Project Sekai SCP incident feat .   作:唯尊

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第五十六話 少女たちが知らない志熊理雄

 

 夕刻。

 

 校門前は下校する生徒や部活に向かう生徒で溢れていた。その中には理雄の姿もあった。

 

「------あれ…理雄先生?」

 

振り向くと、一歌とLeo/needのメンバーが勢揃いしていた。

 

「…一歌…」

 

黒髪の凛然とした少女の名を呟くと、彼女はこちらの顔を見て目を見開いた。

 

「だ、大丈夫ですかッ?なんか顔色悪いですよ…?」

 

心配そうな表情でこちらに近寄ってくる。他の3人も今の自分の顔を覗き込むとギョッとする。

 

「せ、先生!?ホントにひどい顔…!」

 

「び、病院に行きますか?アタシたちがついて行きますよッ?」

 

穂波と咲希にまで心配されてしまう。試しに自分のスマホで写真を撮ってみると、確かに酷かった。目は枯れ果てているし、生気を一切感じない。唇はカサカサにひび割れているし、血の巡りが悪いのか、顔全体が死人じみた色を放っていた。なるほど、これでは心配もされる。

 

「大丈夫だ。まぁ、その……ちょっと気が沈んでいるだけだ」

 

英牙から帰還の旨が知らされ、それからというものの、ずっとこの調子である。

 

「本当に大丈夫なんですか…?」

 

それでも志歩が気にかけてくる。

 

「平気だ。その………実は、君達に話しておきたい事がある。歩きながら話さないか?」

 

4人はしばし顔を見合わせていたが、やがて理雄の提案に乗ったのか、自分の後からついて来る。校門から出て数ブロック離れた距離まで歩くと、改めて説明する。

 

「えっと……まず、少しの間、俺は学校から離れる」

 

「「「えッ……」」」

 

前置きを話した瞬間、4人に硬直された。

 

「ど、どういう事ですかッ?学校でのお仕事辞めちゃうんですか!?」

 

「そんなッ!もう会えなくなっちゃうなんて…!」

 

「咲希ちゃんの言う通りです!考え直してもらえませんかッ?」

 

「理雄先生、私は…」

 

 4人は激しく動揺した様子で詰め寄ってくる。一歌、咲希、穂波は取り乱し、志歩は表情を失くしたままこちらを見つめている。

 

「落ち着け、別に宮女から出て行く訳じゃない。少しの間、本業に戻るだけだ」

 

「本業…?」

 

一歌が反芻して呟くと、理雄は頷く。

 

「まず、俺が正規の教員ではなく、あくまで理事長から直接雇われた客員講師である事は知ってるな?」

 

「そう言えば…」と穂波が思い出したように口を開く。

 

「確か、理事長と理雄先生の個人間で交わされた契約……でしたか?」

 

「そうだ、俺と理事長は昔から縁がある。で、少し前にその人からオファーをもらって、君達の通う宮女でバイトする事になったんだ。言い方は悪いが、俺がここで働いて得る報酬は理事長からのポケットマネーだ。副業程度の額だし、それとは別に本業の方も継続している」

 

自分の説明に理解を示したのか、少女達は落ち着きを取り戻して行く。

 

「じゃあ……学校から離れるっていうのは…」

 

咲希が上目遣いで小さく手を挙げる。

 

「色々事情があって、少しばかり本業の方に戻るってだけだ。別に君達の元から消える訳じゃない」

 

 そう答えると、4人はホッとする。

 

「よかった〜、てっきりせんせーがいなくなっちゃうのかと思ったよ〜…」

 

 咲希の言葉に少しムッとする。

 

「そんなわけないだろ」

 

「じゃあ!この先もずっと一緒にいてくれますか?」

 

「え…」

 

思わぬ問いに言葉が詰まってしまう。

 

「アタシたちLeo/needの事を、これからも一番近くで応援してほしいんです!」

 

あぁ、そういう事か…と理雄は咲希の言葉の意味を理解する。

 

「…俺はいつだって、君達の味方だ。一番近くで……君達を守るよ」

 

それが、この世界で生きる理由であり、志熊理雄にとって最後の希望なのだ。

 

「やった!よかったね、しほちゃん!」

 

咲希がホクホク顔で志歩の方に振り向く。

 

「な、なんで私に振るのッ……」

 

志歩は僅かに動揺を見せるが、すぐに「ゴホンッ…!」と咳払いをすると、咲希に鋭い視線を向ける。

 

「まぁ……たまには息抜きも必要だし、今日は咲希の好きな所行くけど、明日はみっちり練習するからね?」

 

「分かってるって♪」

 

 ルンルンとした顔で答える咲希を見て、理雄は不思議に思う。

 

「なんか楽しそうだな。これから遊びにでも行くのか?」

 

