Side エボルト
何故コイツが……【石動惣一】が此処にいる⁉
只のそっくりさんなのか…それとも…
イヤ、んなこと考えてる時間はない
とにかく、早く体を乗っ取らねえt「そこに…いるのは…スライム型の異宙人か?」っ!ヤベェ意識がハッキリしてきやがった。
こうなったら、俺自身の手でコイツを…イヤ待て、コイツ俺のことをなんて呼んだ?
異宙人だぁ?
聞いたことねぇぞそんな呼ばれ方、いったいどうなってやがる。
「恐らくだが…お前…俺の体…欲しいん…だろ?」
⁉オイオイ、随分と察しがよくねぇかぁ⁉
一体なにが目的なんだ!
「欲しい…なら…いいぞ…くれてやる…俺の…体
ただし…条件が…ある…ここから…少し…進んだ…所に研究所が…ある…そこでは…異宙人に…対抗…するための…様々な……人体…実験を…している…その…中には…まだ…幼い……こどもも…いる…頼む…その子達を…助けてくれ…」
はぁ?
俺に人助けをしろってかい?
冗談じゃねぇ、なにが悲しくてそんなことしなくちゃならねぇんだ、悪いがお断りだな
そんなことしなくても、さっさとコイツの体を乗っ取ちまえばそれで終わりだよ
…だが、コイツの言っていた異宙人てのが気になるな
ここは、おとなしく話ぐらいは聞いておいてやるか
「頼むぞ…スライ…ム……」
はあ、ついに落ちたか
ならさっさと、入りますか!
ジュルルルルル
「ふぃぃ、やぁッと普通に歩けるようになった
さてと、まずはこの世界のことを知らなきゃなぁ」
そうして、コイツの記憶を解析した結果、とんでもない事を知った
どうやらこの惑星は、地球ではあるが、その地球丸ごと異世界に転移しちまったみたいだ
んで、転移したばっかの頃は、色々といさかいが起きたみたいで、多くの犠牲者が出ちまったようだぁ
そして、この体…石動惣一もその犠牲者の1人だ
コイツの妻や娘を異宙の生物に殺されて、復讐に身を落とし、様々な違法な兵器の実験をしていた
だが、コイツの記憶に映るガキ共への人体実験を計画され、そいつらの姿と嘗ての娘を重ねてしまい、こっそり逃がそうと計画したところそれがバレ、今さっきのようになっていた、と
「全く、馬鹿な男だ
そのガキ共に無関心なままでいれば、こんなことにはならなかっだろうに
さてと、体が手に入ったわけだし、さっさとトンズラしますか」
その場を去ろうとしたが、ふと思った……
「まてよ、コイツの言っていたガキ共は、兵器として研究されていると言っていたなぁ
なら、ソイツらを奪って、新たな【パンドラボックス】のためのエネルギーにするのも悪くねぇなぁ」
そうと決まれば、さっそく行動開始だ
スタコラサッサ
さて、その研究所に着いたのはいいが、随分とでかいなぁ
しかも、そこら中に警備がいるが、あれってまさか【ガーディアン】か?
【ガーディアン】とは、前の世界で【難波重工】が開発した警備用のアンドロイドなんだが、その知能はあまりにもお粗末だし、戦闘力も一般人相手ならともかく、ビルドはともかく【スマッシュ】にもやられる始末、あの世界ではまず間違いなく雑魚だな
恐らくあれは、その類似品ってやつだろうな
どこの奴でも、考えることは同じなのかねぇ
と、考えてる間にスルッと研究所に潜入成功しちまった
ん?
いつの間に、入ったかって?
先程も言ったが、ガーディアンは知能がお粗末レベルなので、物音たてずに近づいて行けばどうってことはない
更に言うなら、ここのセキュリティは一応厳重なんだろうけど、俺からしたらザルど同じレベルだ
……ていうか、何でだれも聞いていないのに説明してるんだ?
