『....はぁ』
「こ、この化け物が....!」
『化け物....よく言われるよ。私が殺してきた奴等はみんなそう言う。でも、それは
自業自得でしょ? 私を化け物にしたの、あなた達でしょ』
とある研究所に、一人の男がいた。その男の目の前には一人の怪物がいた。その怪物は
男の所属する研究所に襲撃を仕掛け、一部の人間を除き全ての人間を殺した。
「な、何が目的だ!」
『目的? ....それ、この状況を見ても分からないの?』
怪物の目的、それはこの研究所に所属する研究員を殺すためだった。怪物はこの研究所を
造った組織によって人間から怪物に改造された。
『まぁ、目的知ったところで運命は変わらないけど....』
怪物はそう呟き、刃物になった腕を男に向けた。
「ま、待て! な、何が欲しい! この私だったら用意できないものはない! それをお前に
くれてやる! だから....!」
『じゃああなたの命で』
怪物は無慈悲にもそう言い、男の首を腕で跳ね飛ばした。
「はぁ、無駄な会話....」
怪物はそう呟くと、姿が人の形に戻っていった。そこに立っているのは黒髪の少女だった。
「さて、あとの事は....」
少女はそう呟くと研究所の外に向かい、背中から翼を生やしてどこかに飛び去って行った。
これが融合者、黒姫 零という少女の一日であった。
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零side
「....それで、どうして私の前に現れたの。御前」
「以前も言いましたでしょう。勧誘ですよ」
私は今、面倒な女と対峙していた。彼女の名は御前。本名は....今をやめておこう。
「そう。相変わらずしつこいね....」
「冷たい言い方ですわね。....あなたがいれば、私の計画は大きく進みますのに。それに、
多くの人類を救えるんですよ?」
「....前にも言ったけど、私はあなたの計画に対して興味がない。いや、それどころか
その計画を止めようと思っている。あなたの計画は、余計な死人を増やすだけ。そもそも、
私やあなたの様な存在はこれ以上増えるべきじゃない」
「....相変わらずですわね。私達の様な存在が増えれば世界は早く平和になる、そうは
思いません?」
「いいえ。余計な争いの火種が増えるだけ」
そう言いながら私は手に持っていたカップをソーサーに置いた。
「....火種は、増える前に消すべきよ」
「....そうですか」
御前がそう言うと、突然店の外から警報音が聞こえた。その警報音はヒュージが現れた時に
鳴る警報音だった。
「今日はこのぐらいにしておきましょう。ちょうどヒュージも現れたみたいですし」
「....
「....さぁ、どうでしょうね」
そう言い、御前は私の前から一瞬で姿を消した。
「....はぁ。仕方ない」
そう呟き、私はテーブルに千円札を二枚置いて壁に立てかけておいたケースを持って
外に出た。
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外に出ると様々な形をしたヒュージが暴れていた。
「余計な置き土産を....」
私はそう呟き、ケースからCHARMを抜いた。
「デスサイズ」
私がそう言うと、CHARMは自動的に変形していき鎌の形に変わった。そして私は"縮地"を
発動して周囲のヒュージを一掃した。
「はぁ....」
「(周囲に敵の反応は0....他の場所に出たのは近くのリリィが倒したか....)」
「今のうちにここから離れるか....」
私はデスサイズとなったCHARMを元に戻しこの場から立ち去った。
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「....」
「どうしたんですかお姉様?」
「いえ、少し考え事をしただけよ」
「(....さっきのヒュージの出現、わたし達は最短距離で討伐に向かった。なのに、出現したと
思われる場所の一部のヒュージは既に全滅していた。....あの数を、それも梅が到着する前に。
一体誰が....)」