 気になって尋ねてみると、咲希は笑顔で答える。

 

「はい!これからいっちゃん達とデートに行くんです!」

 

「で、デート…?」

 

放課後に一歌たちと遊びに行く……というニュアンスなのだろうが、女の子同士の付き合いでも、彼女の口から通すと『デート』に変換されるらしい。天馬咲希には、昼食にポテチ、おやつにナポリタンという謎の食生活を含めて、自分にはよく分からない謎の習性があった。

 

 すると、咲希がさも良案を思いついたと言わんばかりに両掌をパン!と合わせる。

 

「そうだ!りおせんせーも一緒に行こうよ!」

 

「…え?」

 

思わぬ提案に一瞬、目を瞬かせる。

 

「落ち込んでいる時は、楽しく遊んでスッキリするのが一番だよ!ね!ね!?」

 

 えらくテンションの高い咲希に迫られる。美少女に至近距離から直視され、あまりの迫力と美しさに目の前がチカチカしてきた。

 

「わ、分かったッ、分かったから!」

 

そう言って咲希を下がらせる。どうにも自分は押しの強い女性に弱い。リリカも同じタイプだった。

 

「えへへ、りおせんせーともデートできるなんて……アタシ、今日で一番幸せかも!!」

 

クルリッと振り返った咲希は、変わらず太陽のような明るい笑顔を見せる。あまりの眩しさに、不覚にも見惚れてしまった。

 

「…?りおせんせーどうしたの?」

 

 キョトンとした顔で首を傾げてくる。

 

「い、いや…なんでもない。そう言ってくれるなら……是非」

 

「もちろん!ね?みんな!」

 

咲希が一歌たちに視線を送ると、全員から首肯を返される。

 

「うん、いいんじゃないかな」

 

「わたしも…」

 

「咲希が好きにしたらいいんじゃない?」

 

3人から賛同を得て、咲希は理雄の手を取り歩き出す。

 

「それじゃあ…『りおせんせーハッピーにし隊』、レッツゴーッ!」

 

 またよく分からない組織が誕生していた。軽やかな足取りでどこかへと向かう可憐な少女と、彼女に引っ張られる青年。その様子を苦笑しながら見守り、後からついて行く少女達。

 

 西暦、2020年シブヤ------------平和な世界は、かろうじて維持されていた。

 

 奈落の底に崩落するまで、あと------------。

 

 

 

 

最初に足を運んだのは、最近オープンしたばかりのショッピングモールだった。『シブヤ・ステラプレイス』とある。

 

「うわーーおっきい〜〜!どこから回ろう!!」

 

入って早々、咲希が目を輝かせてはしゃぐ。理雄がこの世界で最初に訪れたモールより広く、様々な商店が入っている。ファストフード店やレストラン、ゲームセンターに映画館まで完備されていた。

 

「咲希、はしゃぎ過ぎ…」

 

「でも、すごく楽しそう」

 

興奮冷めやまぬ様子であたりをキョロキョロ見渡している咲希に対し、志歩は少し呆れた様子で、一歌は微笑を浮かべながら彼女を見ていた。

 

「…随分テンション高いな。こんな所、似たような場所ならいくらでもあるだろ」

 

咲希の様子を見て、理雄が不思議そうに呟くと、穂波が本人の耳に入らないよう小声で話しかけて来る。

 

「実は……咲希ちゃん、昔から身体が弱かったんです。中学生の頃は学校にも行けなくて、長い間、病院で生活してたんです…」

 

穂波の言葉に一瞬、耳を疑った。今の咲希からは想像もつかない話だったからだ。

 

 咲希が病弱という話は以前、フェニランでえむから聞いた事こそあったが、まさか登校すらままならないレベルだったとは…。

 

「一時期、咲希ちゃんの体調がすごく悪化した頃があるんです。その時に県外の病院に移る事になって、後はずっと、治療や検査の日々だったんだそうです…」

 

幼馴染の辛い過去を、穂波は少し下を向きながら語る。

 

「そんなに酷かったのか…?っていうか、中学生の頃って確か…」

 

穂波は小さく頷く。

 

「はい。その頃から、わたし達は疎遠になっていました。一歌ちゃんは定期的に咲希ちゃんの病院へお見舞いに行っていたらしいんですけど……わたしは…」

 

そこまで話して、穂波は口を閉じた。

 

「…わたしは、自分が傷つくのが怖かったんです。だから咲希ちゃんや…一歌ちゃんと志歩ちゃん達が苦しんでいるのに、ずっと、自分の事ばっかりで…!」

 

後悔と罪悪感からか、穂波の握る手が震える。

 

「わたしは、わたしは弱いから…!」

 

「それは違う」

 

「でも、今日だって…クラスの意見をまとめられなくてッ、わたし…!」

 

「おい…少し落ち着け」

 

