ジョジョの奇妙な蒼い空   作:漆黒のポテナゲ

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どうもこんにちはー!(挨拶)

次回一部完結です。年内には終わらせてリアルに集中します。


ベアトリーチェのD4C その③

ベアトリーチェのD4C その③

 

 

先生は状況の把握を優先した。

『(アツコは幸い無事そうだ…ヒヨリは…どうなってるんだあれは!?あの銃口に人の下半身が丸々入るとは思えないし、一体どこにつながっている!?ジョウコは…起きる様子はない…心配だ。サオリたちの方は──)』

 

「どこを見ているのです!?あなたの相手は私でしょうに!?」

 

ベアトリーチェからの攻撃が放たれる。しかし目前で青い障壁が発生し、すべてを弾くことに成功した。

 

『アロナ!?後どのくらい防げる!?』

 

[充電たっぷりですが、これを何発も受け続けるのはまずいです!!もってあと10分ほどです!]

 

『まずいね…このまま悠長に戦況を伺ってるわけには行かないかッ!』

 

『サオリィ!!聞こえてるかい!!あの話から推測するにミサキをその子に近づかせるのはま(・)ず(・)い(・)!!!』

 

────

 

「…なるほど、わかった。すまないミサキ。」

 

「ちょっ…リーダー!?というか冷静すぎない!?」

 

サオリはミサキの懐に手を突っ込み、スティンガーミサイルの弾を取り出すと、

 

「ぬうおおおぉぉッッ!!!」

 

思いっきりもう一人に向けてぶん投げた。

 

「すまないミサキににた誰かッ!無理だと思うが避けてくれ!」

 

もう一人は突然の攻撃に戸惑ったが、すぐに回避を行った。その時に異変は起こった。もう一人から弾がこぼれ落ち、投擲したスティンガーミサイルはその弾に引き寄せられた。

 

「!」

 

「えッ!」

 

そして…消滅した。

 

「なるほど…思ったより、いや想定外の凶悪な攻撃らしい。」

 

「(理屈はわからんが…同じ者同士が接触すると対消滅が起こる…ということだろうか?さすが先生、判断は正解ということか。)」

 

どうやら向こうも理(・)解(・)したようだ。接触を試みようとすることもなくなった。

 

「(さて…危険性は理解したが、問題はど(・)う(・)や(・)っ(・)て(・)彼(・)女(・)は(・)此(・)処(・)に(・)来(・)た(・)の(・)か(・)?だ)」

 

─────────────────

 

「えっ、何ですかあれ!?」

 

ヒヨリは目の前で起こった対消滅に不安を覚え始めていた。

 

「(今もう一人の私が突然現れたら絶対まずいですよね…きっと跡形もなく消えてこの世に欠片も残らないんです…ああ、怖いですね…辛いですね…)」

 

その不安は最悪な形で的中していた。

 

「ええ!?ミサキさんが消えたと思ったら私の足が出てきました!?い、一体どういう事なんでしょう!?」

 

そして触れようとして近づき……

 

近づきは…しなかった。

 

「ええ、でもあれ本当に触って良いんでしょうか!?急に怖くなって来ましたね…やっぱり様子見…」

 

一応危機は去った。

 

─────────────────

 

「先生!同じものを近づけさせちゃ駄目だ!裏を返せば近(・)づ(・)か(・)さ(・)せ(・)な(・)け(・)れ(・)ば(・)そ(・)れ(・)で(・)い(・)い(・)ッ(・)!!」

 

サオリが防戦一方の先生へ向けてメッセージを送る。その内容にベアトリーチェは一瞬動揺したが、すぐにまたいつもの調子を取り戻した。

 

「まさかこの短時間で能力の性質を理解されるとは…ですが、そ(・)ん(・)な(・)事(・)は(・)既(・)に(・)理(・)解(・)し(・)て(・)い(・)ま(・)す(・)。当然対(・)策(・)も(・)し(・)て(・)あ(・)り(・)ま(・)す(・)よ(・)」

 

次の瞬間、ふたたびベアトリーチェの姿が消えたかと思うと、サオリたちの頭上に空いた天井の穴から何(・)か(・)降り注いだ。

 

その何かは…無数のサ(・)オ(・)リ(・)達(・)だった。

 

『う、ウソでしょ!?』

 

消滅を繰り返しなら大量のサオリたちが迫ってくる!重力に引き寄せられた埋め尽くさんばかりの攻撃がこの話全体を襲った。

 

「少々味気ないですが、これであなた達は終わりですッ この世から一片残さず消え去りなさいッ!!!」

 

地面に落下したそれぞれ同士が対消滅し、ついにはパシリカ最奥地に静寂が訪れた。

 

「さようなら。私の計画に表れた害虫たち。」

 

 

──────

 

────

 

──

 

ベアトリーチェは奇妙なことに気づいた。

 

「ヒヨリのライフルはあんな場所にあったでしょうか…?それに何か違和感が…」

 

『良く気づいたね。流石はこの場所を長年支配し続けるほどの事はあるね。』

 

声がしたのはライフルの銃口からだった。

 

「…まさか。」

 

『そう、そのまさかだよ』

 

そう言い終えるとライフル銃の違和感、銃口からはみ出た指が動き始めた。

 

────────────────

 

あの一瞬、その場にいた誰もが回避は不可能であると悟った。触れることはおろか、近づくだけでも消滅は起こりかねない。

 

しかし先生は、それでも先生は諦めることはなかった。

 

『(大人のカードを使っている暇もないッ!と、なると…)』

 

『決断は済ませた…あとはそれに賭けるッ!!』

 

アツコを背負い、周りにいたサオリとミサキを掴み、そのまま飛び込むようにして全員でヒヨリに突っ込んだ。

 

「なっ!?」

 

