秀尽学園の非常勤講師、ベレス   作:女主人公スキー

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大変お待たせしました。
投稿が止まってるあいだにペルソナ6が発表されましたね。
千紫万紅も楽しみです。


24.暴食の銀行②

 同日、6月20日(月)。

杉村を振った春がベレスの元に戻ってくる。

 

 

「お待たせしました、先生」

 

「これで一件落着――とはいかないみたいだね」

 

「はい。父が彼との婚約解消をすんなり認めるとは思えません。ですので……私としては父も改心したいと思ってます」

 

「奥村さん、それは……軽々に決めていいことじゃない」

 

 

 

 ベレスの諫言に、春は首を振って否定する。

 

 

 

「違うんです。父は……嫌な人ではあっても会社や娘を他人に差し出すような人じゃなかった。

今の父は、箍が外れた感じで……何というか、心(・)が(・)暴(・)走(・)し(・)て(・)い(・)る(・)ような……」

 

「それって……」

 

「はい。もしかしたら先生が仰っていた『黒い仮面』が父をおかしくさせたんじゃないかと。

だから改心というよりは、元に戻してあげたいって気持ちのほうが強いです」

 

 

 

 ベレスは少し考えてから、春に奥村父の変化について詳しい話を促す。

 

 

 

「父は――いわゆるパワハラ体質みたいなところはありました。電話で部下に酷い言葉をかけていることを聞いたこともあります。

政治に強い興味を持っていたのも確かです。でも……会社を捨ててまで政治家になる、とまで言い出したのは最近なんです」

 

「最近……具体的にはいつから?」

 

「5月ぐらいです。婚約の話もそれぐらいに聞かされました。例の契約も金を積んで結んできた、と親しい会社の上役から聞いてます」

 

「5月、か……怪盗団が出てきた頃だけど――偶然かな」

 

 

 

 黒い仮面の仕業だとしたら、というのが前提だが……仄かに陰謀を感じるベレス。

 

 

 

「黒い仮面の力で、どこまで出来るか分かりませんが……小さな歪みを大きくできるとしたらパレスがある可能性はありますよね?」

 

「そうだね……留意しておくよ。でも今は金城に集中しよう」

 

「もちろん分かってます。先生や新島さんを助けないといけませんし」

 

「それじゃ、メメントスで皆を待とうか」

 

 

 

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ベレス

「全員揃ったね」

 

雨宮

「まずは、新メンバーを紹介する。3年の奥村春だ」

 

春

「奥村春です。美少女怪盗をやらせてもらってます」

 

真

「あ、それ今後もやっていくのね……」

 

竜司

「知らない先輩だ……俺は坂本竜司っす。よろしゃす!!」

 

杏

「私は――」

 

 

 

 竜司を皮切りに、昨日春と会ってないメンバーと自己紹介をしていく。

 

 

 

モルガナ

「それで、今日から金城パレスを攻略するんだよな?」

 

雨宮

「ああ。だがその前に作戦を説明しておきたい」

 

杏

「作戦? いつもと同じじゃないの?」

 

真

「いつもと同じく金城のみを改心しても、組織は残る可能性がある。金城の恩恵を受けていた半グレ集団を完膚なきまでに潰す。そのための作戦よ」

 

祐介

「ほう……潰すときたか。物騒だがまぁ、必要なことか」

 

かすみ

「聞かせてください!」

 

ベレス

「……雨宮君、お願い」

 

雨宮

「はい。本丸の作戦は予告状を送ってからの話になる。だが全体を通しての作戦は今日から始まる。

俺達怪盗団のやることはこれまでと変わらない。潜入ルートを確保して予告状を出して金城を改心させる。

 

ただしその際に別動隊が半グレの拠点を襲撃――いわゆるカチコミを行う」

 

モルガナ

「カチコミだと!?」

 

竜司

「別動隊って、誰が行くんだよ?」

 

雨宮

「先生とシェズさん。それと、八神探偵だ。現実で大人数相手に戦えるのはこの3人だけだからこれは確定」

 

シェズ

「まぁ当然の選択ね。私とベレスはフォドラ由来の魔法は現実でも使えるし」

 

ベレス

「いざとなればエーデルガルト達を呼ぶことも出来る」

 

祐介

「しかし、そうなると黒い仮面の対策が疎かになるが……」

 

真

「そこは私達で何とかするしかないわ。倒せなくても、オタカラを盗みきるまで時間稼ぎが出来ればいい。新戦力もいるしね」

 

春

「が、頑張ります!」

 

雨宮

「この作戦を実行するにあたって、まず当日の半グレ集団が利用する拠点を特定する必要がある」

 

ベレス

「そこに関しては私達が裏でやっておく。皆は気にしなくていいけど、把握はしておいてほしい。手順としては――」

 

 

 

 