負の感情に支配されつつある穂波を宥めると、志歩の方に視線を向ける。

 

「志歩、少し穂波を借りたい。悪いんだが他の二人と先に行っててくれ」

 

「え?なんで------」

 

急に言われて困惑した様子の志歩だったが、理雄の隣にいる穂波の表情を見て、何かを察する。

 

「…大事な話ですか?」

 

志歩の目を見て、無言のまま頷く。

 

「…分かりました。じゃあ、話が済んだら、ここで落ち合いましょう」

 

「助かる」

 

それだけで済ますと、志歩はくるりと踵を返すと、一歌と咲希の元へ向かう。二人はこちらを見て首を傾げていたが、志歩が何事か短く説明すると、納得した様子で小さく手を振り、奥へと消えていった。

 

「…やっぱり信頼されてますね、理雄先生は…」

 

一歌達を見送りながら、穂波がそんな事を呟く。

 

「そう思うか?」

 

「はい。志歩ちゃん達をすぐに納得させたり、いろんな人たちから頼られたり……やっぱり、わたしと違って先生は色々な事が出来るんですね」

 

 自嘲と羨望が混じった声音に、理雄はしばし沈黙する。

 

「わたしには……そんな風にはなれません」

 

「…何があった?歩きながら話そう」

 

歩調を穂波に合わせ、ゆっくりとモール内を歩き始める。

 

「……先生は、もうすぐわたし達の学校で開かれる恒例行事をご存知ですか?」

 

歩き始めてすぐに、穂波が口を開く。

 

「あぁ…合唱祭の事か?」

 

穂波は頷く。

 

「職員室でも説明は受けたよ。それと何か関係あるのか?」

 

「…実は……」

 

穂波から聞いた話によると、合唱祭を進める上で、自身のクラスのまとめ役に彼女が選ばれたらしい。しかし、クラス内の意見はまとまるどころか真っ二つに割れてしまったそうだ。穂波は意見の一致を図れない自分に悩んでいるらしい。

 

「…なるほどな」

 

小さく嘆息する。優等生の穂波は成績優秀で運動神経も抜群だ。周囲の教師や生徒たちから頼られるのは至極当然と言えるかもしれないが、彼女自身の人格からして、それはかなりの試練だった。

 

「いずれにせよ、最終的にはどちらかの意見を切り捨てる事になる----------それが納得出来ないか?」

 

穂波は小さく頷く。

 

「それ、他の誰かに話したか?」

 

「はい。志歩ちゃんからは、『何かを選ぶ事は、何かを捨てる事だ』って言われました」

 

 なるほど、彼女らしい潔い考えだ。

 

「いい答えだ。俺は好きだな……他の意見は?」

 

「……ある先輩からは、『穂波はどんな形の優しさをあげたい?』って言われました」

 

「優しさの形……か…」

 

 興味深い意見だ。

 

「君の答えは?」

 

「まだ考えています。ただ、わたしは……できる限り全員が納得する結論を出したいんです。そうすれば必ず、どちらかの気持ちを踏み躙る事になります。けど…」

 

「優柔不断なままではいたくない……か?」

 

 首肯を返される。

 

「理雄先生なら、こういう時はどうしますか?」

 

「自分の判断に従う。俺なりに考えて、発言し、実行する。場合によりけりだが、許される限りは俺の意志で決める。ただし、自分で下した決断の結果は、他でもない自分で責任を取る……まぁ、当たり前だけどな」

 

「…やっぱり強いですね。先生は、わたしとは違う…」

 

 穂波は肩を落とす。

 

「穂波、遅かれ早かれ、君もそうやって何かを決める立場になる機会が増えてくる。それは避けられない」

 

「…………」

 

「だがそれは、その分君が期待されてる証拠だ。そして……俺も君に期待しているし、信頼している。君なら最高の結果を出せると」

 

「…わたしに、出来るでしょうか…?」

 

「出来る。君には素質があるし、答えを出すまで時間はかからないだろ」

 

「どうして……そう思うんですか?」

 

「君が……優しいからだ」

 

その言葉を、真摯の瞳で伝える。穂波の揺れる眼差しはそれから逃げられない。

 

「君の優しさは強さだ。色々あって弱ってはいたが、本来の君は、その優しさで誰かを守り、救う力を持っているんだ」

 

志熊理雄は知っている。望月穂波は、常に他者に対する思いやりと奉仕精神を備えている。中学時代、それをクラスメイトから責められ、自己嫌悪に陥っていた時期はあっても、決してそれは弱さなどではない。

 

「君は弱くない。だからもう少し、自分に自信を持て。不安な気持ちはあっても、一歩を踏み出す勇気さえあれば、後は楽勝だ」

 

「…先生」

 

曇っていた穂波の表情が、僅かに晴れた。

 

