【完結】途中から星野アクアになりました。   作:大気圏突破

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夜勤の仕事前に書きました。それではどうぞ


フリルちゃんだよ、全員集合

 

 

 結論から言おう、有馬かなは苺プロに所属することになった。当の本人はオーディションや面接があると思って緊張していたが、アクアの指定した日に事務所に訪れると、必要な書類が用意されていて、サインするだけで終わってしまった。なお事務所にいた星野ルビーからは「苺プロでは私の方が先輩になるから、頑張りたまえ後輩君」と言ってきたが、アクアの放った【真空飛び膝蹴り】で撃沈し、廊下に捨てられた。とは言ってもスグに仕事が貰える訳はなく、しばらく苺プロでレッスンの日々だが、星野アイが指導してくれる時もあるので、以前より充実している日々を送っている。

 

 

 

 

 アクアはとても上機嫌だった。日曜日に仕事が無いというのは久々のことで、メルトを誘って遊びに行こうとしたら、向こうが仕事で断られてしまった。家にいても炊事と洗濯は終わらせてしまったので、彼は遠くにオープンした書店まで足を運ぶことにした。そのままで行こうとしたが、ミヤコさんに「帽子と眼鏡ぐらいして変装しなさい」と言われた。

 

 

「(この世界の書籍って、俺がいた日本と同じだけど、微妙にタイトルが違ったり掲載誌が違うんだよな、そのズレも面白いけど)」

 

 そう、この世界ではジャンプに進撃の巨人が掲載され、ワンピースもドンフラミンゴが主役でチャンピオンにて連載している。なおマガジンで連載されていたボクシング漫画は主人公が引退して最終回を迎え、彼の子供が世界を目指す漫画が始まっている。向こうと違ってグダグダなことはしていない。

 

 

「(何か、面白い小説はないかな~)」

 彼が本棚から物色をしていると

「ん?これって、まさか?」

 

 

 彼は帰りのバスでとてもニコニコしていた。アクアの手には先程購入した書籍が3冊入っている。

 

「(まさか、この世界で、これに巡り会うなんて最高だよ)」

 彼が持っているのは、中の人が生前好んだ朗読劇で、向こうでは書籍化されていなかった。内容は、亡命したロシア貴族が経営する【宿泊すると願いが叶うというホテル】に、一人の淑女が訪れ、従業員を振り回しながら過去の記憶を思い出す作品である。彼は同じ作者の別作品も購入し、とても満足していた。

 一人の金髪男性が袋を持ってニヤニヤ笑っていたら気味悪いが、見た目はイケメンなので周りにいる人たちも気にすることは無かった。

 

 バスが止まり、彼が降りようとすると、目の前にいた女性がアタフタしていた。どうやら財布を落としてしまったようで、料金を払うことが出来ないということだった。

 

「運転手さん、彼女の料金と合算でお願いします」

「え?いいのか?こっちは払ってくれれば何でもいいけど」

 

 アクアはバス代を支払い降りていく、普段の彼ならこんなことは絶対にしないが、有頂天になるほど機嫌が良いので、【幸せの恩返し】ということだ。自宅へ向かおうとすると

 

「待って!」

 帽子を被っていて目元は見えないが、黒髪ロングの女性で同年代に見える

「何?どうしたの?」

「なんで、払ってくれたの?」

 ごもっともな意見である。見ず知らずの金髪イケメンにバス代を支払ってもらえるほど、世間は甘くない。

 

「今日の俺は、とても機嫌が良いんでね。幸せを独り占めにするのはガラじゃないから、お裾分けってことだ」

「ありがとう」

「どういたしまして、チャオ!」

 アクアはコーヒー好きだが、ブラッドスタークではございません。

「名前、聞くの忘れちゃった」

 黒髪の美少女、不知火フリルは立ち尽くし呆然としていた。

 

 

【今日あま】から数か月後、アクアとルビーは陽東高校へ入学した。入学式には母である星野アイも来る予定だったが、幼稚園の時は変装せずに行って大混乱、小学生の時は変装したがバレてしまい入学式がサイン会へ、中学では自宅待機を言い渡されたが逃げ出してしまった。今回は見張り役を置いているので逃げ出す心配は無いと思う。

