秀尽学園の非常勤講師、ベレス   作:女主人公スキー

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13.打ち上げをしよう!-ep1 epilogue-

 その後、鴨志田はやってきた警察に改めて罪を告白し、その場で逮捕された。

その光景を大勢の人間が見ていた。

 

 生徒の反応は様々で――落胆する声、安堵する声、そしてバレー部の今後を憂う声もあった。

しかし、バレー部で理不尽な暴力を最も受けていた三島は――

 

 

 

「すごい……あの鴨志田が、あんな殊勝な態度で謝罪を……。心の怪盗団……本物じゃんか!!」

 

 

 

 三島は教室に戻るまでの間に、猛然とスマホで怪盗団について調べる。

竜司から聞いてはいたし、依頼の書き込みもした(させられた)がそれ以上詳しく調べることはしなかった。

普通に釣りスレだと思っていたのもあるが、あの鴨志田が改心するなど到底信じられなかったからだ。

 

 しかし……鴨志田は改心され、逮捕された。

この圧倒的な現実を前に、怪盗団も改心も実在するという確信を三島は得た。

 

 

 

「怪盗団はずっと5chにスレを建てて依頼を募っているのか……。公式サイトみたいなのは……ないか。

そりゃ当たり前だよな、予告状とかは犯罪だし……。特定されたりしないのか、これ……?

流石に対策はしてるだろうけど、もし警察が本気になったら……くそ、何かできないか……」

 

 

 

 ブツブツと早口で呟き続ける三島をクラスメイトは遠巻きに眺める。

 

 

 

「俺がやるしかない……俺が怪盗団を支えるんだ!!」

 

 

 

 かと思えば突然大声を出す三島。この日を境に、彼はクラスの中で若干孤立することになる……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 新島真は鴨志田の改心と逮捕劇を目の当たりにしてから、ずっと怪盗団について考察、推理を続けていた。

まず怪盗団の正体だが……調べれば調べるほど分からなくなる、というのが現状だ。

 

 当初の、何の根拠もない直感では()()()()()()()()()ではないかと思った。

しかし調べれば、怪盗団は鴨志田の改心以前にも活動している。

そして恐らくその実績に縋るような形で、生徒――恐らく坂本と雨宮――が改心依頼を書き込んでいる。

この事実が引っかかり、生徒含む学校関係者の線は……なくなったわけではないが薄まってしまった。

 

 

 強いて言えば、怪盗団の活動開始が4月半ばから、というのが気にかかる。

どうにも中途半端な気がするが、しかしそれ以上何か推理が進むことはなかった。

 

 そして改心の方法。これはまったくもって不明。どうすればあんなことが出来るのか、理解できない。

漫画みたいにそういう能力があるのかな、などと馬鹿な考えも頭によぎった。

 

 

 しかし、それにしては方法が回りくどすぎる。予告状を送る必要性、それが本当に分からなかった。

鴨志田が言っていたように犯罪に手を染めるリスクがあるのに、どうしてそんなことをする必要が……?

「カッコイイから」とか「怪盗っぽいから」みたいな解答だったらとりあえずグーパンで殴ろうと思う。

 

 

 

(それとは別に、動きがおかしい人がいるのよね)

 

 

 

 非常勤講師、ベレス=アイスナー。

真の見る限り、特定の生徒に入れ込むようなタイプの教師ではない。

そのベレスが、最近特定の生徒――雨宮、高巻、坂本――と話し込んだりする姿が散見される。

 

 気になって今日、ベレス先生に直接聞いてみた。その返答は――

 

 

 

「鴨志田先生の件で相談を受けててね。高巻さんは鈴井さんの件もあって心を痛めていた。

雨宮くんと坂本くんに至っては退学を言い渡されてたから、少しでも反省が伝わるように何度か勉強会をしていたんだ」

 

 

 

 そう言われれば、まぁ納得はできる。うまく言い包められた、という感覚もなくはないが。

 

 

 

(ベレス先生が怪盗団の関係者という根拠は何もないけど……何か怪しい)

 

 

 

 今日の放課後、ベレス先生を尾行してみよう。もし撒かれるようなことがあれば、それはそれで疑惑は深まる。

そう思って実際に先生が帰路につくまで尾行してみたが……今日に限って彼らと会うことはなかったのだった。

 

 

 

(……逆に怪しくない? いやでも……あーもう分っかんない!!)