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ベレス

「……こんなところかな。雨宮くん、他に何かある?」

 

雨宮

「いえ、特には。俺達はこれからカネシロパレスへ向かいます。先生はどうします?」

 

ベレス

「今日はメメントスで奥村さんの特訓をする。シェズも来てくれると助かる」

 

春

「えっ……二人きりって約束は?」

 

シェズ

「あんたが勝手に言ってただけでしょ……」

 

春

「あとあと、昨日は名前で呼んでくれたのに何でまた苗字呼びに戻ってるんです?」

 

ベレス

「あれは、切羽詰まってたからってだけだよ。苗字呼びにこだわって奥村さんを危険にするわけにはいかないし」

 

春

「うぅ……ド正論すぎて、何も言えない……」

 

 

 

 崩れ落ちる春を放置して、ベレスは雨宮に探索にあたっての指示を出す。

 

 

 

ベレス

「万が一黒い仮面――明智くんの襲撃があった場合は全力で逃げること。そのためにある程度余力を残して今日は撤退してほしい」

 

雨宮

「分かりました。今日はとりあえず様子見レベルでキリのいいところで切り上げます」

 

ベレス

「頼んだよ。それじゃ、私達も行こうか」

 

春

「はい……」

 

シェズ

「心配しなくても、私は構造(マップ)の把握だけしかしないし、邪魔するつもりもないから」

 

春

「本当ですか! ありがとうございます、シェズさん!」

 

ベレス

「……これは、ちょっと厳しくやらないといけないかな」

 

春

「先生と一緒なら、どんな試練もバッチ来いです♪ 行きましょう!」

 

 

 

 腕を組んで、体重を預けながらメメントスを降りていく春とベレスを、雨宮は鋭い眼光で見送る。

 

 

 

雨宮

「奥村春……危険だな。今のうちに排除しておくべきか……?」

 

竜司

「目がこえーよ……冗談だよな?」

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 一週間後、6月27日(月)。

朝の通勤時、ベレスと雨宮は廊下で出会う。

 

 

 

「攻略は順調かな」

 

「はい。今のところは黒い仮面も来てません。ただ、地上のパレスで視線を感じる気がして……」

 

「視線……か」

 

「俺以外は分からないと言ってたので、気のせいかもしれませんが……」

 

 

 

 自信なさげに呟く雨宮を、ベレスは肯定する。

 

 

 

「そういう感覚は大事にしたほうがいい。次は私も参加するよ」

 

「助かります。今日か明日の予定なので、都合の合う日に」

 

「今日で構わないよ。メメントスで落ち合おう」

 

「分かりました。では、また放課後で」

 

 

 

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   ・

 

   ・

 

 

 

 ベレスは職員室での事務作業に目途をつけて、帰り支度をはじめる。

ふと職員室の扉を見ると、3㎝ほど隙間がありそこから熱い視線を感じる。

 

 

 

(また、見られてるな。こんな表情のない女を見て、何が楽しいのか……)

 

 

 

 視線の主は分かっている。もちろん春だ。このところ毎日のことなのでもはや慣れっこになっていた。

カバンを手に取って、立ち上がると隣の席で椅子にもたれている川上に声をかけられる。

 

 

「ベレス先生、お帰りですか?」

 

「うん。川上先生は……なんかやつれてるね。大丈夫?」

 

「え? そ、そうかしら。今ちょっとダイエットしてるからかなー、あはは……」

 

「そうなの? ダイエットの必要があるとは思えないけど」

 

「ベレス先生に言われると、嫌味にしか聞こえないわね……」

 

 

 

 ベレスは川上にお疲れ様、と声をかけると職員室から出ていく。

それを見ていた春は慌てた様子でその場から離れる。鉢合わせにならなかったことに安堵していると、背後から真が低い声で声をかける。

 

 

 

「何 を し て い る の か し ら 、 春 ?」

 

「まこちゃん!?」

 

「つきまとい(ストーカー)はやめて、と言ったはずよね。先生が好きなのは分かるけど、コソコソするのは違うでしょ」

 

「う、うん……。でもほら、押しすぎもよくないって言うじゃない?」

 

「ストーカーを恋愛の駆け引きと一緒にしないで。全然違うからね?」

 

 

 

 真に呆れられてもなお、悪びれずに恋愛相談をはじめる春。

 

 

 

「分かってるけど……このままじゃいつまで経っても教師と生徒のままだもの。闇雲にやっても、先生の心は掴めない。

まこちゃん、どうしたらいいと思う? 胸を押し付けても全然手ごたえがないのよ、先生……」

 

「そりゃ、同じ女性だしね……。というか、私に聞かれても困るわ。異性恋愛すら経験ないのに、ましてや同性愛なんて……」

 

「そうよね……。別に今すぐ恋愛対象として見てもらえなくてもいいの。何とか良い印象を与えたいのだけど……」

 