「な、なにやってんの先生!?」

 

「ひいいい!?なんで突っ込んでくるんですかああああ!?」

 

『一か八かだああアアアァ!!!』

 

『(彼女たちは何(・)処(・)か(・)ら(・)来(・)た(・)の(・)だ(・)!?ベアトリーチェは何かを持ってくるときにいつも『穴』を経由していた!!)』

 

『そ(・)の(・)先(・)に(・)は(・)つ(・)ま(・)り(・)空(・)間(・)が(・)あ(・)る(・)は(・)ず(・)だ(・)ッ(・)!!何処に繋がっていようがそれは確実なことッ!!人が入れる空間があるはずッ!!』

 

そして突然のことに泡を吹いている向こう側のヒヨリの姿を認めると、彼は自分が賭けに勝ったことを知った。

 

────────

 

『それにしてもこっちに帰ってくるときは大変だね…みんなに押し上げてもらう必要が…よいしょっと…あるからね。引っ張るよ!せーのっ!』

 

完全に全身をあらわにした先生が掛け声とともに伸びる腕を引っ張ると、スクワット全員が生還している事実がベアトリーチェにいやというほど伝えられた。

 

「…その程度で勝ったつもりですか…!?『隣』などいくらでもあるのですよ!?次こそは確実に消してさしあげますッ!」

 

冷静を装っているが逆上が隠しきれていない。先生は確信した。彼女はくだらないプライドが足を引っ張った『3流の大人』である事を。

 

『最後に一つ教えてあげるよ。戦いは冷静さを欠いたものから負けるんだよ。例(・)え(・)ば(・)ま(・)だ(・)自(・)分(・)に(・)次(・)が(・)あ(・)る(・)と(・)い(・)う(・)思(・)い(・)込(・)み(・)…とかね。』

 

「なにを…!?」

 

ベアトリーチェは気づいていない。さっきまで自分の目の前で倒れていた人物が…

 

「逃さないぜ」

 

すでに自分の背後にいることを。

 

「!!?!?」

 

「アタシの複製だけ数(・)が(・)少(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)よなぁ!ああ!?理由に予想はつくぜ!!」

 

『穴』を経由してD4Cが回り込んで手刀を振り下ろす。が、抵抗もむなしく反応され、腕をたたき折られた。

 

「うがああああッッ!?」

 

「動きがすっトロいぜッ!ちとハングリーさに欠けるな?」

 

逃げようとするベアトリーチェに追撃を入れ、首を絞め上げる。

 

「ところでアタシは結構根に持つタイプなんでな…このまま思うように動けねーテメェをぶちのめすのは全然かわいそーとは思わなねぇ…」

 

次の瞬間何を思ったかジョウコは手を離した。

 

「しかし人としてよくないものを残すぜ。だから…

西部劇のガンマン風に言うと…『抜(・)き(・)な(・)、(・)ど(・)っ(・)ち(・)が(・)速(・)い(・)か(・)勝(・)負(・)だ(・)』ってやつだぜ」

 

その隙にベアトリーチェはどこからともなく拳銃を取り出し、おもむろに自分を撃ち抜いた。

 

「油断しましたねッ!!?その短い時間の中のクソみたいなくだらない考えが命取りなのです!!『向こう』で念の為銃をくすねておいたのは正解でしたッ!!」

 

銃痕に体が吸い込まれていく…ジョウコはなおも黙って何もせずそれを見ていた。

 

……

 

…あたりが静まり返る。

 

この隙に逃げた…いや、それは出来ない。それが大人の面子だからだ。プライドだからだ。

 

必ず自分を狙ってくる……そう確信していた。

 

 

 

ジョウコの背後の瓦礫の隙間から何かが飛び出す!!

 

「後ろだッ!ジョウコッ!!」

 

サオリが叫ぶ!!しかし振り返る素振りも無い!!

 

そして…

 

【スタープラチナ・ザ・ワールド】

 

いまだ舞う砂埃も、拳銃の薬莢も、先生もスクワッドも全員が静止する。風の流れすらも止まっているらしい。

 

背後から飛び出したのは向(・)こ(・)う(・)の(・)ジ(・)ョ(・)ウ(・)コ(・)だ(・)っ(・)た(・)。そして迷いもなくそれを払い、さっき自分が手放した銃の方へ向く。

 

「何か仕掛けてくるとは思ったが…何をしたところで関係のないことだったな」

 

その拳に力を込める。

 

時は動き出した──────

 

次に皆が見たのはぶん殴られて吹っ飛んで行くベアトリーチェの姿と拳を振るい終えたジョウコの姿だった。

 

「な…ぜ……分がっだのです…」

 

ジョウコは足元に目をやる。

そこには無数のきらめく緑色の帯が伸びていた。

 

「てめぇは誰も信じていなかったんだな。だから部下の能力も正確に把握してねぇ。どうでもよかったんだ。…あとはこのイヤフォンを『シッテムの箱』でハッキングしてもらって先生の指示を待つだけだ。アタシは先生を信じた。」

 

そう言いながら耳元に手を当てる。ミレニアム製のイヤフォン。そこからは先生の声が聞こえていた。

 

『ほんとに緊張したよ!!あそこでそのまま殴って終わりじゃあ駄目だったの!?』

 

パシリカから少し離れた場所のあの見回りちゃんも胸を撫で下ろしていた。

 

「先生の中に潜り込んでいざとなったらサポート…思った以上の重役でしたよ…」

 

銃の場所が移動したり、先生が『向こう』から帰ってこれたのもそのためだ。

 

壁からずり落ちたベアトリーチェが動くことはなかった。

 

 

 

 

 




なぜジョウコは急に時を止められたのか?
そのあたりは次回回収できたらなと思います。

次回 エピローグです。
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