 

 

 

 

 

 

 

 


 

【ベレス先生を囲う会】*1

 

 

ベレス『今日は会えそうにない。今、新島さんに尾行されてる』

 

 

竜司『え、マジ?』

 

杏『新島さんって、生徒会長だよね』

 

雨宮『分かりました。俺達はどうしましょうか』

 

 

ベレス『今、怪しまれてるのは私だけだから大丈夫』

 

『でも、屋上で不用意な会話をするといずれ聞かれてしまうかもね』

 

 

雨宮『確かに。じゃあ、集合場所も変えたほうがいいかもしれませんね』

 

竜司『屋上、お気に入りだったんだけどな……ま、しゃーねーか』

 

杏『どこがいいかな? 学校以外だと……渋谷駅の連絡通路とか?』

 

竜司『そこなら俺らが屯してても違和感ねーかもな。どっすか?』

 

 

ベレス『キミ達だけならいいんじゃないかな』

『そこに教師の私が混ざると少し不自然かもしれない』

 

 

雨宮『じゃあ、先生が必要な場合は俺の部屋……ルブランの屋根裏はどうでしょうか』

    『勉強会という名目なら、佐倉さんも不審には思わないでしょう』

 

 

ベレス『分かった。じゃあ、次からはそうしよう』

 

 


 

 

 

 ベレスは真が尾行を諦めたのを確認して、ほっと息を吐く。

自分が相手だから簡単に尾行に気付けたが、生徒たちなら気付けないかもしれない。

新島さんは亡くなった父が警察官で、正義感の強い子だ。怪盗団に思うところもあるのかもしれない。

しかし、だからこそ逆に味方に引き込むこともできるかもしれない。

 

 アパートの最寄り駅から出たとき、見覚えのあるジャンパーの男がタバコを吸っているのが見えた。

 

 

 

「待ってましたよ、ベレス先生」

 

「八神さん」

 

 

 

 八神隆之――新宿神室町に探偵事務所を構える、元弁護士という異例の経歴を持つ探偵だ。

こと格闘に於いてはベレスをも凌ぐ戦闘センスを持つ。

 

 

 

「鴨志田教諭のこと、ニュースで見ましたよ。すごいことになりましたね」

 

「ああ、まさかこんなことになるなんて思わなかったよ」

 

 

 

 ベレスは平静を装って答えるが、八神は煙を吐いて頭を振る。

 

 

 

「白々しい演技はやめましょうよ。俺と先生の仲でしょう?

先生が関わってますよね、あの『改心』には……」

 

「……まぁ、八神さんには気付かれてしまうか。あんな依頼をしたんじゃ……」

 

 

 

 改心依頼の裏取りを頼んだことで、勘づいたのだろう。

八神を信頼してのことで、後悔は微塵もしていないが。

 

 

 

「ええ。先生は、怪盗団を今後も続けるんですか?」

 

「言っておくけど、リーダーは私じゃないよ。でもそうだね、続けるつもりではある」

 

「なるほど……まぁ詳しくは聞きませんよ。他言もしません。

でも、気をつけてくださいよ? 怪盗団はいずれ警察にも目をつけられる。

社会的には正義でも、法律上は悪だ……って、釈迦に念仏でしょうけど」

 

「もちろん分かっているよ。八神さんの力を頼ることもあるかもしれない。その時はよろしく」

 

「ええ、報酬さえ頂けるならお手伝いしますよ。どうぞ御贔屓に……それじゃ、失礼しますよ」

 

「うん、また」

 

 

 

 八神は煙草をふかしながら、神室町へ帰っていった。その背中へベレスが声をかける。

 

 

 

「歩きタバコはやめたほうがいいよ」

 

「……すいません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日の5月3日から5日まで3連休だ。

めぼしい依頼もないので、怪盗団の活動もなし。それぞれ、休日を満喫しているようだ。

 

 5月4日、生徒たちから連絡が来た。

なんでも、鴨志田から奪ったオタカラ――『金メダル』を換金してきたのだという。

 

 3万円ほどになったから、そのお金で打ち上げをしようと提案された。

近くのホテルでバイキング形式のレストランがGW中割引サービスをしているらしい。

生憎今日は満席だったので、明日の最終日に久しぶりに集まることになった。

 

 そして5月5日、3日ぶりに全員が集まることになった。

 

 

 

「すみません先生。不足分を払ってもらって……」

 

「シェズも入れたら6人の大所帯だ、仕方ないよ」

 

 

 

 中央のソファつきのテーブル席に案内される。

 

 

 

「結構目立つところだね……学生あんまりいないし、浮いてない……?」

 

「視線を感じる気がしますね……」

 

 

 

 杏とかすみが不安そうに周りをキョロキョロと見回す。

 

 

 

「堂々としていればいいよ。何言われても気にしないこと。せっかくの打ち上げだしね」

 

「だな。今日はパーッと楽しもうぜ!」

 

「ワガハイのぶんも頼むぞ。サシミがいいな!」

 

「ねぇベレス、これ全部好きなだけ食べていいの?」

 

 

 

 シェズはこういう場が初めてなのか、そわそわしている。

 