「それだけなら――定期試験で良い結果を出すのが確実じゃない?」

 

「試験かぁ……確かに、それはそうかも」

 

 

 

 春は、真に「ありがとう!」と声をかけるとベレスを走って追いかけていく。

 

 

 

「先生~っ!!」

 

「……奥村さん? どうしたの。一緒に行く?」

 

「あ、はい。それはそうなんですが、その……先生。一つお願いを聞いてもらってもいいですか?」

 

「お願い……? いいけど」

 

 

 

 ベレスは首を傾げながらも春に話の続きを促す。

 

 

 

「私、これまで試験の結果は現国以外は平均点前後で……受験以外で勉強にそこまで打ち込んだことはありませんでした」

 

「うん」

 

「でも私、これからは先生のために勉強頑張ります。だから、試験でいい結果が出たら――私を『春』と(下の名前で)呼んでください!」

 

「なるほど。ふふ……分かった。いいよ」

 

 

 

 春の提案に思わず微笑を浮かべるベレスに、今度は春は首を傾げる。

 

 

 

「私、何かおかしなこと言いました?」

 

「いや、雨宮くんと同じことを言うものだから……」

 

「雨宮くんが……彼とも同じ約束を?」

 

「そう。彼の場合は学年1位が条件だけど」

 

「が、学年1位……!? 私じゃ絶対無理だぁ……」

 

「そんなことは……あ、でも3年は新島さんがいるのか」

 

 

 

 真は学年上位の常連で、1位を取ったことも何度かある。これを上回るのは、春の学力では至難の業だ。

 

 

 

「雨宮くんに負けたくないけど……学年30位以内でも許してくれますか?」

 

「いいよ。でも簡単にできることじゃないからね。私も協力するけど、今から始めないと」

 

「もちろんです。絶対、下の名前で呼ばせてみせますから!」

 

 

 

 胸の前で拳をグッと握って、決意表明をする春。

 

 

 

「ところで――もう春も皆と打ち解けて下の名前で読んでるのに、雨宮くんは苗字のままなのはどうして?」

 

「雨宮くんは……恋敵(ライバル)ですから」

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 カネシロパレス、地下大金庫。

巨大なサークル状の金庫が何層も重なる構造となっており、暗証番号を入力することで次の層の壁が開いていく仕組みが続く。

 

 非常に強固なセキュリティで、当然ながら警備も厳重だ。

監視カメラもところどころに設置されており、少しでも写れば警戒度上昇と共にシャドウがやってくる。

 

 

 

「こっちだ」

 

「よし、ジョーカーに続け!」

 

 

 

 雨宮、モナ、真、竜司が今は前衛(メイン)パーティとして動く。

後衛(サブ)メンバーはセーフルームで待機、もしくは戦闘時の逃走経路確保に備える。

 

 ベレスはその最後方で支援しつつ、雨宮達の仕事ぶり、戦いぶりを観察する。

 

 

 

(ずいぶん様になってきた。シャドウも手強くなってきたけど、かなり安定して戦えている)

 

 

 

 慣れてきたからこそ、油断は生じる。以前は大丈夫だった、などといった成功体験が判断を曇らせる。

雨宮にも、他のメンバーにもベレスは口酸っぱく言っているが、集中力と緊張感を保つのは難しい。

 

 

 

「……まただ」

 

 

 

 雨宮が地上で感じたという視線。あれは気のせいではなく、ベレスも確かに見られていると感じた。

 

 その視線を、空の上のパレスでも時折感じる。

ただし巧妙に隠れていて、位置まではベレスでもはっきりとは分からない。

 

 

 

(黒い仮面(明智くん)かな。でも、1人じゃないような気がする……)

 

 

 

 黒い仮面がシャドウ以外に仲間を連れてくるとは思えない。彼は単独犯であるはずだと、ベレスは考える。

しかし、彼以外に怪盗団の存在を知る人物が思い浮かばないのもまた確かだ。

 

 

 

(そしてなぜ仕掛けてこないのか……こっちが疲弊するのを待っている?)

 

 

 

 ベレスがそんなことを考えていると、雨宮達は暗証番号を手に入れて次の層の壁を開いていた。

そして、一行は一番外側にあるセーフルームに戻る。

 

 

 

「ふぅ……。やっと一息入れられるぜ」

 

「次はメンバーを変えよう。フォックス、パンサー、ノワール。準備を頼む」

 

「「「了解」」」

 

 

 

 春のコードネームは『ノワール』に決まった。フランス語で黒を意味する言葉だ。

装備を確認しながら、春がベレスにいそいそと近づいてくる。

 

 

 

「険しい顔してますね、先生(マスター)」

 

「……まぁね。もし視線の相手が黒い仮面なら苦戦は必至だ。今日はシェズもいないし……」

 

