うんめいぎつね   作:マイケル行ける

7 / 11
日常F:手の抜けないもの

 

 

目を開けるとそこにはフォウ君と戯れる女の人がいた。その人が言うには私を待ってる人が居るとのことで司令室に。そこでマシュと少し話し、ドクターから重要な話があると言われる。

 

 

「私が生きてるなら…所長だって…」

 

ドクターからの称賛と労いに対して藤丸立香はそうボヤいてしまう。

 

頭ではわかっていた、それとこれとは話が違うということが。だが口から出てしまうのはきっと彼女の事を憎からず思っていたからだろう。

 

「いいかい、ボクらは所長に代わって人類を守る…それが彼女への手向けとなる」

 

「……はい」

 

犠牲者はいつもそうだ、勝手に尊いものの様に扱われて。あの球体に吸い込まれていく彼女の様子をみていればあの人が本当に欲しかったものは……

 

感じるのは遣る瀬無さと

 

「そういえば……歩君は…」

 

『手を!』

 

彼へのお門違いの怒り。あの場で動けたのは彼だけだった。それはわかっている。……目の前に希望をぶら下げられて直前でそれが消え去る。なんて残酷な事なんだろうと彼女は思った。

 

(だけど…ちょっとだけ———)

 

「計器上では完全にロストした…まるで最初から存在しなかったかの様にね…仮面ライダーについてやマシュの報告であった鐘の音に関する記述も確認しているが…正直お手上げだよ」

 

『仮面ライダー』についての記述は一切見受けられなかった。彼に対する調査も必要となっていく。

 

それからもドクターの説明は続く。

 

カルデアの外は滅びている事。

 

再観測を行った結果、特異点が7つある事。

 

これらを修復しなければ2017年は来ないという事。

 

それらを解決できるのは自分しか居ないという事。

 

「人類の未来を…背負ってくれないか」

 

「…私にできる事なら」

 

彼女の背には収まりきらない程の荷。だが、それでも彼女は進んでいくのだ。

 

「戦力の補強も兼ねて今から召喚をしてもらいたい」

 

「召喚…?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ねぇ、歩くん

 

手でIDコアを弄ぶ。

 

ドライバーとこれがまだ手元にあるということは戦い自体はある事はほぼ確実。だが、そうなるとグランドオーダーとデザイアオーダーは根本が一緒なのかどうか。なんかあったら不味いからカバンの中にドライバー入れちゃってるし。

 

グランドオーダーは始まったばかりか……そういえばこっちに戻ってきてアーサー王について調べたけど全然男だったし。そもそも実在したか議論されてるんだって。

 

エクスカリバーもビーム出さないっぽいし。

 

俺が、この論争を終わらせる時が来たかもな。アーサー王関係者は今のうちに眠っておいたほうが良いぞ。怒涛の情報を叩きつけられて眠れなくなっちまうぜ?

 

まあ、アーサー王に叩きつけられて気絶してたのは俺なんだけどね。

 

「歩くん!」

 

「うわっ」

 

肩を揺すられ意識が引き上げられてしまう。

 

「やっと気が付いた、大丈夫?ずっと心此処にあらずって感じだよ」

 

「……ふっ……委員長にはお見通しか…俺の心を閉じ込めるにはこの教室は狭すぎるという事に」

 

やっぱ世界を見るか。エッフェル塔とか行っちゃう?

 

『ヘイ!アルク!ユーアーグローバルメーン!』

 

褒めすぎだぜボブ…真の漢は背で語るんだ。

 

『へッお前の背に語られすぎて目にオクトパスガデキソウダゼ!』

 

「大丈夫じゃないかぁ……なんか、悩みあるなら聞くよ?ほら…歩くんあれから急に明るくなったから…もしかしたら無理してるのかなって…」

 

そんなに心配されちゃったらこちら側が申し訳なくなってくるわ。ボブごめん、俺は委員長を選ぶよ。

 

『それでいいのサ…アルク』

 

ボブ…

 

「全然なんもないんよ…うーん…強いて言うなら進路相談で銭湯ソムリエになりたいって言ったら注意された事くらいよ」

 

