Project Sekai SCP incident feat . 作:唯尊
ようやく第4章の終わりが見えてきました……。ここまでの応援ありがとうございます!ぶっちゃけリアルの方が大変ですが、今後も頑張って執筆いたしますッ!
818基地の理雄達ジュリエットチームと世界を隔てた通信を終え、執務室を出た由那はサイト-8156の公共オフィスへと向かう。
椅子に座る長身の少年を見遣ると、逃走を防ぐ為に両隣を固めていた警備員を下がらせる。視線が合った瞬間、紫髪の少年は立ち上がる。
「……もう、いいんですか?」
「えぇ、ありがとう。協力に感謝するわ」
「…………」
公立神山高校の制服に袖を通した少年、神代類は疑う様な眼差しのまま此方を見つめてくる。
「それとコレ、返しておくわね」
押収した彼のスマホ、財布、あとは類が独自に開発したドラえもんの秘密道具みたいなアイテムを返却する。
「一緒にいた彼女は……寧々はどこですか?」
「出入り口の先で会えるわよ。まぁその前に、貴方達二人には簡単な検査を受けてもらうわ」
「検査…?」
類が警戒する様な態度を取る。
「あぁ、安心して。健康診断みたいなもんだから。っていうかそれを受けないと出せないのよ。規則上ね……」
「……貴方達は、一体------」
「話せないし話す必要もないわ。だから貴方も何も聞かないで。そうすれば貴方と友人の私有地に対する不法侵入と逮捕時における公務執行妨害は取り消すから、もちろん前歴も残さないから安心してちょうだい」
有無を言わせぬ口調に類は押し黙る。
「にしても助かったわ。色々と質問したけど、全部素直に答えてくれて。……そのスマホの中の友達もね」
「……ッ!」
類が表情を変えるが、これ以上なにか口にするのは不利益を被ると考えたのか、「失礼します…」と言って警備員の案内を受けながらオフィスを出ていく。その様子を見つめながら由那はふと小さく呟く。
「…未成年者に自白剤なんか使ったら、倫理委員会が黙ってないでしょうからね」
万が一、告発でもされれば自分は査問委員会行きでは済まない。起訴された瞬間に特別法廷で審理され、『未成年者に対する薬物を用いた陵虐』で有罪判決を受ければ、懲戒免職を受けた後に財団が管理する秘密刑務所で懲役刑を喰らう羽目になる。……流石にDクラスへの降格はないと思うが。
「……あの二人、これからどうなるんですか?」
いつの間にか隣に立っていた後輩エージェント、琴音が心配そうに聞いてくる。
「確か貴女には、あのくらいの年齢の兄妹がいるんだったわね?」
「はい…」
「そんな顔しなくても大丈夫よ。規定通り、Cクラス記憶処理を施した後に解放されるから。ここでの体験は何もなかったものとして忘却し、一般人としての平穏で退屈な生活に戻れるわ。いつも通りね…」
財団で一般人を聴取した後、必ずと言っていい程行われ、繰り返されてきた処置……。この仕事では既に何度も見てきた光景だった。
「これで盾壁もお終いね。あとは機動部隊の彼らに任して私達はひと休み……とはいかないわね。これじゃあ…」
由那は思わず溜息を吐く。タブレット端末を取り出すと、データ化された報告書に視線を落とす。
------『"セカイ"と呼ばれる異常空間とバーチャルシンガーを名乗る住民達について』
「どうするんです?コレ…」
「上には報告したけど、『極秘案件につき他言無用』と返されたわ。けれど、記憶処理を命じられていないって事は、近い内に関わる事になるわよ絶対…」
「マジですか…」
「ええ、マジよ」
二人揃って嘆息する。経験上、このパターンだと確実に巻き込まれるのは避けられないと知っているだけに、今後の過密スケジュールからは逃れられないと悟る。今更だが、財団の非人道的シフトはブラック企業も腰を抜かすレベルの過酷さだ。
