俺の脳内選択肢が全力で修羅道に導いてくる   作:修羅

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第3話 選択肢は怒りっぽい

 ガルド帝国、現在俺が住んでいる国である。帝国というくらいだから軍事力が強いようなのだ。

 

 騎士団とか、宮廷魔術師とか色々強そうな団体が多い。そもそもだけど、この世界ってファンタジーらしいので魔法とかがあるらしい。

 

 魔法や剣を学ぶ学校があり、そこが帝国の強さの秘訣らしい。

 

 

 ガルド帝国附属学校とは……えっと、あった本が置いてある。現在は自室のベッドの上で寝ているので勉強中である。今日のところは選択肢がまだおとなしいからね。こういうときに本を読んだりして世界を知るべきなのだ。

 

 

<ガルド帝国附属学校とは>

ガルド帝国が運営または公認する教育機関で、読み書きから軍事教練、魔法理論、礼儀作法まで幅広く学べる。基礎課程(10~14歳程度)から専門課程に進み、将来は騎士団・行政・宮廷魔術師などの道を目指せる。孤児・貧困層の優秀な生徒向けに「特別奨励枠」があるが、定員は少ない。らしい。

 

 

 騎士団とか宮廷魔術師とか、こちらとしては素直にかっこいいなと思う。噂なのだが、ここら辺の職業になるとモテるらしい。噂だと妻を3人持っているのだとか……

 

 

 ふーん……騎士団に俺はなる!!!! 騎士団になるっていうとちょっと語弊があるから、入りたいって感じになるけども。

 

 

 

 正直いうと、彼女が欲しい! まぁ、何がなんでもってわけではないがモテる職業ならなっておいて損はない気がする。だってさ、前世はずっと病室で一人だったんだよね。

 

 

 彼女なんて作れたこともなかったし、チャンスもなかったのだ。出来れば欲しいだろうさ。

 

 

 しかし、奨励枠は少ないのか。

 

 

 これは推薦とかされたらなれるのかな? それではどうやったら推薦されるんだろうか。えっと、国の騎士団とかが有望な平民とかに声をかけると書いてある。

 

 

 ふむ、なんだか難しそうな気がするなぁ

 

 

 

──選べ

『それなら帝国で行われる剣術大会に出る』

『それなら騎士団の前でここで働かせてください! ここで働きたいんです!! と自ら営業をかける』

 

 

 

 いや、それならってどう言うことよ!? 入りたい騎士団にそんな方法では入れんだろう。

 

 どう考えてもそんな奴は門前は払いだろうが。大企業も有名な大学を出ている学生を面接して出るんだから。

 

 

 まぁ、今回は僅かだが利害が一致したな。大会に出てみようじゃないか。噂だとこう言う大会を騎士団は見ていたりするらしい。特別推奨枠になれるかもしれんな。

 

 

 ふふふ、こう見えて毎日無茶苦茶に選択肢に訓練を俺はさせれているんだよ?

 

 同年代に負ける気はしないなぁ? 君たちがいつも本を読んでいる間、俺は剣を振っている。

 

 なにやってるんですか? 剣を振ってください!! 

 

 勉強なんかしてもガルド帝国附属学校に入れません。なにやってるんですか? 剣を振ってください!!

 

 

 もう、そう言うくらいには俺は剣を振っているしランニングもしている。ただ、騎士団は魔法を使えないといけないらしい。

 

 この世界には魔素というエネルギーがあり、それによって魔法を発動するらしいのだが、まだ俺は使い方はわからん。そもそもそれを覚えるには付属学校行かないといけないらしい。

 

 確かに魔法とか危ない力を誰でも使えるようにするのは良くないよね。

 

 

 

 さぁてと、大会にでも行きますかね。孤児院はガルド帝国にあるが、帝都までは走って半日はかかる。

 

 前までの俺ならきつかったが……今の俺ならば問題などない。この程度、選択を乗り越えた俺ならば問題ない。大事なことなので2回言っている。

 

 

 選択肢は帝都まで俺を走らせたい、修行させたいって思ってるかもしれないけども? この程度は大したことはないんだよ、ばーか!!!

 

 

 

 

『帝都まで逆立ちで歩って行く』

『セリヌンティウスが待っているかもしれない。星の反対側に行く』

 

 

 

 

 

 おい!? ちょっと選択肢をバカにしたらとんでもない選択を出し始めたぞ!!? こ、こいつまさか自我あるというのか!?