「うん…?銭湯…行ったこと無いからわかんないや」

 

「俺も通い出したの2ヶ月前くらいからだし」

 

「あんまりソムリエ甘く見ないほうが良いんじゃない?」

 

密度が違うから…密度が。

 

  〜〜〜3時間後〜〜〜〜

 

なぜ人は自ら義務教育ではない高校に進んだのに帰宅を心待ちにするんだろうか。

 

この謎を解明するためにアマゾンの奥地へ……行ってみたいけど世界旅行はハードル高いしなぁ…群馬じゃ駄目か。

 

「歩くん一緒に帰ろうよ」

 

委員長がそう声を掛けてくる。

 

「俺今から群馬行くから…ついてくるなら命の保証はできないぜ?」

 

「明日も学校なんだから日帰りだと難しいと思うよ?」

 

ごもっともな事ばかり言いやがるぜ、2人で校門を出て身体を突き刺す寒さを感じながら歩いていく。

 

あの街とは正反対だった。いや、あの街が正反対だと言うのが正しいよな。しばらく歩いていくと

 

「ちょっと飲み物買っていって良い?」

 

「イッテイイヨー!」

 

 

委員長が自販機の前で財布を取り出す。

 

ピッ!ガタンッ……ピッピッピッ

 

「この自販機ってクジついてたんだ」

 

「お、運試しか……俺に魅せてくれギャンブラー精神を」

 

「したこと無いしする気もないよ」

 

テーンッ!

 

軽快な音と共にもう一度光るボタン。やっぱり日頃の行いってやつがあるのか。

 

「ラスベガス荒らしに行こうぜ」

 

「これで荒らせるなら多分荒らし放題だよ……ほらどれにするの?」

 

当然の如く俺にくれる様だ。

 

「さっすがぁ!」

 

お言葉に甘えまくり、俺も珈琲のボタンを押した。

 

ガタンッ……ピッピッピッ

 

お、また抽選が始まったみたいだ。随分とギャンブラーな自販機め。

 

「これ、無限に当たることあるのかな」

 

「空っぽにしてやろうぜ」

 

デューン……

 

自販機の光は点かなかった。あっそう、日頃行い…良すぎても駄目みたいだわ。なんだか少し損した気分になってしまい折角もらった物にケチをつけられたように感じる。

 

パキュッ

 

苦味と熱を流し込む。

 

「コーヒー飲めたんだ?」

 

「ん?まあね」

 

そう答えると委員長は嬉しそうにしている。そういえば委員長は珈琲派か。

 

『私は紅茶より珈琲派だと覚えておきなさい!』

 

缶は空になっていた。うん、思ったより美味しかったわ。

 

「今度うちに来たらこれより美味しいやつ淹れるよ!」

 

「コーラが良い」

 

「コーヒー楽しみにしててね」

 

「コーラが「コーヒー楽しみにしててね」

 

人は誰しも譲れないものがあるらしい。それから雑談をしながら各々の家に帰っていった。

 

 

 

 

ガチャ

 

扉を開けるとそこに広がっていたのは……いつものリビングだった。何処かで非日常を求めてるのかもしれな——

 

『助けて———仮面ライダー!』

 

やっぱ今の無し。

 

「おかえりなさい」

 

「うぃ」

 

いつも通り、美耶ちゃんが机に座って勉強している。誠美さん仕事で居ないのにほんと偉いわ…俺、家帰ってすぐ勉強した覚えないよ。

 

「漢字の宿題?」

 

「明日テストあるから」

 

懐かしいなぁ…ノートを覗き込むとしっかりと形の整った漢字がひしめき合っていた。めっちゃちゃんと書いてるじゃん。

 

協の十の所だけ先に下まで書いたりしてズルしてたの懐かしいわぁ…そもそもその裏技を知ってるのかな。教えてあげ……こちら側に引きずり込むのはやめよう。

 

「学校どうだった?」

 

「今日は道徳の授業で———」

 

「ほぇー」

それから少しだけ今日あった事について話して俺は2階の自分の部屋に上がっていった。

 

 

「ただいま」

 

制服をハンガーに掛けてベッドの上に身体を預ける。

 

「はぁ~見習わないとなぁ…」

 

一度この悪魔に身体を預けてしまった事を後悔する。だが俺は仮面ライダー……この程度なんてことも無い。

 

「うぎぎぎ…うおおおお!」

 

本能と理性のせめぎ合いの結果

 

「はぁはぁ…よし」

 

余裕で理性が勝ち、机に向かおうと立ち上がる。

 

コンコン

 

窓が音を立てる、ラップ音か鳥か?