「あ〜あ。今日こそお風呂に入れると思ったのにな〜…」
スンスンと、財団指定の黒スーツの袖の臭いを嗅ぐ琴音。もう何日も帰宅せず不眠不休で働いているおかげで、濃い疲労と体臭に悩まされていた。
「全ての件が片付いた頃には、ボロ雑巾になってるわね。私達」
「え〜ッ?」
「文句言わない。これも財団職員の宿命よ」
二人してオフィスを出ると、暫くして由那が呟く。
「……ねぇ」
「はい?」
「あの二人が話していた、『セカイは想いで出来ている』ってフレーズ。貴女はどう思う?」
琴音はおとがいに手を当て、少し考える間を取る。
「……もし本当なら、素敵だなって思います。あのオフィスビルの駐車場に侵入したのだって、誘拐された友達を助ける為だって言ってましたし。強い想いが不思議な場所を生み出すって、なんだか私の好きなフィクションの展開みたいで、結構好きです」
心なしか、琴音の声は楽しそうだった。婚期を逃して久しい自分と違って、まだ若い琴音にはかなり刺さる要素があるらしい。
「……けど、以前ジュリエットが報告したダミアン・オコナーの件を含めて、悪用しそうな人間は多そうね。特に、私達みたいな裏側の世界の住人は」
「そう、ですね…」
エレベーターの前で止まると、二人の表情が翳る。由那達が生きる世界は、ある意味では人間の本性が生々しく露呈される社会だ。剥き出しの欲望や悪意、エゴが衝突する度に誰かの人生が滅茶苦茶にされ、大勢の命が失われる。それが財団を含む、異常組織とそれらに関与する人間達の日常だ。
自分達も目にしてきた。飽きるほどに何度も何度も繰り返される悲劇の連鎖。死体の山が幾重にも積み重なり、築かれた屍の上に立つ自分達は、いつかそれが"普通の事"だと錯覚するようになる。この異常な空間で長い時間を過ごした者ほど、段々と慣れてしまうのだ。暴かれた世界の真実と、その残酷さに。
「しかし、やっぱり謎です」
「何が?」
「SCP-213-JPがあの駐車場に現れるって話です。セカイのバーチャルシンガーから聞いた……なんて言ってましたけど。本当なんでしょうか?」
「ポリグラフでは『嘘じゃない』って結果が出てたけど?」
「そうじゃなくて、そのバーチャルシンガーがどこで情報を知ったのかって意味です。あの類って子の話だと、普段から見てる初音ミクや巡音ルカとは違う個体だとか……一体何者なんでしょう?」
「分からないわ。ただ……その情報を掴んでいたのは財団と警察の一部だけよ」
由那の眼が鋭く細められる。
「何処からか情報が漏れた……、或いは------」
「ソイツが諜報員のマネごとをして財団から情報を盗んだ------。どちらにせよ、放置できる存在じゃないわ。もしかしたら、あの"プルアー"とかいうアノマリーとも関係があるかもしれない」
琴音が首を捻る。
「プルアー……、どういう意味なんでしょうね?」
「さぁ、ダミアン・オコナーがそう呼んでいたらしいけど……。
「引き抜くって……O/D作戦が開始される理由にもなった、あの正体不明のアノマリーの事なんでしょうか?別世界から人々を拉致してきたっていう……」
「旧時代のテロリストが現れた事といい、謎は深まるばかり。ホント、
呼び出したエレベーターがようやく到着すると、二人はカゴへと乗り込んだ。
*
ブリーフィングルームで與一から作戦概要の説明を受ける。
「今回の作戦には213-JP-1内部の詳細を知るDクラスに協力してもらう。彼と彼の相棒に道案内を頼んでもらえ」
「Dクラス?それに二人って……」
あのアノマリーに関わるDクラスといえば、理雄が知る限り一人しかいない。二人目とは誰だ?