まさか、此れが老化って奴なのか⁉
と、そうこうしているうちに、ガキ共が閉じ込められているであろう場所に着いた
「さて、ど・こ・に・い・る・か・なって、他にもいるみたいだが、ドイツもコイツも衰弱しきっていて、もう助からねえなぁ、おおいたいた」
この体の記憶をみる限り、コイツらであってるな
「よぉ、元気かお前ら」
no Side
牢屋の中でぐったりしていた水色の髪の女の子と赤い髪の女の子が、エボルトの方を向いた
「あ…おじ…さん…」「来て…くれたの…」
他の牢屋のこどもよりはましだが、それでも弱々しくなっていた
「すまないな、遅れちまって。えーっとここのパスワードはっと……」
ガチャン
「よし開いた!さぁ、行くぞ」
「行く?」「どこへ?」
「どこだっていいだろ?さ、早「そうはさせねえぞ!」あん?」
エボルトが廊下の方を向くと、ガーディアン数機を連れた瘦せ型と肥満体系の研究者らしき者が二人いた
「まさか、あの傷で生きていたとはな、この裏切り者が!」
「だが、それもここまでだ! お前はソイツらの目の前で始末してやる!」
そう言うとガーディアン達がその手に持っているマシンガンをエボルトに向けて、撃とうとしたその時……
「お前ら、撃t---バキュン---な、何だ?」
音のほうを見ると、エボルトがどこからか取り出した黒い小型の銃を持ってガーディアン一体の頭を打ち抜いていた
「ちんたら喋ってんじゃねえよ、さっさとかかってこいよ」
エボルトは、余裕綽々に研究者達を煽る
すると---
「そのふざけた態度も、ここまでだ!」
肥満型の研究者が、ポケットから手に収まる大きさの小瓶を取り出した
それを見たエボルトと痩せ型の研究者は驚愕した
「な、オイオイ、マジかよ」
「オ、オイ!それはまだ試験段階のやつだ!それを使ったらお前!」
痩せ型の研究者は肥満の方を止めようとするが
「うるさい!!あんな奴に大事な実験材料を持ち逃げされてたまるか!」
そう言って、肥満の方は小瓶をカチャカチャと振り蓋を開け、自分の体に突き刺した
そして---
「グルルルアアアアアアアア‼」
肥満は分厚い装甲と両腕に巨大な拳を持つ怪物
【ストロングスマッシュ】に変化した
(バカな、なんでこの世界に【ボトル】があるんだよ!
しかもスマッシュ化まで……どうなってんだよ!)
エボルトはこの光景に少し唖然としていた、
それが仇となり---
「グガアアアアアアアア‼」
「しまっ、グアッ!」
ほんの少しの油断により、ストロングスマッシュに殴られ、その衝撃で床が抜けそのまま下に落ちていった
「ガガアアアア‼」
ストロングスマッシュは、エボルトを追うべく自ら開けた穴に落ちていった
Side 赤色の髪の女の子
「おじさん!」「そ、そんな…」
おじさんが、怪物に襲われて、穴に落ちてっちゃった
あーしとヒサメちゃんが此処に入れられて、とても痛くて辛い実験をさせられて、嫌だと言っても…
[これは、人類の為に必要なことだ!]
[いいから言うことを聞け、実験体の分際で逆らうな!]
周りの大人達からは、蔑まれた目でそんなことしか言われず、その都度ひどいことをされてきた
そんな中、あのおじさんだけは他の大人とは違い、悲しそうな目でいつも小声で、
[ごめん、ごめんな]
って、謝ってきた
このおじさんはきっと優しい人なんだなって思った
---こんな人が父親だったら良かったのに---
そう思えるくらいに...…
そんなおじさんが、落ちてっちゃった
さっきの怪物とこの大人のせいでっ
「あーあ、完全に理性を無くして暴れてるよ
多分アイツ、もう戻れないかもなぁ」
そう言いながら、もう1人の大人がこっちに近づいて
「なにも、自分で実験しなくたっていいじゃないか
モルモットは、こんなにいるんだからさぁ!」
アーシの首を掴んで持ち上げた
「アグッ!」「カンナちゃん!」
「そうさ、そうすればいいんだ!簡単な事じゃないか!
なんせコイツらは、異宙の力を持った化物なんだからなぁ!
どう扱おうが、僕らの勝手なんだよ
それにコイツらだって、ただくたばるだけじゃ勿体ない
キチンと有効活用してあげないとさぁ!」
コイツ…狂ってる!
でも…首を絞められて…抵抗…できない…このままじゃ…アーシだけじゃ…ない…ヒサメちゃんも…化物に...
イヤだ…イヤだよ…こんなの…イヤだ…
「やめて!カンナちゃんを離して!」
「五月蝿いんだよ、ガキ!」ゲシッ!
「ウグッ」
「グッ…ヒサメ…ちゃん…」
コイツの足にしがみついてきたヒサメちゃんを蹴飛ばしてあの怪物に変わる小瓶をアーシに向けてきた
もう…イヤだ…誰か…だれか…
「さて、楽しい楽しい実験の時間だぁ
どうなるのか、楽しみダネェ‼」
だれか…助けてぇ!
その時
---ドガァァン---
「グガアアアア‼」
別の床が割れて、さっきの怪物が飛び出してきた
コイツは驚いて、アーシを離した
「ゲホッゲホッ」
「な、なんだ…何が起きた!」
コイツは穴の方をじっと見ている
すると、穴から何かが飛び出してきた
「フィーッ、ようやく上がってこれたなぁ…ん?」
出てきたのは、赤いスーツに角が生えた人だった
でもなぜか、安心しちゃった
だって
「な、なんなんだ、なんなんだよお前は!」
「俺かい?
ンンッ俺の名は【ブラッドスターク】」
声が…おじさんなんだもん…
「ただの地球外生命体だよ」
そうして、アーシは意識を失った