【完結】途中から星野アクアになりました。   作:大気圏突破

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元ネタは水曜日のダウンタウンや電波少年的な内容です。


休まない馬鹿を強制的に休ませる部屋

 

「アクア!アクアってば!」

 

 誰かが俺の肩を持って揺れ動かす。せっかく気持ち良く寝ていたのに仕方がない、さっさと起きて朝ごはんの準備と掃除をやって、トレーニングもやらないと、それに事務所のレッスン場も汚れていたし午後は事務所で台本の読み込みもしよう。そうだ晩御飯は少し豪華にして母さんやルビーの好きなやつにしよう。冷蔵庫のハーゲンダッツも無かったし買い物にも行かないと、お菓子も買わないとルビーのやつ不機嫌になるし

 

「アクアッ!起きなさい!!」

 

 聞き覚えのある透き通った女性の声で、ようやく目が覚めたアクアは両手を伸ばして骨を鳴らした。

 

「(あれ?ルビーでも母さんの声じゃない?誰だ)」

 

 目を擦り、眼前にはクラスメイトの不知火フリルがいた

 

「あれ?フリルどうしてここに?それにここ俺の部屋じゃ?」

 

 アクアは周囲を見回すと自身の部屋ではないことに気付いた。ここは四方を壁に囲まれた個室内で3枚のドアが設置されていた。

 

「ここどこ?」

「私が知りたいわ」

 

 パジャマ姿のフリルは少し怒って語気が強くなっていたが、すぐに平静を取り戻し

 

「私もさっき目が覚めたばかりで、近くにアクアがいたから、それにしても可愛いパジャマ着るのね」

 

 彼女はアクアの着ている『トンカツを食べる3匹の子豚』パジャマを見ながら指摘してきた

 

「お気に入りなんだよ」

 

 顔を赤くしながらツッコミを入れると段々と思考がクリアになっていき状況を判断出来るようになってきた

 

「変だなぁ、確か学校が終わって事務所にいたはずなんだが、確かMEMさんが珍しく紅茶を淹れてくれたから、それを飲んで・・・駄目だ!そのあとが思い出せない」

「私も事務所にいたけど、アクアと状況が似ているわね」

 

 周囲の確認をしながら端に設置してある冷蔵庫の中身を物色し、アクアにペットボトルの水を手渡す

 

「ありがとう。そしてスマホや財布も無い」

「アクア、これってもしかして」

「多分、同じこと考えていると思う」

 

「「バラエティ番組の企画だ」わ」

 

 

「脱出ゲームってことか?」

「でも、わざわざパジャマに着替えさせる?アクアも制服だったでしょ?」

 

 フリルの指摘に首を縦に振り

 

「だよな~、そもそも眠らせる必要が無いし、脱出というより世間との隔離がメインなのかも」

「どうゆうこと?」

 

 顔を傾けクエスチョンマークを作る彼女に

 

「例えば『何時間後に出れたら優勝』ってあるけど、目の前のドアに鍵が掛かっていたのは変だ」

「アクアが起きる前に調べてみたけど、あそこの2つのドアは開いたわよ」

「何があった?」

「トイレとお風呂」

 

 彼からの問に答えたフリルだが、アクアは頭を抱え、布団の上を転がり始めた

 

「ちょっ大丈夫アクア?」

「大丈夫なはず」

「しっかりしてよ、貴方がおかしくなったら心細いし」

「ごめん」

 

 カップルのような雰囲気を醸し出す二人に、開かずの扉の新聞受けから1枚の紙が投げ込まれた

 

「なんだこれ?何々『この部屋で36時間過ごせ、ランダムで出題されるお題をクリア出来れば賞金をプレゼント、諸君らの健闘を祈る』」

「つまり何もしなくても出られるってこと?」

「文面だけならそうだが、それって撮れ高が無いってことだろ?俺達二人が閉じ込められたってことは意味があるはずだ」

 