「向こうに行けば分かる。それと、最重要目標の顔を忘れるな」
渡された盾壁の顔写真を今一度確認し、網膜に焼き付ける。年齢は60代半ばにも拘らず、筋肉質な体躯と精気横溢とした雰囲気は年齢による衰えを感じさせない。獅子の立て髪のような髭と鋭い双眸はさながら肉食獣のようだった。
「このジジイが最重要目標?なんか想像通りすぎてインパクトに欠けるぜ」
「あぁ、いかにも"強欲な独裁者"って感じだ。俺達が相手にしてきたアノマリー絡みの悪人、コイツはその典型だな」
「……ハァ」
信孝と悟が感想を口にする中、その様子を見ていた龍一郎が残念そうに溜息を吐く。車椅子こそ不要になったものの、未だ医師から現場への復帰を認められていない彼だけが、『
「そんな顔するな。今回は狭苦しい監獄での
「そうじゃなくて、俺の代わりをフィフティに任せるのが不安なんだ」
悠間のフォローに対し、龍一郎が半眼でアルファのアメリカ人戦闘員を見つめる。
「なんだよ、接近戦なら俺の得意分野だ。誰にも負ける気はしないね」
「お前は兎に角トロいんだよ。訓練じゃ毎回毎回ノロノロ動きやがって……。移動も遅い、撃つのも遅い、ドアを破るのも遅い、標的の制圧も確保も遅い。速いのはよく回るその口だけだ」
「確かに遅いな。もしかしてフィフティ・アーサーの"
信孝の嫌味と理雄の皮肉に、フィフティは飄々とした態度で肩を竦める。
「盾壁の居場所は看守が集まる休憩室か執務室のどちらかだ。突入すると同時に、ジュリエットが休憩室、ロメオが執務室を目指す。言うまでもないが、213-JP-1内では電波が完全に遮断される。無線もドローンも使えない以上、此方から君達の動向を把握する事は出来ないし、もちろん応援も呼べない。突入後は完全に君達に任せるしかなくなる。脱出を含めて、全て自分達だけでなんとかするんだ」
「大丈夫、いつも通りやり遂げてみせますよ。……必ず皆んなを生きて返す」
英牙が真剣な表情で答えると、理雄はその反応に違和感を覚える。最後の"必ず皆んなを生きて返す"というフレーズには、どこか彼らしからぬ意思を感じた。
「よし、では早速準備に取り掛かれッ」
與一からの説明が終わると、ブリーフィングルームから出て武器庫へと向かう。普段着用している財団製マルチカム迷彩戦闘服に着替えると、各々が使用する武器、装備をチェックしていく。
「……何かあったんですか?」
気になって英牙に聞いてみる。
「何がだ?」
「いえ……、なんかいつもの天城さんとは違うような気がして」
「気のせいだろ」
それだけ言うと、英牙はサブウェポンのVP9拳銃のスライドを引き、動作に問題がないか念入りに確認を行う。
「そういや、メリッタの武器庫にようやくVP9が納入されたらしいぞ。予備パーツも必要な数が集まったから、俺達にも支給される事になったらしい」
「そりゃあ良い。いい加減、欠陥品のSIGにはウンザリしてたんだ。コイツに戻れて嬉しいよ」
HKのマガジンに弾薬を装填する悠間に対し、信孝がMINIMIの銃口にサプレッサーを付けながら笑みを見せる。
ヨーロッパにその源流を持つアメリカの総合銃器メーカー、SIG Sauer社が開発した
あの世界に派遣されて初めてこの銃を渡された時は、遠回しに『死ね』と言われてるような気分だった。
「しかし、この銀の弾丸ってのは、名前の割にどうにも頼りない性能だよなぁ…」
悟が5.56mm弾のカートリッジを一発、机からヒョイと指で持ち呟く。薬莢こそ金色に輝く普通の真鍮だが、先端に埋められた弾頭は鈍く光る銀色だ。アルギュロスが装甲に使用するウロヴォロス合金にも似ているが、コレは紛れもない純度100%の銀の銃弾である。弾薬ケースにギッシリ詰まった数千発もの白銀の弾を前に、改めて財団の経済力に度肝を抜かれた。
