フィレネの花と騎士の誓い ファイアーエムブレムエンゲージ   作:kim

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5.甦る、甘い、淡い記憶

キムランはセリーヌに「今夜、私のテントに来て」と呼び出さていた。胸を高鳴らせながら夜のテント前に立つ。

 

「セリーヌ様と二人で…何だろう?」と頬が熱くなり、心が弾む。

 

「セリーヌ様!」と呼ぶが返事がない。

 

静寂に不安が募り「何かあったんじゃ…?」と息を呑む。

 

意を決して「失礼します!」とテントを開ける。

 

すると、セリーヌが着替え中で、美しい滑らかな肌と白い下着姿の彼女が夜の薄明かりに浮かんだ。

 

「え、ええっ!?」と目を丸くし「申し訳ございません!!」と叫んで慌てて後ろを向く。

 

心臓がドキドキと暴れ、顔が真っ赤に。

 

「セリーヌ様の…肌が…綺麗すぎて…!」と頭が真っ白になる。

 

セリーヌは「きゃっ!」と小さな悲鳴を上げ、手で胸を隠すが、

「わたしも返事をしなかったから……悪いわ」と咎めず、頬を染めて服を急いで着る。

 

「もう…大丈夫よ、キムラン」と優しく笑う。

 

その愛らしい声と笑顔に、キムランは「なんて優しいんだ……!」とさらにドキドキしてしまう。

 

彼女が「座ってくださいね」と促すとカモミールティーを入れてキムランに渡す。テント内を甘く華やかな香りが包み込む。

 

「あなたの過去…もう少し詳しく聞かせて」と柔らかな目で見つめる。

 

キムランはテント内に腰かけると「子供の頃、村でセリーヌ様に助けられて…」と語り

「『笑顔がぱっと咲き誇る未来のために手伝う』って叫んだんです。

あの笑顔が忘れられなくて…」と頬を赤らめ、目を潤ませる。

 

セリーヌは聞きながら、幼い記憶が甘く、淡く甦る。

 

あの村で「俺も手伝うよ!」と叫んだ少年の笑顔が脳裏に浮かび

「まさか…キムランが?」と胸が震える。それはセリーヌにとって初恋だった。

 

泥だらけの自分に共感し、一緒に未来を願ってくれた少年の笑顔が、幼い心に初めてのときめきを刻んだ。

 

王族と平民の壁に「会えない」と諦め、蓋をして忘れようとして、いつの間にか埋もれてしまっていた記憶が、今、彼の声で溢れ出す。

 

「キムラン…あなただったの?」と心が甘く疼くが、言葉にできない。

 

そして目を伏せ、そっと息を整える。

 

「ご家族はお元気かしら?」と話題をそらし、キムランが「ええ、母も弟妹も元気で…」と答える。「おやすみなさい」と穏やかに見送るが、その瞳に甘い余韻が残る。

 

一人になったセリーヌは、「キムラン…あなたがあの子なら…」と呟き、彼の笑顔を思い出す。胸がドキドキと高鳴り、頬を押さえて熱くなる。

 

「まさか、こんな近くにいたなんて……」心の動揺とは裏腹に夜は静かに深まる。

 

 

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