Project Sekai SCP incident feat . 作:唯尊
あらすじ
未成年○行の罪に問われる前に逃走に移ろうとした陰険自己中ロリコン教師こと志熊理雄は、必要な諸々の家財をボストンバックに放り込むと、テーブルの上に『よく覚えてないだろうけど、君達と大乱闘したのは司だから』と自称スターに全ての責任を擦りつける為の書き置きを残し、いざ逃亡人生を始めようと扉を開く直前、猛烈な打突音が響き、他人様のマンションの一室の扉をどこぞのドンドンうるさい太鼓と勘違いした大うつけ者の顔面をXDM拳銃でふき飛ばそうと誓い扉を開けると-------
------「ち○ち○んッ!!」
「…は?」
扉を開けた瞬間に現れたのは、顔立ちの整った金髪の美少年だ。普段は良くも悪くも自信と向上心に輝いた男だが、今、理雄の目の前にいる彼の顔面には圧壊したトマト色がぶちまけられている。
別にトマトケチャップを塗りたくっている訳ではない、頭部から鉄の臭いと共に大量出血しているのだ。
…というか、血走った目も焦点が合っていない。
『ち○ち○!ち……ち○ち○!ち○ち○ッッ!!」
高校生とは思えない様な下ネタを絶叫しながら、扉に頭を打ち付ける司、元からおかしな奴ではあったが、アホな演出を考えて妄想に浸り過ぎていたらついに頭がクルクルパーになった……という訳ではなさそうだ。
(まさか…、【SCP-ち○ち○-jp-j】の封印が解かれたのかッ…?)
この混乱の最中、近くで収容されていたオブジェクトが収容違反を起こしていてもおかしくはない。
…おそらく司は口から溢れる『ち○ち○』を止めようと脳の言語野を破壊するべく頭をひたすら打ち付けたようだが、残念ながら男性がこのオブジェクトの異常性に曝露すると、この先ずっと言うこと書くこと『ち○ち○』で生きていく事になる。
記憶処理でもどうにもならない。
すると司が眼前に肉薄してくる。
眼孔から目玉が飛び出しかけてる様は壮絶だ、近寄るなよ気持ち悪い。
【不要な発語(ち○ち○)は除外する】
『頼む!変質者としてブタ箱にぶち込まれる前に咲希に会わせてくれッ、一度だけでいいんだ!!』
ぶち込まれるのはブタ箱ではなく財団の精神病棟だろ。
こちらの返答も聞かずに室内の奥へと進入する司、だがそこには裸の天使達が穏やかに眠っている。
寝室に突入した瞬間、空気が震えた。
あるいは司の嗚咽を堪えた絶叫だったのかもしれない。…ち○ち○だが。
直後、電光石火の勢いで飛び出してきた司が己の両眼球を手でわし摑みにしながら無理矢理焦点を合わせこちらを睨みつける。
「ち○ち○!ち○ち○ッ……ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○ち○!!」
何を言ってるんだろう彼は…。
気が狂った様にち○ち○をひたすら連呼した司はこちらに突っ込んでくる。
「ち○ち○ーーッッ!!」
妹とその幼馴染達を穢した男を許すまじと果敢に立ち向かう天馬司は、獅子奮迅の勢いで接近し------!
