ウニャの呪い箱   作:かりん2022

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その後、五十嵐さんはがっつり叱られました。

「並行世界人が多数神現しで来てまして、その中に夏油さんがいたので今回の百鬼夜行を止める手伝いをお願いしてはと。黙っててすみません! この子達はいい子なんです!」

「私が迷惑を掛けて申し訳なく思う。無条件で手伝わせてもらうよ。出来れば、こちらの私を説得して帰依させるチャンスが欲しいけど……それが無理なら、京都を我が教団で任せてもらえないかな。出来るだけ被害を防いでみせるよ」

「あー。並行世界人その2の禪院真希だ。ジュソンチョ(夏油のハンドルネーム。呪詛人と村長を掛けている)がテロリストってのは信じ難いが、多分盛大に迷子なんだろ。少なくとも、罪を重ねるのはやめさせてみせる」

 

 五十嵐さんの後ろで、2人は頭を下げる。

 五条は質問の雨を浴びせた。

 

「真希はメガネの呪具持ってなくていいの?」

「家を出た私が呪具を持って行けるわけがないだろ」

「なんで家を出たの?」

「役立たずだったし、使徒様のお孫様の遊び相手に誘われて家を出たんだよ」

「使徒様って誰」

「その辺は教団外部の人に言ってもわからないよ」

「信仰とか教団ってガチなわけ? 名前は?」

「最強女神教団と言って、女神様とその使徒様と使徒様の血縁を信仰する教団だよ」

「最強ねぇ。教義は」

「幸せに生きなさい、かなぁ……? 女神様の指示っぽいのはそれくらいだね。だからその辺の教義はゆるいんだよ、うち。まあでも、人を陥れたり今回みたいにテロを起こしたりは駄目だね。基本地獄に落ちるような事はダメだよ。女神様に顔向けできないからね。後、子供は大事かな」

 

 特に変な所はなさそうだ。それでも五条は話を詳しく聞こうと続ける。

 

「お孫様って男? 女?」

「女の子だよ。真希と年齢が近くてね」

「お前ら幸せなわけ?」

 

 軽く言ったようで、その熱はどこまでも真剣だった。

 夏油と真希はそれを感じ取って居住まいを正す。

 

「当然だよ」

「たりめーだろ。友達と遊ぶだけで給料貰えんだぞ」

「大事な事だからね。心穏やかに、ささやかな幸せを追求して生きているよ」

「ささやかな幸せね。畑でも耕して?」

「女神の恵みというおひたしがあって、それを特産品として育てているよ」

 

 五条の冗談に、自慢そうに胸を張っていう夏油。

 

「それ変な薬じゃないよな? 村に人送ってもいい?」

「宗教儀式が多いから、あまり外部の人間を入れたくはないかな……。おひたしは送るよ」

「協議ゆるいのに宗教儀式多いの?」

「多いよ。どんどん増やしてる。雰囲気を変えたくなくて、入信者もかなり厳選してるから内輪ネタもかなり多いかな」

「……それってえっちな儀式とかある?」

 

 警戒の言葉に、呆れたのは真希だ。

 

「ねぇよ祀ってんの女神様だぞ。あー。でも結婚、子作りは推奨してんな」

「家族もまた幸せの象徴だからね。実は男が少ないんだよね。うちの教団。若い女の子ばっかりでさ。そんなんだから男なのに年代合わなくて余る事を心配している……」

「男なぁ。お孫様にも相手が必要だからな。今度外部と合コンでもするかぁ?」

「カルトで山奥住まいとか、誰が合コンしてくれるんだよ」

「霊験あらかたなところを見せれば来るだろ」

「そんなんで来るやつはお断りだよ」

 

 男からすれば、若い女の子に囲まれた状態はハーレムで食い放題になりそうなものだが。

 そうはならなそうという事で、ひとまず五条は安心した。

 

「脱線してますよ。時折村の様子を見る限り、法に触れそうな事はしてません。それは断言します」

「呪術師は何人いる?」

「私達含めて、男が3人に女が4人だね」

「そんな偏ってないじゃん。それでくっつけば良くない? で、その人数で京都を全部任せろとかよく言えたね」

「年齢が違うんだよ。真希と同年代の子が4人で、私と同年代男性が1人なんだ。後、唯一女の子と同年代の男の子が、お淑やかな術師が好みでね……。中々。後、今回は対呪霊じゃなくて対人だろ? なら、どうにかなると思うよ。呪力だけが全てじゃないからね」

「ふぅん? 例えば、ガッチガチに僕らが守りを固めて、そっちが全部防げと言ったら?」

「あ、いいよ。各々の説得させてもらえたら最高だね」

「被害が出たらシャレになんないよ?」

「その時は君達が出ればいいじゃないか。あ、ただ人形を人前で操ったりとかは許して欲しいかな」

「お前と同年代の術師、夜蛾って言ったりする?」

「いや。夜蛾先生とは全然違う術式だけど、まあ見た目は似てるかも」

「お前が敵にならない証拠は」

「私が人質になればいいだろ」

「真希って傑にとってその価値ある?」

「「ある」よ。当たり前だろ」

「フゥン。まあいうだけならなんとでも言えるしね。傑も人質になってくれたほうがいいかな。どうせ傑も術式的に遠隔系でしょ」

「いいよ」

「最後に質問なんだけどさ」

「なんだい?」

「なんで遊ぶだけのふわっとした教義で傑や真希がそんな鍛えてるわけ? 舐めてる?」

「仕方ねーだろ。だって鍛えるの楽しいし……」

「は?」

「悪いかよ?」

「いや全然。今度手合わせする?」

 

 真希は破顔した。

 

「是非!」

 




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