俺の脳内選択肢が全力で修羅道に導いてくる 作:修羅
帝都で行われる剣術大会にやってきた。俺はここまで来るのに逆立ちで歩いてきたから既にボロボロなんだけどね。
剣術大会に出るまでは家に帰れない。まぁ、騎士団にアピール出来るならばいいけどね!
噂だと騎士団入ればモテると聞いたからね。それなら俺が騎士団入れば間違いなく常人よりもモテるだろう。
なぜならば、顔面がイケメンだからだ!!!!!!
正直、最近になって気づいたのだが異世界転生した俺の顔面偏差値は超高い。
修行ずっとさせられてたし、自身を冷静に見つめる時間なんてなかったのである。だが、あるときふと鏡を見て気付いた。
あれ、俺ってかっこよくね? 二重で左右対称性もバッチリだ。人間は左右対称のものを美しく感じるらしい。鼻立ちもよく、左目に涙ぼくろが少しあるがなんかかっこいい!!!!!
こんなイケメンフェイスだから絶対モテるだろ!! やったー!!! 彼女が出来る! 俺10人くらい欲しい!
とか思っていたが俺モテてない、それが事実なのだ。
理由を考えてみた……
いつでもどこでも修行を強制的に始めてしまう。俺は病院育ちのコミュ障、しかし、正直黙っていれば絵になる容姿だ。
黙ってればいいのだ、ようはあれだ。ミステリアス系男子だ。コレできたらモテる。漫画とかでもこういうのがモテてた気がする!!
しかし、黙ってるで止まらないのがこの選択肢である。
強制的に修行させるし、させたらさせたで言葉話せないし。ただ、最近気づいたが割と言葉話していいパターンがある。
ダメなパターンもあるし、割と自由が効くパターンもある。コレはもうランダムなのだ。
まぁ、俺はコミュ障だから結局話さないけどさ。
余計なことをしなければ彼女余裕だったろうなぁ……
なんて思いながら剣術大会に出るので準備をしてる。帝都の一角にある修練場で行うらしい。騎士団も修練に普段使うらしい。
学校の校庭っぽい感じだな。なんか大きな建物があるが、あれが騎士達が待機したり、住んだりしている騎士城と言うらしい。
大会運営は騎士がやるそうで、審判も騎士がやるそうだ。出場者の子供が今現在、準備運動とかをしている。
そこに現役騎士が声をかける。
「それでは、これより一回戦を始めます。まず一回戦第一試合、ライヴァン、レルミラ・ラシュア二人前へ」
おっと、いきなり俺の出番か。ククク、こっちはずっと剣を振っていたからね、優勝はいただくよ?
「あら、さっきの変なやつじゃない!」
「……」
あ、さっき逆立ちをしている時に話しかけてきた女の子じゃないか。この子が俺の対戦相手なのか、あんまり強そうな子ではない気がするけど。
「今回は木剣にて試合をしてもらう。どちらかが降参するか、気絶するか、またはこちらが続行不可能とした場合、試合終了とします」
ふ、さーてと、勝ってやりますか? ここで良いところ見せつけたら騎士団にもアピールなるし? 周りにいる女の子にも良いところを見せつけられる。
同年代だが将来はめっちゃ色気ある感じになるかもしれん。
よーし、気合いを入れていこう。木剣を受け取り、俺達は構える。俺は剣道のように両手で、レルミラという子は片手で持ち自然体で佇んでいる。
はいはい、そんな気合いない感じで大丈夫? 最近の若いもんはこれだから、もっとやる気出せよ!!!!
あんまり楽勝に勝ちすぎたらアピールにならないじゃん?
「それでは、初め」
「──遅いわね!!」
へぇ!? き、気づいたら目の前に女の子の剣が……それがいきなり首に直撃した。
「がおっ!」
お、め、めっちゃ痛いぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!! ってかこいつ速すぎだろう!!! チートや、チーターや!!!
こ、こんなのどうやって勝てって言うんだよ!! 俺、結構打たれ弱いんだよ!!!
は? 意味わからん? こいつ前世ごりらじゃね? てか、もうゴリラじゃん?(唐突な悪口)
「けほけほ……」
俺は咳き込みながら、地面に倒れ込んでしまった。なんとか両手を地面についているがもう帰りたい。俺、こういうの無理だわ。あれだわ異世界の知識でオセロとか売ってスローライフするわ。荒事とかってよくよく考えたら嫌い。
「大丈夫か? 降参するか?」
騎士の人が気を遣ってくれている。そして、周りで見ている同年代の子供達、女の子、あ、待って、あそこにいる騎士の人女の人だ。可愛い……
やれやれ、あんな可愛い人の前で無様な真似はできないな!! 俺は男だぞ!!! この程度でへこたれるか!!!!!