 

 

 

 

 あと、上の一択だろ!! 実質強制じゃねぇか!! 下は走れメロスみたいな選択肢になってるし!!

 

 

 ちくしょうー!!

 

 

 

 

 

「アンタ! なにしてるのよ!!」

 

 

 

 

 

 逆立ちをして、腕で歩きながら帝都に行く途中に貴族のお嬢様に話しかけられた……

 

 

 

 ごめん、選択肢中だからなにもできん……言葉も返せないのだ。言葉を返せるパターンもあるけど。今回は選択が終わるまで話せないのである。すまん!

 

 

 

 

◾️◾️

 

 

 

 

 

 ガルド帝国、そこで行われる剣術大会。参加可能年齢は5歳から10歳までとなっている。

 

 

 

 ガルド帝国は軍事力に優れた国であり、騎士の育成に力を入れており子供であろうと剣術の大会を開き才能を見聞きする。

 

 

 そこで優れたものであれば平民でも、貴族でも差別なく優遇をする。もっとも、貴族であるものが自分より身分が下の平民を下に見ているという事情がないわけでもない。

 

 

 

 

「お父様。剣術大会ではアタシが優勝するわ。見ていて」

「……当然だ。そうでなければお前を育てた意味はない」

「ラシュア家は、帝国にて最強……アタシの心に刻んでるわ」

 

 

 

 

 レルミラ・ラシュア。赤い髪に紅瞳、勝気な表情、自信が現れる闘気。使い込まれている剣。僅か5歳にて、彼女は剣術の実力は同年代の子供達の中では上澄みとなっていた。

 

 

 

 馬車にて自らの父親、アジ・ラシュアと王都へと向かっているとその道中にて奇妙な物を見つける。

 

 本来人間とは足を地について、頭を上に向ける生物である。しかし、その物体は腕を下にしており、頭を下げていた。

 

 

 あれでは本来歩くよりも大きく体に負担がかかってしまう。

 

 

 

 

「お父様! あれはなに?」

「……少年、5歳ほどか……黒髪を持つ少年か」

 

 

 

 虚無の悪魔、嘗て世界を混沌に落とし込んだ存在と同じ特徴の少年の姿が見えた。しかし、驚くべきは髪の色ではなく、逆立ちをして歩いている点だ。

 

 

 

「お父様! アタシ、あれに興味がある」

「……好きにするといい」

 

 

 

 彼女は馬車を止めて、少年の元に歩み寄った。少年は彼女に目をくれることはなく、ゆっくりとだが帝都に向かって歩いて行く。

 

 

 

「アンタ! なにしてるのよ!!」

 

 

 

 レルミラが話しかける。彼女は奇想天外な芸当をしているライヴァンに興味を持っていた。そしてそれは彼女の父親も同じである。馬車からは降りないがじっと、彼を視線で射抜いていた。

 

 

 

 

 だが、彼は沈黙を選ぶ。そして、ゆっくりとひたすらに逆立ちで歩き続けた。

 

 

 

「無視! このアタシを!!」

「……」

 

 

 

 僅かな眼を向けることもなく、彼は前だけを見ていた。時折、ゲホと咳き込みながらも彼は進み続ける。

 

 

 

 彼女はその後も何度か話しかけたが彼は返事をすることはなかった。次第にレルミラは話しかけるのを諦め馬車に戻った。

 

 

 

「アイツ! アタシを無視したわ!」

「……構わん。一々構うことでもあるまい」

「お父様! 舐められたら叩きのめすように教えてたじゃない!」

「剣術大会で実力を示せばいい。あれも出るだろう」

「確かに、剣は持ってたわね! 方角的にも帝都だし!」

 

 

 

 

 

 少年は逆立ちで自身達と同じ方向に向かっているように見えた。ならば、あの少年も大会に出ることになるのだろう。剣を持っていたのだから。

 

 

 それにあの瞳を見て、必ず大会に来ると確信があった。

 

 

 

 

「お父様、アイツ来るわね」

「……誰が来ようとお前が蹴散らせ」

「当然!」

 

 

 

 

 少女と少年はすぐに再会することになる。

 

 

 

 

 

 




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