 アクアは限定的な情報から最適解を導き出そうとするが、答えは見つからなかったが

 

「東京ブレイドは?」

「妥当と言えば妥当だけど、その為にこんなことやるか?」

「じゃあそれ以外に答えはあって?」

 

 フリルの指摘に黙ってしまい、彼は納得するしかなかった

 

「とりあえず布団を片付けて何か食べよう。まずは腹ごしらえだ」

「期待してるわ料理長!」

「偶にはフリルが作ってください」

「あら、こんな所でプロポーズの言葉なんて恥ずかしいわ」

「やっぱ俺が作る」

 

 冷蔵のドアを開き献立を考えるアクアは適当に取り出した鶏肉と野菜を使って、即席の親子丼を作り、ちゃぶ台の上に置いた。

 

「ねぇ毎回思うけど、なんでそんなに手際よく出来るの?」

「当ててみなハワイへご招待するから」

「新婚旅行はオーストラリアが希望なんだけど」

「そういえばパスポート作ってなかった」

 

 こんな状況でも、この二人は平常運転である。ただフリルの言動は未成年の女優として少し危ないラインを反復横跳びしている。

 

「ごちそうさま!次は私が作るから」

「人が食べられるモノをお願いするよ」

「じゃあ私を召し上がれ」

「47点だな、もう少し色気がほしいね」

 

 しばらくすると1枚の紙が投函され、彼は中身を確認すると書かれていたのは

 

『後ろのロッカーの中にあるゲームを3本クリアしろ』

「アクアこれのこと?」

 

 ロッカーを開けた彼女は手に初代プレイステーションと3本のソフトを持ってきた

 

「私たちが生まれる前のゲームね」

「入っているソフトが『ロックマンX5』『チョコボレーシング』『実況パワフルプロ野球99決定版』って」

「アクアは知ってるの?これ?」

「レトロゲームは好きだからね(やったよ、こっちの世界に来る前に)」

「クリア出来そう?」

 

 フリルは心配そう尋ねるが

 

「この2つは大丈夫だけど、パワプロを攻略ってどうゆうことだ?」

「ねぇ、それ紙が挟まってない?」

「ホントだ!え~っと『冥球島をクリアしろ、付属のメモリーカードを使う事』」

 

 この文面を見た瞬間、アクアの顔は真っ青になり今にも吐きそうなぐらい、ヤバい表情をしていた

 

「大丈夫!アクアどうしたの?」

 

 アクアの手を取り少しでも安心させようとしている

 

「フリルはんマズイ、あきまへんこれは」

「キャラ崩壊してるわよ」

「この冥球島っていうやつなんだけど、この3本の中で1番難易度が高い」

「でも所詮ゲームでしょ?」

「やってみれば分かるよ、とりあえずこの2本を片付けよう」

 

 アクアはモニターに配線を繋げて『チョコボレーシング』を起動させた

 

「レーシングってことはレースゲームよね?」

 

 密着するように隣に座り、操作する彼を見つめる

 

「とりあえずやってみな、詰まったら交代するから」

 

 コントローラーを手渡したアクアは台所に立ってコーヒーを温めていた

 

「けっこう簡単なのね、スタートさえ決めれば問題ないわ」

 

 意外にもフリルの腕前は高く、開始30分でラストのバハムート戦まで迎えたが

 

「なにこれ?全然前に進めないし、曲がる度に落ちちゃう」

 

 このステージは序盤のコーナーがキツく設定され、バハムートのメガフレアとアイテム攻撃であるアルテマに阻まれてしまい、ゴールすることが出来なかった。アクアは彼女からコントローラーを貰うと、キャラをベヒーモスに切り替えた

 

「そこショートカット出来るの?」

「見えにくいけどね、落ちやすいのが欠点だけどベヒーモスなら滑りにくいし」

「えっ何で落ちるの?」

「メガフレアは受けるよりもコースアウトした方が早く復帰出来る」

 

