フィレネの花と騎士の誓い ファイアーエムブレムエンゲージ 作:kim
今から10年ほど前、肥沃な大地に恵まれたフィレネ王国が天候の影響で凶作の年があり、国民は飢えていた。
フィレネの辺境、貧しい村で生まれたキムランは痩せた土地を小さな身体で必死に耕していた。花は枯れ村人達は絶望し、命の灯火も消えかかる。
そこへイヴ女王がフィレネの国民を見殺しにはしないと幼いセリーヌを連れて現れたのだった。
セリーヌは自ら土と埃にまみれ物資を運び、キムランに温かい紅茶を渡し「お茶飲むと元気になるわよ」と笑顔で渡してくれた。
その純粋な優しさに心打たれ「セリーヌ様の騎士になる!」と決意したキムランは村を離れ、剣術、魔法、馬術を鍛え、立派なマージナイトとして10年の時をへて村に戻っていた。
だが、村は異形兵に襲われる。必死に戦うが彼一人では抗えず倒れそうになった瞬間、神龍リュール軍が現れ村を救った。
その中には果敢に挑み傷を負いながらも村人達を守るセリーヌもいた。
その姿を見つけるとキムランの鼓動が強くなる。「まさかこんな所でセリーヌ様に会えるなんて……!これはチャンスだ!」
戦いの後「俺、キムランと申します! 村を救ってくれた恩を返すため、あなたの騎士となって力を貸したいんです!」と熱く志願する。
突然の志願にセリーヌの臣下であるルイは警戒する。アルフレッドが「村を守るために戦っていたのは事実だ。それに今は少しでも戦力が欲しい。手練なら特にだろう」とルイをなだめる。
セリーヌは優雅に微笑み「あなたの熱意は素敵ね。でもまずは軍で力を見せてくださいね」と手を差し出した。
その笑顔を見た瞬間、キムランの脳裏に幼い日の彼女が浮かんだ――土と埃にまみれ『お茶飲むと元気になるわよ』と笑う姿が。あの時と同じだ…! と胸が高鳴り、『この命!セリーヌ様のために!』と心に誓った
こうしてキムランはセリーヌに恩を返すためにリュール軍に加わったのだった。
リュール軍に参加したキムランだったが新参者の彼がセリーヌの騎士にはなれる訳もなく、一般兵として戦っていた。
そんな折、リュール軍は敵の大軍と激突し、戦場は混乱に包まれていた。セリーヌは「フィレネの雷よ、敵を貫きなさい!」とエルサンダーで異形兵達を攻撃。ルイは「セリーヌ様、私が盾に!」と前衛を固め、クロエが「私が上空から!」とペガサスで敵を牽制した。だが、敵の奇襲で陣形が崩れ、セリーヌは孤立し、囲まれてしまう。「この状況……まずいわね」と剣を握り直し、体が震えた。
遠くでそれを見つけたキムランは「セリーヌ様が危ない!」と馬にムチを打ち敵軍に突撃。雷魔法で剣士を吹き飛ばし、弓兵に剣を振り下ろした。
「セリーヌ様!」と手を差し伸べ、彼女を馬に乗せる。敵陣を切り抜けながら「掴まってください!」と声を張り上げた。
セリーヌは「貴方は……キムラン!?」と驚き「ありがとう…助かったわ」とキムランの背中に掴まる。
キムランは「あの時の恩を……セリーヌ様を守る!」と胸を熱くした。