 

 

「そのはずだよ。でもいっぱい取って食べられませんはダメだからね」

 

「分かった。それじゃ皆、行くわよ!!」

 

 

 

 シェズがそうかけ声を出すと、全員思い思いに料理を皿に乗せていく。

雨宮はモルガナのぶんもあって肉と魚が中心で、申し訳程度に野菜が乗っている。

竜司は肉と油の集合体、野菜の類はナシ。

杏は普通の料理には目もくれず、ケーキやスイーツの類のみ。

シェズはこの世界の料理が珍しいのか色んな料理を少しづつ乗せていた。

ベレスとかすみは、肉と野菜のバランスはいいが、量がとんでもないことになっていた。

 

 

 

「いやどんだけ食うんだよ!?」

 

 

 

 竜司が思わずツッコミを入れる。量だけならそれぞれ竜司の倍はある。

 

 

「え、そんなに多いですか?」

 

「元取らないとだし……これでも控えめなつもりだけど」

 

 

 

 二人は重量感のあるトレイをテーブルに載せると、「いただきます」と言ってパクパクと次々平らげていく。

 

 

 

「あんたホントに大食いよね……かすみまでそうだとは思わなかったけど」

 

 

 

 シェズはあきれ顔でベレスとかすみの食べっぷりを眺めつつ、自分を箸を進めていく。

食べ放題は1時間限定ということもあって、これまでの振り返りを挟みつつも皆食事に集中する。

 

 

 

「そういやさ、三島のやつがこんなサイトを作ったって連絡きたわ」

 

 

 

 竜司がスマホの画面を全員に見せる。

 

 

 

「『怪盗お願いチャンネル』?」

 

「ああ。これまでは5chにスレ建てして依頼を募ってたけど、今後はここで依頼を募るんだってよ。

『もちろん、怪盗団が嫌がるなら閉鎖する』って言ってたけど……どうよ?」

 

 

 

 ベレスは自分のスマホで当該サイトを閲覧する。

突貫で作ったのだろうか、まだ準備中のコンテンツが多い。

メインコンテンツは掲示板だろう。怪盗団への考察、疑念、感謝の言葉が並べられている。

そしてその中に『怪盗団への改心依頼スレ』があり、ポツポツと投稿されているようだ。

 

 

 

「いいんじゃないかな。第三者がサイトを作ってくれるぶんには、こちらにリスクはないしね」

 

「俺もそう思います。三島も俺達が怪盗団だとはまだ勘づいてないようです」

 

「俺達は依頼した側だからな。なんで、最悪三島がパクられても平気っすよ」

 

「三島くんには例の端末からメッセージを送っておくよ」

 

 

 

 ベレスはもう一つのスマホを取り出して、怪チャンからメッセージを送る。

本物と分かるように、三島の名前をメッセージ内で特定しておく。

 

 

 

「おっと、もう返答が来たよ。えっと……『怪盗団って名前はないの?』だってさ」

 

「名前っつーと……グループ名ってことか?」

 

「『心の怪盗団』がそうだと思ってたけど、まぁあってもいいかもね?」

 

「何か案はある?」

 

 

 

 ベレスは全員へ問いかける。

 

 

 

「うーん……『ピンク・ダイアモンズ』とか?」

 

 

 

 杏の案は竜司に「草野球チームかよ。てか怪盗要素ねーし」と突っ込まれ、あえなく却下。

 

 

 

「『アマダイノポワレシャンピニオンソース』……今食べたやつ、メモリアルだろ?」

 

 

 

 モルガナの案は「真面目に考えて」とベレスに一蹴される。

 

 

 

「……『ダークシャドウ』……とか、どうよ?」

 

 

 

 竜司の案は杏に「ダッッッサ」、モルガナに「中学生かよ」と総ツッコミをくらって却下される。

 

 

 

「(もぐもぐ……)あ、私ですか? 団員ではないんですが、それでもよければ……『ハートテイカー』とか、どうでしょう?」

 

 

 

 かすみの案は「ちょっと地味じゃない?」、とシェズに指摘され、却下。

 

 

 

「私はパス、まだ入りたてだしね。というか、こういうのはリーダー格の二人が決めるべきでしょ」

 

 

 

 シェズはそう言って、ベレスと雨宮を交互に見遣る。

 

 

 

「だそうだけど、雨宮くんは案ある?」

 

「そうですね……悪漢小説という意味の『ピカレスク』とか怪盗を意味する『ファントム』とか、色々思いついてはいるんですが、どうもピンと来なくて。先生は?」

 

「うーん、私もそんなものだよ。法律や警察に頼らずに犯罪者を裁く、そういう映画ジャンルを『ヴィジランテ』って言うんだけど、その複数形で『ヴィジランツ』とか」

 

