転生太一のデジモンアドベンチャー   作:のぞむ

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全ての始まり

俺、八神太一が前世の記憶を取り戻してあっという間に四年が経った。

さて、俺は今ある光景を目の当たりにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妹のヒカリがボタモンにお菓子をあげている光景を。

 

 

 

ボタモンとはデジモンの中で最も幼い幼年期のデジモンだ。

昨日の深夜、父さんが使っている書斎のパソコンから不思議な卵が現れ、今日の正午になって卵から孵ったのがこのボタモンだ。

 

前世の記憶を持っている俺はこの出来事を知っている。これはデジアドがテレビで放送された前日に公開された劇場版の話だ。このボタモンが映画で出てきた個体ならこれからコロモン、アグモンと進化していき、更にグレイモンになってパロットモンというデジモンと街中で戦う筈だ。

 

考え事をしていると家の外から呼び鈴が聞こえてくる。誰だろ…?

 

 

 

 

 

「こんにちは太一」

 

「お、空じゃん。こんちは」

 

家の前にいたのは空だった。

二年前に出会ってから俺と空よく一緒に遊ぶようになったのだ。サッカーはもちろんやってるし、何だったらテレビゲームもよくやっている。この時代はまだスーファ○やプレ○テ等が主流だが前世ではレトロゲームもよくやってたから特に困る事はない。ちなみに空とゲームをする時はスーファ○のマリ○ー、一人でゲームをする時はス○ドンをやっている。

 

「まぁ上がりなよ」

 

「それじゃあお邪魔します」

 

空を家に上げた俺は俺とヒカリの部屋に招き入れる。そういや部屋にはボタモンもいるんだった。驚くだろうな~…

 

「こんにちはヒカリちゃ…ヒ、ヒカリちゃん!それ何!?」

 

案の定空はコロモンを見て驚いてしまった…ん?コロモン(・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

…いつの間にか進化してるし。

 

「まぁ驚くよな…空、実はさ…」

 

俺はとりあえず空に昨日の出来事を説明する事にする。

 

「つまり、パソコンから出てきた卵から孵ったのがこの子って事?」

 

「そ、信じられないだろうけどさ」

 

「確かに信じられない話ね…でも私は信じるわ。太一が理由もなく嘘はつかないって知ってるし、何よりこの子がいるしね」

 

空の中だと俺ってそんなに信頼度高いのか?

すると空はコロモンに近づき、ジッと見つめる。

 

「よく見たらこの子、結構可愛いわね」

 

コロモンを見る空は微笑んでいた。

 

「そうだ。ちょっと待ってな」

 

俺は台所に行き、ちゃちゃっとだし巻き玉子を作ってコロモンに差し出す。だし巻き玉子を見たコロモンは不思議そうに見てから一口食べる。余程美味かったのか、コロモンはあっという間に玉子を平らげてしまった。

 

「気に入ったみたいだな」

 

「ありがとう!とっても美味しかったよ!」

 

「どういたしまして」

 

「あら、この子喋るのね…喋るの!?」

 

あっ、そういやそうだ。俺の中じゃデジモンって普通に喋るイメージがあったから気にも留めなかったな。

 

「僕はコロモン!」

 

「コロモン…」

 

ヒカリはコロモンに近づく。

 

「そうだよ。君達の名前は?」

 

「私はヒカリ」

 

「俺は太一。八神太一だ」

 

「私は空。武之内空。よろしくね」

 

「太一、ヒカリ、空…」

 

コロモンは不思議そうに俺達の名前を繰り返し呟く。

 

「友達の印だよ」

 

「うおっ!?」

 

コロモンは突然俺の顔に張り付いてきた。しばらくすると俺から離れ、次にヒカリ、その次に空の顔に張り付いた。これがコロモンなりの友達の印なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う…ん…」

 

次の日の朝、自室で寝ていた俺はベッドから起き上がり、ふとベッドで眠っているヒカリを見る。

 

「そういや、もうコロモンはいないんだったな…」

 

そう、この家にもうコロモンの姿はどこにもない。

 

あれから原作通りコロモンはアグモン、そしてグレイモンに進化して突然現れたパロットモンと街中で戦ったのだ。俺もグレイモンに加勢しようと思ったけど足がすくんでしまい、動けなかった。俺の中の本能が告げたのだ。『行ったらやられる』と…

 

それからパロットモンの攻撃で倒れ、動かなくなったグレイモン。あいつを呼び覚ますようとした俺はヒカリが持っていたホイッスルを鳴らし、目を覚ましたグレイモンのメガフレイムでパロットモンは吹き飛ばされ、グレイモン…コロモンも姿を消してしまった。

 

あの時、俺は自分に不甲斐なさを感じてしまった。

この四年で確かに人並み以上の強さを手に入れたが、たぶんそれは成長期デジモンに勝てるか引き分けるくらいの強さなのだろう。まだ俺の力では究極体と完全体はおろか、成熟期にも勝てないだろう。もっと、これまで以上に鍛錬を重ねないと…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺はいつもの公園でサッカーのリフティングを始めていた。それもこれまで以上にハードなものだ。

色々考えながらリフティングをしているとミスをしてしまい、サッカーボールが飛んでいってしまった。

 

しかしその先にいた空がボールを足で受け止めていた。

 

「空…」

 

「随分無茶してるのね」

 

「まぁな…」

 

俺は空からボールを受け取る。

 

「…太一、あそこのベンチで少し話さない?」

 

「えっ、いいけど…」

 

俺と空は公園のベンチに座る。

 

「…昨日の夜ね、見ちゃったの。大きな恐竜と鳥が戦ってて、恐竜の近くに太一とヒカリちゃんがいるところを…」

 

「そっか…」

 

「…コロモンなのよね?あの恐竜」

 

「ああ…」

 

「やっぱり。そうじゃないかなって思ってたの。コロモンは今も一緒?」

 

「いいや。あの戦いの後にいつの間にかいなくなってた…」

 

「そっか…」

 

そう口にする空はどこか寂しそうな顔をしていた。

 

「…もしかして、太一がいつもより無茶な練習してた事とコロモンが何か関係してる?」

 

うっ、空には何もかもお見通しか…

 

「…俺さ、あの時コロモンを助けようとしたんだ。でも、足が動かなくて…怖かったんだ」

 

「当然だと思うわ。あんなに大きな鳥だったんだもん…」

 

「でも、いつまでも怖がってたらダメなんだ…俺はもっと強くなりたい。俺の大事なものを守れるくらい…!」

 

「太一…」

 

なんかしんみりしちゃったな…

 

さて、そろそろ特訓を再開するか。

 

「じゃあそろそろ再開するか。話聞いてくれてありがとな」

 

俺はそう言って空の元から離れようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると空が俺の隣まで歩いてきた。

 

「空?」

 

「私もやるわ」

 

「えっ!?」

 

「私だって家の中から見てるだけだったし、何も出来なかったのは一緒でしょ?」

 

「そりゃそうだけどさ…空まで俺に付き合う必要はないんだぞ」

 

「…私も強くなりたい。強くなって、太一の力になりたいの」

 

空の顔、本気だな

 

「…わかったよ」

 

「じゃあ決まりね!それじゃあまず効率の良い特訓を考えましょ。あんなやり方だといつか倒れちゃうわよ?」

 

「あ、ああ…」

 

 

 

 

 

そんなこんなで強くなる特訓に空も参加する事になったのだった。

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