「その時は私達も戦います。ね、みんな」

 

「たりめーだろ!」

 

「ああ、先生(マスター)だけに任せるつもりはない。いずれは俺達だけで戦えるようにならないといけない」

 

「……ありがとう。頼りにさせてもらう」

 

「先生(マスター)が安心できるぐらい、私達強くなりますから。見ててくださいね!」

 

 

 

 春はベレスの手を握って、バチンとウインクしてみせる。

 

 

 

「おい、ノワール。先生(マスター)にべたべた触れるな」

 

「あらジョーカー。男の嫉妬はみっともなくてよ?」

 

「嫉妬じゃない。規律が乱れるから言ってるんだ。新入りらしく、大人しくしていろ」

 

「規律ねぇ。男の自分じゃこういうことできないから、羨ましいんでしょ?」

 

 

 

 春はベレスの背中に密着して、腰に手を回す。

 

 

 

「……必死だなノワール。既に関係性を築いている俺に負けるのが怖いらしい」

 

「怖がってるのは貴方でしょう? 心配しなくても、この程度のスキンシップで先生が揺らぐことはありません」

 

「そう思うならべたべたするのはやめろ」

 

「好きな人に触れたい、そばにいたいって思うのは普通のことでしょ。拒否されないなら、我慢するなんておかしなことよ」

 

「それは先生(マスター)の優しさに甘えてるだけだろう。振られても想い続けるのはいい、俺もそうだ。だからこそ、弁えろと言っている」

 

「何を言われようと、これが私の好意の伝え方よ。自分が不器用だからって、私に自分のやり方に押し付けないで」

 

 

 

 

 言い合いを続ける二人はそのうち、どちらがベレスと関係が深いかを競い始める。

 

 

 

「先生(マスター)との付き合いは俺が一番長い」

 

「貴方転校生でしょ。単純な期間で言えば、3年生の私のほうが長いと思います」

 

「俺は先生の家で授業を受けた。一度や二度じゃない、何度も」

 

「ふ、ふーん。まあ私も知ってるけどね、先生の家は……GPSで……」

 

「次の試験で学年1位を取れば、下の名前で呼ぶと約束した」

 

「それは私も同じ……私は30位以内だけど……でも、1回だけ下の名前で呼んでくれたこともあるんです!」

 

 

 

 

 その様子を見かねて、モルガナがベレスの足元にやってきて「おい、何とかしろよ」と囁く。

 

 

 

「――二人とも、そこまでだ。好意の強弱は論じても意味がない。想いが強ければいいなら、世のストーカーは逮捕されていない」

 

「そうだぜ、オマエら。つまらねーことでマウントとってんじゃねーよ。なぁ、フォックス」

 

「ああ。下の名前で呼ばれただの、個人授業を受けただの……実にくだらないな。俺はヌードを見ているが?」

 

「ワガハイに至っては一緒に風呂に入ったこともあるし、裸なら2回は見てる」

 

 

 

 二人の特大のマウントに、雨宮と春は顔を見合わす。

 

 

 

「どうするノワール。こいつら……処すか?」

 

「ふふっ、初めて意見が合ったわね……もちろん、処します」

 

「いい加減にしなさい。……ちょっと外を見てくるよ」

 

 

 

 ベレスの強めのデコピンを受けて蹲る二人をよそに、ベレスはセーフルームから抜け出す。

 

 

 

「お前ら、仲良くしろよな。恋敵ってのは分かるけどよ」

 

「ああ、分かってはいる。すまない、みんな。ノワールも」

 

「こちらこそごめんなさい。ジョーカー、仲良くする努力はしましょう? 同じ人を好きになったのだもの、気は合うはずだし」

 

「……そうだな。報われないとしても、先生(マスター)に近づきたい。その想いは同じだ」

 

 

 

 雨宮と春が仲直りの握手を交わしていると、ベレスがセーフルームに戻ってきた。

 

 

 

「どうでした?」

 

「これまでと同じだね。こちらの様子を伺っているのは分かる。そして、位置はやっぱりはっきりしない。

相手が人間なのは確かだし、セーフルームに長居するのはあまりよくない。シャドウは入ってこれないけど、人間なら――」

 

「あ……人間ならセーフルームに入って来れる……確かにそうですね」

 

「こんな狭いとこでマシンガンでもぶっ放されたらやべー……でも何でそうしてこねーんだ?」

 

「機を伺っているのか、本気で排除するつもりはないのか。分からないけど、いつ仕掛けてきても対応できるようにしておこう」

 

「はい。メンバーはさっき言った通りだ。準備は?」

 

「問題ない」「大丈夫!」「行きましょう、ジョーカー」

 

 

 

 雨宮は頷いて、セーフルームを後にした。

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 探索の末、雨宮達は2層目の暗証番号を手に入れる。視線の主はまだ仕掛けてはこない。