 

 

 2人の案に他5人は関心したように頷く。

 

 

 

「どっちの案も捨てがたいな。ここは多数決で決めようぜ。蓮の案がいいと思うやつは?」

 

 

 

 モルガナがそう呼びかけると、かすみとシェズの手が上がる。

 

 

 

「じゃあ、ベレスの案がいいと思うやつ」

 

 

 

 雨宮、竜司、杏、モルガナの手が上がる。

 

 

 

「決まりだな。俺達はこれからは『ヴィジランツ』と名乗る。異論はあるか?」

 

「「「「「「なし!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅー、食った食った……もうアポロチョコ一つさえも食えねぇ……」

 

「もうすぐ時間か……トイレ行ってきます」

 

「あ、俺も行くわ」

 

 

 

 雨宮と竜司が連れ立って同じ階のトイレへ向かう。が、そこには無情にも清掃中の看板が立っていた。

 

 

 

「マジか……」

 

「別に入れないわけじゃないが……どうする?」

 

「別に急いでねーし……下の階にもトイレあったよな? そっち行こうぜ」

 

 

 

 二人は引き返して、エレベーターホールへ向かう。

ボタンを押して待っていると、ぞろぞろと黒いスーツの大人達が割り込んでくる。

 

 

 

「おいっ」

 

「どけ。()()は急いでいるんだ。先に行かせてもらう」

 

「あぁ!? 急いでるって、何だよそれ?」

 

「うるさいガキだな……!」

 

 

 

 竜司は男に肩をドン、と押されよろける。

 

 

 

「……竜司に謝ってください。今のは暴力だ。もし彼が倒れて頭を打っていたらどうするんです?」

 

「チッ……! 口の回るガキが……」

 

 

 

 男は手を引っ込めるが、割り込みを止めるつもりはないようだ。

 

 

 

「最近のホテルは託児所もやってるようだな。ご苦労なことだ」

 

 

 

 中心にいる禿頭の男がぼそりと呟く。

 

 

 

「てめぇ、今なんて……!」

 

 

 

 竜司が食ってかかろうとした所、その肩を何者かに掴まれる。

 

 

 

「そこまでだよ」

 

「先生!?」

 

 

 

 いつの間にか現れたベレスが竜司の前に立ち、スーツの男の前に立つ。

 

 

 

「お前が保護者か? ちゃんと監督しておけ、教育がなっていないぞ」

 

「そこは謝罪しよう。だけど、彼の言う通り暴力はよくないね。そちらも謝罪してほしい」

 

「何だと? お前、誰にモノを言ってるのか分かっているのか。こちらの方は――」

 

 

 

 禿頭の男がちらとこちらを見て、その目が大きく見開かれる。

 

 

 

「知ってるよ。()()()()()()()()()()。5年前とは見違えたよ。偉くなったみたいだね」

 

「お前は確か……ベレスか」

 

「うん。久しぶりだね、まさかこんな所で会うとはね」

 

 

 

 ベレスと禿頭の男――獅童が向き合い世間話に興ずる。

その様子を見て、雨宮と竜司がこそこそと話をする。

 

 

 

「先生、アイツと知り合いなのかよ……」

 

「みたいだな……というかあの男、どこかで……」

 

「どした? 顔色わりーぞ」

 

 

 

 雨宮が片目を手で押さえて何かを思い出そうとする。

 

 

 

「まさか、あの時の……?」

 

 

 

 雨宮の前歴の原因となった男がいた。思い返すと、あの男と声も背格好もそっくりに思える。

 

 

 

「貴様、まだ教師をやっているのか」

 

「そうだよ。と言っても、非常勤や塾講師がほとんどだけど」

 

「ふん……日本語も随分流暢になったものだ」

 

「それより獅童さん、まだ謝罪を貰っていないよ」

 

「――相も変わらず強気な女だな。俺が手を回せばお前を無職に追い込むことなど容易いぞ?」

 

 

 

 獅童がそう言って睨みを効かすが、ベレスは一歩も退かず。

 

 

 

「どれだけ偉くなったか知らないけど、私なんかを相手にするほど暇な仕事ならやめたほうがいい」

 

「……チッ。そこの金髪の少年、悪かったな。聞いての通り政治家で忙しくてね。順番を譲ってはもらえないだろうか?」

 

「へ……あ、はい。別に、いいっすけど……」

 

 

 

 その時、ちょうどエレベーターが到着する。

 

 

 

「行くぞ」

 

 

 

 獅童がそう言うと、男達も一緒に乗り込んでいく。

 

 

 

「ありがとうございます、先生」

 

「礼を言われるほどのことじゃないよ。坂本くん、怪我はない?」

 

「平気っす。ちょっと小突かれただけなんで」

 