「降参するか?」
「降参します!!!」
はい、辞めます。俺男だけど根性ないだよね。俺の居た日本は多様性だから、男だからとか関係ないよね?
あと、俺今世ではイケメンだから後からいくらでも挽回できるでしょ?
そう思って降参を宣言した。しかし、なぜだが、審判からの返事がない。よく見ると世界が停止していた……
あ、まずい、この感じは……
──選べ
『まだだ。まだ終わらんよ』
『たかがメインカメラをやられただけだ!!(降参などしない)」
あああああああああああああああああああ。このクソ選択肢がぁぁぁぁあぁあ!!!!
両方ともコックピットで言ってるセリフだろ!!! 俺はもう無理なんだよ!!!! でも世界停止しているし!!!!
「まだだ、まだ終わらんよ」
「……そうか」
いや、止めろよ!!! 大人がしっかり子供を止めなくてどうするんだ!!
「遅い!!」
「ぐぁ!!!」
また、木剣で殴られた。今度は鳩尾を……おえ、吐きそう……審判助けてくれ!!! こんなの勝てっこない。相手はスーパーゴリラなんだぞ。
もうだめだぁ、お終いだぁ
「降参するか?」
「降参するに決まって」
──選べ
『何度でも立ち上がる。相手が降参するまで(相手の子が参ったと言うまで無限に立ち続け、一時的に【気絶無効状態になる】』
『もういっそ敗北するより、裸足でタップダンス踊ったほうがマシだと思わない?』
は……? お、おい、一体全体何が起こってるんだ? まさか、俺にずっと戦い続けろと言っているのか……ば、ばかな
もうだめだぁ、お終いだぁ……そんなの精神が持つはずがない。でも、下なんて選べるはずもない……
コレは死んだかもしれん
◾️◾️
会場は異様な空気に包まれていた。誰も声を発することもなく、静かに息を呑み目の前の戦いを見守っている。
第一試合、ライヴァン対レルミラ。レルミラの家、ラシュア家は帝国の名家であり、周りもその存在を熟知していた。
だからこそ、誰もがレルミラに注目をしていた。この大会に出ているのはただの子供でない。皆将来を賭け、家名を背負い、国を案じる。生半可な気持ちで訪れてなどいない。
より上位の成績、優勝を目指しているのだ。それゆえにレルミラの剣術を観察をしていた、彼女が勝ち上がり、戦う時に備えて……
──しかし、事態は思わぬ方向に進んでいた。
対戦相手のライヴァン、黒い髪を持つ少年は何度でも立ち上がった。まさにダークホース。
黒髪と言う悪魔と同じ特徴を持つ少年が何度も執念のみで立ち上がる。誰もが言い寄らぬ恐怖を覚えた。
虚無の悪魔……その正体はもとはただの人間であった。そう言う言い伝えがある。ただのおとぎ話であるが、あの少年には何かがあるのだ。
「……なんなの……アンタ」
レルミラもその少年と戦い会う中で彼から何かを感じていた。戦っても倒しても、絶対に立ち上がってくる。
いつまでこの戦いが続くのだろうか。終わりの見えないマラソンのような状況に、彼女は次第に恐怖を覚えた。
「……もう、良いでしょ」
「……」
「なんか、言いなさいよ!!」
「……」
「このッ!!!!」
──彼女は力を全て込めた。全力で相手を叩き潰すように
彼女の剣はライヴァンの右腕に直撃し、鈍い音と共に彼を地面に叩きつけた。生身であれを喰らい立ち上がれる存在がいるだろうか。
一歩間違えば死んでいたとしてもおかしくはない。だが、それでも
──平然と、彼は立ち上がった
「……わかった。負けでいいわ。アタシの……だから、もうやめて」
彼女はこれ以上、彼の痛々しい姿を見たくなかったのだろう。見ているこちらが痛くなってしまうほどに、彼は傷ついていた。
しかし、彼は止まらない。降参などするはずもない。だから彼女は勝負を降りたのだ。
「……ライヴァン。名は覚えたわ」
こうして、ライヴァンは一回戦を勝利した。だが、戦いが終わると彼は眠るように気絶をし、二回戦に進む時間になっても目覚めることはなく、棄権することとなった。
だが、その大会で誰よりも記憶に残った子供であったのは間違いない。
少しでも面白い、続きが気になると思っていただけたら、高評価、感想をお願いします!!
需要があれば続きは書いていこうと思っているので応援お願いします!