なんかお気に入りがエグい事になってました。
ランキングを見たら三位。頭がバグりかけました。久々だぞこんなの。
競馬予想をやめて書きました。
結構お酒入っちゃってるので誤字とか編なこと書いてないか心配です。
明日の朝京都競馬場で確認します。
最近はものすごく楽しい。
未勝利戦を勝ち抜き、中央のレース場での勝利を手にしたアイの成長がものすごいからだ。ゲームでもレースに勝てばステータスが少し上がっていたりしたが、それを実感している。
本番でしか得られない成功体験はそれほどまでに大きいものだった。
だからこそ、俺はアイに謝らないといけない。
俺のトレーナー室で鼻歌を歌いながら勉強をしているアイに真面目な声で話しかけた。
「すまん。勝負服考えててねって言うの忘れてた」
「へ……?」
「……ごめんね?」
「……えぇ!?!?」
俺の言葉に時が止まったかのように固まり、次の瞬間には飛び上がるように立ち上がるアイ。
いや、ほんとにすまない。
最近はトレーニングに打ち込みすぎた。
だってスポンジのように吸収していくんだもん。トレーナーとして燃えない方がおかしいのだ。
それにほら、この学園にはウイニングライブの練習忘れるトレーナーもいるぐらいだし……ね?
「トレーナー?」
「ごめんなさい」
最近、俺がアホなことを考えると察知するのは何故なのか。そんなに詰め寄らないでくれない?本気で謝るぞ?土下座でもしましょうか?……いや、本当にごめんね。俺が悪かったです。
でも安心してほしい!!
これでもそれなりにツテってのはあるのだ。
だからあと一週間程度は大丈夫だぞ?逆にそれを逃すと……。
「シンザン記念には間に合うわよね!?」
大丈夫!まだ間に合うよ!!
でもギリギリになって本当にごめんね!!
「間に合うよ。だから安心してほしい。それと、今回は本当にごめんな」
それにもし、本当に無理なら、最後の手段を使えばいいのだ。それならぜっったいに勝負服は間に合うさ。
「ま、間に合うのならいいけど…………えっと……ちなみに、間に合わなかったらどうなってたの?」
アイは俺の言葉に安心したようだった。
だがしかし、万が一間に合わなかった時はどうするつもりなのか気になるらしい。なら教えてあげよう。
「俺がセントライトさんに電話して土下座して最速で作ってもらう」
「……」
「ど、どした?足りないか?……なら本当の最終手段だ!シンボリ家にも行ってくるぞ!?」
「本当に思い出してくれてよかったわ……」
冷や汗をかき、腰が抜けたようにソファに座り込むアイ。ちょっとだけ震えた声で俺が思い出した事を安堵している。
「大丈夫大丈夫。俺が本気で怒られて再起不能になるだけだ」
「大問題よね!?」
「そだね」
「あぁ、その通りだ」
「ヒュッ!」
変に息を吸い込み、一瞬呼吸が止まる。
ドアの向こうからの声。それは本当に本当に聞き覚えのある……というか、覚えしかない声。
「失礼するよ」
ガチャリとドアを開けて入ってきたのは我が師匠。
スピードシンボリだった。
「し、師匠?どうしてここに?」
「いやなに、ちょっと学園を寄ったら相談されてな?どうやらあるトレーナーが勝負服の発注をしてこないらしいじゃないか。そしてそれはどうやら、天川一星という名前らしい。おかしいとは思わないか?私のことを師匠と呼んでくれる可愛い可愛い弟子が?担当ウマ娘の?勝負服を忘れる?……そんな事ないだろう?それを確認しにきたんだ」
スッと土下座をする。
担当愛バの前?知らん知らん。
大人はね?何よりも簡単に自分の頭を地面に擦り付けないといけない時もあるんだよ。
「本当に!申し訳ありませんでしたぁ!!!」
この後説教が一時間続いた。
この間は散々だった。
アイが止めてくれるまでお師匠様のお叱りは止まらなかったし、全て事実だからこそ反論なんて言えない。仕方ない人を見るように止めてくれたアイには本当に感謝してます。
そんなことを思いながら、俺は学園のベンチでゆっくりと過ごしながら今後のトレーニングメニューを
「あ、ウマ娘の足フェチトモ食い土下座おじさんよ」
「……」
おれ、しごとやめていい?
ただでさえ最悪な呼び方なのに土下座までついちゃった……。
俺まだ二十代なのにおじさんなの?