 

 入学式が終わり、芸能科のクラスに入ると、そこは異次元の空間だった。芸能人の卵たちが生息し、右を見ればイケメン・左を向けば美少女がいた。ルビーはこの威圧感にたじろいでいたが、「(自分だって芸能人なんだ)」という意識で兄と一緒に入室した。なお彼女は事務所には所属しているがデビューはしていない。

 

 指定された席に座ると、隣には巨乳の少女がいて、自分の胸と見比べてしまった。

「デカい!」

「ん?」

「あっすいません。(胸)とても凄かったので」

 彼女の語彙力と胸には、まだ成長するだけの伸びしろはあるが、成長出来るとは言わない。

 

「あぁうち、寿みなみいいます。一応グラビアをやってはります。あんさんは?」

「私は星野ルビー、みなみちゃんでいいかな?よろしく」

「うちもルビーちゃんって呼びはるさかい、あれ?その髪色で星野って、もしかしてアクアさんの親戚?」

「お兄ちゃんのこと知ってるの?あそこで本を読んでいるよ、呼んでくる?」

「今はええよ、そろそろ先生も来るみたいですし」

「そういえば、みなみちゃんって関西弁だけど、上京してきたの?」

「いや、生まれも育ちも神奈川よ、関西弁はノリでやってはりますの」

「キャラ付けだった」

 

 

 しばらくすると教室のドアが開き、担任の先生が入って来た。購買の利用や仕事で授業を抜ける際の注意点を言っている最中にドアが開き、一人の美少女が入室してきた。

 

「すいません。朝の生放送に出演してまして、遅れました」

 

 そこには国民的美少女不知火フリルが立っていた。歌って踊れて演技も出来る。主演を務めれば、視聴率が格段と上がり、少し前に星野アイと共演した時は30%の大台を超えたことで話題となった。黒髪をなびかせて入室し、遅れてきたことを謝罪していた。

 

 ホームルームが終わりアクアはルビーの所へやってきた。

「あっお兄ちゃん、みなみちゃんと友達になったよ」

「ルビー、くれぐれも迷惑を掛けるんじゃないぞ、寿さん、こんな妹ですが仲良くやってください」

「こんな妹ってどうゆうことよ?」

「おだてるとスグに調子に乗るし、出しっぱなしで片づけない。ゆで卵を爆発させて電子レンジを2台破壊、あとは」

「みなみちゃ~ん、お兄ちゃんがいじめるよ~」

 みなみの胸に抱き着いたが、類まれなる胸部装甲はルビーを弾き飛ばすのであった。

 

「俺は先に帰るけど、どうする?」

「ん~?みなみちゃんは予定ある?」

 

「あの?」

 アクアは不意に後ろから声を掛けられ振り向いた。そこに居たのは不知火フリルだった。

 

「どうかしましたか?」

「人違いだったすいませんが、バス代を払ってくれた人ですか?」

「バス代?あ~本屋帰りの?じゃあ、あの時の女の子って不知火さんだったの?」

「お兄ちゃんが、そんなことするなんて、明日雪でも降るんじゃないの?」

 

「あの時は助かりました。これ、お返しです」

「別にいいですよ、あの時、俺は気分が良かった。それで不知火さんが助かった。それだけですよ」

「あと、「さん」付けはやめましょう。クラスメイトなのに壁があるように感じるので、私もアクアって呼びますので、フリルって呼んでください」

「慣れないなぁ」

「慣れてください」

 

「(小声)ねぇ、みなみちゃん、もしかしてフリルちゃんってお兄ちゃんのこと狙っているのかな?」

「(小声)狙うというよりも、反応を楽しんではるのでは?」

 

「そういえば、アクアって【今日あま】の最終回に出てたよね?あのストーカーの演技、良かったわ、いい感じに狂ってて」

「国民的な女優から褒められるとは、頑張った甲斐があったよ」

「そちらの方は、たしかミドジャンの表紙でグラビアを飾ってましたね。みなみさんでしたっけ?隣の方は?」

「星野ルビーです。アクアの妹です」

「どんな活動をしてますの?」

「いや、まだデビューしてなくて」

「頑張って」

 