「なら良かった。トイレを済ましたら帰ろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、ホテルを後にした一行は最寄りの駅で現地解散となった。

杏とかすみは近くのデパートへ寄っていくと言って二人で向かっていった。

その場には雨宮とモルガナと竜司、ベレスとシェズが残る。

 

 

 

「なぁ、先生。あのシドーとかいう奴とどういう知り合いなんすか?」

 

「雨宮くんにはこの前ちらっと言ったけど……戸籍を作ってもらったのが彼なんだ。

この世界に来て日本語を覚えるまでの間、しばらく世話になっていた。と言っても3か月ぐらいだけどね」

 

「3か月で日本語をマスターしたんすか??」

 

「驚くとこ、そこなの? まぁそんなわけである種恩人ではある。獅童がどういうつもりで私を助けたのかは分からないけどね」

 

「そうなんすね……」

 

 

 

 ベレスと竜司がそんな話をしてる中、雨宮はずっと黙り込んでいた。

竜司は宿題が残っているらしく、そそくさと帰っていく。

 

 

 

「ベレス、私は先に帰るから」

 

 

 

 と言って、シェズも帰路につく。

 

 

 

「雨宮くん?」

 

 

 

 ベレスは様子のおかしい雨宮へ声をかける。

 

 

 

「……先生、ちょっと相談があるんですが」

 

「どうしたの?」

 

「……さっきの獅童という男、俺に前歴をつけた男かもしれません」

 

 

 

 真剣な目でベレスにそう話す雨宮。

 

 

 

「……確証は?」

 

「俺の中では、ほぼ確実に。裁判では被害者の名前は出なかったので、俺の記憶しか確証はないんですが」

 

「そっか……信じるよ。それで、どうしたい?」

 

「……そうですね。獅童を改心できれば、前歴を取り消せるかもしれない……とは思っていますが」

 

 

 

 雨宮の考えにベレスは頷いてみせる。

 

 

「つまり獅童にはパレスがあると?」

 

「はい。一度試してみたいんです」

 

 

 

 そこで、黙って話を聞いていたモルガナがカバンから飛び出す。

 

 

 

「パレスが見つかったら、次のターゲットにするのか? 蓮」

 

「いや……あまりに私情すぎるからな。それに、獅童のことは何も知らないに等しい。

悪人だったとしても、罪状すら不明の人間を改心するのは怪盗団の信念に反する」

 

「まぁそれはそうだな。改心するなら、詳しく調べる必要はある」

 

「だったら、今度また探偵に依頼してみるよ。と言っても相手は政治家だ。すんなりとはいかないだろうけど」

 

「ありがとうございます先生。それで、獅童のパレスですが……何か思い当たるものはありますか」

 

 

 

 雨宮にそう問われ、少し考え込むベレス。

 

 

 

「実のところ、私も獅童にそれほど詳しいわけじゃないんだ。会ったのは最初と最後だけで、基本は電話でのやり取りだった。

でも、彼はどういうわけか船に関連する言葉をよく使っていた気がする――」

 

 

 

 ベレスは獅童とのやり取りを回顧する。

 

 

 


 

『厳しい船出になったな』

 

『舵取りを他人に任せるな』

 

『座礁しないよう励むことだ』

 

 


 

 

 

「キーワードは『船』、ですか」

 

「うん。そして場所だけど……彼は政治家だ。『国会議事堂』か『霞が関』か、そんなとこじゃないかな」

 

「――行ってみましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 国会議事堂前に降り立った雨宮は、早速人気のない場所で『イセカイナビ』を起動する。

 

 

 

「キーワード入れますよ。『国会議事堂 船』――」

 

 

 

 キーワードを入力すると、『イセカイナビ』は機敏に反応しナビゲートを開始する。

目の前の景色が歪み、切り替わっていく。

 

 そこは巨大な船の甲板だった。映画『タイタニック』のような豪華客船だ。

そして周囲を見ると――そこには海に沈んだ東京の姿があった。

 

 

 

「――ノアの方舟か」

 

「……選民しようとしてるのか、まさか」

 

「これは……獅童ってやつ、めちゃくちゃやべぇんじゃねぇのか!?」

 

 

 

 

 海に沈んだ日本、選ばれた者だけが乗れる船。こんな歪んだ認知を持った者が、政治家をしている。

その事実だけで『改心』しなくてはいけないと考えてしまう。

 

 

 

「……どうします、先生。少し船内を調べてみますか」

 

「そうだね……少しだけなら」

 

「よし……行くぞ。まずは潜入口を探すか」

 

 

 

 3人は分かれて、甲板から正面入り口以外の潜入口を探すが……どこにもない。

 

 

 

「マジか……」

 

「セキュリティは万全、というわけか」

 

