俺の脳内選択肢が全力で修羅道に導いてくる   作:修羅

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第5話 一回戦敗退したのに努力する意味って何?

 気づくと俺はベッドの上で倒れていた。帝都で大会をしていたはずだったのだが、目覚めたのは孤児院のベッドだった。

 

「あ、起きた」

「……」

 

 

 横を見るとティルファが椅子に座ってこちらを見ていた。手元には本を持っているのでだいぶ長いこと俺のことを待っていてくれたのかもしれない。

 

 

「帝都の大会に勝手に行ったんだってね。ママが怒ってたよ」

「……そうか」

「そうか、って……他人事みたいじゃん。騎士の人が運んでくれたんだよ。かなり疲労しているみたいだから休ませてあげてって言ってたけど。ちょっと引いてる感じの顔してたよ」

 

 

 

 おい、最後の情報いる? なんか傷つくな!! それにしてもあの大会は酷いものだったよ。いくらなんでも最悪すぎたな。あそこからの選択をした記憶がほぼない。

 

 もうめちゃくちゃ疲労して、体も痛いのに立ち上がっていたぞ。マジでぼこぼこにされすぎたぞ

 

 

 ドラえもんが帰った時ののび太くんってこんな感じだったのかな。ジャイアンに何度も挑んでたけど、今思うとあれってすごいよね。

 

 

 あれを強制されているのが今回の俺なんだけども。いや、あれを自発的にやっているのび太くんは本当にすごい。尊敬をしてしまったよ。

 

 

 

 

「……まぁ、無事でよかった。本当に」

「……」

 

 

 ティルファは本当にいい子だな。優しい子だわ、頭おかしい行動をしている俺を心配してくれている。

 

 そんな時なのに……腹が減った(井之頭五郎)。いや、しばらく何も食べてないし、あまりに動きすぎていたからね。

 

 

──選べ

『コレだけ動いたのだから、カロリーが消費されているはず。今すぐご飯を限界まで食べる』

『お嬢さん、俺のウインナーを……』

 

 

 

 

 おい!!! 下の選択肢は下ネタでは済まないだろ!! 俺は栄養が足りないから、自分が食べたいって言ってるの! 何食べさせようとしてるんだよ!!

 

 

 

 

「飯」

「え?」

「ご飯」

「お腹すいたの?」

「……」

「わかった。ちょっと待ってて」

 

 

 

 

 お、コミュ障な俺だけどちゃんと意味は伝わっているようだ。しかし、改めて選択肢はとんでもないな。気絶もすることができないとは……

 

 

 それにやはり人に引かれるような言動をするし。さっきもティルファが言っていたが騎士団の人がここまで運んだ時に引いたような顔で俺の体を運んできたらしいからね。

 

 

 既に騎士団の人にも悪い意味で眼をつけられているんだけど……

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 うむ、どうしたものかな!! 黒髪だし、ボロボロだったし、周りから絶対変人扱いされたし。

 

 同年代の子供から引かれるのはきついな。一回でいいから恋人が欲しいと思っていたのだが出来るだろうか。同年代から冷ややかな対応をされた場合は年上から年下の選択肢になりそうなんだけど。

 

 

 

 この選択肢どうにかならないものだろうか。おい、クソ神、こんな特典とかマジでいらないぞ。こんなのなら最初からいらなかったぞ!!

 

 

 

 

 

「ライヴァンご飯持ってきたよー」

 

 

 

 

 ティルファがご飯を持ってきてくれた。ありがたく頂こう。もぐもぐご飯を食べていると、ティルファがじっとこちらを見ているようだ。

 

 

 

 

「……ライヴァンはなんで騎士になりたいの?」

「……」

「ガルド帝国附属学校に行きたいから今日大会に出たんでしょ。誰にも言わずに」

「……あぁ」

 

 

 

 

 

 淡白な返事ですまんね。だがしかし、こちらは全然人と関わってこなかった人生なのでね。しかも病院生活で拗らせてるもんでね!! 返事が雑なのは許してくれ!!