……あぁ嫌なことを思い出したぞ。
前世でいた妹には二十代で自分磨きしてない男はおじさんって言われたもんなぁ。そりゃ休日ゲームして競馬してる兄はただのおじさんだよなぁ。
でも昼になってもパジャマでスマホいじって過ごしてるお前も大概だと思うのよ?自分の家から出て、アレルギーで鼻グシュグシュになって目も痒くなるのにも関わらず、実家にいる猫を愛でながらゲームや競馬などの趣味に没頭している分、俺のがマシじゃない?ほら、俺はちゃんと外行けるように着替えてるし。
キレられるから言わないけどさ。
「はぁぁぁ……」
結局、アイは自分の勝負服のデザインは考えていた。そりゃウマ娘達は自身を飾り大舞台へと上がる為の服のデザインぐらい少しは考えているものだ。
あとはそれをプロにお願いして発注してと。
細かいアレコレはあるが、大体の流れはこんな感じで終わった。これでシンザン記念では新品の勝負服で着飾ったアイを見ることができるだろう。
ただ少しだけ不思議なことがあった。
「首飾りが無しになりかけたんだよなぁ」
ウマ娘のアイ。
そのデザインは今でも覚えている。
衝撃的なお披露目だった彼女の首には九つの菱形と王冠で作られたアクセサリーがあった。
「でも考えてみればおかしくはない……よな?」
あれは現実でのアーモンドが九冠を取ったからこそのデザインだ。
残念ながらこの世界のアーモンドアイはデビューして二戦走っただけ。あのアクセサリーを作る発想は出てこなかったのかもしれない。
だからこそ、アイの勝負服のデザインに口を出せたのは少しだけ嬉しいことだったり……烏滸がましいけどな。
でもいやほんとマジで!!アーモンドアイなら最低九冠は取るから!!と必死になってよかった。
「……っと、こんなもんかな?」
今週のアイのトレーニングメニューを決め終える。
これをベースにしてその場の状況次第で臨機応変に対応していけばいい。だからこれからはお楽しみの時間だ。
「さてさて〜。今週の特別レースの出走ウマ娘チェックタイムといきましょうかね」
ふむふむ。なるほど。
新聞を開いたり、ネットでレースの情報を集めたりとしながら時間を潰す。
「注目の子はいましたか?」
「この子なんかいいと思うんだが……って、またか?」
「ついお見かけしましたから」
クロノジェネシスが現れた。
いや、まぁね?俺がある程度の定位置を決めてそこでこうやって予想してたりするけどさ?大体このぐらいにいるなって把握してるよね?
まぁいいけどさ。
「ちなみに私は」
「おぉ、その子か」
なんて言いながら予想を始める。
これがまた結構楽しいのだ。
レースは一瞬。でもこうやって予想することはその週の全てを使っても終わらない。だからこそ、ああでもないこうでもないと、友達や先輩と意見を交わす。ほんと、競馬予想ってコミュニケーション取るのに最適だよね!!!!
「……いや、この子が勝つ」
「いやいや、この子のデータを見れば今回はこちらの方が……」
「「……」」
本気、なのだ。
この世界でも、前世でも、俺たちは本気で予想するのだ。だからこそこうしてぶつかる時もある。
「だーかーら!今週雨だよ!?この子の方が展開向くって!」
「いえいえ!そうとは限りませんよ」
「よーし!ならこの子が負けてクロノちゃんが選んだ子が来ればジュース奢ってやるよ!」
「勝負ですか?乗りました」
こうして急遽決まった勝負。
負けられない戦いがここに
「面白そうなことしてるな」
「!?な、ナカヤマフェスタ……だと?」
「あ」
「その賭け、私も噛ませてもらうぜ」
あ、あかんやつや!!
「おいおい。面白そうな空気を感じたぜ?このゴルシちゃんも仲間にいーれーろーよー!!!!」
あ、あ、逃げ場、逃げ場がねぇ!!!
後日、食堂のテレビを使用してメインレースで行われる賭け……いや、違う間違えた。そう、勝負大会!買い方は単しょ……一着を当てるだけで、当てた子達はジュースを総取りして当てた子達で分けることになる。
デアリングタクトが持ってきたホルモンで煮込みを作ったり、させぇ!!八番させぇ!!とか騒ぐトレーナーが現れたり、プチイベント的なことになってしまった。
そんな最悪なイベントが起きた次の日。
俺はまたベンチに座りトレーニングメニューを考える。
「あ、ウマ娘の足フェチトモ食い土下座おじさんよ」
「あの人、賭博したんだって?」
「うぅ……」
どうしてこうなる。
ストレスで禿げそうと思いながらパソコンに向かっていると隣に誰かが座った。……クロノちゃん?俺まだ新聞とか広げてないよ?
横を向くとちびっ子……あ……。
「り、理事長……。お疲れ様です」
ちびっ子理事長がいた。
その理事長は笑顔でこちらに向き、扇子を広げてただ一言。
「減給!!一ヶ月は反省するように!!」
「あんまりだぁ!!!!!」
泣いた。
私のトレーナーは本当にトラブルメーカーというか、巻き込まれ体質というか、変なことに遭遇しては変なあだ名がついてしまう呪いにかかっている。
それを少しだけ不憫に思い、フクキタル先輩に相談したり、リッキーさんから風水を教えてもらったり……。
「次はここなんだけど」
旧理科準備室。
今のトレセン学園に所属するウマ娘達にはあまり関わりがない場所。そこにわたしは用事があった。
というのもだ。
ここにいるであろうマンハッタンカフェ先輩。
彼女には何か別の存在が見えているらしい。
……ちょっと怖いけど、わたし自身も他人事ではない。わたしにも、特定の場所ではあるが別の存在を感じたのだから。……だからその、スピリチュアル?的な?そんなのを少しだけ信用したというか、あのトレーナーを見ていると本気でお祓い案件というか……。
「どうぞ」
「へ?……わぁ!?」
旧理科準備室の扉が開いていて、そこに目的のウマ娘であるマンハッタンカフェ先輩がいた。
あれ?開いた音した?