 

キュー

 

その声を認識した瞬間俺は飛びかかるように窓に向かい開ける。

 

「エース!お前あの部屋から出れたのか!」

 

「キュ」

 

俺の言葉に頷く。エースの背には

 

「ん?なんで風呂敷背負って…これは」

 

 

 

 

デザイアオーダールール

 

 

7つの歴史を取り戻した者は理想の世界を叶えられる。

 

 

 

 

 

そう書かれた紙と白紙が包まれていた。

 

「理想の世界…これに書くのか?」

 

白い紙を見つめる。

 

「キュン」

 

……理想の世界。

 

『入学おめでとう』

 

『どこかでご飯でも食べていく?』

 

「……わかんないから保留で良いか?」

 

「キュー」

 

良かったゆっくり考えるわ。

 

「ん?この風呂敷……世界地図になってるじゃん裏」

 

床に広げるとかなりのサイズだ。

 

へぇ~雑貨屋さんで売ってそう。

 

ツンツン

 

エースは尻尾である箇所を指した。

 

「フランス…」

 

え、デザイアオーダーでフランス行くの?世界旅行じゃん。7つってもしかして世界各国に分散してるって事か…ワンチャンアマゾンあるかも。

 

「ちょっと調べて良いか?」

 

「ファ…」

 

欠伸をしたエースに許可を得て携帯で急いでフランスについて調べる。

 

〜〜〜〜1時間後〜〜〜〜

 

 

「よし、とりあえずフランスについては頭の中に入れたぜ…」

 

社会情勢とか観光名所とか、イベントとか。

 

デザイアオーダーの規模の大きさを否が応でも感じさせられその戦いの過酷さ予感が走る。

 

ゴーンゴーン

 

鐘の音が聞こえてあのバーの様な所に飛ばされる。今回はステーキとか無いんだ、別にお腹空いてるわけじゃないから良いけどさ。

 

俺はあの服を着る。うし、良い感じ。

 

「よしエース!行ってくるわ!」

 

待ってろルーヴル美術館!モナリザ!

 

『ENTRY』

 

肺に入れたこと無い空気が入ってきた。

 

石造りの街が目前に広がる。此処が、異国の地…!

 

すげぇ~あれ城じゃね?

 

「ん?」

 

懐に違和感……おっ!

 

内ポケットにマグナムレイズバックルが入っていた。最初から貰えるとかすっごいサービス良いじゃん。

 

とりあえず現地の人に話を聞いてみよう!俺は情報を聞き出すために歩き始めた。

 

「そこの人!少し話しようぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャンっ

 

牢屋の扉が、固く閉められる。

 

「しばらくそこにいるんだな」

 

「ちょっ俺のドライバー!返してくれよぉ!不当拘束だ!待って!行かないで!」

 

拝啓、お母様お父様…貴方方の息子である百道歩は捕まりました。正直全く身に覚えがないです。

 

冷たい石の壁に背中を預け座り込む。幸いドライバーを外に持っていかれてはないが、牢屋の外の机の上に置かれてしまった。

 

「言葉伝わったんだけどなぁ…」

 

多分デザイアドライバーの機能かなんかでだと思う。

 

現地の人に話を聞いてみよう作戦は最初のウチは上手くいってた。普通に話してくれる人多かったし子供達なんかは物珍しさで向こうから話しかけてきたし超順調だったはず…

 

調子に乗って公の人っぽい人に話しかけたらこうだよ。

 

兵士ぽい人達に囲まれた時に逃げる為に変身しようと思ったけど…仮面ライダーが人に暴力振るなんて…いや、居るけどね?俺がなるのはそういうのじゃないから。

 

「どうしてこんな目に………」

 

…日頃の行いかぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。