------秒で手足を折られ便槽に突っ込まれ大の方で流されたのだった。
*
マンションのエントランスから出た理雄。肌が外気に触れた途端に太陽の強烈な直射日光を感じ取る。
温暖化の影響はこちらの世界でも人類社会を締め付けているのかもしれない。高温多湿なシブヤの街にはヒトの精神を狂わせるだけの高熱が発生している。
これでは幻覚剤やオブジェクトなんてモノがなくとも人々が狂乱するに決まって-----------
「…誰かー!彰人を止めてーッ!!」
「東雲くん!正気に戻って…!」
「放しなさいッ、今日こそは女子校の屋上でアイドルを------」
悲鳴が聞こえた方を見ると、5ブロック先に東雲彰人にしがみつく白石杏と小豆沢こはねが見えた。よく見れば東雲彰人は平成中期の女子アイドルグループが着込んでいた丈の短いスカートが特徴的なフリフリ衣装であり、顔に塗りたくった化粧は目つきが悪いせいか、例え悪い冗談でもこちらに十分に怖気を走らせる物があった。
熱でやられてるにしても限度がある。速やかに退散しようと歩を進める。
「生脚☆魅惑のマ〜メイド〜〜ッ¥€〜!」
今度は音程の狂った歌声というか……絶叫が聞こえてきた。
ウンザリしながら視線を先に飛ばすと、フェラーリのボンネットの上で黒いガムテープで作った水着みたいな衣装を全身に巻いた阿呆が【HOT LIMIT】を熱唱していた…………というか青柳冬夜だった。
西川貴教になりきりながら1人楽しくなんちゃってコンサートを楽しむ彼には悪いが、衣装の着付けが甘いのか股間から見えてはいけないブツが露出している。控えめに言って最悪の光景だ。
そうして暫く歩いていると、やがて桃井愛莉がどうやって登ったのか、東京タワーの頂点で重音テトの【テトリス】を泣きながら歌唱していた。
「だ〜れかワタシをこ〜ろして〜…♪」
ここのフレーズだけ妙に気持ちがこもっているように聞こえた。
「見てみて〜、全ての電子機器がイカれたわ〜!ついでに私の昔のお友達もイカれたわ〜!」
日野森雫の機械オンチが異常性にまで進化し、周囲に転がってる【cheerful*days】のメンバー達の脳を破壊し------
「桐谷遥ここにあり!ヤルダバオートは遥ちゃんの為に全ての人類を遥オタクにしろーーーッ!!」
花里みのりがカルキスト・イオンの皆様と一緒に神代類と草薙寧々と鳳えむを生贄にヤルダバオート復活の儀式を進め--------
「いゃあアアアアアアアアアアッ!!」
桐谷遥が初雪の放ったオオスズメバチの大群に追われ顔面をピカソの【ゲルニカ】のように変形させながら逃げ仰せている。そんな彼女をファン達が直視しショックのあまり死んで異世界に勇者として転生し魔王に挑んだが返討ちにあってもう一回死ぬという幻覚を見た彼らが死屍累々と周りに転がっている。
味方は来ない。
知り合いも全滅。
しかも背には逮捕状が迫る---------。
もはやKクラスシナリオ発生と言っていい程事態は混迷を極めている。
絶望に膝を屈しかけた時、理雄はふと思った。
(あ〜あ…、このどさくさで俺がやらかした事有耶無耶にならないかなぁ〜)
世界の破滅を前に、志熊理雄は己の業の消滅をこっそり願った。
もはや読者の皆様からの理雄に対する好感と信頼は急落する一方だが、
既にやらかす事やらかした後の彼に、もはや怖いモノなどなかった。
『お困りの様だね、理雄』
突然の声に驚いて振り返ると、冷戦時代のコートと帽子を被った男が立っていた。
『やぁやぁ、私の事は気兼ねなくドリームマンと呼んでくれ』
余裕を見せる様に軽く手を振る自称ドリームマン、理雄はそれに無言で近づく。
「お前……初音ミクだろ」
『さぁ誰の事かな?ピューピュー…』
「編集された藤田咲ボイスで分かるぞ」
『ジョークだからってメタネタは良くないよ理雄……あ』
今ので全てが露見した。
やがて諦めたのかコートを脱ぎ捨てる。
中から財団のシンボルマークのロゴを貼り付けた白衣を着たミクが現れる。
メガネを掛けた目はどこか擦れてるように見える。
「お前どこのミクだ?誰に創られた?」
「…私だよ」
ミクの奥から現れた人物を見て、驚愕する。
「ア、アンタは…!」
※今回登場したSCP
http://scp-jp.wikidot.com/scp-tintin-j
HOT LIMIT 057-6526-9
テトリス 311-1251-0