「どうする、ベレス? 入口は正面しかないみたいだぜ」

 

「……入ってみよう。このままじゃ、何もわからないままだ」

 

 

 

 後にして思えばそれはベレスには珍しく、ハッキリと判断ミスだった。

友人とまでは言えないまでも、交流のあった人間のパレスだということもあるだろうか。

何らかの危険を察知しながらも、知人のパレスを見るという好奇心には抗えなかった。

 

 ベレスは静かに正面入り口の扉を開く。

その瞬間――選択を後悔するような圧迫感が3人の肌に突き刺さる。

 

 

 

『密航者は排除する』

 

 

 

 中で待ち構えていたシャドウがいきなり攻撃を仕掛けてくる――敵の先制攻撃(ピンチエンカウント)

 

 

 

「しまった――」

 

 

 

 ベレスは急ぎ剣を構える。しかし敵の狙いはベレスではない。

 

 

 

「ジョーカーッ!!」

 

「避けてッ!!」

 

 

 

 敵シャドウ――冥府の番犬(ケルベロス)がその口から巨大な炎(アギダイン)を放つ。

雨宮は寸でのところで躱すことができた。しかしこれは運がよかっただけだ。もう一度同じことをしろと言われてもできないだろう。

 

 

 

「先生――!」

 

 

 

 彼女を呼んで指示を乞う。しかし、聞かずともやるべきことは決まっている。

 

 

 

「ジョーカーは私のサポートを。モナは逃走経路の確保と、撤退のタイミングを指示してほしい」

 

「「了解……!」」

 

 

 

 ベレスは銀の剣を抜き、敵シャドウへ向かっていく。

 

 

 

「――『風薙ぎ』ッ……!!」

 

 

 

 思い切りよく駆け抜けて斬りつけ、確実なダメージを与えていく。しかし――

 

 

 

「効いてない……!?」

 

 

 

 物理に耐性があるわけでもないようだが、ベレス渾身の一撃でも大したダメージは入っていない。

つまりは単純に身体能力(レベル)に隔絶した差がある、ということ。

 

 ベレスですらそうなら、雨宮やモルガナでは相手にすらならない。まともに喰らえば一撃で斃れるだろう。

(尤も、身体能力(レベル)に限って言えばベレスと雨宮達にそれほど差はなくなったが)

 

 ベレスは臍を噛む。しかし後悔する暇もなく事態は動く。

ケルベロスは今の一連の動きから、ベレスは手強い相手だと認識した。

そして、後方に控える弱い2人を守るように立ちまわっている。であれば、弱者(そちら)を狙うのがセオリーだ。

 

 

 

「まずいっ――」

 

 

 

 ケルベロスはベレスを無視して、猛然と雨宮達へ襲い掛かっていく。

ベレスはそれを必死で追いかける――犠牲者を出すわけにはいかない。

 

 ケルベロスの攻撃モーションの間に何とか割り込み、二人を庇うように前に立つ。

それを見てケルベロスの顔が醜悪に歪む――最初からこれが狙いだったのだろう。

 

 

 

「ああッ」

 

 

 

 ケルベロスの鋭い爪がベレスを切り裂き、鮮血が辺りへ飛び散る。

 

 

 

「先生ッ!!」

 

「ベレスッ!!」

 

 

 

 コードネームで呼ぶのも忘れて、雨宮とモルガナが悲痛に叫ぶ。

 

 

 

「……モナ、回復を――」

 

「あ、ああ……『ディア』」

 

 

 

 モルガナが初級回復魔法(ディア)で回復するも、傷が深く焼け石に水だ。

 

 

 

『終わりだな』

 

 

 

 ケルベロスがじわりじわりと歩み寄って来る。

雨宮達は後退りするが、すぐに壁に当たって追い詰められていく。

 

 

 

『誰から逝くか、選ばせてやろう――」

 

 

 

 どう転んでも勝ちの局面で、ケルベロスは油断していた。

問答無用で殺しにかかっていればそれで全ては終わっていたのだ。

 

 その僅かな間隙を突いて、彼女は飛び込んできた。

 

 

 

ガッシャァァァァン!!