「…それに、誰もが君みたいに他人に優しくなれるわけじゃない。そこが一番大きいんだ。少なくとも俺みたいな自己中野郎には無理だ」

 

「そんな…!自己中だなんて…」

 

穂波が慌てて訂正してくるが、理雄は首をゆるく振る。

 

「いやいや、本当の話だ。本業の方じゃ、最初の頃は散々周りから言われたし、今もその辺は変わってない。現場ではリーダーの上司から滅茶苦茶嫌われていた上、問題児扱いされてたよ」

 

「はぁ…」

 

穂波はイマイチ想像できない様子だった。

 

「まぁ、その人は穂波の対極みたいな人間だからさ……全てを自分で決めるし、結果には一切の妥協を許さない厳しい人だから、新人の頃は衝突する事も多かったよ」

 

ジュリエットチームのリーダーを務める天城英牙は、自分がSEALsで訓練を受けていた頃から顔を知られていたが、とにかく『使えない』だの『クソ生意気』だのと散々な言われようだった。自分が正式な機動部隊員になる前、ジュリエットチームの通訳として任務に参加した事があったのだが、その時も英牙とはかなり揉めた。

 

「なんだか……志歩ちゃんみたいですね、その上司の方って…」

 

 身近な人間として、志歩のイメージを連想したらしいが、理雄は微妙な反応をする。

 

「確かに近い気はするが……志歩と違ってあの人はすぐに人を見限る所があるからな。身内だろうが幼馴染だろうが、ある程度付き合ってダメだと判断したら、その後見向きもしなくなる。あと、基本冷静ではあるが、本来の性格は"超"が付くほどの激情型だ」

 

任務中は常に冷静沈着な状態にしているが、普段の英牙はかなり感情的で衝動的な性格をしている。一見、泰然としてるように思えるが、アレはただ単に無視しているだけだ。コレは自分も同じだが、興味のない人間や物に対しては、何を言われようがされようが、"そもそも最初から見ていない"ので、気にしようがないのだ。

 

 志歩も一人で趣味に没頭するタイプだし、自身に対する悪口などは気にも留めないが、一歌たちに対する悪意には敏感だし、許せないと憤る。冷たく無愛想に見えても、実際の志歩は、普段から一歌たちをよく観ているし、彼女なりに気にかけている。

 

だが、英牙の場合、仕事に関係がなければ一切関与してこない。余計な首を突っ込んでくる事もないが、同じジュリエットの仲間達が悩み苦しんでいても、『任務で使えればそれで良い』と、プライベートには絶対に踏み込んでこない、淡々とした対応だった。

 

 それでも、必要なら悩みや不安は聞いてくれるし、明るい笑顔で励ましてくれる。助けになってくれる事も勿論あるが、それはあくまで、『機動部隊員として機能させる為』であり、彼にとっての役割……リーダーとしての責務でしかなかった。任務で問題を起こさない限り、自分から気にかけてくる事はないし、なんなら気付きもしない事だってある。

 

 英牙が冷たい人間だとは思わないが、お世辞にも"配慮が出来る人間"とは言えなかった。

 

「仕事に関しては信頼してるし信用もしているが……とにかく面倒臭いんだよ!何もかも自分の思い通りにならないと気が済まないし、自尊心と自負心の塊だから、とてつもなく傲慢で我儘なんだ。その上、余計な事までいろいろ細かく言ってくるしッ……29にもなって精神年齢は志歩より下のおっさんだよ」

 

「そ、そんなにですか…?」

 

 あんまりな物言いに、穂波が少し引き攣った笑みを浮かべていた。なんだか愚痴みたいになってしまい、軽く咳払いをして仕切り直す。

 

「ゴホンッ……まぁ要するに、君は君のままで良いって事だ。俺や今話したリーダーみたいな傲慢で我の強いヤツになる必要はないし、君の優しさは、俺や他の人間にはない強さであり、大切な想いなんだ。だから、あまり気に病むな……君なら大丈夫だ。穂波」

 

「……はい」

 

静かに、それでいてハッキリとした声を返される。穂波の顔は、先程より晴れた物となっていた。

 

「ありがとうございます。理雄先生のおかげで、前に進めそうです。わたしの……優しさの形が、分かってきましたから」

 

律儀に頭を下げてくる。どうやらもう大丈夫のようだ。

 

「そうか……じゃあ戻ろう。一歌たちが待ってる」

 

志歩と決めた待ち合わせ場所に向かう。穂波がそれについて行く。彼女の歩調に合わせながら、待ち合わせ場所のベーカリーショップの前に辿り着く。店内からは小麦粉の焼ける良い匂いが漂ってくる。

 

「…………」

 

穂波の視線は、店内のショーケースに陳列されているパン……というより、アップルパイに注がれていた。

 

「…買って行くか?支払いは俺が持つ」

 