 二人の共同作業により1本目をクリア、すぐに2本目の『ロックマンX5』に切り替えると

 

「1時間でクリアするから、仮眠しててもいいよ」

 

 アクアはスタート画面で特殊コマンドを打ち込み、ブラックゼロを出現させて宣言通りに1時間でクリアしてしまった。なお当の本人は「(X6じゃなくてよかった)」と安堵している

 

「さて問題のこれだが」

「ねぇ、さっきみたいに私がやっていい?困ったらアクアに頼るのはどう?」

「それでもいいけど、無策でやると詰むから後ろから指示するよ」

 

 ソフトを起動させサクセスモードから冥球島を選び

 

「チームだけど『ブルーウェーブ』を選んで」

「どうして?」

「こうしないと100パー詰む」

「?」

 

 フリルの頭にクエスチョンマークが灯ったがアクアの指示通りに進めていった

 

「選ぶ順番なんだけど、1回戦が流星高校で次がするめ大学、3回戦に仏契大学、4回戦が帝王大学で最後が黒獅子重工」

「説明書を読んだけど操作は簡単そうね、じゃあ私に任せて休んでて」

 

 クラスメイトの寿みなみ程ではないが胸を張って大丈夫アピールをする彼女だったが

 

「ごめんアクア代わって」

 

 1回戦の流星高校で挫かれてしまった。このゲーム初心者には全然優しくなく、ドMの玄人志向の作品である。コントローラーを貰ったアクアは手こずりながらも5回戦までクリアして、復活した矢部と一緒にラスボスであるプロチームとの対戦となった。

 

「こっちは食事の支度をするから後お願いできる?」

「大丈夫?というか料理出来るの?」

「中学時代の家庭科の成績は5よ」

「それはお見事」

「調理実習は無かったわ!」

「すぐに終わらせる」

 

 90分後、最後の打者を内野ゴロで抑えてゲームセットを迎え、アクアは大きく息を吐いた。途中3点差まで広げられたが大豪月の満塁弾で逆転し最後は山口が締めてくれた。

 

「お疲れ様、殆どアクアに頼ってばかりだったね」

「別にいいさ、それよりも食事を作らないと」

 

 アクアが立ち上がろうとするのをフリルが止めて

 

「私に任せてくれない?アクアは休んでて、それに最初『作ってください』って言ったでしょ」

「分かった信じるよ」

 

 そう言ってソファーに座りエプロン姿の彼女を見つめるのであった。フリルの作ったハンバーグは形こそ悪いが味はまともであり、アクアも満足する出来栄えで、彼女から「あ〜ん」された。

 

 しばらくして互いに入浴を済ませた二人は、ある重大なことに直面していた

 

「フリルって目覚めた時って」

「ソファーの上だったわ」

「つまり布団は1組しかないと」

「どうする?一緒に寝る?」

 

 彼女が尋ねてくるが

 

「とても魅力的な提案だけど流石にアウトだ!俺がソファーで寝るから、そっちが使ってくれ」

「つまりアクアの残り香に包まれながら朝まで迎えろと」

「ハイハイそうですよ」

 

 既にツッコミを入れる気力は無さそうだ

 

「じゃあお言葉に甘えて使わせてもらうわ」

「おやすみ」

 

 消灯ボタンを押そうと立ち上がる前にパジャマの袖を掴まれ

 

「フリル?」

「ねぇアクアパパ何かお話して、そうしたら1人で寝られるからお願い」

「メルトが合コンで30歳の女性にお持ち帰りされた話は?」

「嫌だ、もっと違うのがいい」

 

 彼は頭を掻きながら脳内でストーリーを作り上げ、寝ている娘の為に口を開いた

 

 

 

 

 

 

 




なおゲームのセレクトは自分の好きな作品から選びました。

もし冥球島をプレイしたことがある人はどのルートを選んだのか教えてください。
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