 

 

 

 上部の窓ガラスを突き破って、彼女――シェズが乱入してくる。

怪盗とは程遠い豪快な侵入方法だが、だからこそ敵は動揺するし不意を突かれる。

 

 

 

「ペル――ソナぁッ!!」

 

 

 

 落下しながら、召喚銃をこめかみに撃ち放つ。

呼び出されたシェズのペルソナ『ラルヴァ』が、かつてベレスを苦しめた『ランダマイザ』をケルベロスに放つ。

 

 

 

「ベレスッ!!」

 

「ッ、わかってる!!」

 

 

 

 ベレスは天帝の剣を抜き放ち、『破天』を、シェズは落下の勢いを利用して『紫電』を繰り出す。

 

 

 

「グオオッ」

 

 

 

 防御力が下がったことで、先程より大きなダメージが入る。

ケルベロスは、追い詰めたはずがシェズとベレスの二人に挟み撃ちの形になってしまった。

 

 

 

「シェズ、どうして……」

 

「なんか気になって追いかけてみたのよ。そしたら、急に消えるしもうビックリ」

 

「キーワードは?」

 

「こちとらアプリなんかなくてもパレスには入れるのよ。私をこっちに呼んだ自称神様のおかげでね。

それより――切り抜けるわよ。出し惜しみはナシでお願い」

 

「うん」

 

 

 

 ベレスは炎の紋章に意識を集中し、『エーデルガルト』を呼び出す。

 

 

 

『――随分な鉄火場ね、(せんせい)?』

 

 

 

 呼び出されたエーデルガルトはケルベロスの威容を見て、即座に戦いの構えに入る。

 

 

 

「もう一度、一斉に仕掛けるわよ。全力でね。いいかしら、皇帝サマ?」

 

『――そう。なら、こちらを使わせてもらいましょう』

 

 

 

 エーデルガルトは武器を入れ替える。魔斧『アイムール』――彼女専用に作られた紋章石改造武器(英雄の遺産もどき)に。

 

 

 

「『マハタルカジャ』――さぁ、覚悟しなさい」

 

 

 

 シェズがペルソナで全員の攻撃能力が向上させる。

 

 

 

「「「――『破天』『影刃』『狂嵐』」」」

 

 

 

 

 

 

 何とか|高レベルの敵シャドウを退けたベレス達は、パレスを抜けて現実へ戻ってきた。

 

 

 

「すみません、先生。何もできなくて」

 

 

 

 雨宮がベレスに詫びるが、ベレスは頭を振る。

 

 

 

「いや、無事に帰ってこれただけで十分だ。謝らないといけないのは私のほうだよ。

完全に判断を間違えた。本当にすまない……シェズが来なければ死んでいた」

 

 

 

 ベレスが心底申し訳そうな顔で雨宮とモルガナへ頭を下げる。

 

 

 

「先生だけの責任じゃないですよ。俺も、軽い気持ちで提案してしまいましたから」

 

「そうだぜ。でも、危なかったのは確かだな……肝が冷えたぜ」

 

 

 

 モルガナは毛繕いをして自身の生存を確かめる。

 

 

 

「で、さっきのパレスは何?」

 

「獅童――私の知り合いの政治家のパレスだよ。前に言った、私の戸籍を用意してくれた人」

 

「へぇ……ちらっと見ただけだけど、えげつない認知してるわね。あれで政治家ね……」

 

 

 

 シェズが間近にそびえる国会議事堂を見上げて言った。

 

 

 

「しかし、何故あんなに強いシャドウが出たんでしょうか。鴨志田の時との差がありすぎる」

 

「分からない。けど、主の影響力とか、動かせる人間の数がパレスのシャドウの強さに表れるのかも」

 

「それはありえるな……。奴は政治家だ、影響力も動かせる人間も鴨志田とは桁違いだろうぜ」

 

 

 

 ベレスは雨宮とモルガナに向き合って告げる。

 

 

 

「雨宮くん、悪いけど獅童の改心は今は無理だ。あまりに力が足りなすぎる」

 

「はい、分かっています。でも、いずれは必ず……」

 

「そうだね。放っておいていい相手じゃないのは確かだ」

 

 

 

 雨宮は一頻り国会議事堂を睨みつけると、ふぅ、と息を吐く。

 

 

 

「……帰りましょうか」

 

「うん。シェズ、今日はありがとう。助かったよ」

 

「どういたしまして。今日の夕餉は豪勢に頼むわよ、ベレス」

 

「分かったよ……じゃあ、買い物して帰ろうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃――秀尽学園の空き教室にて。

 

 

「この教室をカウンセラー室として用意しました。用具の運び込みはまた後ほどとなりますが」

 

「ありがとうございます、校長先生。こんなに良い教室を用意してくれるとは思いませんでした」

 

 

 

 丸喜はそう言って、校長に笑顔を見せる。

 

 

 

「いえいえ、こちらが無理を言って来てもらったのですから、これぐらいは当然ですよ。

先生こそ、休日にわざわざ御足労頂いてすみませんね」

 

「これも仕事の一環ですから、お気になさらず。それで、生徒の皆さんの様子はどうでしょう?」

 

「はい、まぁ反応は様々ですが……バレー部の関係者は特に気にかけてもらいたい。

やはり、鴨志田教諭は良くも悪くも部活動の核でしたから。メンタルケアをどうかお願いします。

それと勿論、被害者にあたる生徒も。先生が逮捕されて晴れやかな顔をしていても、心は傷ついているはずですから」

 