「え!?いや、そんな……悪いですよ!」

 

穂波は慌てた様子で両手を胸の前で振るが、視線はアップルパイから逸らせていない。

 

「いいんだよ。この調子じゃどのみち俺は合唱祭には関われない。直接応援できない代わりだ。俺も……君達を支えたいからな」

 

 ツカツカと店内に入って行く。穂波は最後まで迷っていたが、結局ついて来た。

 

「…それが、理雄先生の優しさの形なんですね」

 

「急にどうした?」

 

ショーケースの前で物色していると、隣に並んだ穂波がそんな事を言ってくる。どこか嬉しそうな表情だ。

 

「いえ……ただやっぱり、先生はどんな時でも誠実で、誰かの力になってくれるんだなって……」

 

「…そうかな」

 

「はい。だからわたしも……」

 

最後まで言いかけた所で、ハッとして口元を手で押さえる。心なしか顔が赤く、耳まで真っ赤だった。

 

「な、何でもありませんッ!」

 

勢いよく謎の否定を口にする穂波を横目に、理雄はアップルパイに視線を注ぐ。

 

「アップルパイって言っても、結構種類があるんだな……穂波、確かアップルパイ好きだったよな?一歌たちの分を含めて買ってくけど、どれがいいと思う?」

 

シナモン、カスタード、チョコレート……普段はあまり見ない種類のアップルパイを前に、穂波に意見を求める。

 

「えっと……そう、ですね…」

 

彼女の視線は、数種類のアップルパイの間を何度も往復していた。

 

「…なんなら、全種類買って行くか?」

 

「えッ!そ、それは流石に……!」

 

一瞬、歓喜に満ちた目を向けてくるが、すぐさま遠慮の姿勢になる。それでも好物に対する欲求には勝てないのか、目が泳いでいた。普段から優等生でしっかり者の彼女にしては、珍しい表情かもしれない。

 

「いいんだよ。子供が遠慮するな」

 

その様子に苦笑しながら、店員に全種類のアップルパイを注文し、箱に詰めてもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな二人の様子を、店の外から窓越しに見守る影が三つ。

 

「なんか……上手くいったみたいだね…」

 

「うん!二人ともすごく仲良さそう!」

 

「……少し近すぎない?あの二人」

 

 待ち合わせ場所に到着した一歌、咲希、志歩が、楽しげな様子で買い物に勤しむ二人を眺めていた。

 

「………」

 

その様子をむっつりと不機嫌そうな顔で見つめる志歩。

 

「しほちゃん。気持ちは分かるけど、二人の時間を邪魔しちゃダメだよ?」

 

「はッ!?ば……何言ってんのッ?」

 

 ギロリと咲希を睨みつける志歩、一歌がそれを「まぁまぁ…」と宥める。

 

「でも、アタシもちょっと妬いちゃうな〜……最近、あまり話せてなかったし…」

 

「うん……大怪我して入院する事もあったから、ちょっと心配だったしね…」

 

「…もしかして、理雄先生の言う"本業"と関係あったりする?」

 

 一歌が呟くと、勘のいい志歩が反応する。

 

「交通事故って聞いてるけど……詳しい事は分かってないし、運転が下手にも見えない……あの人、学校以外だと普段何してるの?」

 

「どう……何だろう…」

 

一歌が困惑した表情を浮かべる。以前、志歩が囚人服じみた格好の男に捕まり、理雄に助けられた時も、自宅まで送ってもらった事のある彼女達だったが、運転技術に問題があるようには見えなかった。彼の本職も、日常の過ごし方も、自分達は知らない。知っているのは、学校で自分達を支えてくれる教師としての姿だけだ。

 

「アタシたち……りおせんせーの事、なんにも知らないね…」

 

先程の嬉しそうな様子と打って変わって、咲希がシュン…と落ち込む。そんな彼女の肩に一歌は手をそっと置く。

 

「大丈夫だよ。きっと……これからたくさん知れると思うから…」

 

 一歌はそう言って咲希を気遣い、理雄たちの方を見た。傍から見れば、二人は仲睦まじいカップルに見える。今日一日、悩んでいた幼馴染の顔は幸せそうだった。

 

「…………」

 

その様子を、一歌は複雑そうな表情で見つめる。どうしてだろう……大切な幼馴染が嬉しそうに笑っているのに、彼女の笑顔を見ていると、何故だか胸が締め付けられる。

 

 その理由が分からぬまま、買い物を終えて戻ってくる二人を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

一歌たちと合流し、モール内を歩き回る。購入したアップルパイの詰め合わせを穂波に預け、5人はCD・DVD類の販売店に入っていた。

 

「あっ……ミクの新曲出てる…!」

 

普段の落ち着いた雰囲気を他所に、子供のように目を輝かせて『初音ミクコーナー』と記された商品棚の一帯に向かっていく一歌。

 