 

 

~苺プロ~

 

「ミヤえもーん!助けてよ、私をアイドルにさせる道具ってないの~?」

 

 残念ながら彼女は、耳はついているがネコ型ロボットではなかった。なお室内にはアクアとミヤコ、演技のレッスンを終えた有馬とアイがいた。ルビーは「このままじゃ学校でイジメられるよ~」と泣いている。

 

「ルビー無茶言わないで、スグにアイドルグループを結成することなんて不可能よ、確かに準備はしてきたけど、女の子たちを募集して、オーディションの開催や選定にどれだけ時間が掛かると思うの?」

「だって」

「しかも、やろうとしているのはアイのB小町を受け継ぐ、後継者という事務所の期待を背負うことなの、生半可なことでやったら確実に失敗するわ」

 

 アクアも思う事はあった。B小町という伝説のアイドルの名を引き継ぐというのは簡単に出来ない。名前が大きいので比較され重圧に押しつぶされることも用意に想像できる。落語家の襲名に近く、引き継いで名乗るということは過去を背負うことである。

 

「(重圧に耐えれるメンタル、場数を踏んでいる、ルビーは音痴だから歌唱力もある方が良い)」

 

 アクアたちが思案にふけっていると、その場にいる全員が有馬かなに目を向けた。

 

重圧に耐えれるメンタル―――生放送の経験や大御所との共演がある

場数を踏んでいる―――幼少期から現場に出ている

歌唱力―――ピーマン体操は酷かったが他のシングル曲は良かった

 

「かなさん「ロリ先輩「有馬さん」」」

「「「アイドルやってください」」」

 3人の意見が一致したが

「無理、ムリ、むり、無理よ私がアイドルなんて、私がやりたいのは役者なの」

スグに否定したが

 

「あら、アイだってアイドルから役者になったわよ」

「いや、それに歌だって上手くないし」

「ピーマン体操は酷かったけど、私より下手な人は居ないよ」

「それにアイドルやれる程、可愛い訳じゃないし」

「かなさん、今すぐ鏡を見てきてください。それでSNSに「私、可愛くないし」って投稿したら大炎上しますよ」

 

 ミヤコが褒め、ルビーが自虐し、アクアがトドメをさす。見事な連携に落ちそうになる有馬だが、ギリギリのところで踏ん張っている。そこに真打ちが登場し有馬の耳元で

 

 

「有馬ちゃん、女優になる為にギャンブルするんでしょ?ここで賭けに勝てないと、二度と勝負の世界に挑戦することは出来ないよ、そんな有馬ちゃんを見て、好意を持つ人がいたら幻滅するよね~」

 

 完全に堕ちた。歴戦の猛者たちを相手に戦ってきた星野アイの言葉によって

 

「やります。やりますよアイドル、なってやろうじゃん」

 拳を振り上げ立ち上あがり宣誓した。

 

「アクア、ルビー、このギャンブル勝ちにいくから死ぬ気でやりなさい。中途半端な気持ちでいたら、どうなるか分かっているでしょうね?」

 

 

 こうして新生B小町に新メンバー【有馬かな】が加入した。

 

 

 とは言ってもアイドルとして実績の無い二人が新生B小町を名乗っても、まだ世間からは見向きもされないので活動は未定だ。アクアは部屋に戻っていった。

 

「そういえば、アクアって次の仕事、決まっているの?」

「決まってはいるんだけど」

「なによ、歯切れの悪い言い方で、別に紐無しでバンジージャンプする訳じゃないでしょ?」

 誰がやるんだ?その企画

 

「これなんだ」

 ルビーが近くにあったタブレットを見せると

 

「恋愛リアリティショー?」

 

 有馬の絶叫が事務所に響くのであった。

 




今ガチ編を考えてますが、原作の内容に近いモノより改変させようかと思います。その場合完結出来るか不安ですがやってみようと思います。
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