「弾丸としての比重や硬度、弾道安定性は標準的な鉛弾よりも劣りますからね。通常の標的に対する純粋な弾道・殺傷性能が通常弾よりも低いくせに値段は高い。……兵器としては使い物になりません」
タクティカルベストを点検する向一が吐き捨てる。強力なライフル弾を受け止めるセラミック・プレートに異常がない事を確認し、ベストに挿入していた。
「これだけの量があれば、
悠間がチラリと理雄に視線を送る。此方の事情を多少なりとも知っているだけに、弾丸に祈りを込められるか心配なのだろう。
「……俺なら大丈夫ですよ。今の俺には祈るべき理由と、信じる相手がいますから」
悠間は暫し此方の眼を見つめていたが、やがてその鋭い眼差しを解く。
「…過去との決着はついたのか?」
「いいえ、まだです。ですが一歩前進しました。この世界に置き去りにした想いの欠片を、再び取り戻す事が出来ましたから」
そう言って首から下げたペンダントを見せる。チェーンの部分に、見慣れぬ結婚指輪が通されていた。
それを見ただけで何かを察した様に、悠間は微笑を零した。
「そうか……、よかったな」
「はい…」
「おい!そろそろ行くぞッ」
12ゲージの銀製バックショット弾を装填したレミントンM870ショットガンを担いだ初雪に呼ばれる。狭い室内での近接戦闘を想定した装備で完全武装していた。
化学戦に対抗する為のガスマスクを装着すると、第818基地を出て財団の特装ワゴンに乗り込み、暫く道を走り続ける。
「うおぇッ、こんなモン付けたまま揺らされるのはキツイな…」
舗装されていない山道を通った所でガタンッと強く揺れ、信孝が呻く。視界が狭く息苦しいガスマスクは、戦闘時も乗車時も着用者の不快感を増大させる。
「我慢しろ、移動中とはいえ襲撃の可能性はあるんだ。即時臨戦態勢を維持しろ」
「了解だ。隊長…」
英牙はその後、暫く口を閉じていたが------。
「………なぁ」
「ん?」
「休暇中はどうだった?」
「フィフティと家でゴロゴロしてたよ。ラーメン食ったり映画観たり、酒飲んだりエロ動画観たり……それがどうかしたか?」
「何か問題は無かったか?」
信孝が怪訝な表情になる。
「問題って……例えばなんだよ」
「色々あるだろ。家族とか女とか健康面とか……日常に戻った瞬間、それまで棚上げにしていた問題が一気に降りかかってきたりするんだよ」
信孝は目をパチクリとさせると、盛大に笑い始めた。
「ファハハハ!なんだよ、急にどうした?ベテランの経験談か?確かに戦場から離れれば、ウザい現実に嫌でも向き合わされるが、生憎とアンタに相談する程の悩みなんて、今の俺には無い」
「本当か?」
いつになく真剣な表情で問うてくる英牙に、横の座席で聞いていた初雪も少し戸惑う。
「なぁ、一体どうした?普段のお前なら仲間のプライベートにそこまで首を突っ込まないだろ」
「別に、特に理由はない。ただ……」
不意に、英牙は表情を曇らせる。
「今回の休暇を利用して、勢之に会ってきた」
勢之慎吾---------理雄がジュリエットチームに配属される前に傷痍除隊した元機動部隊員だ。面識はないが、名前だけは理雄も知っていた。
「ほー、勢之は喜んでいたろ?」
「……アイツ、義手のリハビリ中に使っていた鎮痛剤のせいで薬物中毒になっていたらしい。知ってたか?」
「………」
初雪は気不味げに視線を逸らす。
「俺は、全く気付かなかった。長い間、一緒に戦ってきたのに……、一番近くで勢之を見ていた筈なのに、俺だけが知らなかった。いや、それどころか、アイツがまだ財団に在籍している事すら忘れていたんだ」
