【悲報】超絶成金プレイヤー、異世界転移する【課金できない】   作:課金は家賃まで

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(´・ω・`)<書けたよ!書けたけど、そろそろネタもモチベも尽きる!褒めれ!
(´・ω・`)<次はちょっとペース落ちるかもしれない(保険)
(´・ω・`)<あと各話にタイトルを付けたよ


法都にて

 

 

 

 

 〈星に願いを(ウィッシュ・アポン・ア・スター)〉は運営へのお願い権を獲得する魔法だ。だがいつでも唱えられる分、叶えられる願いには制限がある。

 

 WIである『熱素石(カロリックストーン)』もそうだが、こちらは製作可能という点で、叶えられる願いの規模が他のお願い権WIに劣る。

 

 であるならば、これらの力関係はどうなっているのだろうか?今挙げた三つ……と〈五行相克〉などを含めたお願い権の力関係を、昔運営に質問したことがあった。

 

 細々したものは省くが、概ね

 

 

永劫の蛇の指輪(ウロボロス)』=『五行相克』≒3『熱素石』≒3000〈星に願いを〉

 

 

 と考えれば問題ないそうだ。まあ〈星に願いを〉を三千発もストックするなんて並大抵のプレイヤーには不可能だし、この指標が役に立つのは俺ぐらいなんだが…*1

 

 黙々と〈星に願いを〉をストックしている間、ふと後方に意識を向けると、召喚された戦乙女(ヴァルキュリア)たちが増援に来た防衛NPC達のことごとくを殲滅していた。

 

 

(NPC再生成するの手間なんだけどなぁ…)

 

 

 現在の詠唱数は1400発ほど、折り返し地点付近だ。何となく終わりが見えてきた。この調子で行けば一人分は復活費用も浮くかもしれない。

 

 

 

 

 三十分後、俺は聖域の台座にもたれかかりながらコンソール画面を眺めていた。三千発の〈星に願いを〉は完璧に願いを叶えた……というか、明らかにおかしい。

 

 

「……あれ?ギルドの所有権が文字通り完全に俺のモノになってる…?」

 

 

 もともと〈星に願いを〉では所有権を一時的に(・・・・)強奪することしかできなかったはずなのだ。それは〈星に願いを〉の領分ではない。そのため所有権を得た後ギルドホームに移送して諸々の処置を行う予定だったのだ。

 

 だが、ギルドマスター用コンソールを見ると所有権そのものが俺に移っている。時間制限も書かれていない。これはうれしい誤算だ。どうやら〈星に願いを〉は異世界に来てから上方修正を受けたらしい。

 

 とはいえこれで余分手間が省けた。元々行う予定だった処理自体は念のため行うが、あまり急がなくてもよくなった。

 

 

「それじゃあお前らも送るけど……着いたらあっちの戦乙女にいろいろ習って。もうアイツら待機してるから迷うこともない……無いよね?」

 

 

 こうして俺は、ユグドラシル史上最も美しいギルドホーム*2と謳われた拠点をそっくりそのまま手に入れたのである。

 

 

 

 

 

 

 大山脈―――後にアゼルリシア山脈と呼ばれるこの場所にひっそりと居を構える竜がいた。

 竜は名をツァインドルクス=ヴァイシオンという。八欲王との間に勃発した大戦争、竜大戦において、同胞たちが次々と死んでいく中で多大な戦果を挙げた英雄である。 

 悪逆の限りを尽くした『ぷれいやー』、八欲王のうちの一人を殺めたのは彼だ。

 

 しかしながら、そんな英雄であっても、同胞の八割以上が死ぬ大激戦にあって無傷であり続けるのは困難だ。現在彼は拠点作成も兼ねて長期の療養をとっている。

 

 起きている間はずっと〈回復(ヒール)〉を唱え続け、日が暮れたら眠りにつく。そのような生活を続けていたある日のことだ。

 

 

 四十年前の決戦の地、忌わしき天空城の気配が消えた。

 

 

「―――どういう事だ」

 

 

 破れかけていた翼も飛行に問題がない程度には回復した。万全の状況とは言い難いが、問題が問題だ。一度自分が赴いて確認しなければならないだろう。これでもしも、自分の分身を生み出すことができるような魔法を使用することができたなら話が早いのだが…

 

