俺の脳内選択肢が全力で修羅道に導いてくる   作:修羅

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前回のお話を少し書き換えています


第6話 迷宮の出会い(おっさん)

「ティルファ、あの子と絡むのはやめた方がいいよ」

 

 

 孤児院で私はいつもライヴァンと話している。だからこそ、友達にライヴァンと距離置くように言われることが多々ある。

 

 

 

 

「ライヴァンは怖いけど、放っておけないんだ」

「ええ? あんな訳わからないくらい走って、素振りしてるのに?」

「寂しそうなんだ」

 

 

 

 昨日、ライヴァンは少しだけ泣いていた。その涙の理由はわからないけど、なんだか放っておけない気がしたんだよね。

 

 

 

「……ティルファって面食い?」

「え?」

「ライヴァン顔はかっこいいじゃん。顔はいいからね」

「なんで2回言ったの?」

「大事なことだし。まぁ、でもあれね。ティルファも面食いだったか」

「いや、別にそう言うのじゃ」

 

 

 

 別にライヴァンの顔はそこまで意識をしている訳じゃない。確かに将来的にはイケメンになりそうだなと思わなくもないけども。

 

 

 

 

「でもライヴァンは毎日訓練とかし過ぎて怖くない? まぁ、でも偶に私もチラチラみてるけど」

「あ、みてたんだ」

「やっぱ顔がいいからね」

「顔が重要?」

 

 

 

 友達はどうにも顔が重要なようだ。まぁ、そういうのは個人の好き嫌いだろうからね。

 

 

 ただ、私がライヴァンを気になるのはそう言う意味じゃない。彼には何か感じるのだ。

 

 

 なんなのか知らないけど……

 

 

 

「また、訓練してる。あんなに走り込んで……」

 

 

 

 外を見ると彼は全力で孤児院を走り回っている。きっとまた、倒れて、起き上がってまた、倒れるんだろう。

 

 

 

「あ、水持っていってあげよ」

 

 

 

 

 

 

 

◾️◾️

 

 

 

 

 大会から3年が経過した。俺は8歳になったのである程度知識が増えていった。それに加えて体も出来上がってきた。

 

 

 

 ふふ、毎日の訓練に耐えているからな?

 

 

 

 ──選べ

『腹筋1000回』

『腹筋10000回』

 

 

 

 ふ、この程度なら問題ない。今ならば余裕なのだ。1000回? 10000回? おいおい、0が一個足りなくない?

 

 

 さて、1000回やっておこう。うげぇ、きつい……ごめん、全然余裕じゃない。きついきつい、もうやめたい!!

 

 

 

 ただ、最近訓練をしていて思うが少し強さが頭打ちになっているような気がする。感覚的なものだが、これではダメだろう。

 

 

 俺はもっと強くなりたい。さっさとクソみたいな選択肢を消さないといけないからな。恋人も欲しいし。

 

 

 はぁー、恋人欲しい。

 

 

 そんな訓練が続く毎日。そんなとある日だが、孤児院に置いてある本を眺めていた。

 

 恋人を作る方法とか載ってないかなと思っていたら……迷宮都市についての本を見つけた。

 

 

 

 帝国は広大な土地があるため、四つの州に分けられているらしい。アルバンス州、ベルバ州、ガンル州、デルザン州。

 

 

 その州の中の一部を貴族たちが統治しているらしい。さてさて、そんな州の中の一つ、ベルバ州。そこには迷宮都市コアと言われる場所があるらしい。

 

 ここでは世界最大の迷宮があり、なんでも無限に魔物が溢れるらしいのだ。

 

 

 

「強くなるためなら……迷宮都市コアに……」

 

 

 

 そんなタイトルの本を見つけてしまった。ほほう? なんだか強くなれそうな感じがするじゃないか。迷宮都市コア、行ってみる価値があるだろうか?

