ぼっちでダンジョン配信してたら賞金1500億円のデスゲームに巻き込まれたので、のらりくらりと生き残っていきます   作:古野ジョン

17 / 17
第17話 決着

「ぐぎゃああああっ!!!!!」

 

 背中に剣を突き刺した途端、デカワニが一段と大きい叫び声を上げた。毒を浸透させるように深くまで刺してから、素早く剣を抜き去る。

 

「ぴぎゃっ!!」

「タロー殿!」

「Soldier boy!」

「二人とも離れろ、早く!」

 

 カオリとMikeに離脱するよう指示を出しつつ、俺も急いで背中から降りる。痛みのせいかデカワニは大声をあげて暴れており、危うく俺も地面に転げ落ちるところだったが、なんとか着地した。

 

『あぶな~!』

『ワニどうなった!?』

 

 急いで逃げながら、頭部のカメラをデカワニの方に向けた。まだまだのたうち回っていて、手足をぶんぶんと振り回している。それを尻目に、俺は先に逃げていた二人と合流した。

 

「Soldier boy!」

「タロー殿!」

「二人とも無事か!?」

「ああ、生きてるぜ!」

「私も無事だ。タロー殿も食べられずに済んだみたいだな」

「ああ、おかげさんでな」

 

 二人に会って安心したせいか、思わずふうと息をついてしまった。これでようやくダンジョンの先に進むことが出来るな――

 

「お前ら、やめろっ!!」

「へっへーん、そんなの聞くもんか!」

「10億ドルは俺たちのもんだー!」

「わざわざワニを倒してくれてご苦労様だぜー!!」

 

 その時、Mikeが必死に周囲の配信者たちを呼び止めていることに気づいた。どうやら俺たちがデカワニを討伐したと()()()した奴らが、先を急ごうと地底湖の方に突っ込んで行っているらしい。

 

「ああっ、愚か者が……!」

 

 カオリも心配そうに彼らの行く先を見つめている。そうだ、たしかに毒のついた剣を突き刺しはした。だが毒が全身に回るのには時間がかかるのだ。要するに、今近づけば――

 

「ぐおおっ、ぐおおおっ!!?」

「うわーっ!!?」

「助けてくれえええっ!!」

「誰かーっ!!」

 

 混乱したデカワニに蹂躙されてしまうのだ。先に行った配信者たちと、それに煽られてついていった奴ら。あっという間に食われるか踏み潰されるかしてしまった。自業自得とはいえ、このデスゲームに踊らされたという意味では気の毒である。

 

『あーあ……』

『タローたちが頑張ってたのに先に行こうとするからだよ』

『悪いことは考えるもんじゃないな』

 

 コメント欄にもいろいろと書き込まれていた。とはいえ、時間が経てばデカワニは倒れてくれるだろう。俺は改めてMikeとカオリの方を見た。

 

「二人ともありがとう。俺一人じゃあのデカワニは倒せなかったよ」

「なーに、気にするなSoldier boy。どうせ俺は仲間もいなくなっちまったしよ」

「私も、タロー殿に食料をいただかなければ飢え死にしていた。感謝する」

 

 この先はどうしようか。最終目標はあくまで賞金を獲得することなんだろうが、このデカワニを見る限り一人で攻略するのは難しいのだろう。……だったら。

 

「二人とも、提案があるんだが……俺たち、正式にチームを組まないか?」

「チームだと?」

「どうせダンジョン攻略は一人じゃ難しそうだろ? 賞金をゲットするには、しばらくは一緒に行動した方が都合が良さそうじゃないか」

 

 俺の提案に対し、Mikeもカオリも最初はきょとんとしていたが、すぐにニッと笑顔を見せてくれた。

 

「いいぜ、乗ってやるよ。Soldier boy、お前はなかなか見ごたえがありそうな男だ」

「私もタロー殿にお供したい。食料がないんだ……」

 

 Mikeはともかく、カオリはなかなか切羽詰まった理由である。とにかく、これで当面の間の仲間は得ることが出来た。ぼっち探検者でもなんとかなるもんだな。……おっ、デカワニが静かになってきたな。

 

「よっしゃ、行こうか!」

「おうっ!」

「参ろうか!」

 

 俺たち三人、即席のチームで歩き出す。こうしてデカワニ討伐は無事に終わったが、ダンジョン攻略はまだまだ続いていく――

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。