 痛む身体にムチを打ち、ツアーは天空城へと飛び立った。

 

 彼が天空城の消失に気づくまであと三時間。

 

 

 

 

 

 

 シクルサンテクスに戻った俺はギルドホームの整理と調整をしていた。過去何度かしたことがあるし、俺自身好きなことだとはいえ、整理は手間がかかる作業なのは間違いない。

 

 周囲の景観に馴染むような場所に配置する。念の為*3大量の警備もつけておく事にする。これで安心だ。高級宿家のそこそこなベッドに身を預けながら、俺は一息ついた。

 

 しかし幸運だった。もし手に入らなかったなら破壊するしかなかったし。降って湧いた幸運に思わず笑いが溢れれしまう。

 

 そんなふうにハイテンションになった俺が、衝動のままにベッドの上で飛び跳ねたりしていると、扉を叩く音がした。

 

 

「バレンタイン様。少々お時間よろしいでしょうか?」

 

(バレンタイン?誰だよそれ……あ、チェックインの時そんな名前で書いたわ)

「ああ、今行く」

 

 

 何やら硬い表情をしたコンシェルジュに連れられて一階のカフェスペースに行く。どうやら既に先客がいたようだ。

 

 昼食を取るには遅すぎ、菓子を食べるには早すぎる微妙な時間帯であるため、普段ならここはがらんとしているはずだ。なのに、そんな普段の様子が嘘であるかのように賑わっていた。

 

 ……年の為見てみれば全員()。彼らは法国の特殊部隊に所属する隊員だ。ここにいる全員がそうらしい。表面上は和やかな雰囲気で食事をしているが、心の中は死の恐怖で埋め尽くされている。

 

 なぜそんなに恐れることがあるんだ?……いや、そういえば八欲王が討伐されてからまだ半世紀ほどしか経っていないんだった。彼らの中から、突如現れた強力な存在=自分たちを殺す者、という認識が抜け切っていなくても何ら不思議ではない。

 

 ―――というか何でバレたんだ?

 

 コンシェルジュの案内する席が近づいてくる。片方の席は既に埋まっていた。色白の、金属鎧を着込んだ偉丈夫だ。ヘルムはそれとなーく脇に置いてあるが、妙なトサカのような飾りがピロピロとしていて鬱陶しい。

 

 急に呼び出された不快感、周囲の人間全てを特殊部隊で固めるという、世辞にも歓迎しているわけでない様子から、自然と高圧的な態度で話しかけた。

 

 

「それで?これは何のつもりなんだ?」

 

「はじめまして。私は…」

 

「答えろ」

 

「……あの、申し訳ありません。コレとはいったい―――」

 

「交渉とか、駆け引きとか、心理戦とか。そういったものはある程度能力の近い者同士でやる物だ。正直言って俺とキミは……同じ場所に立っていない。もちろんキミはよくやっているんだろう。この中で最も強力なのは間違いなくキミだ…」

「…装備もいいしね。他はまあ、仕方ないとは言え、キミはほぼ全身〈神器級(ゴッズ)〉じゃないか。手足は〈聖遺物級(レリック)〉のようだが、性能的には一段上のものと遜色ないほどだ。戦士系の装備構成としては及第点、ここでは満点をつけても構わないだろう」

「ただまあ、俺の趣味ではないけどな。俺ならメイン装備はアンオブタニウム……最低でもアダマンタイトで作るね。最高の鍛冶師が作れば、アダマンタイト程度の中位金属でも〈神器級(ゴッズ)〉は作れる。普通にやるより二倍は手間がかかるし性能も四割は落ちるが……ここでは希少とは言えアダマンタイトも流通しているんだろう?ならばそれをかき集めて作成するべきだったな」

 

「その知識……なるほど。やはり貴方は『ぷれいやー』であらせられるのですね?バレンタイン様」

 

「あー………………それ偽名」

 

「なんと。では真名は…」

 

「黎明華。黎明華だよ。俺の事、どうやらよく知っているみたいじゃないか。ん?」

 

 

 

 

 

 

*1
イメージとしては、上限いっぱいの3000円入れると全力を出せる、けど1円でも全然動く機械に、大量の一円玉を3000枚ブチ込んでいってる感覚

*2
個人的には二番目

*3
万一ギルドの所有権が失われた時、時間稼ぎのため

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