フィレネの花と騎士の誓い ファイアーエムブレムエンゲージ 作:kim
セリーヌはキムランが初恋の少年と気づいて以来、彼と話すたびに胸がドキドキしてしまう。
「キムランがあの子だったなんて……!」と目を合わせられず、訓練でも「お茶…ありがとう」とそっけなく返す。
悩み抜いた末、クロエに「ねえ、聞いて」と打ち明ける。
「実はキムランが昔の初恋の子で……気づいたらドキドキして、うまく話せなくなっちゃって……」と頬を染める。
クロエは「ええっ! セリーヌ様の初恋! おとぎ話みたいで素敵だよ! 隠さなくていいんじゃない?」と目を輝かせるが、「言えないよ…」とセリーヌは首を振る。
「セリーヌ様ってこういう時は意外と奥手なのね」そういって微笑む。
一方、キムランは「セリーヌ様が冷たい…何かしたかな?」と落ち込み、ルイに相談する。
「ルイさん、どう思います? 俺、嫌われたのかな…」と不安を吐露する。
ルイは「キムランさんに対してセリーヌ様が冷たい? 何か理由があるのかもしれません。様子を見てみます」と答えた。
その後訓練で一緒になったルイとクロエがお互い聞いたことを話すと「あ! そういう事ね!」と気づく。
クロエが「キムランが初恋なんだって! ドキドキして話せないだけだよ!」と明かす。ルイが「彼らを二人きりにしてあげましょう」と提案しする。「閉じ込めラブラブ大作戦だね!」とクロエが笑う。
ルイが「セリーヌ様、キムランさんと確認をお願いします」と倉庫テントに誘導。荷物を取りに入ると、「ガチャン!」と鍵がかけられ、クロエとルイが聞き耳を立てる。「セリーヌ様ファイト!」とクロエが囁く。
キムランが「開かない...…! 誰かいますか!」と扉を叩き、セリーヌも「誰かいませんか?」と呼ぶが、静寂が返る。「閉じ込められたみたいですね……」と見つめ合う。
セリーヌが「戻らなければルイが来るでしょう」と落ち着いて言う。二人は荷物を置いて並んで座る。肩が触れ合い、「あ……」とセリーヌが声を漏らし、キムランもドキッと目を逸らす。
沈黙が流れる。倉庫の薄暗さに物資の匂いが漂い、緊張が二人を包む。
キムランが「セリーヌ様」と切り出し「俺、何かセリーヌ様にしちゃいましたか? あの時、着替えを見てしまった事とか……ずっと気になってて……」と不安そうに目を伏せる。
セリーヌは「え、いや…その…違うのよ」と言葉に詰まり、指先がそわそわと動く。
「嫌いなんかじゃない…むしろ…」と思いつつ、口に出せない。
キムランは「何か隠されてるみたいで……俺、嫌われたのかなって……最近、ずっと冷たくて……」と呟く。
セリーヌは「嫌いなんかじゃ……ないわ」と慌てて目を逸らし、頬が熱くなる。
外でクロエが「セリーヌ様、頑張って!」と小声で応援する。
セリーヌが「気にしないで」と繰り返すと、
キムランが「セリーヌ様、いい加減にしてください! 何かあったなら教えてください…俺、ちゃんと知りたいんです」と語気を強める。
「セリーヌ様がそんな態度だと……辛いんです」と切実な想いが溢れる。
セリーヌは驚きと切なさが混じり「あなたは……何も知らないくせに……!」と感情が抑えきれず言い返してしまう。声が震え、目を潤ませてキムランを見つめる。
気まずい空気が倉庫を満たし、二人は目を逸らす。肩が触れる距離なのに、心は遠く感じる。セリーヌは「何で…あんな言い方…」と唇を噛み、キムランは「俺、怒らせた…?」と胸が締め付けられる。
外でルイとクロエが「あちゃー…」と目を合わせ、「これは……失敗ですね」とルイが呟く。クロエが「うそ、やっちゃった……!」と慌て、鍵をそっと開ける。
扉が開き、二人は黙って出る。
セリーヌは一人テントに戻り、静寂の中、「キムランに……何で……」と呟く。涙が溢れ、「私が言えないから……こんな事に……」と胸が締め付けられる。
「キムラン、あなたが初恋だったなんて……あの日、村で笑顔で『手伝うよ』って言ってくれた時から、私の心にいたのに……。その笑顔が今もこんな近くにあるのに、言えないまま……こんな言い方して。あなたの不安そうな顔、あの真剣な目を見て、私は何も言えなかった……。隠してるのは私なのに『知らないくせに』なんて……私が悪いんだ。
未来を一緒に作りたいって、願ってたのに……今、こんな距離ができて、どうしたらいいの?」と冷たい涙が頬を伝う。