今回はセーフルームで襲撃される可能性も考慮して、前衛と後衛の2パーティに別れている。

 

 

 

「襲撃を警戒しながらだったし、時間かかっちゃったね」

 

「今日はこの辺りでやめておこう。セーフルームに立ち寄って、撤収準備だ」

 

 

 

 雨宮の判断に他のメンバーも頷く。地下大金庫のエリアに戻ろうとしていると、後衛パーティを指揮していたベレス達が近づいてくる。

 

 

 

「先生(マスター)?」

 

「視線を感じなくなった。恐らく、地下大金庫のエリアで待ち伏せされている」

 

 

 

 ベレスの発言に、否応なく緊張感が高まる。

 

 

 

「分かりました。出来うる限りの戦闘準備を」

 

「お願い」

 

 

 

 雨宮がパーティの入れ替えや体力/魔力(HP/SP)の回復をして、地下大金庫へ戻る。

そこにはベレスの予想通り、二人の男が待ち伏せしていた。

 

 

 

「そこまでだ、怪盗団!」

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 妙なことになったな、と明智は怪盗服に身を包んだ善吉を眺めながら思う。

3日前の金曜日、善吉にメメントスに迷い込んだことを打ち明けられたのが始まりだ。

 

 善吉は別件で捜査中にメメントスに迷い込み、そこで犯人のシャドウと相対してペルソナに目覚めたらしい。

そしてシャドウと戦った結果、犯人を改心してしまった……そんな与太話を高校生相手に話す中年男性の姿はなかなか愉快ではあったと明智は述懐する。

 

 もちろん明智はパレスもメメントスの存在も知っているが、善吉の知る明智はそうではない。

訝しむ明智がメメントスに連れて来られた時、知らない演技をするのは苦労した。

 

 

 

「おい明智、奴らが動いた。行くぞ」

 

「……ええ」

 

 

 

 怪盗団の正体を秀尽高校の生徒とアタリをつけて、学生を食い物にしている金城のパレスに辿り着くのは早かった。

金城の客でなければ銀行のパレスには入れないが、地上をうろついている認知上の客(墜とされていない、普通の客)を見つけ潜入することに成功した。

 

 攻略は怪盗団に任せ、監視に徹すると決めて今回で2度目の潜入。

 

 

 

「長谷川さん、本当に戦う気ですか? こっちは2人ですし、経験も浅い。条件をつけても勝てるとは思えませんが」

 

「何度も言わせるな。勝ち負けじゃねぇ、怪盗団を見極めるために戦うんだ。あいつらが面白半分で力を使ってるのか、信念を持って改心しているのかをな」

 

「少年漫画じゃあるまいし……普通に議論とか尋問でよくありません? 不器用ですよね、長谷川さんって……」

 

 

 

 呆れながらも、強く反対はしない。明智としても怪盗団は気になる存在ではある。

特にリーダーの雨宮蓮とはテレビ局での討論から交流を持っている。

もし明智が黒い仮面と分かりながら交流しているなら大した胆力の持ち主だと思う。

 

 そして、実質的リーダーと思われる非常勤講師のベレス。

かねてからパレスやメメントスに潜ってきた明智をも凌ぐ強さには舌を巻いた。

怪盗団における彼女の功績は大きい。特に証拠らしい証拠を残していないことで、ただでさえ困難な立件を難しくしている。

 

 

 

「あいつら、暗証番号を手に入れたみたいだな。よし明智、先に上に戻って待ち伏せるぞ」

 

「了解」

 

 

 

 そして、明智と善吉は怪盗団の前に姿を現した。ただし明智は、以前とは違う姿だ。

黒い仮面とは対照的な、真っ白な貴公子のようなスーツと赤いマントに赤いペストマスク。2種類の怪盗服を持つのは明智ぐらいのものだろう。

 

 

 

「あの白いヤツ……まさか」

 

 

 

 善吉よりも明智の登場に怪盗団は騒めく。どういうわけかは知らないが、明智が黒い仮面ということは既に露見しているらしい。

 

 

 

「怪盗団、お前たちに決闘を申し込む。リーダーはお前だな?」

 

「そうだが……一応聞いておこうか。お前たちは何者だ?」

 

 

 

 雨宮が問いかけると、善吉が名乗りをあげる。

 

 

 

「俺は長谷川善吉。警察庁公安部の者だ」

 

「僕は探偵の明智吾郎だ。知ってる人も多いかな」

 

 

 

 公安がパレスまで来たことに動揺する怪盗団。だがベレスと雨宮は冷静に対応する。

 

 

 

「決闘――というのは1対1で戦うということでいいのかな」

 

「そうだ。俺はお前……ジョーカーとか言ったか? お前と戦う」

 

「僕は……どうしようかな」

 

 

 