「相変わらず好きだね……」

 

「うん、一歌ちゃんは昔からミクちゃんが大好きだから…」

 

ちょっと呆れた様子で苦笑しながら、微笑ましげに見守る志歩と穂波。

 

「…ミク廃ってヤツか?あまり詳しくは知らないが……いつからあれだけ好きになったんだ?」

 

 咲希に尋ねる。

 

「え〜っと……アタシたちが小学生の頃から……あっ!」

 

その時、咲希が何かを見つけた様子でアニメコーナーの一角に寄る。

 

「見て見て!りおせんせーッ、これ、アタシが最近ハマってるアニメなんです!」

 

 トコトコと咲希が持って来たDVDのパッケージには、可愛らしい衣装に身を包んだ少女のイラストが描かれていた。ポップな文字で『ホレイショーガールズ』とある。

 

「どういうストーリーなんだ?」

 

 大して興味もないのに内容を聞いて後悔した。咲希が瞳を輝かせながら「知りたいですか?」とこちらを見上げていたからだ。

 

 咲希が得々と語る内容をまとめると、父である先王を殺されたハムレット(魔法少女)が、復讐を誓いデンマーク全国から70人のホレイショー(魔法少女)を集めてクローディアスの住むクロンボー城に討ち入るまでを描いた壮大な長編アニメらしい。

 

 『ホレイショー系魔法少女萌え』というのが最近きているらしい。

 

「……魔法少女モノなのに復讐譚なのかよ」

 

「ふふん、そこが良いんですよ」

 

「そ、そうかぁ……?」

 

 背後の志歩と穂波に視線をやると、二人は表情を引き攣らせる。

 

「咲希ちゃんに勧められて第一話を観た事があるんですけど……ヴッ、思い出しただけで卒倒しそう…!」

 

「グロ描写は多いし、性描写は多いしで……トラウマになりそうだったんだけどッ…!」

 

二人とも口元を押さえて青い顔をしている。今にも吐きそうな様子だった。プロモーションムービーを見ると、「いやぁぁぁぁぁぁッ!」と悲鳴を上げながら悪霊の群れに魔法少女衣装をビリビリと引き裂かれ、陵辱されるヒロイン『ホレイショーブルー』の凄惨な姿と、「死ねぇぇぇぇぇッ!」と獰笑しながら巨大なバイク戦艦で住人ごと町を轢き潰すヒロイン『ホレイショーレッド』の凶悪な顔が大写しになっていた。

 

 一体どういう層を狙っているのか見当もつかなかった。あと魔法を一切使ってない。

 

 兄である司もそうだが、天馬兄妹の感性は常人には理解できない次元にあるようだ。

 

 …不思議な事にこの作品、理雄はどこかで見覚えがあったが、思い出すと気分が悪くなりそうだったので、それ以上記憶を辿るのはやめておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 続いて向かったのは、ゲームセンターだ。

 

「ていッ!」

 

気合いを入れて放たれた咲希の右ストレートが、パンチングマシーンのポリウレタン製当て物にヒットする。測定された威力は30kgf(重量キログラム)。

 

「あ〜…ッ、やっぱりコレが限界か〜…」

 

残念そうに肩を落とす。身体が弱い咲希がパンチングマシーンをやりたいと言った時は、彼女以外の全員が難色を示したが、涙目の上目遣いで懇願された。結局、咲希のおねだりには敵わず、安全第一を前提に、理雄の指導の元で行われる事となった。

 

「もっといけると思ったんだけどな〜…」

 

「そんな事ないよ。十分すごいって」

 

「まぁ、怪我されたら練習に支障出すからね。出来ればやってほしくなかったんだけど……頑張ったんじゃない?」

 

一歌と志歩がフォローする。咲希は中々パンチが上手く出せず、何度かやってようやく出した結果らしい結果が30kgfだった。ちなみに、一歌は35kgf、志歩は33kgfである。

 

「よし、次は穂波だ。さっき教えた通り『力』よりも『速さ』を意識しろ。体の回転と体重の載せ方が肝心だ」

 

「はい!」

 

咲希から備え付けのパンチンググローブを受け取ると、軽く腰を落とし、理雄が教えた通りに構える。

 

「------えいやッ!」

 

腰の回転が加わった右の突きが当て物に命中。ファンファーレと共に、記録が更新された。

 

「69キロ!やるなッ」

 

「ほなちゃんすごい!」

 

「そ、そうかな…?」

 

 理雄と咲希に賞賛され、照れ臭そうにグローブを外す。

 

女子高生の平均が30〜70kgf程度なので、これはかなりの記録である。普段からドラムで鍛えてる上に、背が高く運動神経も良い彼女なら、頑張ればもっといけるかもしれない。

 

 最後は自分の番だった。

 

「病み上がりなんですから、無理しないで下さいね?」

 

「大丈夫だよ」

 

穂波から心配されながらグローブを受け取り、パンチングマシーンの前で構える。

 

「いけー!りおせんせーッ、かっ飛ばせー!」

 

「咲希、それ野球の応援だから…」

 

なんか外野が五月蝿いが、無視してその場で軽くジャンプし、程よく身体を慣らす。力を抜き、呼吸を落として集中。少し距離を取った位置から左で構える。

 

 右手を引き絞り、松濤館流の間合いで踏み込む------!