ひどく落ち込んでいる英牙を前に、初雪が閉口する。
「勢之とはもう何年も会っていなかった……。最後に言葉を交わしたのは、アイツの退院祝いの時だ。その時だって携帯越しに『退院おめでとう。リハビリ頑張ってくれ』の一言だけで、直接顔を見せには行かなかった」
「英牙」
「俺は何だ?いつもいつも、事ある
「英牙ッ」
初雪の声に、ようやく我に返る。
「お前が今までの自分の在り方を振り返るのは構わない。だが、俺達がこれから向かうのは戦場だ。異形と怪異が溢れ、悪意と暴力に塗れた世界の最下層にして掃き溜めだ。そんな最低最悪な状況に放り込まれるってのに、現場指揮官のお前がそんなんじゃ誰も生き残れない」
「…………」
「休暇中の出来事は一先ず忘れろ。頭をクリアにして集中するんだ。いつも通りの天城英牙で行けば、必ず任務を達成し、全員が生還できる」
「…………そうだな」
英牙が短く答えると、一緒に乗った與一に「そろそろ到着するぞ」と呼びかけられる。
降車すると、着いたのは山奥にある古びた天文台だった。一見すると普通の廃墟だが、財団が管理する立派な収容施設だ。
中に入って階段を下ると、やがて鋼鉄の扉が現れる。與一が手を翳して生体認証キーを解錠すると、ギギギ…と重い音を立てて開かれる。
理雄達の目の前に広がったのは、地下に建造された広大なホールだった。壁と柱、天井に至るまで鉄筋コンクリートで補強されており、冷んやりとした空気で満たされている。その中央にあるのは、一台の漆黒のクライスラー。
今回、新たに確保されたSCP-213-JPを取り囲む様に配置された武装兵達は、ざっと見ただけでもアサルトライフルやライトマシンガンで完全武装した兵士が一個小隊分はいる。4丁のM2ブローニング重機関銃の銃口がクライスラーに向けられており、装填された給弾ベルトに連結された50口径弾の先端は、銀の弾頭だった。
SCP-213-JPに近づき後部トランクを開けると、改めてその狭さに若干の不安を覚える。
「結構狭いですね…」
「持ち込める武器はここに入るサイズのみか…。向一のMG3でギリギリだな」
理雄と悟がボヤく。
「時計を合わせろ。3…2…1------」
英牙の合図で全員が一斉に腕時計の時刻をシンクロさせる。作戦が開始された。
「コイツを現地のガイドに渡してやれ」
そう言って與一から受け取ったのは、新品のバールとサバイバル・パックだった。
「連絡が取れるのは空間内部のみだ。一定時間が過ぎれば、此方から即応部隊を送って救出する。ただし期待はするな。外部との通信が叶わない以上、こっちがやれる事には限界がある」
「作戦終了予定時刻までには目標を連れて帰還しますよ」
「無事を祈ってる」
「はい。……よし行くぞッ、俺から乗り込む!」
一番最初に英牙が後部トランクに入り、バックドアが閉められる。次に開けた時には、英牙の姿が消えていた。まるで凄腕の奇術師に消された様だった。
「お先に」
続いて初雪が入り込み、フィフティ、悟、向一。続々と仲間が転移していく中、理雄が最後に乗り込む。
「閉めるぞ」
武装兵がトランクを閉める直前、傍のHK416を抱えながら、この後に飛び込む監獄にえむが囚われている事を思い返す。
------集中しろ。今は盾壁の確保だけを考えるんだッ。
えむの事を脳内から排除し、感情を押し殺す。間も無く訪れる戦闘に身構えながら、トランクが完全に閉められ、外界からの光が絶ち切られた。
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