 明智がちらりと視線を向けると、ベレスが息を吐きながら前に出る。

 

 

 

「私が相手をする。皆は下がってて」

 

「了解……気をつけて、二人とも」

 

 

 

 真が仲間を下がらせると、雨宮と善吉が仮面に手をかけて戦闘が始まる。

それを横目に、明智とベレスは二人から距離を取って剣を抜いた。

 

 

 

「明智くん……それとも黒い仮面と呼んだほうがいい?」

 

「ハハッ、明智でいいですよ。凄いな、もうバレたのか……どこで気付きました?」

 

「社会科見学の時、現実で普通は聞こえない猫(モルガナ)の声に反応したこと。あれで確信した」

 

「なるほど。迂闊でしたね……っと!」

 

 

 

 ベレスが中段の構えから、剣を横薙ぎに振るう。明智はいち早く攻撃の予兆に気付いて、素早く後退り回避する。

 

 

 

「危ないなぁ。今、殺す気でしたよね?」

 

「キミなら躱せると思った。その強さは信用してるから」

 

「もしかして怒ってます? 言っておきますけど、今回に関しては邪魔するつもりじゃありませんでしたよ」

 

 

 

 そう言って、明智はジョーカーと戦う長谷川のほうに視線を向ける。

 

 

 

「長谷川さん……彼に誘われてここに来た、と?」

 

「ええ。色々と危なっかしいんで、適当に演技をして白い仮面(この姿)で覚醒したふうに長谷川さんは認識してますね」

 

「キミは二つの姿を持っているの? もしかして、ペルソナも違う?」

 

「ええ、まぁ……見ます?」

 

 

 

 明智は仮面を剥がすと、巨大な弓を背負った偉丈夫が顕現する。

 

 

 

「――貫け、『ロビンフッド』!!」

 

 

 

 高名な義賊の名を冠したペルソナの弓から、光線状の破魔魔法が放たれるがベレスは冷静に身体をひねって回避する。

 

 

 

「これが僕のもう一つのペルソナ……でも、僕は彼――ジョーカーと違ってペルソナを複数持ってるわけじゃないんです」

 

「……どういうことかな」

 

「二つのペルソナではなく、ペ(・)ル(・)ソ(・)ナ(・)の(・)形(・)が(・)ふ(・)た(・)つ(・)あ(・)る(・)だけなんです。ロキとロビンフッド、ほとんど性能は同じなので」

 

「キミの二面性を現したペルソナ……というわけか」

 

 

 

 明智はペルソナを戻すと、再び長谷川と雨宮の戦いに視線を向ける。

 

 

 

「あっちはやっぱり彼が優勢みたいですね。長谷川さんが負けたら連れて帰るんで、今日は勘弁してくれませんかね」

 

「それは構わないけど……その代わり、こっちのお願いも聞いてほしい」

 

「……何です?」

 

「これ以上、罪を重ねないでほしい」

 

 

 

 真剣なベレスの言葉に、明智は首をすくめる。

 

 

 

「それは……お約束しかねますね。命令されれば、僕は力を使う。人の命を奪うことになっても」

 

「やっぱり、精神暴走事件はキミの意志で起こしたわけじゃないんだね」

 

「指示されたのは確かですが、僕の意志が介在していないわけじゃありませんよ。この力を『奴』に売り込んだのは僕ですし」

 

「その呼び方――黒幕に心酔してる訳じゃなさそうで安心したよ」

 

 

 

 明智は反論せずに再び剣を抜いて斬りかかる。ベレスは剣を合わせてそれを受け止める。

 

 

 

「というか、僕が罪を重ねようが貴女には関係ないでしょう? 僕を止めたいならそれこそ、お得意の『改心』でもすればいい」

 

「キミが大人ならそうしてたかもしれない。でも、キミはまだ大人じゃない。心配なんだ、1人の大人として――おかしい?」

 

「少なくとも、一度殺されかけた相手にかける言葉とは思えませんね」

 

「昨日殺し合った相手と別の戦場で味方になることは、傭兵ではよくあることだよ」

 

 

 

 鍔迫り合いの形になったが、明智が溜め息を吐いて剣を引く。

 

 

 

「僕は止まりませんよ。目的を果たすまでは……どうしても止めたいなら、『改心』するなり、殺すなりするしかありませんね」

 

「……『改心』はしない。殺すつもりもない。キミが止まらないなら……人を正しい道に導く教師として、本当の意味で改心させる」

 

「やってみてくださいよ……出来る物なら」

 

 

 

 その時、雨宮が勝ったのか善吉の呻き声が二人の耳に届く。

明智はベレスから離れ、善吉の元へ向かう。

 

 

 

「あ、明智……悪い、負けちまった。そっちは……どうだ?」

 

「僕は戦ってませんよ。戦う理由、ないですから」

 

