フィレネの花と騎士の誓い ファイアーエムブレムエンゲージ 作:kim
キムランは前回の戦いでセリーヌを救った功績で、正式にセリーヌの騎士に昇格する事ができたのだった。
休息日にセリーヌがお茶会を開く。丸いテーブルに白いクロスを引き、ポットとティーカップ、皿にはクッキー等のお菓子が綺麗に並べてある。
茶葉を入れたらポットにセリーヌが丁寧にお湯を注ぐと華やかないい香りが広がる。
「皆さん、集まってくれてありがとう。今日はキムランの歓迎会です。少しですがお茶とお菓子を用意しましたわ」と紅茶を注ぎ皆に配る。
ルイ、クロエ、キムランが卓を囲む。
紅茶を注ぎ終えるとセリーヌも席に着き「あなたの様な方が私の騎士になってくれて……本当に嬉しいわ」とキムランに微笑んだ。
キムランはティーカップを手にし
「実は子供の頃、村でセリーヌ様に助けられたんです」と切り出した。
「不作で貧しくて…そこにイヴ女王様とセリーヌ様が来てくれて、セリーヌ様自ら泥だらけになりながら物資を運んで、俺にお茶をくれて……あの時の紅茶を飲んだ時の感覚は今も忘れてません。俺、その事がきっかけでセリーヌ様の騎士になるって決めたんです」と熱く語る。
セリーヌは「おや…? そんなことが?」と目を丸くする。少し悩み、記憶を探るが曖昧で、ごめんなさい覚えて無くてと少し俯いた。
キムランがそうですよねと、落ち込んだように言葉を詰まらせると、ルイが「セリーヌ様、あの年はそういった村が沢山ありましたからね」とすかさずフォローする。
「フィレネ全体が凶作により食料不足で……セリーヌ様は大好きな紅茶やお菓子を一口も食べず、村に分けるよう指示しました。イヴ女王様と共に自らの脚で村を回り、手助けしたんです」と静かに語る。
穏やかな声に、キムランは「そんなことが……!」と目を潤ませた。
セリーヌは「そんな、当たり前のことをしただけよ」と謙遜し
「皆が元気になってくれれば…それで良かったわ」と微笑んだ。長い髪が揺れ、柔らかな表情が愛らしい。
クロエが「セリーヌ様、昔から優しいんだね! キムランの一途さも、まるでおとぎ話みたいで素敵だよ!」と朗らかに笑うと、セリーヌが「そうかしら……?」と照れた。
さらに「あの時はお兄様も鍛錬だと言って畑を耕して回ってたわね」と笑い出す。「お兄様ったら、汗だくで笑ってて…可愛かったわ」と目を細める。
その愛らしい笑顔に、キムランは「セリーヌ様…すごい…!」と胸を打たれ「もっと強くなってこの方を守りたい!」と憧れが深まったのだった。