 

 

 

「……騎士になってどうしたいの? どこを目指しているの?」

 

 

 

 

──選べ

『世界で1番強くなるため。そのために騎士になる。だが、これは序の口に過ぎない。世界で1番難易度が高い迷宮も攻略して、俺の強さの糧とする。全ては俺が世界で1番強くなるための行動』

『っていうかぁ? あーし的に強くなりたい的な? そのためにナイトになりーの。それはまだ序の口まりーの。がちワールド難しいダンジョンも攻略してあーしの栄養素にしちゃう的な? そのため行動的な?(ギャル)』

 

 

 

 

 言ってる内容同じだけど、なんでギャルみたいに言わなくちゃいけないんだよ。コレは絶対に上だな。

 

 神が世界で1番強くなれる能力みたいなことを言っていたけど……まさか、無理やり強くなるまで修行させたりする能力なのか? 世界で1番強くなれるまで!?

 

 

 

 だが、この時俺は逆の発想を思いついていた……つまり、世界で1番強くなればこの選択肢は消える?

 

 

 世界で1番強くなれば消えるのかもしれない……いや、それはそれで難しくないか!?

 

 とりあえず上を選んでおこうか。

 

 

「世界で1番強くなるため。そのために騎士になる。だが、これは序の口に過ぎない。世界で1番難易度が高い迷宮も攻略して、俺の強さの糧とする。全ては俺が世界で1番強くなるための行動」

「……世界で1番? この世界で?」

「……うん」

 

 

 

 マジか、世界で1番強くなるまであの訓練や特訓が永遠と続くのかよ……。これはただの俺の推測だ。だが、なんだか、その可能性は高い気がする。

 

 

 世界で1番になるまではずっと修行!? つまり、大会の1回戦みたいな過度な戦いも何度も起こりうるってことだよね。

 

 

 

 あ、ま、マジで最悪だわ。俺って案外、メンタル弱いんだよ!! ふざけるな!! でも、このままってのも嫌だ。彼女出来るわけがないじゃないか! 俺は彼女10人くらい欲しいの!!!

 

 

 

 

 はぁー、マジかよ。この選択肢、随分と長い付き合いになるじゃねぇか。ちくしょう。コレからも毎日辛い訓練があると思うと……気持ちが沈む。

 

 

 

 

「……なんで、そんなに辛そうな顔をしてるの?」

「……え?」

「ライヴァン、辛そうな顔してるから。なんで、世界で1番強くなりたいって言った後に辛そうにしてるのかなって」

「……それは」

 

 

 それは、そうしないと選択肢が……

 

 

──選べ

『そんなことない。辛くない』

『正直に選択肢について話す(頭おかしいと思われる確率アップ!!)』

 

 

 

 

 おい!! 下選べねぇだろ!! でも確かに、このまま全部話したら益々面倒な状況になりそうだ。

 

 ただでさえコミュ障だし、説明がちゃんと出来るか分からない。そもそも転生したとか選択肢とかそう言うのって信じてもらえるか? いや無理だろう。

 

 くっそ……コレから孤独の戦いか。いやね、前世でも病室で一人だったよ? 

 

 親も全然面会来てくれなかったしさ。まぁ、友達も作る機会もなかったぜ? だからアニメとかネットミームしか知らんガキになってるんだけども!!

 

 

 ちくしょう……俺メンタル以外と弱いんだよ……。前世だとずっと病室だったら、外の刺激に慣れてねぇって言うかさ。意外とセンチメンタルなんだよ!!

 

 

 

 

「そんなことない。辛くない……(涙目)」

「泣いてる?」

「泣いてない」

「……」

 

 

 

 

 ちくしょう。うっすら涙が出てきた。世界で1番強くなれる特典だと思ったら、クソ特典でしたってか!! ちっくしょー!!!! 

 

 

 

 やってやる。世界で1番強くなって……俺は彼女を作る。10人くらいな!!

 

 

 

 

 

 

「ライヴァン。泣かないで。私がいるから」

 

 

 

 

 

 あれ? ティルファが手を握ってくれた……コレってもしかして、脈アリ?




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5話なのですが、少々手直し入ってます!
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