「お前な……あいたた」

 

 

 

 善吉は傷を押さえながら、よろよろと立ち上がる。

 

 

 

「怪盗団……これからも俺達はお前らを見ているぞ(監視する)。お前らの正体は凡そ分かっている。そうだな、明智」

 

「ええ。つまり、逮捕はいつでも出来る。『改心』での立件は難しいでしょうが」

 

「お前らがこのまま、悪人だけを改心するなら泳がせておいてやる。だが、結果がどうあれ改心は正しい手段じゃねえ……それは分かってるな?」

 

 

 

 善吉が雨宮に水を向けると、雨宮は頷く。

 

 

 

「ああ。怪盗団が正しいことをしているとは思っていない。だが、間違ったことをしているつもりもない」

 

「分かっているならいい。帰るぞ、明智」

 

「ええ……肩、貸しましょうか?」

 

「いらねぇ。行くぞ」

 

 

 

 善吉と明智が連れ立って去っていくのを見送ると、入れ違うようにベレスが戻って来る。

 

 

 

「先生(マスター)!!」

 

 

 

 雨宮が声をあげ、怪盗団が駆け寄る。

 

 

 

「無事でしたか」

 

「戦ってないからね。少し手合わせしただけだ――ジョーカーは、怪我は?」

 

「問題ありません。明智とは何を?」

 

「少し話したけど、彼の意志は固い……止まってくれる気はなさそうだ。今のところは邪魔をするつもりもないようだけど」

 

 

 

 ベレスは明智と話して分かったことを怪盗団に共有する。

 

 

 

「これで黒い仮面にも、長谷川さんにも妨害されることはない……これで落ち着いてパレスを攻略できるわね」

 

「そうだな。このまま潜入ルート確保といきたいが……流石に少し疲れた。次回に持ち越しにしたい」

 

「異議はない。今日はこれで終いにしよう」

 

 

 

 カネシロパレスの潜入ルート確保まであと2、3割といったところで怪盗団は撤退を決めた。

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 翌6月28日は休養日とし、6月29日に再び怪盗団はパレスへ足を踏み入れ、潜入ルートを確保する。

現実で恐らく善吉と思われる視線は感じたものの、特に妨害はなくスムーズに事は終わった。

 

 さらにその翌日に、メメントスの改札口で怪盗団は集まる。

 

 

 

真

「いよいよね……先生(マスター)、首尾は?」

 

ベレス

「問題ないよ。黒い仮面の妨害もないなら、怪盗団側の懸念もない。そっちはジョーカーとクイーンに任せるよ」

 

祐介

「決行は7月6日だったな。それまでは英気を養うとしよう」

 

雨宮

「ああ。今回は予告状を大量に作る必要もないしな」

 

 

 

 一週間ほどの余暇をどう過ごそうかとそれぞれ思案する中、ベレスが教師としての言葉を告げる。

 

 

 

ベレス

「試験勉強も忘れずにね。7月13日から期末試験だから」

 

竜司

「うげ……そういやそうだったな……」

 

かすみ

「今回も勉強会はやるんですか?」

 

ベレス

「うん、金城の件が片付いたらね。人数も増えたし、ルブランを貸し切ってもいいかもしれない」

 

モルガナ

「あの屋根裏じゃ狭すぎるからな、いいと思うぜ」

 

春

「ジョーカー、あなた屋根裏に住んでるの……?」

 

雨宮

「おい、憐れんだ目で見るのはやめろ」

 

竜司

「勉強会かー……嫌なわけじゃないけどな。先生に教えてもらうのは嬉しーし……でもテンションはあがんねーわ」

 

杏

「試験終わったら夏休みがあるじゃん!」

 

真

「その前に花火大会もあるはずよ。確か、18日だったかしら」

 

竜司

「おお……そういやそんなのもあったな。それをモチベにカネシロと試験頑張っか~」

 

 

 

 竜司がこぼした言葉に、春が思いついた顔をしてベレスのほうを見る。

 

 

 

春

「それも楽しみだけど、私としては先生からのご褒美もあっていいと思うの」

 

ベレス

「ご褒美?」

 

春

「試験結果が良かったら苗字じゃなくて名前で呼んでもらうって話がありましたよね? 先生と、私とジョーカーの間で」

 

ベレス

「うん」

 

春

「でも、私達だけ名前呼びって不公平だし、不自然だと思うんです」

 

ベレス

「まぁ……そうだね」

 

雨宮

「待て。別に普段から名前呼びにするわけじゃなく、二人の時だけ――」

 

春

「ジョーカーは黙ってて。ねぇ、皆も気になってたでしょ? 先生が頑なに苗字呼びなこと」

 

祐介

「確かに……」

 

モルガナ

「ワガハイは普通に名前呼びだけどな」

 

竜司

「おめーは苗字ねぇからだろ!」

 

かすみ

「私も実は名前で呼んでもらってますね……」

 

ベレス

「ヴァイオレットは少しだけ皆より付き合いが長いから……妹さんとの区別もある」

 

真

「そういうことだったのね……」

 

杏

「私とジョーカーとスカルはもう3か月にもなるし、そろそろ名前で呼んでくれてもいいのにとは思ってた。でも先生と生徒だし、そういうものかなって」

 

春

「線引きは大事よ。でも私達って、怪盗団っていう大きな秘密を共有する間柄でしょ?