「分かりました。微力を尽くさせてもらいますよ」

 

 

 

 丸喜はそう言って、校長と共に教室から出る。

 

 

 

「少し、学校を見ていってもいいですか?」

 

「もちろん。お帰りの際は声をかけてください、校長室におりますので」

 

「ありがとうございます」

 

 

 

 丸喜は校長と別れ、秀尽学園内を散策する。

ふらっと入った教室の片隅に、紙切れ――予告状を見つけ、拾い上げる。

 

 

 

「――『心の怪盗団』、か。本当に実在するなんてね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 更に場所は変わって、警視庁公安部。

小さな会議室で、1人の男――やや長い髪と、メガネと顎髭が特徴の男――が資料を読んでいた。

 

 

 

「心の怪盗団……ねぇ。本当にこんなアニメやゲームみたいな集団がいるとお思いで?」

 

「確かにまだ眉唾扱いの情報だ。だが万が一、この心の変容――『改心』と言ったか?

これが実行可能だとすれば、『例の件』と関連付けしたくなるのも分かるだろう?」

 

 

 

 男の目の前の席に座る50代ほどの女性がそう窘める。

 

 

 

「――『()()()()()()、ですか』

 

「そうだ。怪盗団の『改心』と『精神暴走』は似ている。同一犯の可能性は捨てきれん」

 

「それで、俺に何をしろって言うんです?」

 

 

 

 男は目の前の女性に問いかける。

 

 

 

「無論、捜査をしてもらう。とは言え、現状怪盗団を捕まえるのは難しい。

『改心』は犯罪要件ではないし、精々予告状絡みの軽犯罪の2つ3つぐらいしか立件はできん。

その程度の相手に、人手を割けるほど公安は暇ではないが……いずれ大事になる気がしてな」

 

「それで俺ですか……それはいいんですが、まさか1人で捜査しろって言いませんよね?」

 

「もちろん、とっておきの相棒を用意しているとも。入っていいぞ」

 

 

 

 鉄扉が開く音がして振り返ると、そこには高校生ほどの爽やかな美男子が立っていた。

 

 

 

「初めまして。『明智吾郎』です」

 

「明智だと……まさか、探偵王子か!」

 

「二代目、ですけどね。これからよろしくお願いします、長谷川善吉警部補」

 

 

 

 二代目探偵王子こと『明智吾郎』は、警察の協力者としている高校生探偵。

そしてその相棒となるのがこの男――公安所属の警部補の『長谷川善吉』だ。

 

 

 

「よりによってコイツかよ……恨みますよ、鏑木管理官」

 

 

 

 善吉に恨みがましい目で見られている女性こそ、善吉直属の上司の鏑木(みやこ)管理官。

出世欲が強く、いずれは警察組織のトップを張るべく些末な案件にもアンテナを張っている。

 

 

 

「くっくっく……良い報告を期待しているぞ、長谷川。明智、こいつの手綱をちゃんと握っておけよ」

 

「分かりました。まずは今後の打合せをしましょうか? 長谷川さん」

 

「へいへい……」

 

 

 

 そう言って明智と善吉は連れ立って会議室から出て行く。

 

 

 

「怪盗団――奴らが義賊か、はたまた人心を誑かす悪党か……見極めねばならんな」

 

 

 

 怪盗団はまだネットの一部で囁かれる程度の知名度だ。

故に警察の網も緩く、掻い潜る必要すらないほどだが……しかし確実にその影は近づいていた。

 

 

【怪盗お願いチャンネルの支持率――4.5%

*1
グループLINE名




評価、お気に入り、感想ありがとうございます。

『秀尽学園の非常勤講師、ベレス』は原作のペルソナ5 ザ・ロイヤルと
・ファイアーエムブレム風花雪月(ベレスと生徒の一部)
・ファイアーエムブレム無双 風花雪月(シェズ♀とラルヴァ)
・JUDGE EYES:死神の遺言(八神隆之)
・ペルソナ5 スクランブル ザ。ファントムストライカーズ(長谷川善吉と鏑木管理官)
の多重クロスオーバー作品となります。

八神隆之に関してはジャッジアイズの本編前になります。
P5開始が2016年。
ジャッジアイズ開始が2018年で、2015年に八神が探偵業を始めたという設定になっているのでそこに倣っています。
海藤さんはまだ八神の助手になってない(松金組所属中)ので恐らく出てきません。



実は鴨志田編の構想だけで始めてしまったので今後の展開がまだ固まってません。
それに加えて3月から放置している小説をひとまず完結させたいので、キリのいいここでしばらく更新が止まります。
申し訳ありませんが気長にお待ちいただけると幸いです。
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