【完結】途中から星野アクアになりました。   作:大気圏突破

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作者の好きなネタです。


アクアは行くよどこまでも

 

 

星野アクアについてどう思いますか?

 

熊野ノブユキ

 

 登場した時のインパクトが凄かった。普通ならドアから入ってきて挨拶するだけなのに、あれで一気に自分の空間に持ち込んでしまったのは役者だなって感じました。あと彼にダンスのことについて聞いたんです。

 

「アクアってダンスに興味ある?」

「興味の有無で答えるなら無いけど、好きな演目はあるよ」

 

 そう言ってYouTubeを立ち上げ、見せてくれたのは25年以上前に長野で開催されたオリンピックのフィギアスケートだった。氷上には銃士の格好をしたフランス人が、音楽と共にリンクの中央で見えない剣を抜き去り演目を始めていた。

 

「ダルタニアン、三銃士と言ったほうが分かりやすいかな?」

「三銃士?」

「長くなるから説明は省くが、この人の演技は観客を自分の世界に引き込むんだ、そこには存在しないのに風景や決戦が見えてくるだ」

 アクアの言う通り画面内では観客にアピールしながら、氷上で舞っている。最大のアピールである決戦のシーンでは相手まで視えてしまう。

 

「確かに、技術は進歩したけど、こうやって人々を魅了する演技って、時間が経っても残るモノだと思ってる」

 

 あの映像を見せられた時、自分の見ている世界が狭いって感じましたね。アクアは様々なジャンルから取り入れようとしている。ビックリしたと同時にアンテナの広さに脱帽したね。

 

 

鷲見ゆき

 

 苺プロの星野アクアと言えば、新進気鋭の若手モデルだからね、住むジャンルは違っても当然意識はしたよ。事務所の先輩は「性犯罪という罪が存在しなければ襲ってた」ってヤバいでしょ?そりゃ初登場した時のインパクトには驚いたけど、今は恋愛対象というより同業者としてライバル関係でありたいって感じかな?

 

 

 

 

 

 事務所でアクアの登場シーンを視聴していた4人のリアクションは様々であった。アイは腕を組んで頷き、ミヤコは溜息を吐きながら右手で顔を覆い、かなは大爆笑し、ルビーは言葉もなく呆然としていた。

 

「アイ?今回のこれって、まさか貴女の入れ知恵なの?」

「やっぱりインパクトって大事でしょ?最初は掃除用具入れから蹴破って登場しようって言ったんだけど、まさか上回ってくるとは、全く末恐ろしい子供だね」

「貴女ねぇ」

 ミヤコが額に怒りのマークをつけて拳を握っていた。

 

「面白いモノを見せてもらったわ、最高よアクア!これで視聴者はアンタに注目する。次はどんなことをやってくれるの?」

「お兄ちゃんが、お兄ちゃんが」

 この二人は放っておこう。

 

「アイ、1つ聞くけど、もしアクアが番組内で彼女を作ったらどうする?」

「カノジョ、ナニソレ、オイシイノ?ダイジョウブ、アクアナラ、ダイジョウブ」

 どうやら母のアイも壊れていたのである。

 

 

 

 

 

 番組収録が進むと、ある程度のポジションが決まってくる。現在のメインは、ゆき・ノブユキ・ケンゴの三角関数が本線となり、アクアはMAYちょと絡むことが多くなったが、恋愛ではなく

 

「そこで赤甲羅投げるなんて、アクたんも中々の鬼畜ですな~」

「勝負に卑怯もクソもありません。勝てばよかろうなのだァァァァッ!」

「そこで、その台詞は死亡フラグだよ、アクたん」

 

 学校の視聴学室でゲームをやっていた。この二人は結託してコメディ路線に行くことを話し合い、実行に移していた。ただゲームをやるのではなく

 

「次はこれで勝負しましょう」

「じゃあ、カセットを抜いて~っと、アッ」

 

 ソフトを交換する為に、本体に伸ばす二人の手が重なりあってしまい

「あっ!すいません」

「大丈夫よアクたん、でもアクたんの手って冷たいね」

「冷え性持ちですから」

「ちょっと貸して」

 アクアの手を、自分の両手で包み込み自身の体温で温めている。お互いに顔は、ほんのりと赤くなっている。

 

