最終回の倉庫でキラとニアのゾンビ籠城ライフ 作:ルーシー統括主任
YB倉庫の埃っぽい床に、真っ赤なリンゴが一つ置かれていた。松田が「リューク、戻ってくるのかな?」と呟きながら置いたものだ。数日後、倉庫の天井から不気味な笑い声が響き、黒い影が降りてきた。リュークだ。
「ハハハ!やっぱりリンゴの匂いには勝てないね、人間界最高の娯楽だよ!」とリュークがリンゴを手に取り、ガリガリと音を立てて食べ始めた。
松田が目を輝かせて叫んだ。「リューク!本当に戻ってきたんだ!」
相沢が眉をひそめ、「お前、リンゴ一つで釣れるのかよ。死神ってそんな安っぽいのか?」と呆れた。
「安っぽい?人間がどう思おうと、リンゴは俺にとって至高だよ」とリュークが肩をすくめて笑った。
夜神月が静かに近づき、冷たく言った。「リューク、なぜ戻ってきた?僕の計画はもう終わったはずだ。」
「終わった?ゾンビだらけの世界で、お前らがどうなるか見ないわけにはいかないだろ。最高のショーだよ」とリュークが目を細めた。
ハルが夜神月の腕に触れ、「月、リュークが戻ってきたら、あなたの心がまた乱れるんじゃないかと心配だよ」と囁いた。
「ハル、心配しないで。もう僕はキラじゃない。ただの生存者だ」と夜神月が彼女の手を握り返した。
倉庫内の空気が一変し、皆がリュークの帰還に戸惑いと期待を隠せなかった。
シャワールームのカーテンが揺れ、松田がそっと近づいた。ハルのシャワーを覗こうとしているのだ。だが、今回はレスターが先に気づき、松田の肩を掴んだ。
「お前、またかよ!いい加減にしろ」とレスターが低く怒鳴った。
「えっ、俺、何もしてないって!」と松田が慌てて手を振ったが、嘘がバレバレだ。
ハルがシャワーから出てきて、タオルを巻いたまま松田を睨みつけた。「松田、次やったら、また殴るよ。」
「ご、ごめん!つい…癖で…」と松田が頭を下げた。
ジェバンニが笑いながら、「松田、お前ゾンビより厄介だな」と冷やかし、伊出が「馬鹿はゾンビに食われても治らないって証明しなあとか」と呟いた。
夜神月が珍しく口元を緩め、「松田さんのおかげで、少しは緊張が解けるよ」と呟いた。
ハルが彼に微笑み、「そうだね。この状況でも笑えるなんて、松田も悪くないのかもね」と返した。
倉庫内に響く笑い声が、ゾンビのうめき声を一瞬だけかき消した。
夜が深まり、が物資の整理をしていた。ハルがふと手を止めて尋ねた。
「月、キラだった時、どんな気持ちだったの?」
夜神月は一瞬目を伏せ、「正義を執行してるつもりだった。世界を変えられると思った」と静かに答えた。
「でも、今は?」とハルが優しく聞いた。
「今は…虚しいよ。ゾンビに囲まれた世界で、僕の理想なんて何の意味もない」と彼が苦笑した。
ハルが彼の手を握り、「意味はあるよ。あなたが生きてるだけで、私には意味がある」と真剣に言った。
夜神月は驚いたように彼女を見つめ、「ハル、君は本当に不思議だ。キラだった僕にそんな言葉をかけるなんて」と呟いた。
「キラじゃないよ。あなたは神月だよ、私の大切な人」とハルが微笑んだ。
二人は静かに見つめ合い、互いの存在がこの極限状態での支えだと再確認した。遠くで松田が「またイチャイチャしてる!」と呟いたが、誰も相手にしなかった。
リュークが夜神月のそばに座り、リンゴをかじりながら話しかけた。
「お前、デスノートをまた使わないのか?こんな面白い世界で、ただ隠れてるなんて勿体ないぜ。」
「使う意味がない。ゾンビは死んでるからデスノートじゃ殺せない」と夜神月が冷たく返した。
「ゾンビはな。だが、人同士の争いはまだあるだろ?この倉庫でもさ」とリュークがニヤリと笑った。
「リューク、僕を焚きつける気か?もうその手には乗らないよ」と夜神月が言い切った。
「焚きつける?俺はただ見てるだけさ。お前がどう動くか、それが楽しみなんだ」とリュークが肩をすくめた。
ハルが近づき、「リューク、あなたが月を惑わすなら、私が止めるよ」と鋭く言った。
「ハハ!人間の女が死神に楯突くなんて面白いな。だが、止められるかな?」とリュークが笑った。
夜神月がハルの肩を抱き、「ハル、僕を信じてくれ。もう揺るがない」と静かに約束した。
松田がまたハルのシャワーを覗こうと近づいたが、途中で立ち止まった。
「ダメだ…もうやめなきゃ。ハルが本気で怒ってるし…」と呟き、カーテンに背を向けた。
だが、ジェバンニに鉢合わせし、「お前、また覗きに行ったのか?」と聞かれた。
「いや!やめようと思って…本当に!」と松田が慌てて弁解した。
「ほう、成長したじゃないか」とジェバンニが笑った。
ハルがシャワーから出てきて、松田を見て一瞬身構えたが、彼が何もしていないことに気づき、「…松田、今日は覗かなかったの?」と尋ねた。
「うん、反省したんだ。ごめんね、ハルちゃん」と松田が頭を下げた。
ハルは驚いた顔の後、「…そう、ならいいよ。でも次はないからね」と優しく返した。
松田が「ありがとう!」と笑顔で叫び、倉庫内に小さな温かさが広がった。
レスターが物資棚を確認し、顔をしかめた。「今週の分の食料が減ってる。誰か勝手に取ったのか?」
松田が慌てて、「俺じゃないよ!ちゃんと我慢してるもん!」と叫んだ。
相沢が冷静に、「落ち着け。誰かが取ったなら、正直に言えばいい」と提案した。
ニアが目を細め、「物資は貴重です。夜神月、あなたじゃないよね?」と疑いの目を向けた。
「僕がそんな卑怯な真似をすると思うか?疑うなら証拠を出せ」と夜神月が冷たく返した。
魅上照が立ち上がり、「キラ様がそんなことするはずない!」と声を荒げた。
ハルが皆を制し、「みんな落ち着いて。きっと勘違いだよ。一緒に数え直そう」と提案した。
ジェバンニが確認し、レスターが「すまん、俺の数え間違いだ。減ってなかった」と謝った。
レスターが「疑って悪かったな」と頭を下げ、緊張が解けた。
倉庫のシャッターが激しく叩かれ、ゾンビのうめき声が響いた。松田が叫んだ。「シャッターがやばいよ!」
相沢が武器を手に、「みんな、準備しろ!守るんだ!」と号令をかけた。
夜神月が立ち上がり、「僕も戦う。ハル、君は安全な場所に」と彼女に言った。
「私だって戦えるよ!」とハルが銃を握った。
シャッターが破られ、ゾンビが少しずつらなだれ込んできた。皆が協力して応戦し、魅上照が「キラ様のために!」と叫びながらゾンビを倒した。
リュークが天井から見下ろし、「ハハハ!人間vsゾンビ、最高の娯楽だ!」と笑った。
戦いが終わり、夜神月が息を切らして、「何とか凌いだ…」と呟いた。ハルが彼の肩に手を置き、「月、ありがとう」と微笑んだ。