フィレネの花と騎士の誓い ファイアーエムブレムエンゲージ   作:kim

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13.プロポーズ

フィレネの復興作業がひと段落したある日、セリーヌは執務室で書類を片付け終え、そばに立つキムランに柔らかく声をかけた。窓から差し込む夕陽が部屋をオレンジ色に染め、静かな空気が二人を包む。

 

 

「ねえ、キムラン?私達もそろそろ関係を進めてもいいと思わないかしら?」とセリーヌが穏やかに言う。

 

その言葉は、キムランとセリーヌの結婚を意味していた。

 

彼女の瞳には愛情と少しの期待が宿り、長い髪が風に揺れる姿が優雅で愛らしかった。

 

キムランはその言葉を聞いて一瞬目を丸くし、心臓がドキッと跳ねた。

 

セリーヌの真剣な眼差しに胸が温かくなる一方で、ソルム王国での出来事が脳裏をよぎる。

 

彼の視線が一瞬遠くに彷徨い、過去の記憶が鮮やかに蘇った。

 

 

 

 

キムランがソルム王国に一人で旅立ち、彼は交易交渉のためにソルムの大臣と会談していた。

 

木製の長テーブルに地図や書類が広げられ、穏やかな雰囲気の中で話が進む。

 

そんな中扉が開き、ソルム王子のフォガードが現れた。かつてリュール軍で共に戦った仲間だ。

 

 

「やあ、キムラン!君が来てるって聞いて会いにきちゃったよ」とフォガードが明るく笑いながら近づく。

 

気さくな態度が懐かしさを呼び起こした。二人は和やかに戦場の思い出を語り合い、キムランも笑顔で応じる。

 

 

すると大臣が会話を遮るようにキムランに近づき、こっそりと耳打ちした。

 

「ぜひ今後のために、フォガード王子とセリーヌ王女の婚姻関係などいかがですか?両国の絆がさらに強まりますよ」

 

その提案にキムランは目を丸くし、言葉に詰まる。

 

頭が混乱し心がざわついた。

 

 

フォガードはキムランの表情を見てすぐに察し、大臣に軽く手を振って止めた。

 

「そんな事いきなり言われても困るよな!」

 

彼の声は優しくもはっきりしていて、大臣は「失礼しました」と小さく頭を下げて去った。

 

 

大臣が部屋を出た後、フォガードはキムランに肩を叩き笑顔で言った。

 

「ああは言ってたけど気にする必要はないよ。ソルムは自由の国だからね。結婚相手も自分で決められないなんてらしくないさ。

君とセリーヌが幸せなら、それでいいじゃないか」

 

その言葉にキムランは安堵し「ありがとうございますフォガード王子」と小さく微笑んだ。

 

ソルムの風が窓から吹き込み、二人の間に穏やかな空気が流れた。

 

 

 

そんなソルムでの記憶を思い出しつつ、

記憶から現実に引き戻されたキムランは、セリーヌの期待に満ちた瞳を見つめる。

 

彼女の言葉が胸に響き「セリーヌとずっと一緒にいたい」という気持ちが溢れる。

 

でもソルムでの出来事が頭を離れず、彼は一瞬考えるように目を伏せた。

 

 

「セリーヌ…気持ちはほんと嬉しいです。でも、少しだけ考えさせてください」とキムランが静かに言う。その声には真剣さと優しさが混じり、彼女への愛情が滲んでいた。

 

 

セリーヌは予想外の答えに一瞬目を丸くし、唇が小さく開く。

 

内心ではと驚きつつも、すぐにその表情を優雅な微笑みに変える。

 

「焦りすぎてたわね」と柔らかく返した。

 

彼女の声は穏やかで、キムランを責める気配はなく、ただ彼の気持ちを尊重する優しさが感じられた。

 

長い髪を軽くかき上げ、窓の外に目を向ける彼女の横顔は、気高くも愛らしかった。

 

 

部屋には夕陽の温もりと、ほのかな沈黙が漂う。

 

キムランは「セリーヌを悲しませちゃったかな…」と胸が締め付けられる思いを感じつつ、彼女の微笑みに安堵する。

 

 

 

 

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