 

「シッ…!」

 

体重移動と体の回転で加速された右上段正拳突きが当て物に突き刺さり------。

 

------ズガァァァァァァァァァァァァンッ!!

 

 

「「「「え………」」」」

 

人間のパンチとは思えない轟音に、呆気に取られる四人。出した記録は…、

 

「あ〜ダメだッ、500で止まってる。やっぱ病院生活で鈍ったか…」

 

 プロ格闘家でもそうそう無理な数値を叩き出しておきながら、理雄は悔しそうに舌打ちする。一歌が恐る恐る手を挙げる。

 

「あの……理雄先生の最高記録って…?」

 

「ん?5ヶ月前の580キロだが……俺の本業の方じゃ、600以上出す奴がいるからな…」

 

今度こそ、四人は絶句した。彼の職場で勤務しているのは人間ではなくゴジラの亜種か何かだろうか…?

 

 彼女達が知る由はないが、ジュリエットチームのパンチ力は最高で英牙が650キロ、悟が640キロ、向一が610キロで信孝が600キロ、悠間と初雪が400キロ、龍一郎が260キロである。

 

 財団の機動部隊には、どこに行ってもこんな感じのバケモノがゴロゴロ存在する。だが、そんな彼らであっても、真の脅威たるアノマリー相手では、為す術もなく殺される方が圧倒的に多いのだ。

 

 

 

 

 

 

 その後、服屋やアクセサリーショップなどを回り、休憩がてらに寄った喫茶店に入り、穂波と購入したアップルパイをみんなで食べていた。

 

「…結構イケるな、コレ」

 

「そうでしょう?生地もサクサクで甘さも控えめなんです!」

 

自分はアップルパイはあまり食べない方だが、穂波から勧められたアップルパイの美味しさには衝撃を受けた。なるほど、彼女が夢中になるのも頷ける。

 

 全種類買っただけあって、テーブルにはかなりの量のアップルパイが並べられている。自分は遠慮したが、「理雄先生に買ってもらったんですから、先生も食べるべきです!」と穂波に言われ、こうして何切れか口に運んでいる。ちなみに、穂波は全体の半分をペロリと平らげていた。

 

 流石に口が甘ったるくなってきたので、苦いコーヒーで口直しをする。そのタイミングを見計らったかのように、志歩が質問を投げかけてくる。

 

「理雄先生の本業って……何なんですか?」

 

 他の幼馴染三人も聞きたかった話を、堂々と切り出してくる志歩、このように回りくどい言い回しをせず、直球な物言いをしてくるのは志歩の性格故だろう。

 

 理雄は驚く素振りも見せず、ティーカップから口を離す。

 

「そうだな……まぁ簡単に言えば、回収業者だな。色々とヘンテコで誰も見向きしないような物品を日本中……場合によっては世界中から回収し、保管するのが仕事だ。たまにゴミがくっ付いてる場合があるから、それを取り除くのも仕事だな」

 

「…………」

 

説明になっているようでなっていない回答に、志歩は眼を細める。

 

「最近、交通事故に遭って入院する事も多かったですよね?その仕事と何か関係があるんですか?」

 

 鋭い視線を向けられる。やはり、彼女は周囲の人間をよく観ている。勘が良いのもあるのだろうが、自分たちの音楽は勿論、何事にも妥協を許さず、物事を見極める少女の炯眼からは逃れられなかった。

 

「……いや、アレは単に乗っていたタクシーの運転手が事故っただけだ。運悪くソレが続いたんだよ。仕事とは関係ない」

 

「……………」

 

志歩の鋭い眼差しは自分を捉えて離さない。その眼は『真実を言うまで逃さない』と語っていた。

 

「…………ハァ…」

 

暫くして、志歩の視線に耐えられなくなったのか、理雄が両手を上げ降参の意を示す。

 

「わかった、白状する。……物品の回収の際は、高い確率で危険に巻き込まれる事も多い、特に海外じゃ、日本の法律は当然及ばないし、銃火器で武装した強盗から襲撃される事もある…」

 

「ッ……やっぱり…」

 

薄々、自分が危険な事に関わっているとは思われていたらしい。

 

