続き貼っていくで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
夜の呪術高専。
敷地の端、結界の外れにある訓練用区画。
そこに、垣根帝督は一人で立っていた。
「……へぇ」
指先に、白く淡い光が滲む。
未元物質ではない。
この世界で言うところの――呪力。
「出るには出る、か」
垣根は興味深そうに呟く。
胸の奥に溜まる、嫌悪、苛立ち、不快感。
感情が引き金になって、力が生まれている。
「感情依存型エネルギー……しかも個人差がデカすぎる」
彼は舌打ちした。
「欠陥構造だな。安定しねぇし、再現性も低い。こんなの兵器にすらならねぇ」
背後で、足音がした。
「普通、そこまで言い切れる奴はいないんだけどな」
振り返ると、フェンス越しに虎杖悠仁が立っていた。
夜食のパンを片手に、気軽な顔。
「五条先生に言われたんだ。“垣根の様子、見てきて”って」
「見張りか?」
「見学?」
虎杖は肩をすくめる。
「俺、正直よく分かんねぇんだよ。あんたが敵なのか、味方なのか」
垣根は鼻で笑った。
「正解だ。俺もまだ決めてねぇ」
一拍置いて、虎杖が言う。
「でもさ。呪いって、全部“悪いもん”じゃない」
垣根が、ゆっくりと虎杖を見る。
「誰かを守りたい気持ちとか、後悔とか、そういうのも力になる」
「……感情の美化だな」
垣根は即答した。
「力ってのは、使う側の都合で“善”にも“悪”にもなる。だが、感情に依存する時点で――制御不能だ」
虎杖は少し困ったように笑う。
「でも、制御できなくても、使わなきゃ守れない時もあるだろ」
その言葉に、垣根の表情がわずかに変わった。
ほんの一瞬。
夢の中の光景が、脳裏をよぎる。
白髪の怪物。
理解した“つもり”で、踏み潰された自分。
「……守る、か」
垣根は低く呟く。
「俺はな。“守れなかった理由”を全部、構造のせいにする世界が嫌いだ」
虎杖が黙る。
「呪いが生まれた?悲しみがあった?だから仕方ない?」
垣根は嗤った。
「違ぇよ。仕組みがクソだから、同じ悲劇を何度も繰り返すんだ」
夜風が、二人の間を抜ける。
「俺は壊す。感情じゃなく、構造そのものをな」
虎杖は、しばらく黙っていた。
そして、静かに言う。
「……それでもさ」
顔を上げる。
「誰かが救われるなら、俺はその“欠陥”でも戦う」
垣根は、少しだけ目を細めた。
「――なるほど」
その声に、敵意はなかった。
「お前は“部品”を信じる側か」
虎杖が首を傾げる。
「部品?」
「そうだ。壊れた機械でも、一つ一つの部品が必死に動いてりゃ、まだ延命はできる」
垣根は背を向ける。
「だが、俺は違う。機械ごと作り直す」
その瞬間。
高専の地下深く。
封印された“何か”が、ほんの一瞬だけ――笑った。
(――面白い)
誰にも聞こえない声。
(理屈で世界を壊そうとする人間か)
虎杖が、胸を押さえる。
「……?」
「どうした」
「いや、なんか……変な感じがした」
垣根は夜空を見上げた。
「気をつけろよ、虎杖。この世界には――“構造を壊されるのを嫌がる奴ら”がいる」
遠くで、結界が静かに揺れた。
呪術界はまだ気づいていない。
この異物が、呪霊よりも、呪術師よりも――厄介な存在だということに。
まあ、呪術側からしたらダークマターってナンノコッチャってなりますわな。
では、またく(`・ω・´)