友達とかクラスメイト、先生と生徒じゃなくて『仲間』だと思うの。名前で呼ぶぐらいの気安さはあっていいはず。そう思いません? 先生」

 

ベレス

「……それで、要求は何?」

 

春

「試験結果のご褒美って言いましたけど、それはやめて……まず金城の改心。これが滞りなくうまくいけば全員を名前で呼ぶってのはどうです?

今回初めてオタカラは私達だけで盗るんですし、これくらいの褒美が妥当なんじゃないかと」

 

雨宮

「――となると試験結果のご褒美はどうなるんだ……ノワール、お前まさか」

 

春

「先生。私、先生のためなら試験勉強頑張ります。でも、名前で呼んでもらうだけじゃきっと限界の手前で止まってしまうと思うんです。

先生もより良い結果が得られるなら、そのほうがいいですよね?」

 

 

 

 春の問いかけにベレスは黙って頷く。

 

 

 

ベレス

「無理して苦しんで勉強するよりは、モチベーション高く取り組んでくれるほうがいいのは確か。

それで、春は私にどうしてほしいの?」

 

春

「……二人きりでのデートを希望します。私とジョーカーだけじゃなくて、全員と個別に」

 

雨宮

「デート……だと!?」

 

ベレス

「身構えてたけど、そんなことで本当に頑張れるの?」

 

春・ジョーカー

「「当然です!!」」

 

真

「声でっか……」

 

ベレス

「まぁ、キミ達二人はそうかもしれないけど、他の皆はそれぐらいでモチベーション上がるの? 私と遊んでも面白くないと思うけど」

 

 

 

 ベレスは首を傾げるが、皆はそんなことはないとばかりに首を振る。

 

 

 

祐介

「ベレス先生は些か自己評価が低すぎるきらいがあるな。先生と二人になれる機会が得られるなら、俺は2週間までなら筆を置く覚悟がある」

 

竜司

「俺も先生と遊びに行けるならいつもより気合入っちまうかも……」

 

杏

「私もデートしたい。先生と一緒におしゃれな服買いに行ったりスイーツ巡りしたりしたいなーって思ってた。わがまますぎるから言わなかったケド」

 

真

「わ、私だって……先生と映画見に行ったりしたいわ。デートの解像度が低すぎて今は映画ぐらいしか思い浮かばないけど」

 

かすみ

「そうですよね……私も是非お願いしたいです! 私の場合はプール行ったり、あとはジムとかサウナとか……色々ですね!」

 

ベレス

「そうか……。それで皆が力を発揮できるなら、私としても吝かじゃないよ」

 

モルガナ

「おい、ワガハイもベレスとデートしたいんだが?」

 

竜司

「オメーは試験受けないだろが」

 

モルガナ

「ならワガハイにも試験を受けさせてくれ。スカルよりは良い点取れる自信があるぜ」

 

竜司

「んだとォ!!? 絶対負けねぇ、吠え面かかせてやっからなテメー」

 

 

 

 竜司とモルガナが言い争い、睨み合うのを横目にベレスが溜め息を吐く。

 

 

 

ベレス

「……ジョーカー、任せてもいいかな。答案用紙は渡すから」

 

雨宮

「あ、はい」

 

ベレス

「それじゃ、それぞれ目標を聞かせてくれるかな。達成できるか微妙なラインで」

 

雨宮

「俺は前に言った通り『学年1位』ですね」

 

春

「私は『学年30位以内』――ですけど、言い出しっぺですしそれ以上目指して頑張ります!」

 

真

「私もジョーカーと同じ『学年1位』ね。というか、そこ以外目指しようがないし」

 

杏

「えっと……『クラス15位以内』とかでもいい?」

 

竜司

「俺もそれぐらいで……ってかそれでも正直キツい。けど頑張るんで!」

 

祐介

「俺はそうだな……ノワールと同じぐらいなら何とかいけるかもしれん」

 

かすみ

「そうですね……私もノワール先輩と同じでお願いします」

 

モルガナ

「そしてワガハイは、『スカルを上回る』だ!」

 

ベレス

「分かった。それじゃ、まずは金城の改心。そして期末試験――期待してるよ」

 

 

 

 ベレスが締めくくると、全員が良い返事を返してその場は解散となった。

 

 

 

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