「手が冷たい人って、心が温かい人なんだよね」

「ちょっと恥ずかしいですって」

 

 恋愛初心者のようなやり取りには、視聴者から比較的に良好で、ゆき達の本格派路線を見ている人たちからも、箸休め感覚で楽しめる清涼剤となっている。ただ別の視聴者からは【カセットの端子部分に息を吹きかけて装着するって、MAYちょは何で知っているんだろう?】と1つの疑問がSNSに投稿されていた。

 

 番組側も、この二人はコンビで扱った方が面白いということで、様々なことにチャレンジさせた。

 

「箱の中身はなんだろう~?」

「わ~い」

「箱の中に入っているモノを、二人で協力して当てます。正解したら鏑木プロデューサーのポケットマネーから購入したAmazonギフト券、5000円分がプレゼントされます」

「アクたん頑張ろうね!」

 

 番組スタッフが用意した箱に、アクアが先に手を入れて中身を確認していた。物怖じせずガッツリ触っていたので、MAYちょも「勇気あるね~」っと茶々を入れていた。

 

「(四角いケースだな、でも結構分厚いな、しかも側面にギザギザ模様があるのって音楽CDじゃないな、この独特な開き方ってあれだよな)」

 

「分かりました」

「早いねアクたん、っで中身は何だったの?」

「その前にMAYちょも触ってください」

 

 MAYちょも箱の中にガッツリと手を入れた。アクアが先に入れていたので危険性が無いと判断したのだろう。

「アクたん、これ何?」

「多分、PSのソフトですよ」

「あ~、昔のゲームの?」

「これじゃ、面白くないのでタイトル当てましょうよ」

「じゃあ、ファイナルファンタジーかな?」

 

 MAYちょが顔を傾けながら答えると、不正解の音が鳴らされた。

「タイトルまで当てようって言ったのアクたんだから、絶対に当ててよ」

「【俺の屍を越えてゆけ】で」

 

 アクアが答えた瞬間、カメラを回していたスタッフから驚きの声があがり、スグに箱の中身を確認するMAYちょの絶叫が教室内に響き渡った。

 

「アクたん、凄いよ何で分かったの?」

「好きな作品だったし、中の説明書も分厚いから、もしかしてと思ったけど」

「やったー5000円ゲット、ありがとうアクたん」

 

 MAYちょが歓喜しアクアに抱き着く、勢いがあったのでバランスを崩さないように力を入れた結果、お姫様抱っこをするような形になってしまい。数秒後、状況に気付いた彼女が慌てて降りていた。

 

「内容が難しいから、初心者でも楽しめるようにプレイ中に難易度調整出来るんだよね」

「そうそう、壊し屋の攻撃力が高いからバフを掛けて殴るんだけど、命中率が低くて当たらないのがネックで」

「MAYちょ、これ俺達が生まれる前のやつだけど、なんでそんなに詳しいの?俺はレトロゲームが好きだからプレイしたことあるけど」

「え~~~~~~~~~っと、プッ、プレイ、プレイ動画を見てね、その時に知ったんだぁ」

 

 顔を紅潮させ、汗をダラダラ流して、しどろもどろになっているMAYちょだったが、スタッフからギフト券が贈呈された。彼女は「アクたんが当てたんだから、アクたんが貰って」っと言ったが、アクアはそれを突き返し

 

「また次に取るから、MAYちょが貰ってよ」

 

 この発言がSNSでバズり、アクアの好感度が上がったことと、鏑木プロデューサーの財布から5000円が消えることが確定した。なおMAYちょの年齢に疑問を持つ人がチラホラ散見していたが特に問題は起きなかった。

 

 

 

 光があれば影も存在するのが世の理、ゆき達の本線とアクア達の番組を盛り上げる構図は、メリハリのある内容になっているので視聴者側からも好評で、撮影現場も和気あいあいとなっているが

 

【黒川あかねって、出てるの】

 

 劇団ララライ所属の女優、黒川あかねの存在が埋もれてしまい、彼女は見えない重圧に押しつぶされそうになっているのを誰も気づいていない。

 

 




 箱の中身はなんだろう?は知ってる人は知っている。声優の杉田智和さんが企画でやっていたやつを使わせてもらいました。年齢ネタをやるにはこれしかないと思いました。



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