 

 

 

──選べ

『善は急げ今すぐ行こう』

『いや、落ち着け。コレも訓練にすべき、大量の重石をつけて走っていこう』

 

 

 

 

 あ、うん、今すぐいこう。ここからだと……走って何日なんだろう? この孤児院もベルバ州にあるとは聞いてるが。

 

 地図……はどこにあるのか知らん。よし、走っていくか。俺はすぐさま孤児院を飛び出した。しかし、その矢先、ママが立ち塞がった。

 

 

 

「あら、どこへ行こうと言うのです?」

「……迷宮都市コア」

 

 

 孤児院のママ、シスターとも言われている。俺はこの人が結構好きだ。前世では母親から愛情を感じたことなかったからね。この人はご飯作ってくれたり、他の子の面倒見たりしてくれてるからね。

 

 

「……はぁ、また勝手に……まぁ、好きにするといいでしょう。行くならば、コレを持って行きなさい」

「……わかった」

 

 

 ママは剣と手提げバックを俺に手渡した。ママ!!!! ありがとう!!!

 

 

「……でも、迷宮都市コアは」

 

 

 

 ママが何かを言いかけたようだったが俺はすぐさま駆け出した。さっさと選択肢が消えてくれたらありがたい……

 

 

 

 選択肢が消えたらお礼の品をいつか持ってくるぜ!!

 

 

 俺は【ママの剣】と【お金】を手に入れた!!!

 

 

 そこから俺は走った。場所はわからないんだったが、選択肢のおかげで方向がわかる。強制選択肢だからな、勝手にその方向に走ってしまうのだ。

 

 野を超えて、山を越えて、只管走り続けて……

 

 

 

「あった」

 

 

 

 強大な都市。田舎の孤児院とは全然違う大きな都市だ。大きな外壁に囲まれてて、門も大きい。

 

 

 さて、入るか。

 

 

 

「……」

「ん? 子供か?」

 

 

 

 門番に居るのはこの帝国の騎士だろう。俺を見て怪訝な顔をしている。

 

 

「どうしたガキんちょ」

「……入ります」

「……え? マジで? まぁ、ちょっと手荷物拝借、剣は下手に振り回すなよ……ふむ、あとは問題なさそうだな。ただ、分かってると思うが帝国の民は全員魔素が登録されてる。帝国民でない場合、犯罪者である場合はこの門の結界に弾き飛ばされるからな」

「……わかった」

 

 

 

 ふぅー、どうやら無事に入ることができたな。さっさく迷宮に行こう。迷宮には魔物がいて、魔石と呼ばれるのをドロップするらしい。それは結構高額で売られているのを見たことがある。

 

 

 もしかして、一攫千金も狙えるかもしれない!! 金あったらモテるだろ、顔もかっこいいし。

 

 

 

 

──選べ

『さっそく迷宮に向かう』

『一応、情報収集する』

 

 

 

 うん、これは珍しい? いつもなら真っ先に突撃して訓練をさせる選択肢が情報収集を提案するだと……?

 

 

 うーん。どっちが面倒なことにならないかな? 上の方がシンプルではあるけど。確かに俺はこの迷宮都市についてそこまでの情報を持っていない。

 

 

 一応、情報収集するか!

 

 

 

「騎士にでも聞くか……」

 

 

 

 今回の選択は自由が効くようだ。さて、この都市はそれなりに人がいるようだ。商人とか沢山いるのが見える。そりゃこれだけ大きい都市だとそうなるよね。

 

 

 

 えっと……コミュ障が情報収集をするとはかなり高難易度では!?

 

 

 まぁ、落ち着け。誰にしようか。帝国の騎士……帝国の騎士……あ。えっと、あれは……。

 

 

 猫背で哀愁が漂う背中の騎士を発見した。後ろ姿だけど多分、おっさんだろう。

 

 うん、あれくらい覇気がない方が聞きやすい。一般の人より騎士に聞いた方が情報も多く出るだろう。

 

 

 

 

 

「……あの」

「んあ?」

 

 

 

 

 白の騎士服、それに似合わぬヒゲの剃り残しが大量にあるおっさん。やる気がなさそうな感じがする。うん、俺は好きだ。こんな感じでも騎士になれると言うことがわかるからな!