「まぁ、最近は日本国内で活動する事が多くなったし、ぶっちゃけ、どれだけ治安悪い所でも、海外の紛争地帯みたいな現場よりは遥かに安全だ。ただし……俺の務め先についてはこれ以上言えないし、具体的な仕事内容も話せない。こっちにも守秘義務があるんだ。理解してくれ」

 

そんな言い方をされると、これ以上問い詰める事も出来ない。流石の志歩も引き下がるしかなかった。

 

「………ハァ、分かりました。なら最後に、一つだけ…」

 

 少し落ち着いたのか、小さく息を吐き出して、改めて姿勢を正す。

 

「どうしてその事を………私たちに言ってくれなかったんですか?」

 

少し、責めるような口調だった。

 

「仕事の内容が話せないのは分かります。けど、危ない目に遭ってるなら、せめてそれだけでも、私たちには話してくれても良かったんじゃないですか?」

 

 今の志歩は、拗ねた子供のようだった。彼女は自分の身を案じてくれている。なのに、危険な仕事に就いてる事すら教えてもらえなかった事が気に入らないらしい。

 

「…俺の仕事じゃ、現場は凄惨な場合も多い。見ただけで精神を擦り減らすような状況で俺が働いているなんて言ったら、君たちはどう思う?言いたくはないが、君たちはまだ心身ともに未熟な子供だ」

 

「……ッ!」

 

志歩が拳を握りしめる。

 

「多感な思春期の子は、大人の一言動、一行動に多大な影響を受ける。大の大人でも鬱病になりそうな話を、俺がすると思うか?何よりも大切な君達の前で?あり得ない」

 

それは少女たちにとって初めて、理雄からの厳しい言葉だった。大人として、教師としての顔で、理雄は彼女達と向き合っていた。

 

「…………………」

 

志歩は萎縮したように、拳を握ったまま俯いてしまう。他の三人も、叱られた子供のように落ち込んでいた。

 

「……まぁ、俺の事を心配してくれて言ったのは分かる。それは俺も嬉しいよ。それと………不安にさせて、悪かったな」

 

「……いえ…」

 

志歩は席からゆっくりと立ち上がると、深く頭を下げた。

 

「すみませんでした。生意気な口聞いて………私、考えが足りませんでした。理雄先生が、私たちの事をすごく考えてくれてるのに…」

 

「…いや、いいんだ。ハッキリした物言いは、志歩の良い所なんだ。大事にしろ」

 

 カップに残っていたコーヒーを飲み干す。すっかり冷めたエスプレッソの味は、苦い汁にしか感じなかった。見れば、テーブルにあるアップルパイは残り一個だった。

 

「…咲希、最後の一個食うか?」

 

「あ、はい!頂きます…」

 

落ち込んだ空気の中、咲希がリスみたいに小さく口を開けアップルパイを咀嚼する。

 

 その様子を眺めながら、理雄はふと咲希に聞く。

 

「そう言えば、志歩はバンドの練習中も辛辣なのか?」

 

「え?あ…はい、いつも課されるノルマが厳しくて…」

 

「そうか……でも、出来ない所をちゃんと言ってくれるのは、有難いよな」

 

「それは……はい」

 

「それは志歩だからできる事だ。誰かに厳しく出来るのも、志歩自身の大切な想いだ」

 

「……!」

 

志歩が顔を上げ目を見張る。

 

「だから、それを変える必要はないんだ。志歩」

 

「……私は、いつも自分の言葉で、誰かを傷付けてばかりで…」

 

「だとしても、俺は君の想いを知っている。ここにいる全員が、君の内側の音楽に対する情熱と、仲間への温かさを知っている。そんな君だから、俺も、一歌も、咲希も、穂波も………信じる事が出来るんだ。それを忘れるな、日野森志歩」

 

「………はい」

 

少し、志歩の表情が和らいだ。張り詰めた空気が徐々に解けていく。

 

「まぁ……いくら好きな人の事を知りたいからって、強引に聞き出そうとするのはダメだよ?しほちゃん♪」

 

「は?」

 

キロリと殺意の籠った視線で咲希が睨まれる。「キャーッ」とおどけて見せる咲希、一歌と穂波が怒りに燃える志歩を宥める。

 

 そんなLeo/needの平和な日常の一幕を見た理雄は席を立つ。

 

「さ、次はどこ行きたい?」

 

「カラオケ!」

 

「はいはい、了解だ」

 

 元気よく手を挙げた咲希に苦笑しつつ、支払いを済ませるべく、伝票を手にレジにむかう理雄だった。

 

 

 

 





 今年最後の投稿です!皆さん、一年間お疲れ様でした!!

 それと、新作が完成した事をご報告します!

 『ヴァンガード・ザ・ウロヴォロス【再誕の先駆者】』

2026年一月から連載開始です。こちらもよろしくお願いします!


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