確かにわたしは目を瞑っていた。けれどウマ娘が扉の開く音を察知できないなんてことあるのだろうか?それも目の前なのに……。
「どうしました?」
「あ、はい。失礼します」
招かれてしまった。
そのまま用意された椅子に座るように言われ座っていると、美味しそうなコーヒーを出してくれた。
「あ、美味しい」
「それはよかったです」
「……」
「……」
な、なんて言ったら!!
わたしのトレーナーは呪われてますか?
わたしがたまに見るアレってなんですか?
……い、いやいやいや!なんて聞けば!?
占いや風水ならともかく、こんな相談初めてでわかんないわよ!
「面白いトレーナーさんですね」
「へ?」
「ナニカにとても好かれている。残念なことに私ではそれをちゃんと見ることはできませんでしたが」
「……」
あー、やっぱり。なんて思った。
察してくれた驚きとか、その他のことなんてどうでも良くなる。あー、やっぱり何かしらに取り憑かれてるんだなぁなんて。
「貴女にも、ナニカが憑いてますが」
「…………………」
お、落ち着けわたしぃ……。
あー、やっぱり。なんて思った。
……あれぇ?ループしてない?
「私には他の人には見えないお友達がいますが、雰囲気はその子と似ていて、でもどこか違う。不思議ですね」
「あー……あ、あはは……」
正直に言うとちょっっっとだけ怖い。
レース場では高揚感とか、色々と感情が昂るおかげで気にならないし、なんなら頼りにもしている気もする。けど日常的に憑いているなら別だ。
え?怖くない?
「大丈夫ですよ。貴女に害を及ぼすことはありません」
「そうなんですか!?」
「えぇ、むしろ支えていると言ってもいいと思いますよ?とても嬉しそうで、楽しそうな雰囲気が伝わってきます」
「……なる、ほど?」
分からないけど、とにかく嫌なものはないらしい。
「貴女のトレーナーさんと一緒です。貴女に信頼を置いているからこそ、害を及ぼすことはない」
「なら安心できますね。ちょっとだけですけど」
「本当にそうですか?」
「え?」
マンハッタンカフェ先輩の雰囲気が変わった気がした。そして、何故かわたしの後ろ付近からも、ナニカを感じる。
「その子の期待を裏切れば……その時はどうなるかわかりませんよ?」
「え?」
「貴女の前回のレース。未勝利戦を見ました」
とても良い勝ち方でした。
本当に凄かった。
そう言ってくれる先輩。
でも、わたしはそれどころではない。
後ろから、何かをカツカツと叩くような音が聞こえてくる気がする。一定のリズムで、硬い何かを地面に叩きつけるのだ。
「おそらくですけど」
「……」
「貴女はこれからずっと、その子を超え続けなければいけないと思います。もちろん色々な状況はあるとは思いますが……」
「あ、あははは」
乾いた声。
わたしは、トレーナーの相談をするつもりだったのに。いつの間にかわたしの、わたしに憑いているナニカの事になっている。
しかも、その子を超え続けなければどうなるか分からないみたいなことも……まって、まってまって。
「えっと……」
「応援しています。私にできることがあればまたここに来てください」
「……」
思考が止まる。
……落ち着いて、深呼吸。
私にできることは何がある?
走り続け、超えて、トレーナーに、私が信頼しているあの人に勝利を。もう何も言われなくてもいいように。絶対的な勝利を。
そうだ。そうだよ。
「全部、私が一番になれば」
「……」
「カフェ先輩。わたしと並走してください」
「え?」
「今すぐに行きましょう!!」
いただいたコーヒーを飲み干して立ち上がる。
こうしてはいられない。
わたしは、誰にも追い付かれないように走り切る。
わたしは新時代を作るのだ。
だってトレーナーは言ってくれたのだから、わたしにはトリプルティアラですら通過点で、日本で、世界で!!誰も到達したことがないところまで!!!
「行けるんだ」
『君は、新たな歴史の創造者になれる』
「わたしは、歴史を作るのだから」
あの一言で、わたしの世界は動き出した。
色々と問題は山積みだけど、走って、走って走って。
その先にある誰も見たことがない場所へ行く。
誰も見たことがない場所へ、トレーナーを連れて行く。
「「それが、わたしにできることだから」」
……ん?
声がブレた気がした。
けど気にしてなんていられない。
今すぐにでも、わたしは走りたいのだから。
ね?貴女もわたしと同じでそれが願いなんでしょう?なら、答えは一つ。
「最強であること」
それを証明し続ける。
それだけでいいのだから。
最初。
8が本命です。気にしないでね。