 

 騎士ってもっとブランドあるのかと思ってたがそうでもないのかもしれない。

 

 

 

「迷宮はどこ、ですか」

「迷宮? ああ、あっちだが」

「どうも」

「待て待て。なんで迷宮の場所が知りたい?」

 

 

 

 おっと、おっさんが俺を呼び止めたぞ。もう情報はしれた。貴様は用済みだ!!! なんて、ことは言わない。

 

 

 

「修行……です」

「お前、まさか迷宮に潜ろうとか言わないよな?」

「いいえ」

「潜るつもりかよ! あのな、迷宮は帝国の管理下に置かれてて騎士でないと入れないんだ。具体的にはガルド帝国附属学校を卒業しないと無理なの。それくらいは知っておけ」

 

 

 

 ええ!? そうだったの!? 迷宮って誰でも入れるんじゃないの? しまった。前世のファンタジー知識だと全然入れる感じだったから……冒険者って自由なイメージだったのに。

 

 

 

「あのな、常識は持っておけよ。いくらでも使える。あと、偶に勘違いしてるやつがいるが迷宮で一攫千金を狙うとかも考えるなよ? 頑張っても迷宮の外に出たら魔石とかドロップアイテムは国が半分持っていく」

「……」

「一攫千金とかは御伽話とかだ。分かったらさっさと家に帰りな」

 

 

 

 

 おっさん……に常識を教えられてしまった。嘘でしょ。そんなのが世界常識だったのか……コレは帰るしかないのか? でも、ママになんて言おうか。

 

 

 迷宮に出ていくから剣とか貰ったのに……

 

 

──選べ

『こんなおっさんの言うことを信じるのも良くない。自分の目で確かめるべき』

『今日は帰ろう』

 

 

 

 むむ? 今日の選択肢は少しゆとりがあるぞ。確かにこんなおっさんの言うことを信じるのもおかしい。自分の目で確かめよう。

 

 

 

「待て待て。なんでお前俺がさっき指差した方に行く」

「迷宮」

「あのな、話聞いてたか? 入れないぞ」

「わからないです」

「いや、無理だって……」

「……」

 

 

 

 まぁ、確かめたら気が済むからさ。

 

 

「なんでそこまで迷宮に行きたいんだ? 無理だって言ってるのに」

 

 

 

──選べ

『世界で1番強くなるためにどうしても』

『迷宮で一攫千金を目指したいから、あとハーレムを作ってモテたい』

 

 

 

 おい、下のは俺の最初の目的だろ。でも、全部否定されたばっかりじゃないか! ここに夢はないみたいだろ!!

 

 

 上の選択肢だな。一応、世界で1番は不本意ながら目指してるのでね。

 

 

 

「世界で1番強くなるためにどうしても」

「……お前、馬鹿か? 世界で1番? マジで?」

「俺はなる、絶対に」

「……あ、お前。まさか……3年前の」

 

 

 

 

 

 さて、そろそろ迷宮に向かおうかね。これでダメだったらどうしましょうか。

 

 

 

「待て。分かった。それなら……俺が少し、手解きをしてやる」

「……」

「俺はルテス。歳は39」

「アラフォー、か」

「アラフォー? 何かは知らんが不本意な気がするからやめろ。このまま行っても入れないで終わる。お前の目的は果たせない、だから俺が少し剣を教えてやる」

 

 

 おっさんは俺に対してそう言ってきた。

 

 

「……」

「よし、俺について来い」

「……」

「おい待て、だから迷宮は入れないって!」

 

 

 うん、まぁ、取り敢えず、迷宮に本当に入れないのか自分の目で確かめるか。

 

 ごめん、選択肢が勝手に……

 

 

 




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冒頭でも、載せましたが前回のお話を少し書き換えてます
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