引かれると、

発砲音と共に、その銃身から弾丸が放たれた。

 

パァンッ!パァンッ!パァンッ!

 

発砲される刹那、私はウマ娘の前に飛び出した。

 

「させるかぁっ!…がぁっ!?」

 

弾が私の腹部に数発当たる。

しかし、生徒は守れた様だ。

 

「私の事はどうでも良い…早く行け!」

 

「ぅあ…はい…!」

 

 

生徒はどうにか退避に成功したらしい。

男はそれを追おうとするが…

 

「にが…す…ものか…!」

 

テーザー銃を対象の心臓近くを目掛け、発射。

 

男は身体を大きく痙攣させた後に、倒れた。

 

それと同時に、私の意識が霞掛かり始める。

 

流石に無理をし過ぎた…そう思った直後、

私の意識は闇に消えた。

 

───────────────────────

 

「…やぁ警備員くん。目が覚めたかい?」

 

目を覚ますと、

そこは薄暗い研究室の様な場所だった。

 

どうやら”偶然”近くに居た生徒…

アグネスタキオンの処置(投薬)のお陰で一命を取り留めた様だ。

 

私を助けてくれた事に礼を言いたいが…

 

私の姿は大きく変わっていた。

具体的に言うなら…

目の前に居る彼女(アグネスタキオン)と同じ様な特徴。

 

…耳が頭頂部に、そして腰付近には尻尾が生えていた。

元々私は女性だが、それなりに体躯はがっしりしていた筈。

 

その筈なのだが…私の体に目をやると、

かなり華奢な体つきになっていた。

 

これではまるで…

「…中等部相応の体つきといった所かな…」

 

目の前に居る彼女に聞きたい事は沢山だ。

 

しかし、そうも言ってられないかもしれない。

 

…私の端末に連絡が入る。

 

どうやらトレセン学園近郊で、

不審者の目撃情報が複数入ったらしい。

 

「この体は慣れないけど…感謝するよ、アグネスタキオン。」

 

そう言い残して部屋を飛び出し、駆け出す。

彼女から借りた服装のままだが、現場へと急行する。

 

全ては、この学園に生きる命を守るため。

 

「この私、”オーバーシアー”には使命がある…!」

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